導入することになった背景

全国約28万台にのぼる自動販売機の設置契約に関わる書類は、すべて紙媒体で一元管理されており、その量は年々膨大になっていました。この管理体制は、二つの大きな経営課題を抱えていました。一つは、災害発生時に全ての契約書類を失いかねないという深刻な事業継続リスクです。もう一つは、日常業務における非効率性です。毎月4,000件近く発生する書類のファイリング作業や、営業所からの問い合わせの都度、倉庫へ赴き原本を探し出すという一連の作業が、担当部署に大きな負荷をかけていました。オフィスの移転計画が持ち上がったことで、この非効率な管理体制からの脱却と、事業継続リスクの早急な改善が不可避となり、契約書類の全面的な電子化を決断いたしました。

「快速サーチャーGX」を選んだ理由

選定にあたっては、単なるシステム導入に留まらず、短期間で大量の既存書類を電子化し、将来にわたって管理プロセス全体を任せられる包括的なBPOサービスであることが重要な要件でした。その中でインテック社の提案が選ばれた理由は、まず13万枚に及ぶ既存の契約書類を、半年という短納期で電子化できる豊富な実績とノウハウがあった点です。また、契約書類の電子化から最終的な破棄まで、文書のライフサイクル全体をBPOサービスとして提供できる総合力も高く評価しました。さらに、システム基盤として、現場担当者が使いやすく高速な検索性能を持つ「快速サーチャーGX」と、堅牢で拡張性の高いインフラを組み合わせることで、事業継続リスク対策と日々の業務効率化を両立できると判断いたしました。

製品の導入により改善した業務

導入後、契約書類の管理業務は抜本的に改善されました。最大の効果は、問い合わせ対応にかかる時間が一件あたり平均20分から2分へと約90%も短縮されたことです。担当者は自席から瞬時に目的の書類を検索できるようになったため、業務効率が飛躍的に向上しました。また、事業継続性の観点からも、契約書原本、電子データ、バックアップをそれぞれ別のデータセンターで管理する体制が構築され、災害時のリスクが大幅に低減されています。副次的な効果として、検索が容易になったことで担当者が契約内容を頻繁に確認するようになり、業務全体の精度向上にもつながっています。煩雑だった書類管理プロセスそのものがなくなり、担当者はより付加価値の高い業務に集中できる環境が整いました。