製品を導入することになった背景

一般社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC)は、楽曲の利用データを集計・分析するための効率的な方法を模索していました。デジタルトランスフォーメーションの一環として、膨大な量の楽曲利用データの管理と分析の効率化が必要でした。特に、音楽配信の変化によりデータ量が急増し、従来の方法では作業に多大な労力と時間がかかることが課題でした。このような状況を背景に、JASRACはデータ集計・分析基盤の強化を図ることを決定しました。

導入前に企業が抱えていた課題

JASRACは、楽曲の利用実績情報を基に著作物使用料を権利者に分配しており、特に音楽配信におけるデータ量の増加が課題となっていました。年間10億件を超えるデータのレコード数と、1億件以上の分配明細データを管理する必要があり、従来の手法ではデータの抽出から集計までに膨大な時間が必要でした。また、新しいサービス形態に対応するためのシミュレーション実施や、データの精度チェックなど、複雑な作業が求められる状況でした。

導入前の課題に対する解決策

これらの課題を解決するため、JASRACはウイングアークの「Dr.Sum」を導入することを選択しました。Dr.Sumは、膨大なデータを蓄積し高速に処理するプラットフォームとして、JASRACの要件に合致していました。また、Microsoft Excelからのデータ参照や集計・分析・作表が可能な「Datalizer for Excel」も導入の決め手となりました。セキュアなオンプレミス環境での稼働や、ライセンスコストの面でもニーズに適合していたことが、選定理由です。

製品の導入により改善した業務

Dr.Sumの導入により、JASRACはデータ分析を柔軟に、かつ迅速に行うことが可能となりました。データポータルの構築に成功し、役職員が独自の視点でデータを動的に参照できるようになり、レポートのペーパーレス化も実現しました。さらに、Dr.Sumで集計したデータを外部に公開することで、JASRACの運営の透明性が向上しました。今後は、データの民主化を進め、さらなるデータ活用の拡大を目指しています。