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進化するソフトウェアテスト 人とAIのハイブリッドでソフトウェアの品質を支える

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さまざまな企業で積極的にDXが推進されている中、ソフトウェアの重要性も日々増している。次々と新しいソフトウェアが開発されているが、ソフトウェアが仕様書通りに動作するのかを確認するのは、開発したエンジニア自身でテストすることが多くなっている。そうしたソフトウェアテストを専門的ノウハウをもって支援するのがバルテスグループだ。品質向上のトータルサポート企業として、世の中のあらゆるものに組み込まれるソフトウェアの品質を守り、向上させることで、安心・安全な社会の実現に貢献しようとしている。同社の土方祥吾氏に聞いた。

アプリケーションの爆発的な広がりで重要性を増したソフトウェアテスト

ソフトウェアテストとは、自社で開発したソフトウェアが意図した通りに動作するか、すなわち仕様書に定められたとおりに機能するのかを評価・検証するプロセスだ。リリース後に問題が発生しないよう、バグや不具合を見つけ出して事前に修正する重要な工程となる。土方氏は、「この10年で、ソフトウェアテストを請け負うビジネスの市場は大きく伸びています」と現状を説明する。「20年以上前までは、まだソフトウェアテストを外部に委託するカルチャーはありませんでした。ところが、近年さまざまなアプリケーションが世の中に広がっていくことによって、ソフトウェアテストというメソッドの専門性がどんどん高まってきたのです」

バルテス・ホールディングス 執行役員 ソリューション事業推進管掌 兼ソリューション事業推進部 部長 土方 祥吾 氏

さらに、ソフトウェアテストの外注化が注目されている理由について、「年々エンジニアの人材確保が厳しくなっており、特にソフトウェア開発の上流側である、プロジェクトマネジメントに関わる人材を確保するのは大変です」と加えた。そうしたソフトウェアテストを提供するバルテスの強みは、ソフトウェア開発の全工程で、品質向上のためのサービスを提供できることだ。ソフトウェアを開発するには、要件定義から始まって基本設計、詳細設計、製造・単体テストなどの工程があるが、必要に応じてそれぞれの工程でテストを行う。そのためにバルテスでは、創業時からエンジニア人材の育成にこだわっている。「バルテスでは、エンジニア教育のフレームワークとメソッドを20年以上かけて構築してきました。われわれにとっては、社内のエンジニアのスキルがサービスの質を左右するので、徹底した教育を行っています。例えば、新卒社員やソフトウェアの開発経験なしに中途採用された社員は、入社して丸々2カ月は研修に入ります。そこで、ソフトウェアテストのやり方や実際の運用の仕方などを学びながらスキルをセットしていきます。そうやって、『QUINTEE』と呼ばれるバルテスメソッドをしっかり身に付けたエンジニアが、お客さまのソフトウェアを確実にテストします」(土方氏)

バルテスはその徹底した人材育成メソッドを外販する、「バルカレ」も提供している。企業にいるソフトウェア開発者や品質保証部門の担当者に、体系化された品質向上のノウハウを身に付けてもらう教育研修サービスで、ソフトウェア業界の中でもバルテスの高い専門性が認められている。「教育研修の新サービスとして2024年9月にリリースした『バルデミー』は、SIerやSES事業者さまからの引き合いも多く、ソフトウェア開発部隊や新入社員向けの研修のような形で提供しています。SIer さまから見ても、ソフトウェアテストに関しては、やはりバルテスの方が専門性の高いテストのスキルを身に付けることができると評価頂いています」(土方氏)

ソフトウェア開発の全工程におけるテストに対応している。

 

ソフトウェアの不具合による企業の信頼失墜や経済的損失を防ぐ脆弱性診断

一方で、土方氏は「企業がお客さまに提供しているサービスなどで何か問題が起きると、金銭的損失だけでなく社会的信用などにも大きな打撃を受けてしまいます」と、近年ソフトウェアの品質問題が持続的な企業経営にも大きな影響を与えるようになってきたことを指摘する。特に最近では、サプライチェーンにおけるセキュリティ対策の脆弱性に対する課題が指摘されており、「製造業などでは、上流の大手企業だけでなく下流の企業においても、脆弱性診断を行う必要性が高まってきました」と現状を説明する。

さらに最近は、ローコード・ノーコードによるソフトウェア開発が圧倒的に増え、一般企業が開発するソフトウェアの数も爆発的に増加している。こうした傾向に対しても、土方氏は「ローコード・ノーコードで作ったソフトウェアでも不具合は出ますし、最近だとAIによってコーディングされたソフトウェアも登場しています。そもそも期待通りのアウトプットが得られないこともあります。それを効率的、かつ網羅的にチェックするためには、社内にテストやセキュリティの脆弱性を診断する専門人材が必要で、そうした人材がいなければ第三者検証に頼るしかありません」と説明。こうした課題についても、ソフトウェアのセキュリティの脆弱性を診断するバルテスのソリューションが強みを発揮するという。「脆弱性診断については、業界標準の基準に準拠したフレームワークに則って診断を行います。その分野ではAIツールの活用も進んでいるのですが、まだまだAIだけでは対応できない脆弱性があります。そこもエンジニアのスキルに依存する部分なので、ツールと人のハイブリッドでソフトウェアテストを提供させていただきます」(土方氏)

さらに、バルテスでは診断した対象システムに対してサイバーリスク保険を付帯している。「脆弱性診断完了後から1年間は、サイバーセキュリティ事故が発生した際のインシデント対応費用として最大1000万円までの補償が受けられます。お客さまからも、ここまでやってくれたら安心という言葉といただきます」と語る。

AIの活用が当たり前になる時代に

ソフトウェアテストに関しては、AIに関わるサービスやプロダクトを強化していくことも、今後の事業戦略の1つになっているという。「バルテスの中期ビジョンとしては、ソフトウェアテスト市場の社会的価値を高める『バリューアッププラットフォーマー企業』になることです。そのためにも主業のソフトウェアテストから開発支援、ツール事業、セキュリティ事業、教育研修事業などあらゆるサービスにAIを積極的に活用していくことを進めています。例えば、バルテスにはこれまでに20年以上かけて年間3000件以上のソフトウェアテストを行ってきたことで、6万件から7万件のプロジェクト実績データが蓄積されています。機密性の高いテストデータを安心安全に使えるAIシステムを構築し、これらのデータをAIに学習させれば、AIが正確性や網羅性の高いテスト設計を行ってくれます」(土方氏)

また、セキュリティ事業においては、セキュリティのトータルサポート企業になるべく、今後は自社のサービスやプロダクトの強化だけでなく、サードパーティ製品の利用も含めたセキュリティコンサルタントとして展開することも、大きなテーマになっているという。「エンジニアのサービスで完結させる、いわゆる労働集約型のビジネスには限界が来ていると思っています。そうした中で、AIやプロダクトをしっかりと関連付けながら、お客さまにサービスを提供することが重要になってくるでしょう」と展望を語った。

 

バルテス・ホールディングス株式会社

バルテス・ホールディングス株式会社
https://www.valtes-hd.co.jp/

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