テルミーアイの料金や機能・優位点・導入手順を徹底解説【2025年最新版】

クリニックの「待ち時間」と「受付負荷」は、予約・問診・通知・表示・チェックインの設計次第で大きく変わります。本稿では、「テルミーアイ」を中心に、順番制/時間制の併用、WEB問診の再回答、LINE/SMS/メール通知、待合サイネージ、QR/診察券チェックインまでを“現場運用に当てる”手順を整理します。さらに「ORCA Project」との連携観点、厚労省「医療情報システム…第6.0版」準拠の確認ポイント、価格の4レイヤー分解と導入後30日で追うKPIまで、一枚絵で把握できるように解説します。

1. テルミーアイは“待ち時間×運用”を最短で整える総合予約基盤

本章では、クリニックの診療予約・WEB問診・予防接種予約を一体化できる「テルミーアイ」の全体像を、運用視点で端的に把握します。順番制と時間制を科目や曜日で柔軟に併用でき、LINE通知・サイネージ（待合の診療状況表示）・タッチ端末・診察券発行までワンストップで構成できる点が強みです。さらに、電子カルテやORCA（レセプトコンピュータ）との連携や、医療情報セキュリティ指針への準拠も確認できます。

次の表では、運用に直結する“核”の機能と典型用途を俯瞰します。
表の各行を読み解くことで、自院の課題（混雑・受付負荷・情報分散）に対し、どの機能をどう組み合わせるかの出発点が整理できます。

1-1. 本記事の読み方と到達点

この章では、読了時に「要件表」と「比較軸」が手元に残るよう、段階的に読み進めるガイドを示します。まずは課題を3類型に分解し、つぎに機能・連携・機器構成へ当て込み、最後に見積もりの前提を固めます。

次の表では、本記事の学習ゴールと必要アウトプットを対応づけています。
読みながら該当セルに自院の前提を追記すると、そのまま見積もり依頼の叩き台になります。

1-2. まず押さえる“比較観点”

ここでは、導入検討時に見落とされがちな比較観点を整理します。各観点は“患者体験（CX）”と“事務効率（EX）”の双方に影響するため、数値で測れるKPIとセットで確認します。

次の表では、主要観点とチェックの要点・代表KPI・参考ソースを対比しています。
表を用いることで、ベンダー比較やデモ時の質問がブレずに深掘りできます。

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2. 読者の課題を3類型に分解（混雑・受付負荷・情報分散）

本章では、診療所・クリニックで頻出する課題を3つに整理し、「テルミーアイ」での解決アプローチを運用目線で示します。混雑（待合の滞留）・受付負荷（電話/窓口の逼迫）・情報分散（予防接種/問診の管理難）を切り分けると、機能の当て込みが明確になります。

次の表では、3類型の原因と、運用で効く機能ブロックを対比しています。
表を読みながら、自院の該当列にチェックを入れると要件整理が進みます。

2-1. 混雑・待合ストレス

待合の“見えない待ち時間”は不満と問い合わせを増やします。対策は可視化（診療状況表示）とタイミング制御（LINE/SMS/メールの呼出通知）の二段構えです。呼出閾値（例：自分の順番の数番前）を患者ごとに設定できると、来院のタイミングが揃いすぎず滞留が抑制されます。

次の表では、可視化と通知の設計ポイントを整理します。
「まずは表示」「次に通知の粒度」という順で調整すると、現場の負担が少なく効果を出しやすいです。

診療状況表示ソフトと呼出通知の組み合わせは公式機能として提供され、LINE連携では患者が通知方法や呼出閾値を任意設定できます。これにより開封性と到達性を担保しつつ、「今向かう/まだ待つ」の判断を患者側で行える運用が可能です。

2-2. 電話・窓口の手詰まり

電話が集中する時間帯は登録ミスや待たせ時間を生みます。WEB予約を主導線にしつつ、院内タッチ端末を補助導線に置くことで、年齢層やデジタル習熟度に応じた“受け皿”を複線化できます。窓口では受付票の単票印刷で番号札と連携し、バックヤードの転記を削減します。

次の表では、受付分散の設計をチャネル別に比較します。
自院の患者層に合わせて主従を決めるのがポイントです。

上記はいずれも公式機能で、タッチ端末「タッチミーi」や専用プリンタによる受付票印刷、WEB予約の多様な受付仕様（順番制/時間制/当日/後日）が記載されています。LINE公式アカウントからの導線追加も可能で、リッチメニューから患者画面へ誘導できます。

2-3. 予防接種・問診情報の煩雑さ

予防接種は年齢・履歴・接種間隔など複数条件の突合せが不可欠で、手計算では誤接種リスクが残ります。自動判定機能付きの予防接種予約とWEB問診の事前回収で、医師・看護師・受付の作業を前倒しし、当日の滞留を抑えます。

次の表では、予防接種運用の“人手”と“システム”の役割分担を整理します。
システム側で機械的に判定できる項目を極力任せるのがポイントです。

3. テルミーアイの中核機能と“運用の当て方”

本章では、「テルミーアイ」の中核機能（予約・WEB問診・通知・チェックイン・診療状況表示）を、科目や来院ピークに応じてどう当て込むと効果が出るかを示します。機能の可用性は公式の「機能一覧」と「受付仕様」で公開され、予防接種の可否自動判定やLINE連携など詳細も確認できます。さらに、レセコンのORCA（レセプト電算処理システム）との連携は「ORCA Project」の公開情報と照合しながら設計します。

次の表では、5つの機能ブロックを“狙う指標”とともに要約します。表のKPIは、デモやPoCでの確認項目として活用してください。

3-1. 予約方式：順番制×時間制×当日/後日

予約方式は“混雑の波”と“患者属性”に合わせて切り替えます。一般に、混雑科目や季節要因の強い科目では順番制＋呼出通知、慢性期や定期フォロー中心の科目では時間制＋再来促進が相性良好です。テルミーアイは科目・曜日別に順番制と時間制を併用でき、当日受付と後日予約も並立運用できます。

次の表では、科目タイプ別の推奨パターンを示します。貴院の混雑パターンに合わせて当日/後日の配分を調整してください。

上記は公式機能の“併用自由度”に基づく一般指針です。実装前には、当日/後日の配分・直接来院の扱い・制限ルール（初診制限など）を管理画面要件に落とし込んでください。

3-2. WEB問診の設計と再回答フロー

WEB問診は、来院前の情報確定により受付・診察のリードタイムを短縮します。テルミーアイは問診テンプレの編集や再回答、院内タブレット回答などの運用が可能で、電子カルテ連携の前提にもできます。

次の表では、問診設計の要点を“使い方の深さ”で段階化しています。まずはレベル1から開始し、無理のない範囲でレベル2以降に拡張するのが現実的です。

なお、問診の必須化は入力率の向上に寄与しますが、高齢者対応として院内タブレットやタッチ端末からの起動を併設すると取りこぼしが減ります。

3-3. LINE/SMS/メールの呼出・リマインド

通知は到達率と既読が成果を左右します。日常利用の多いLINEと連携することで、呼出・受付完了・前日確認などのメッセージ到達率を高められます。テルミーアイは、患者側で呼出閾値（例：自分の順番の◯番前）や通知種別を選べるのが特徴です。

通知設計の比較表を示します。まずは“予約系はメールも併用、呼出はLINEを主”で開始し、未読/未到達の分析結果で配分を調整します。

LINE連携は、リッチメニューから患者画面へ遷移する導線設計も含めて提供され、導入スケジュール目安も公開されています（約2週間で開始と明記）。

3-4. チェックインと受付票印刷

チェックインは患者起点の自己完結が鍵です。テルミーアイはQR/診察券/テプラのいずれでも受付でき、受付票の単票印刷で番号札代替や視認性の高い案内が可能です。

導入時に決めるべきポイントを、入力デバイス別に整理します。転記削減と呼出の連動性を同時に満たす構成を選んでください。

テプラは低コストで受付の自動化を実現できるため、段階的な切替時のブリッジ手段として有効です。

3-5. 待合モニター（診療状況表示）

“いま何番か”“どれくらいで呼ばれるか”の可視化は、問い合わせや不満を大きく減らします。テルミーアイの診療状況表示ソフトは、現在の診療番号・待ち組数・お知らせテロップの表示に対応し、通知（LINE/SMS/メール）と合わせて運用することで待合の滞留を抑制します。

次の表は、表示設計の“初期設定”と“運用での微調整”をまとめたものです。まずは初期設定で十分な情報量を確保し、問い合わせ件数の推移に応じて粒度を最適化します。

なお、表示ソフトの有無にかかわらず、順番の呼出をLINEで周知するだけでも“到着の集中”を和らげられます。ピーク時（インフル・花粉期）ほど通知の価値が高まります。

4. 連携・セキュリティ・機器構成を“現実解”で設計

本章では、「テルミーアイ」の導入時に迷いやすい連携・通知・機器・セキュリティを一枚絵で捉えます。電子カルテやORCA（レセプトコンピュータ）、LINE連携、待合サイネージやタッチ端末、診察券発行までの構成を要件化できる粒度で整理します。あわせて、厚労省が示す「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版」に沿って、基本の確認ポイントを明確にします。

次の表は、設計全体の“どこを誰が決めるか”を示したものです。ここを決めておくとベンダー見積もりのブレが減ります。

4-1. 電子カルテ/ORCA連携の要点

連携は受付～会計～統計のどこでデータをつなぐかで要件が変わります。テルミーアイでは、受付情報をチェックイン連動させ、患者基本情報や予約情報を電子カルテ/ORCAに渡す構成が代表的です。ORCA（日医標準レセプト）は公開仕様と豊富な周辺連携を持ち、運用の標準化に寄与します。

次の表では、項目×方向×タイミングで連携設計を分解します。

現実解のコツは、初期段階で受付/予約→カルテ連携に絞り、運用が安定してから会計や統計連携へ拡張することです。これにより切替時のリスクを小さくできます（出典は上記公式公開情報の範囲に基づく構成例です）。

4-2. LINE連携・患者通知の設計指針

通知は到達率と即時性が要です。テルミーアイは、日常利用の多いLINEと連携し、呼出番号の閾値（例：自分の順番の◯番前）や通知種別を患者側が選べます。管理画面では送信履歴と配信結果を確認でき、導入は約2週間が目安です。

次の表は、運用テンプレと移行手順を対にして示します。まずはメール併用の安全運用から始め、配信実績を見ながらLINE比率を高めます。

注意点として、高齢層にはSMSを予備線として残し、電話番号のみ把握している患者にも確実に届く経路を確保してください。

4-3. 機器周辺（サイネージ/タッチ/診察券）

機器は“患者の動線”を自律させる装置です。テルミーアイは、待合の診療状況表示、院内タッチ端末タッチミーi、診察券自動発行カードマンⅣ-i、低コストのテプラ受付など、段階導入しやすい選択肢を用意しています。

次の表では、導入難易度×効果の観点で整理します。初期は“表示＋受付票印刷”、次に“タッチ端末”、最後に“診察券の刷新”がセオリーです。

現実解は、既存診察券を活かしつつテプラ受付で低コストに自動化→安定後にカードマンⅣ-iで磁気/リライトへ移行、の二段階です（すべて公式ページの記載範囲）。

4-4. セキュリティ・ガイドライン

医療情報は要配慮個人情報であり、クラウド運用でも院内の管理体制が結果を左右します。厚労省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版」では、委託先の管理、アクセス権限、ログ、インシデント対応などが体系化されています。テルミーアイ側の機能だけでなく、委託管理・運用規程・監査証跡を院内側で整備することが重要です。

次の表は、SaaS機能で担保することと院内運用で担保することを分離したチェックリストです。

ポイントは、通知や表示など“見える機能”ほど権限やログの設計抜けが起こりがちなことです。LINE連携でも、管理画面の送信履歴・配信結果を定期点検し、権限者だけが個別呼出を行えるようにしてください。

以上、連携・通知・機器・セキュリティを要件表の粒度で整理しました。実装は「受付/予約→カルテ連携→通知→機器→監査ログ」の順で段階導入すると安全です。

5. 導入ステップと費用の考え方（見積もり項目テンプレ付）

本章では、「テルミーアイ」の費用と導入工程を現実的な粒度で分解します。多くの比較サイトでは価格表示がなく要問い合わせのケースが一般的であるため、基本機能＋オプション＋機器＋保守の4レイヤーで見積もりを整理し、RFP（要件定義書）に落とし込むテンプレを提示します。

次の表では、4レイヤーの位置づけと、見積もりでブレやすい前提条件を一覧化しています。
表の各行に自院の前提（台数・回線・連携範囲など）を書き込むと、そのまま見積もり依頼の叩き台になります。

5-1. 見積もり分解：基本/オプション/機器/保守

ここでは、見積もりの“漏れ”を防ぐための項目テンプレを提示します。ポイントは連携と機器前提を最初に固定し、追加・削除に強い構成にすることです。電子カルテ/レセコンやORCA連携の有無は、少なくとも受付・チェックイン部分で合意しておきます。

次の表では、見積もり項目テンプレを4レイヤー別に展開しています。
右列の“記入例”を参考に、貴院の数字・仕様に書き換えてください。

注意点：LINE連携は導入スケジュール（約2週間）や配信結果の確認機能が明記されています。スケジュールに影響するため、院内の公式アカウント運用体制も合わせて要件化しておきましょう。

5-2. 導入プロセス：要件定義→設定→検証→切替

導入は段階設計で失敗率が下がります。まず現行運用（受付・問診・予防接種・呼出・会計周り）の棚卸しを行い、To-Be運用を図解してから設定に入ります。切替は科目/曜日単位の部分リリースから始めると安全です。セキュリティ・運用体制は厚労省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第6.0版 概要」に沿って、権限・監査・委託管理を文書化します。
“誰が何を決めて、何を作るか”を可視化することで、ベンダー見積もりのブレを抑えます。

院内説明資料のコツ

• 1枚目に“患者の見える変化”を図解（受付→呼出→会計の導線）
• 2枚目に“スタッフの操作差分”を一覧（どの画面で何を押すか）
• 3枚目に“もしも”時の連絡網（障害/通信断/端末故障）

これらは、ガイドラインの役割と責任の明確化の考え方とも整合します。

5-3. 成果指標：平均滞在/電話本数/未到達率

導入後30日は、患者体験（CX）と事務効率（EX）の両面KPIを追います。管理画面の配信履歴や受付ログ、ORCA/電子カルテの統計を組み合わせて数値で評価します。

次の表は、30日レビュー用のKPI設計表です。
「定義」「計測方法」「改善アクション」をワンセットで運用し、翌月の設定へ反映します。

• LINE連携は開封性の高さと配信結果の可視化が強み。未読が残る場合はSMSを予備線として維持します。
• 受付/会計の時刻差は、ORCAや電子カルテの統計機能と突き合わせると、混雑の“谷と山”が見えます。