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【専門家監修】OKRツール比較13選|タイプ別の選び方と運用成功の4ステップ【2025年最新】

この記事で解説すること

世界のOKR(Objectives & Key Results)ソフトウェア市場は2024年に10億ドルを突破し、今後年平均成長率13〜15%で拡大すると予測されています。日本企業でもリモートワーク普及や戦略実行強化を背景に導入が進んでおり、本記事ではOKRツール13製品を目的別3タイプ別に紹介。代表的な機能や活用シーン、OKR運用を成功させるための4ステップを体系的に解説します。初めて導入する企業にも分かりやすい内容です。

「OKRツール」の製品比較表

※税込と表記されている場合を除き、全て税抜価格を記載しています

  • 製品名
  • 注目ポイント
  • 料金プラン
  • プラン名金額
  • 無料トライアル
  • 最低利用期間
  • 基本的な機能
    • 賞賛機能(Kudos)
    • OKRマップ(ツリー)
    • AIサポート
    • スマートフォン対応
    • 1on1支援・週次進捗報告
    • コンピテンシー(行動特性)評価
    • カスタマイズ可
    • OKRテンプレート
    • リアルタイムフィードバック
    • KPI管理(KPIボード)
    • MBO(目標管理)管理
    • 進捗管理ダッシュボード
    • 導入サポート
    • Microsoft Teams連携
    • 360度評価(多面評価)
    • タレントマネジメント連携
    • 国内メーカー
    • SNS型タイムライン
    • slack連携
    • カレンダー連携(Google / Outlook)
  • サービス資料
  • 無料ダウンロード
  • ソフト種別
  • サポート
人事データを一元化
初期費用 要相談
利用料金 要相談
備考
費用は、登録される社員数に応じて変動します。
制限なし
タレントパレット(人事評価・タレントマネジメント)の資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
戦略人事を加速させる
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
カオナビ(ワークフロー/OKR)の資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
スイートプラン 1,500円/ユーザー/月額
備考
スイートプランは人事施策が決まっており、運用していく中でツールとして、HiManagerを利用したい企業様に適切です。
コンサルティングプラン 2,000円/ユーザー/月額
備考
コンサルティングプランはOKRや1on1を実施したことがなく組織の風土や文化を変えていきたいと考えている企業様に適切です。
プレミアムプラン 3,000円/ユーザー/月額
備考
プレミアムプランはコンサルティングプランで実施する内容に加えて、評価制度を変えていきたい企業様に適切です。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
人事とOKRを一つに
無料トライアル 0円
備考
Businessプラン/Eliteプランを14日間無料で試すことができます。
Business $29
備考
◎ユーザー数:3~10名

◎機能
・タスク管理
・KPI管理
・部署OKRテンプレート
・Eメールサポート
Elite $59
備考
◎ユーザー数:
11~30名

◎機能
Businessプランの全機能に加えて、
・ワークプラン自動化
・従業員サーベイ
Enterprise 要問い合わせ
備考
◎ユーザー数:30名以上

◎機能
Eliteプランの全機能に加えて、
・採用管理
・カスタムレポート
・専任サポート
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
戦略と目標を一元管理
Free €0
備考
※最大5ユーザーまで

◎機能
・Strategy Maps
・OKR/KPI追跡
・Check-ins,
・1on1
・ Kudos(賞賛)
・基本的な連携(Slack, Teams, Google Sheets, Zapier)
Premium €6.40
備考
◎Freeプランの全機能に加え、
・Performance/Engagementダッシュボード
・SSO/SCIM
・APIアクセス
・Excel Online連携
・AIコーチ機能(一部)
Supreme €8
備考
◎機能
Premiumプランの全機能に加え、
・KPI Boards
・プライベート目標
・カスタムレポート/ダッシュボード
・Jira/Asana/Power BI連携
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
WAKUAS パフォーマンスプラン 初期設定量:100,000円
備考
月額利用料金
~50名 50,000円
51名~100名 1000円 / 人
101名~200名 900円 / 人
201名~300名 800円 / 人
301名~400名 700円 / 人
401名~500名 600円 / 人
501名~ 500円 / 人
WAKUAS 1on1プラン 初期設定料:50,000円
備考
月額利用料金
~50名 25,000円
51名~100名 500円 / 1人あたり
101名~200名 450円 / 1人あたり
201名~300名 400円 / 1人あたり
301名~400名 350円 / 1人あたり
401名~500名 300円 / 1人あたり
501名~ 250円 / 1人あたり
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
ビズリーチのタレマネ
初期費用 要相談
備考
問合わせ後にヒアリング
利用料金 要相談
なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
1on1プラン 700円/月額/1人
備考
1on1機能・データ分析/伴走支援・導入支援をご利用できます。
フルパッケージプラン 1,500円/月額/1人
備考
1on1プランの機能に加えて、目標管理機能・フィードバック(評価)機能をご利用できます。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
1~3人 無料
4人~ 要相談
備考
ユーザー数によって価格は変動いたします。
制限なし
クラウド型ソフト パッケージ型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
基本利用料金 30,000円~/月額
フィードバック機能 500円/ユーザー/月額
サークル機能 500円/ユーザー/月額
メッセージ機能 300円/ユーザー/月額
翻訳機能 300円/ユーザー/月額
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /

価格や製品機能など、見やすい一覧表から、気になる製品をまとめてチェック!

目次

組織の目標達成と従業員の成長を加速させる手法として「OKR」が注目されています。OKRの運用成功の鍵は、「目標の透明性」と「高頻度なコミュニケーション(CFR)」にありますが、これらを手動で管理するには限界があります。

この記事では、Excel管理の課題を解決し、OKR運用を組織に定着させる「OKRツール」を徹底解説します。おすすめツール13選を3つのタイプに分類し、機能や選び方の5つのポイント、さらには運用成功の4ステップまで、わかりやすくご紹介します。

一括でOKRツールを比較し、導入を検討したい方はこちら!30秒で比較表をご提供できます。
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1. OKRツールとは? 導入メリットとExcel管理の限界

本章では、まずOKRの基本的な概要と特徴を解説します。その上で、なぜ今OKRツールが導入されているのかという背景と、ツールがもたらす具体的なメリット(目標の可視化・工数削減・多様な働き方への対応)について詳しく見ていきましょう。

1-1.OKRの概要と特徴

OKR(Objectives & Key Results)は、「何を成し遂げるか(Objective)」と「その成果をどう測るか(Key Results)」を明確に設定し、定期的に振り返り・更新する目標管理のフレームワークです。
この手法が従来のMBO(Management by Objectives:目標による管理)やKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)管理と異なるのは、チャレンジングな目標設定を行い、組織全体で取り組むことが求められる点です。

具体的には以下のような特徴があります:

  • 会社・チームで目標を共有する
  • Objective(目標)は会社や部門などの組織単位で1つ定性的なものを設定する
  • Key Results(成果指標)は数値化が必要
  • 通常は3〜5個のKey Resultsを設定し、Objectiveに対する進捗を可視化する
  • 環境変化(VUCA*)に対応するため、目標サイクルは年間ではなく、半年から四半期(3ヶ月)のサイクルで設定されることが多い

*VUCA(ブーカ)…「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を取った略語。変化が激しく、先行きが予測困難で、複雑で曖昧な状況を表す。

こうした性格から、OKRは日々の業務タスクの延長ではなく、組織の戦略実行や変革を促す“運用型”の目標管理手法として注目されています。

1-2.OKRツールがもたらすメリット

前述の通り、OKRは優れた目標管理のフレームワークですが、現場の運用負荷が多いという課題もあります。それを解消するのがOKRツールです。

OKRツールの導入が会社にもたらすメリットは以下の3つです。

  1. 全社の目標連動性を可視化する
    全社/チーム/個人の目標を一元化し、「戦略から現場」まで目標の連動を図ることが可能です。例えば、経営目標と各チームの目標がどのように関連・貢献し合っているかを可視化することで、目的の共有・整合性(アライメント)が高まります。
  2. 運用負荷(工数)を大幅に削減する
    進捗更新、1on1(上司と部下の定期対話)支援、フィードバック機能など、運用上の負荷を軽減できる機能が備わっているため、ツールなしでの手作業運用に比べて非常に効率的です。
  3. リモートワークなど多様な働き方に対応する
    リモートワークやハイブリッドワークが一般化する中で、クラウド型ツールやスマートフォン対応機能を備えるOKRツールは、場所・時間を問わず運用を支えるインフラとなります。

ただし、ツールの効果をより高めるためには、運用定着・文化浸透・制度整備といった“人・仕組み”の側面も同時に整える必要があります。

平康 慶浩
セレクションアンドバリエーション株式会社/人事コンサルティングファーム代表取締役平康 慶浩
OKRの目的は「目標を管理すること」ではなく、「目的を共有し、挑戦を支援すること」です。Objectiveの定性的なメッセージと、Key Resultsの定量的な指標が噛み合ってこそ、組織が成長します。ツールはこの整合性を維持し、組織が自ら振り返るサイクルを高速で回すのに有効です。

1-3.OKRツールを導入する企業が増えている背景

なぜ今、OKRツールを導入する企業が増えているのでしょうか?

じつは世界的には目標管理ソフトウェア市場の中でも、いわゆる「OKR(Objectives & Key Results)ソフトウェア」市場が急速に拡大しています。例えば、市場調査会社によれば、2024年時点で既に約10億ドルを超えており、今後数年間で年平均成長率(CAGR)13%〜15%で成長するとの予測もあります。
(参考:verifiedmarketresearch.com)

日本国内でも、リモート・ハイブリッドワークの浸透、DXの推進を理由に、OKRを業績管理のフレームワークとして採用しつつありますが、現場の運用は「Microsoft Excel」や「Google スプレッドシート」によるものにとどまっています。このような手動管理では、「運用負荷」「見える化の不足」など理由から、最終的に目標そのものが「形骸化」してしまう(運用されなくなる)事態を招きがちです。

そこで、戦略と現場をつなぐ解決策としてOKRツールが注目されています。

平康 慶浩
セレクションアンドバリエーション株式会社/人事コンサルティングファーム代表取締役平康 慶浩
OKRはVUCA*の時代に企業の急成長を促す評価制度として注目されていますが、MBOなどの評価制度と比較すると運用負荷がかかります。そこで、OKRの運用を補助するITツールの導入によって、効率的に制度を運用する企業が増えています。

*VUCA(ブーカ)…「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を取った略語。変化が激しく、先行きが予測困難で、複雑で曖昧な状況を表す。
okr-tools-compare

OKRツールの比較表を表示する

2. ツール導入だけではNG!OKR運用を成功させる4ステップ

ツールはあくまで支援道具です。OKR運用を成功させ、組織に定着させるためには、適切なプロセスを踏むことが重要です。導入後に形骸化させないための4ステップを紹介します。

  1. 全社業績目標を明確化する
  2. 全社共通のObjectを、下位のKeyResultまで落とし込む
  3. 全社目標とチーム目標のアライメント(連携)を図る
  4. 運用のためのコミュニケーションプロセスを定める

それぞれ詳しく解説します。

step1:全社業績目標を明確化する

全社の業績目標を明確に設定することは、 OKR 運用において最も基礎となるステップです。例えば、社員全員がアクセス可能な共有フォルダやツール上に「売上〇〇億円」「顧客満足度〇%以上」といった定量指標を提示し、経営陣がその背景(市場環境・競合状況・これまでの実績)をレポート形式で表明することで、組織の方向性に対する共通認識が醸成されやすくなります。

グラフィカルなイメージに落とし込む

OKR設定では、企業・部門・個人それぞれが密接に関連し合った、適切な目標と成果指標を設定することが大切です。そのためには、個人としてではなくチーム・部門、さらに企業全体が一丸で目標に向かうという意識が欠かせません。まずは事前に目標を「見える化」しておくことが重要です。この場合の目標の見える化とは、文章形式で表現することではありません。図表や色分けなどグラフィカルな形で「可視化」すると、「何をすべきか」「何が足りないか」を明確化でき、認識や理解を深めることができます。

step2:全社共通のObjectを、下位のKeyResultまで落とし込む

全社目標を明確化したら、次に部門・部署レベルのObjective(O)を具体化し、それに紐づくKey Result(KR)を設定します。インタビューやヒアリングを通じて「部門売上を前期比20%増」「新規顧客接触回数を月300回」など定量化可能なKey Result(KR)を3〜5件程度設けましょう。なお、 OKR の運用で注意すべき点として、KRの数が多すぎると効果が減退するため、3~5件が適切と言われています。

OKRの最大の特徴は、あえて高い「ストレッチゴール(野心的な目標)」を設定することにあります。これは、従業員やチームの潜在能力を最大限に引き出すための仕掛けです。だからこそ、OKRでは達成率が60%〜70%でも「成功」とみなされます。

目標設定の時のポイントは以下の3つです。

  • 「この機能を追加する」など具体的な到達点や状態を示す
  • 達成したらワクワクするような魅力的な目標を設定する
  • 会社や他のチームの目標との整合性がある目標を定める

step3:全社目標とチーム目標のアライメント(連携)を図る

部門レベルまで落とし込んだObjective・Key Resultを、さらにチーム→個人へと展開することにより、前線の現場メンバーが「自分が何をすれば全社目標に貢献できるか」を実感できます。具体的には、部門のKRと紐づける(カスケードする)だけでなく、全社Oに直接貢献するようなチーム独自のO(ボトムアップの目標)を設定することも重要です。このトップダウンとボトムアップの目標をすり合わせ、連携させるプロセス(アライメント)が、組織の自発性を促します。

step4:運用のためのコミュニケーションプロセスを定める

設定したツリー構造を実際に運用に乗せるためには、定期的な「チェック」「レビュー」「フィードバック」のコミュニケーションプロセスをきちんと設けることが不可欠です。たとえば、週次でチームリーダーが進捗を報告し、月次で部門長と振り返りを行い、四半期末には成果と課題を全社共有する場を設ける、といった仕組みが有効です。

定期的にフィードバックを行う

ここで重要なのが、コミュニケーションのフレームワークの「CFR」(Conversation=対話、Feedback=フィードバック、Recognition=承認)です。

  • C(対話): 上司と部下が1on1ミーティングで、目標達成の障害(ブロック)になっていることを話し合い、解決策を一緒に考えます。
  • F(フィードバック): 進捗や成果に対し、リアルタイムに具体的なフィードバックを送ります。
  • R(承認): 目標に向けた努力や貢献、小さな成功を具体的に褒め、承認します。

これらを高頻度(理想は週次)で回すことで、目標は形骸化せず、「生きた目標」として機能し続けます。特に、厳密なツリー構造に縛られず、現場の自発的な目標(ボトムアップ)と全社目標(トップダウン)のアライメントを図る運用では、このCFRこそが、両者の『スイートスポット』を探るための最も重要なプロセスとなります。

平康 慶浩
セレクションアンドバリエーション株式会社/人事コンサルティングファーム代表取締役平康 慶浩
OKR運用のポイントは、全社の業績目標を明確にすることから始まります。ボトムアップではなくトップダウンの仕組みをコミュニケーションで徹底することこそがOKRのメリットです。そのため「対話的な運用」をあらかじめ準備する必要があります。ツール導入に際しては、経営層が一丸となって、どんな業績目標を設定するべきか、しっかり定めておきましょう。

3. OKRツールの代表的な機能5選

OKRツールには、OKRの継続的な運用をサポートしてくれるさまざまな機能が搭載されています。本章では、OKRツールの代表的な機能5つを解説します。

  1. 目標の「関連性」を可視化する機能(OKRマップ)
  2. 進捗管理機能
  3. コミュニケーション履歴の記録管理機能
  4. 外部ツールとの連携機能
  5. テンプレート機能

また、最近ではAI(人工知能)を活用し、目標設定のサジェストや1on1の分析を支援する機能も登場しており、一部ツールで搭載が進んでいます。

3-1. OKRマップの作成機能

OKRツールの主要な機能が、目標の『関連性』を可視化する機能(OKRマップ)です。これは、全社目標と各チーム・個人の目標が、どのように貢献し合っているか(アライメント)を一目で把握するためのものです。必ずしも厳密な階層構造(ツリー)であるとは限らず、部門を越境した連携や、全社Oに直接紐づくボトムアップの目標も含めて可視化します。

3-2. 進捗管理機能

「進捗管理機能」は、作成したOKRのうち「KR(成果指標)」の進捗状況を管理し、最新情報をリアルタイムで共有するための機能です。計画作成と行動管理、それぞれの社員のタスクの順位付けやリソース配分の可視化など、OKR達成のために重要な準備作業をサポートしてくれます。すべての情報を一元管理できるので、進捗管理を効率化できます。従業員もその都度報告する必要がなくなり、手間が省けます。

3-3. コミュニケーション履歴の記録管理機能

「議事録の記録管理機能」は、OKRの達成に向けて会議内容の一元的な記録管理や、情報の整理などを行うための機能です。OKR達成に向けて、従業員と上司は定期ミーティングをする必要があります。OKRツールにはその会議や1on1の記録をまとめ、一元化する機能があります。アジェンダや日程の設定、ログ蓄積などさまざまな機能が備わっているため、OKR運用時のコミュニケーションを議事録として正確に記録・管理できます。デジタルデータとして保管できるため、今後のノウハウ蓄積にも役立ちます。

3-4. 外部ツールとの連携機能

OKRツールに搭載されている「外部ツールとの連携機能」により、ChatworkやSlack、Teamsなどの外部ツールとの連携も簡単に行えます。OKRツールと外部ツールを連携させると、OKRの進捗状況の管理や重要事項の報告などが簡単にできるので便利です。

3-5. テンプレート機能

OKRの目標設定や、実施には多くのサポートが必要です。いくつかのOKRツールには、業種や業界ごとのテンプレートを用いて、OKR作成をサポートする機能が付いています。初めて、OKRを導入しようと考えている方は、Excelなどの普段使ったことのあるUI/UXが用いられているかを確認しましょう。

平康 慶浩
セレクションアンドバリエーション株式会社/人事コンサルティングファーム取締役平康 慶浩
OKRツールは多機能であるほど良いわけではありません。むしろ、自社の運用思想とマッチする設計・支援体制があるかが重要です。特に成長企業では、人事担当が設定されていない場合も多く、現場が自走できる仕組みを育てるサポートが欠かせません。ツール選定の際は、単なる導入支援だけでなく、運用定着を支援する伴走支援の有無を確認すると良いでしょう。

okr-tools-compare

OKRツールの比較表を表示する

4. 【最重要】失敗しないOKRツールの選び方6選

数あるツールから自社に最適なものを選ぶには、機能の多さより「自社の目的とフェーズに合っているか」が重要です。導入後に「使われない」事態を避けるための必須チェックポイントを解説します。

  1. 自社に合うOKR管理体制が構築できるか
  2. 誰でも使えるシンプルな操作性(UI)か
  3. テンプレートやカスタマイズ性は充実しているか
  4. ほかの業務システムやツールと連携できるか
  5. OKR導入と運営サポートが充実しているか
  6. ベンダーに人事評価制度についての知識があるか

4-1. 自社に合うOKR管理体制が構築できるか

OKRツールの選定時にまず意識したいのは、自社の導入目的との整合性です。自社とマッチするOKR管理体制を構築できなければ、OKRの導入効果は十分に得られません。「社内に定着させたい」「人事評価制度を組み合わせたい」「運用効率を高めたい」など、自社が抱えている課題を洗い出してみましょう

ただ、多機能な製品を選べばいいわけではありません。多機能なツールはそれだけコストも高いので、コストパフォーマンスを高めるためには、余分な機能がないツールをピンポイントで選ぶことが重要です。

次の表で、主な導入目的と、それぞれ優先すべき機能、選ぶべきツールの「タイプ」を整理します。

導入目的(自社の課題) 優先すべき機能 該当するツールタイプ
OKRの運用をまず定着させたい OKRマップ、進捗管理、シンプルなUI OKR特化タイプ
人事評価や人材DBと一元管理したい 人材DB連携、MBO/360度評価との併用機能 人事評価統合タイプ
1on1やCFRを活性化させたい 1on1アジェンダ、フィードバック、賞賛機能 マネジメント支援タイプ

4-2. 誰でも使えるシンプルな操作性(UI)か

OKRツールは、人事担当者だけでなく全従業員が日常的に使うものです。そのため、多機能さよりも「現場の誰もが直感的に使えるシンプルな操作性(UI)」が最も重要になります。マニュアルを読まなくても進捗入力ができたり、ダッシュボードで状況がひと目でわかったりするツールを選びましょう。

特に、CFR(対話・フィードバック)を活性化させるには、「Slack」や「Microsoft Teams」といった日常のチャットツールとの連携やスマートフォン対応の有無、1on1支援機能も、使いやすさを左右する大きなポイントです。

最後に、国産のソフトか、海外産のソフトかも着目しましょう。海外ツールを導入した結果、「日本語の翻訳に違和感があり使いづらさを感じた」という声もあります。

4-3. テンプレートやカスタマイズ性は充実しているか

OKRツールは、カスタマイズ性の高さも重要な要素です。OKRのポイントは、企業の目標を従業員が意識して、それぞれの実務に落とし込んで目標を設定することです。しかし実際に何を目標と指標にするかは、各企業の経営方針や業務内容によって大きく異なります。そのため、決まり切ったパターンしか設定できないツールは、実用性が低いです。ツールの項目変更機能があるのか、契約前に確認することが重要です。カスタマイズしてから価格が決まる製品もあるので、確認しましょう。

柔軟なOKRを設定するためには、OKRシートを自由にカスタマイズできることが重要です。ただし、OKRシート自体を作るのは大変な作業なので、あらかじめニーズに合ったテンプレートがある製品を選ぶことをおススメします。導入コストは少し高くなるかもしれませんが、カスタマイズ性は重要な要素なので意識して選びたいところです。

4-4. ほかの業務システムやツールと連携できるか

ChatworkやSlack、Teamsなどの普段業務で使用しているコミュニケーションツールとの連携も重要なポイントです。それらのツールと連携できるOKRツールを選ぶことも大切です。外部ツールを連携できれば、コミュニケーションが円滑に行えるため、各従業員のOKR管理や進捗も効率的になります。たとえば、OKRの目標進捗を更新した段階で、その報告がコラボレーションツールのオープンチャンネルに流れる仕組みがあると便利です。

またeラーニングツールとの連携ができる製品もあります。従業員の学習に進捗があった際に通知が届くため、従業員がその都度報告し、上司が確認する手間を省けます。eラーニングとの連携をしたい際は、タレントマネジメントの機能とOKRの機能がついているOKRツールを導入しましょう。

そのほかにもCSVでのダウンロードが可能か、という点も重要です。データの二次利用として重宝します。

4-5. OKR導入と運営サポートが充実しているか

OKRツールの導入を成功させるには、機能そのものよりも「ベンダーによるサポート体制の充実度」が極めて重要です。

なぜなら、高機能なツールを契約しても、自社の経営方針や業務内容に合わせてOKRシートを柔軟にカスタマイズできなければ実用性が低くなってしまうからです。特に「Excelからの移行が不安」「社内にOKR運用のノウハウがない」という場合は、ベンダーのサポートが不可欠です。

具体的には、以下の2つの側面からサポート体制を確認することをおすすめします。

  1. システム導入・設定のサポート
    「初期設定を代行してくれるか」「操作方法の問い合わせ窓口(チャットや電話)は充実しているか」といった、ツールを使いこなすための技術的な支援です。
  2. OKR運用・定着のサポート
    「検討段階から課題をヒアリングしてくれるか」「OKR自体の教育支援があるか」「導入後も専任担当者(カスタマーサクセス)が運用定着に伴走してくれるか」といった、制度そのものを組織に根付かせるためのコンサルティング的な支援です。

OKRツールの導入効果を最大化するためには、これら「システムの設定」と「制度の運用」の両面で、自社の課題に寄り添ってくれるベンダーを選ぶことが成功の鍵となります。

4-6. ベンダーに人事評価制度についての知識があるか

OKRツールを提供しているベンダーが、人事評価制度について詳しいかどうかも選定基準となります。OKRはもちろん、そのほかの人事評価軸について専門的な支援を得られた方が望ましいためです。ツールの導入だけで終わるのではなく、その後の運用に関して、目標設定の方法や評価後の報償への反映など、アドバイスをもらえるとよいでしょう。

OKRをほかの人事評価軸と組み合わせることで、従来より多角的で正確な人事評価が行いやすくなります。そのため、MBOやKPI、360度評価やコンピテンシーなど、複数の人事評価制度と併用できる製品を選ぶことも、選択肢の一つとなりえます。

平康 慶浩
セレクションアンドバリエーション株式会社/人事コンサルティングファーム代表取締役平康 慶浩
設定した目標は面談時だけでなく、日常業務から意識することで重要です。チャットツールや進捗管理システムとの連携があれば、OKRが「報告義務」ではなく「自然な会話の延長」として定着します。業務データや学習履歴が自動で反映され、メンバーが自分の成長を実感できる環境を作りだすことが理想的です。

5. OKRツールの主要3タイプの特徴と機能を解説

OKRツールは、機能や強みに応じて大きく3つのタイプに分類できます。自社が「何を最優先で解決したいか」を軸に、どのタイプが最適かを見極めましょう。

  1. 人事評価統合タイプ
  2. OKR特化タイプ
  3. マネジメント支援タイプ

タイプ①:人事評価統合タイプ(タレントマネジメントと一元管理)

これは、OKR管理機能が、既存の「人事評価システム」やタレントマネジメント(従業員のスキルや経歴を一元管理し、配置や育成に活かす仕組み)の機能の一つとして組み込まれているタイプです。

特徴:

  • 評価制度との連携: OKRの進捗やプロセスを参考にしつつ、MBOや360度評価といった既存の人事評価制度を同一システム上で運用・管理できます。
  • 人材情報との紐づく:従業員のスキル、経歴、過去の評価といった「人材データベース(人材DB)」とOKRが紐づくため、目標達成度だけでなく「誰がどのような挑戦をしているか」を人材配置や育成計画に活かせます。
  • 多機能性:OKR以外の人事機能(評価ワークフロー、サーベイ、人材分析など)も豊富に備えています。

すでにMBOなどの評価制度が確立しており、それにOKRを組み合わせて「戦略人事」を実現したい中堅〜大企業に最適です。

人事評価統合タイプ 概要
主な機能 OKR管理、MBO/360度評価連携、人材データベース、評価ワークフロー
メリット 人事評価や人材DBとOKRをシームレスに一元管理できる。全社的な人材戦略に活用可能
デメリット 機能が豊富な分、設定が複雑になったり、導入コストが高くなる傾向がある

タイプ②:OKR特化タイプ(OKRの運用定着を最優先)

これは、OKRの策定、進捗管理、レビューといった基本運用に特化したタイプです。「まずはOKRの正しいサイクルを組織に定着させたい」「Excel管理から脱却して、シンプルに運用を軌道に乗せたい」という企業に適しています。

特徴:

  • シンプルな機能:OKRマップのツリー化や進捗の可視化、1on1の簡単なメモ機能など、OKR運用に必須の機能に絞り込まれています。
  • 導入の容易さ:機能がシンプルな分、操作が直感的でわかりやすく、現場の従業員が使いこなすまでの時間が短い傾向にあります。
  • 低コスト傾向:他のタイプに比べ、比較的安価に導入できる製品が多いのも特徴です。

スタートアップやベンチャー企業、またはスモールスタートでOKRを試したい中小企業にとって、最初の選択肢となるタイプです。

OKR特化タイプ 概要
主な機能 OKRマップ(ツリー)作成、進捗管理、ダッシュボード、シンプルな1on1記録
メリット 操作が直感的で、現場に浸透させやすい。比較的低コストで導入可能
デメリット 人事評価(MBOなど)や人材データベースとの厳密な連携機能は弱い場合がある

タイプ③:マネジメント支援タイプ(1on1やCFRを重視)

これは、OKRを単なる「管理」の道具ではなく、日々の「コミュニケーション」や「マネジメント」を活性化させるためのツールとして位置づけるタイプです。

特徴:

  • CFR機能の充実:OKRの進捗確認(チェックイン)だけでなく、CFR(対話・フィードバック・承認)のサイクルを回すための機能が充実しています。
  • 1on1支援:1on1のアジェンダ設定、過去の対話履歴の参照、ネクストアクションの管理など、上司と部下の「対話の質」を高める機能に強みがあります。
  • エンゲージメント向上:日報と連携したり、成果に対して「いいね!」や「賞賛バッジ」を送り合ったりするなど、従業員のエンゲージメントを高める仕掛けが組み込まれています。

「OKR導入を機に、1on1の質を高めたい」「マネージャーの育成につなげたい」といった、組織文化の醸成やパフォーマンス向上を重視する企業に向いています。

マネジメント支援タイプ 概要
主な機能 OKR管理、高機能な1on1支援、CFR(フィードバック、賞賛)機能、日報連携
メリット OKRを軸にした高頻度なコミュニケーションが活性化し、エンゲージメント向上に繋がる
デメリット 「管理」よりも「コミュニケーション」に主眼が置かれている場合がある

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おすすめOKRツール【人事評価統合タイプ】4選

ここからは、前述した3つのタイプに沿って、おすすめの製品を紹介していきます。
このタイプは、OKRを人事評価(MBOなど)やタレントマネジメント(人材DB)と連携させ、戦略人事として一元管理したい企業向けのツールです。中堅〜大企業に多く選ばれています。

カオナビ|圧倒的な知名度。顔写真で人材を一元管理

カオナビ」は、株式会社カオナビが提供する、人材管理システム市場で高いシェアを誇るタレントマネジメントシステムです。テレビCMなどでも知られ、圧倒的な知名度と導入実績が特徴です。

最大の強みは、顔写真が並ぶ直感的なインターフェースで、従業員のスキル、経歴、評価、個性といったあらゆる人材情報を一元管理できる点にあります。

OKRだけではなくMBO、360度評価など様々な評価シートのテンプレートが用意されており、自社の制度に合わせた柔軟に運用開始できます。そのため、「OKRは導入したいが、既存のMBO評価も継続したい」といった中堅〜大企業特有のニーズに最適です。

項目 カオナビ
強み・特徴 ・顔写真で人材情報を直感的に管理
・OKRとMBOなど複数の評価制度を柔軟に併用・管理できる
・圧倒的な導入実績と知名度
料金プラン例 要問い合わせ(利用機能や従業員数に応じた見積もり)
無料トライアル あり(デモ体験、資料ダウンロード

タレントパレット|マーケティング思考の「科学的人事」を実現

タレントパレットは、株式会社プラスアルファ・コンサルティングが提供するタレントマネジメントシステムです。人材採用から育成、配置、評価、離職防止まで、人事領域のあらゆるデータを一元化・分析することに強みを持ちます。

最大の特徴は、「マーケティング思考を取り入れた科学的人事」をコンセプトに、蓄積した人事ビッグデータを多角的に分析できる点です。

OKR管理機能も搭載しており、組織の目標をツリー構造で設定・管理できるほか、MBOや360度評価など自社に合わせた柔軟な評価シートを作成可能です。評価結果やOKRの進捗と、従業員のスキル、サーベイ結果、勤怠データなどを掛け合わせることで、より精度の高い人材活用や離職防止策の検討に繋げられます。

項目 タレントパレット
強み・特徴 ・「科学的人事」を支援する高度なデータ分析機能
・OKRを含むあらゆる人事データを一元化し、相関分析が可能
・離職防止や人材発掘にも強み
料金プラン例 要問い合わせ(従業員数に応じた見積もり)
無料トライアル あり(デモ体験、資料ダウンロード

HRMOSタレントマネジメント|ビズリーチが提供、人材活用に強み

HRMOSタレントマネジメントは、株式会社ビズリーチが提供する人材活用クラウドです。「従業員データベース」を中核に、採用から配置、育成、評価までを一気通貫で支援します。従業員の経験やスキル、評価履歴を蓄積したデータベースと連携し、OKRやMBO、コンピテンシー(行動特性)評価など、役割や役職に応じた柔軟な目標・評価設定が可能です。

1on1支援機能も充実しており、Googleカレンダーなどと連携して面談記録を目標と紐づけて蓄積できます。単なる評価管理に留まらず、蓄積したデータを活用して「人材の有効活用」や「適材適所」の配置を実現したい企業に適しています。

項目 HRMOSタレントマネジメント
強み・特徴 ・ビズリーチの運用ノウハウがベース
・人材DBを軸にした採用から育成・評価までの一元管理
・柔軟な評価シート設定と1on1支援機能の連携
料金プラン例 要問い合わせ
無料トライアル あり(14日間トライアル、資料ダウンロード

BizForecast HR|Excelライクな操作性で評価を効率化

BizForecast HRは、株式会社プライマルが提供する人事評価システムです。もともと管理会計や予算編成の分野で強みを持つ「BizForecast」シリーズのHR版となります。 最大の特徴は、Excelのような柔軟なシート設計と操作性をWebブラウザ上で実現している点です。

現在Excelで運用している複雑な評価シートやワークフローを、そのままシステムに移行したい場合に高い親和性を発揮します。 OKR専用というよりは、MBOやコンピテンシー評価など、企業独自の人事評価制度を効率的に運用するためのシステムであり、その中でOKRのフォーマットも構築・運用できるという位置づけです。

項目 BizForecast HR
強み・特徴 ・Excelのような高い自由度での評価シート設計
・既存のExcel評価制度からの移行がスムーズ
・複雑な承認フローや集計作業の効率化
料金プラン例 ・Stanndard:300円 ⁄ 月額(年払いのみ)
・Enterprise:要問い合わせ
無料トライアル あり(デモ体験、資料ダウンロード

おすすめOKRツール【OKRに特化】3

次は、OKRの正しい運用と組織への浸透を最優先に設計されたツールです。
スタートアップや、初めてOKRを本格導入する企業におすすめです。

Corvisio(コルビジオ)|無料プランから始めるシンプルなOKR管理

Corvisio」は、Corvisioが提供するOKRツールです。従業員情報の管理、組織図の構築、キャリアプランの策定、採用プロセスまで、人事関連のタスクを自動化し、時間を節約することを目的としています。

特に、OKRの設定と追跡機能を通じて従業員の潜在能力を引き出し、パフォーマンス測定と連動させることで、組織の成長を支援します。直感的なインターフェースが特徴で、人事管理の経験が浅い担当者でも迅速に操作を習得し、50カ国以上、2,000社以上の導入実績が示す通り、多くの企業で活用が進んでいます。

Businessプラン/Eliteプランを14日間無料で試すことができますので、コストをかけずにUI/UXや機能の確認を行うことができます。

項目 Corvisio
強み・特徴 ・人事関連のタスクを自動化
・OKRの設定と追跡機能
・直感的なインターフェース
料金プラン例 ・Business:$29(3~10名)
・Elite:$59(11~30名)
・Enterprise:要問い合わせ(30名以上)
無料トライアル あり

Weekdone(ウィークダン)|週次報告と連動したシンプルな運用

Weekdoneは、エストニア発のOKRソフトウェアで、特に「週次の進捗報告(ウィークリーチェックイン)」とOKRを強力に連携させている点が特徴です。 従業員は週末に「今週達成したこと」「来週の計画」「直面している課題」をシンプルなフォーマットで報告し、マネージャーはそれを基にフィードバックを行います。この週次サイクルが、OKRの進捗確認とCFR(対話・フィードバック)を自然な形で定着させます。

機能はOKRの基本(ツリー化、進捗管理)と週次報告に絞られており、非常にシンプルです。グローバルで多くの企業に利用されており、小規模チーム(3名以下)であれば無料で利用できます。

項目 Weekdone
強み・特徴 ・週次報告のサイクルとOKRを強力に連携
・シンプルで分かりやすいUI
・グローバルでの豊富な導入実績
料金プラン例 ・1~3名:無料
・4~10名:月額108ドル
・11~15名:月額162ドル
ユーザー課金制(500名以上にも対応)
無料トライアル 無料プランあり

Perdoo(パードゥー)|シンプルで直感的なUIが特徴の海外製ツール

Perdooは、Perdoo GmbHが提供する、シンプルさと分かりやすさを強みとするOKRツールです。

多くの企業で形骸化しがちな戦略を、現場のOKRやKPIと連動させることを目的としています。日々の業務がどの戦略に貢献しているかを常に把握できるように設計されています。これにより、企業戦略を現場に浸透させ、組織全体の実行速度とアライメント(連携)を加速させます。OKRとKPIの両方を同等に扱う優れた目標管理機能と、1on1やパフォーマンスレビューを組み合わせ、組織の成長をドライブする環境を構築します。

ただし、本格的な運用を考えた場合、有料プランの管理画面やサポートは英語が中心となる可能性が高いため、その点は注意が必要です。

項目 Perdoo
強み・特徴 ・シンプルで直感的な操作性
・OKRやKPIと連携
・チャットツールとの連携
料金プラン ・Free(5名まで):0ドル
・Premium:€6.40/月額
・Supreme:€8/月額
無料トライアル 無料プランあり

おすすめOKRツール【マネジメント支援タイプ】6選

最後は、OKRを「目標」として管理するだけでなく、日々の1on1やフィードバックと密に連携させ、マネジメントの質向上やエンゲージメント向上を目指すツールです。

Wistant(ウィスタント)|マネジメントの実行支援に特化

Wistantは、株式会社フルートが提供する「マネジメントの実行支援ツール」です。OKRやMBOといった目標管理だけでなく、1on1や評価・フィードバックといったマネジメントにおける一連のプロセスをサポートします。

特徴的なのは、マネジメントの現状をスコア化し、レーダーチャートなどで可視化できる点です。これにより、組織やマネージャー個々の強み・弱みを把握し、改善につなげることができます。

1on1の運用支援にも強く、アジェンダの事前設定や議事録の蓄積、非公開メモ機能など、個々の目標と進捗に寄り添った対話を促進する機能が充実しています。

項目 Wistant
強み・特徴 ・マネジメントの実行と可視化に特化
・1on1のアジェンダ設定や議事録機能が充実
・OKRとMBOの両方に対応可能
料金プラン例 ・1on1プラン:700円/ユーザー/月
・フルパッケージプラン:1,500円/ユーザー/月
無料トライアル あり(30日間)、資料ダウンロード

Co:TEAM(コチーム)|日報と連携し、マネジメントを実現

Co:TEAMは、株式会社O:が提供する、日報と目標管理を連携させたパフォーマンス・マネジメントツールです。

日々の業務日報を通じてメンバーのコンディションやタスク進捗を把握し、SlackやTeamsといったチャットツールとも連携。マネージャーは、日々の細かな変化を基に、タイミングを逃さずにフィードバックや1on1での対話を行うことができます。

OKRの進捗管理だけでなく、高頻度なフィードバックサイクルを組織に根付かせ、人事評価の納得感醸成やエンゲージメント向上を図りたい企業に適しています。

項目 Co:TEAM
強み・特徴 ・日報とOKR・1on1がシームレスに連携
・高頻度なフィードバックサイクル(パフォーマンス・マネジメント)の実現
・チャットツール連携で日々の報告が容易
料金プラン例 サポート費用:無料
料金は個別見積もり
無料トライアル あり、資料ダウンロード

Goalous(ゴーラス)|SNS型でコミュニケーションを活性化

Goalousは、株式会社Colorkrewが提供する、SNS型のUI/UXが特徴の目標管理ツールです。目標の進捗や日々の業務タスクを、写真や動画付きでタイムラインに投稿し、チーム全体で共有できます。

このSNSのような気軽なコミュニケーションが、CFR(対話・フィードバック・承認)を自然な形で促進します。投稿に対してコメントやリアクション(いいね)を送り合うことで、社内コミュニケーションが活性化し、個々の貢献が可視化されます。

項目 Goalous
強み・特徴 ・SNS感覚で使えるUI/UX
・日々の業務プロセスや貢献をオープンに共有
・コミュニケーションを活性化させ、ナレッジ共有を促進
料金プラン例 ・初期費用:要見積もり
・月額料金:30,000円〜
オプションあり(フィードバック機能・メッセージ機能)
無料トライアル なし、資料ダウンロード

WAKUAS(ワクアス)|OKRと1on1を中軸に支援

WAKUASは、株式会社アジャイルHRが提供する、OKRと1on1を中軸としたパフォーマンスマネジメント支援サービスです。

OKR機能では、目標の共有や関連付けができるだけでなく、1on1での振り返りや気づきを記録・公開し、メンバー間で共有することで、相互の刺激や新たな発見を促す仕組みが特徴です。

また、「フィードバックリクエスト」機能により、メンバーは必要なタイミングでアドバイスや励ましを求めることができ、SNSのような気軽なやり取りを通じてチームの一体感を醸成します。OKRと1on1をセットで運用し、メンバーの自発的な行動を促したい企業に向いています。

項目 WAKUAS
強み・特徴 ・OKRと1on1を両軸でサポート
・1on1の気づきをチームで共有し、相互学習を促進
・フィードバックリクエストによる自発的なコミュニケーション支援
料金プラン例 ・パフォーマンスプラン:初期費用100,000円/月額50,000円〜(50名まで)
・1on1プラン:初期費用50,000円/月額25,000円~(50名まで)
※50名以上はユーザー課金制
無料トライアル なし、資料ダウンロード

MotifyHR(モチファイHR)|エンゲージメントサーベイと連携

MotifyHRは、株式会社アックスコンサルティングが提供する、エンゲージメント向上に特化したプラットフォームです。機能の一つとして、目標管理(OKR対応)や1on1支援機能が含まれています。

最大の特徴は「エンゲージメントサーベイ」機能と連携できる点です。目標管理のプロセスと並行して、従業員の組織への思い入れやコンディションを定期的に測定・可視化します。 「OKRの進捗は良いが、従業員のエンゲージメントが下がっている」といった兆候を早期に察知し、1on1での対話に活かすことができます。目標達成と従業員満足度の両立を目指す企業に適しています。

項目 MotifyHR
強み・特徴 ・目標管理とエンゲージメントサーベイの強力な連携
・組織や個人のコンディションを可視化
・ピアボーナス機能で「承認(R)」の文化を醸成
料金プラン例 要問い合わせ
無料トライアル なし、資料ダウンロード

Himanager(ハイマネージャー)|AIが1on1をサポート

Himanagerは、ハイマネージャー株式会社が提供するパフォーマンス・マネジメントツールです。

リアルタイムのフィードバックや1on1、目標管理(OKR対応)を通じて、個人のパフォーマンス向上を支援します。 特徴的なのは、AIによる1on1のサポート機能です。AIが従業員の状況や目標進捗を分析し、マネージャーに対して「話すべきアジェンダ」や「効果的な質問」をサジェストしてくれます。 これにより、マネージャーのスキルに依存しがちな1on1の質を標準化し、より効果的な対話(Conversation)を実現します。

目標設定(OKR)から日々の対話(CFR)までをシームレスに連携させたい企業に向いています。

項目 Himanager
強み・特徴 ・AIによる1on1のアジェンダ
・質問サジェスト機能
・リアルタイムフィードバックによるCFRの実践
・サーベイによる多角的な情報収集
料金プラン例 ・ウルトラプラン:200万円(~20名程度の組織)
・コンサルティングプラン:500万円(数十名以上の組織)
・プロフェッショナルプラン:700万円(管理職育成も視野)
※全プランに人事制度設計費用と1年分のツール利用費用が含まれています。
無料トライアル あり、資料ダウンロード

「OKRツール」の製品比較表

※税込と表記されている場合を除き、全て税抜価格を記載しています

  • 製品名
  • 注目ポイント
  • 料金プラン
  • プラン名金額
  • 無料トライアル
  • 最低利用期間
  • 基本的な機能
    • 賞賛機能(Kudos)
    • OKRマップ(ツリー)
    • AIサポート
    • スマートフォン対応
    • 1on1支援・週次進捗報告
    • コンピテンシー(行動特性)評価
    • カスタマイズ可
    • OKRテンプレート
    • リアルタイムフィードバック
    • KPI管理(KPIボード)
    • MBO(目標管理)管理
    • 進捗管理ダッシュボード
    • 導入サポート
    • Microsoft Teams連携
    • 360度評価(多面評価)
    • タレントマネジメント連携
    • 国内メーカー
    • SNS型タイムライン
    • slack連携
    • カレンダー連携(Google / Outlook)
  • サービス資料
  • 無料ダウンロード
  • ソフト種別
  • サポート
人事データを一元化
初期費用 要相談
利用料金 要相談
備考
費用は、登録される社員数に応じて変動します。
制限なし
タレントパレット(人事評価・タレントマネジメント)の資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
戦略人事を加速させる
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
カオナビ(ワークフロー/OKR)の資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
スイートプラン 1,500円/ユーザー/月額
備考
スイートプランは人事施策が決まっており、運用していく中でツールとして、HiManagerを利用したい企業様に適切です。
コンサルティングプラン 2,000円/ユーザー/月額
備考
コンサルティングプランはOKRや1on1を実施したことがなく組織の風土や文化を変えていきたいと考えている企業様に適切です。
プレミアムプラン 3,000円/ユーザー/月額
備考
プレミアムプランはコンサルティングプランで実施する内容に加えて、評価制度を変えていきたい企業様に適切です。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
人事とOKRを一つに
無料トライアル 0円
備考
Businessプラン/Eliteプランを14日間無料で試すことができます。
Business $29
備考
◎ユーザー数:3~10名

◎機能
・タスク管理
・KPI管理
・部署OKRテンプレート
・Eメールサポート
Elite $59
備考
◎ユーザー数:
11~30名

◎機能
Businessプランの全機能に加えて、
・ワークプラン自動化
・従業員サーベイ
Enterprise 要問い合わせ
備考
◎ユーザー数:30名以上

◎機能
Eliteプランの全機能に加えて、
・採用管理
・カスタムレポート
・専任サポート
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
戦略と目標を一元管理
Free €0
備考
※最大5ユーザーまで

◎機能
・Strategy Maps
・OKR/KPI追跡
・Check-ins,
・1on1
・ Kudos(賞賛)
・基本的な連携(Slack, Teams, Google Sheets, Zapier)
Premium €6.40
備考
◎Freeプランの全機能に加え、
・Performance/Engagementダッシュボード
・SSO/SCIM
・APIアクセス
・Excel Online連携
・AIコーチ機能(一部)
Supreme €8
備考
◎機能
Premiumプランの全機能に加え、
・KPI Boards
・プライベート目標
・カスタムレポート/ダッシュボード
・Jira/Asana/Power BI連携
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
WAKUAS パフォーマンスプラン 初期設定量:100,000円
備考
月額利用料金
~50名 50,000円
51名~100名 1000円 / 人
101名~200名 900円 / 人
201名~300名 800円 / 人
301名~400名 700円 / 人
401名~500名 600円 / 人
501名~ 500円 / 人
WAKUAS 1on1プラン 初期設定料:50,000円
備考
月額利用料金
~50名 25,000円
51名~100名 500円 / 1人あたり
101名~200名 450円 / 1人あたり
201名~300名 400円 / 1人あたり
301名~400名 350円 / 1人あたり
401名~500名 300円 / 1人あたり
501名~ 250円 / 1人あたり
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
ビズリーチのタレマネ
初期費用 要相談
備考
問合わせ後にヒアリング
利用料金 要相談
なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
1on1プラン 700円/月額/1人
備考
1on1機能・データ分析/伴走支援・導入支援をご利用できます。
フルパッケージプラン 1,500円/月額/1人
備考
1on1プランの機能に加えて、目標管理機能・フィードバック(評価)機能をご利用できます。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
1~3人 無料
4人~ 要相談
備考
ユーザー数によって価格は変動いたします。
制限なし
クラウド型ソフト パッケージ型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
基本利用料金 30,000円~/月額
フィードバック機能 500円/ユーザー/月額
サークル機能 500円/ユーザー/月額
メッセージ機能 300円/ユーザー/月額
翻訳機能 300円/ユーザー/月額
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /

価格や製品機能など、見やすい一覧表から、気になる製品をまとめてチェック!

6. 無料ツール(スプレッドシート等)と有料ツールの違い

「まずは無料ツールで」と考える方も多いでしょう。「Googleスプレッドシート」のテンプレートや「Trello」などの無料ツールでできることや、有料ツールにしかない機能を解説します。

6-1. 無料ツールを利用するメリット

無料ツール(または既存ツールの活用)の最大のメリットは、何と言っても導入コストがゼロである点です。

  • コスト不要ExcelやGoogle スプレッドシートは、多くの企業で既に導入されており、追加費用がかかりません。
  • スモールスタートに最適:全部署で展開する前に、コストをかけずにスモールスタートできます。
  • 操作の習熟従業員が普段から使い慣れているツールであれば、新たな操作を覚える抵抗感が少ないです。

6-2. 無料ツールを利用するデメリット

一方で、無料ツールには「機能の限界」があります。特に組織規模が大きくなるにつれ、これらのデメリットが顕在化します。

  • 管理工数の増大従業員数が増えると、人事担当者やマネージャーが全員のシートを回収し、進捗を一覧化・集計する作業が膨大になります。
  • 目標の連動性が見えない目標のツリー化(OKRマップ)が自動で構築されず、全社と個人の繋がりが不透明になります。
  • リアルタイム性がない誰かが更新しても即座に全員に反映されず、進捗会議の時点で情報が古い、といった事態が起こりがちです。

上記の結果、進捗の更新や1on1が「面倒な作業」となり、次第に行われなくなり、OKR運用そのものが形骸化する最大の要因となります。

6-3. 従業員30名以上には有料ツールがおすすめ

では、いつ有料ツールに切り替えるべきでしょうか。一つの目安として「従業員数30名」の壁があります。

一般的に、一人のマネージャーがExcelやスプレッドシートで管理できる部下のOKRは、他の業務と兼任しながらでは限界があります。組織全体が30名を超え、部門やチームが細分化されてくると、無料ツールでの管理工数は、ツール導入の月額費用を上回る可能性が高くなります。

以下の表を参考に、自社の現在のフェーズと、将来的な組織拡大を見据えて判断することが重要です。

比較項目 無料ツール(スプレッドシート等) 有料OKRツール
導入コスト 0円 月額数万円〜(ID課金制が多い)
推奨規模 約30名まで(またはパイロット導入期) 30名を超える、または全社導入時
目標のツリー化 ×(困難) ◎(自動生成・可視化)
リアルタイム進捗 △(手動更新・集計) ◎(ダッシュボードで自動更新)
1on1/CFR支援 ×(情報が散逸) ○(目標と紐づけて履歴を蓄積)
管理工数 組織規模に比例して増大 システム化により工数削減

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7. 導入に向いている企業・向いていない企業【表で解説】

分類 導入に向いている企業 導入に向いていない企業
組織の特長 ・市場変化が激しい中で、トップの強い想いと、現場の創意工夫をしっかり連携したい企業 ・目標管理を迅速・簡易に済ませたい企業
・トップダウンで指示型のマネジメントを重視する企業
・決まったことだけを決まったルールにのっとって、間違いなく遂行しなければいけない企業
運用体制 ・目標設定・振り返り・更新が定期的に実施できる体制が整っている企業 ・振り返りや目標更新を頻繁に実施する余裕がない企業
・運用リソース・時間が限定的な企業
目的・文化 ・社員の自律・モチベーション・戦略実行を重視する企業
・変革志向が強く、挑戦的目標を設定できる企業
・評価制度や目標が固定化しており、大きな変革を前提としない企業
・安定・定常運営を優先する文化の企業
目標設定スタイル ・チャレンジングな目標(達成率60〜70%想定)が許容される企業 ・目標達成率100%を前提とし、リスクを低く管理したい企業

OKRの本質は、全社的な方針(トップダウン)と、現場の自発的な貢献(ボトムアップ)を、対話を通じて融合させていく点にあります。従来の経験則が通用しない不確実性の高いマネジメントにて、OKRを「自ら最適解を考え、市場環境に適応するための手法」として導入する企業が増えています。つまり、リソースの限られたスタートアップ企業やマネジメント体制が整っている企業に向いています。

一方で、OKRの導入には時間やコストがかかります。つまり、OKR設定や振り返りを頻繁に行えない企業やトップダウンでビジョンを浸透させたいと考えている企業、時間をかけずに目標管理を行いたい企業には向いていません。「トップのビジョンがあいまい」「コミュニケーションに時間と手間暇をかけたくない」という企業も向いていません。

また、文化的・組織的に目標設定・振り返り・挑戦を重視する運用が定着していない場合は、OKR運用が「タスク管理」になってしまうなど、形骸化しがちです。

平康 慶浩
セレクションアンドバリエーション株式会社/人事コンサルティングファーム代表取締役平康 慶浩
成功事例に共通するのは、「OKRを運用する人」を育てている点です。OKRは制度設計よりも、現場の理解・試行・修正の積み重ねで成熟します。導入初期はツールの操作性よりも、Objectiveの質を高める会議体の設定や、Key Results設定時の対話の質を上げる支援が不可欠です。OKRツールは非常に有効なツールですが制度の意図を反映して、「人と組織を成長させるツール」になっているか、期末に振り返ることをお勧めします。

8. OKR導入で大きな成果をあげた企業

OKRは、企業文化や経営課題に合わせた運用ができるかが成否を分けます。ここでは、導入を軌道に乗せた4社の実例を紹介します。各社がどのようにOKRを浸透させ、成果へと結びつけたのか――その具体的な工夫や運用プロセスを通じて、自社導入のヒントを探っていきましょう。

8-1. Google

Googleでは、2000年代初頭からOKRを導入しており、これはIntelの元CEOアンディ・グローブ氏から学んだジョン・ドーア氏が持ち込んだものです。OKRの設定は役職に関係なく全社員が提案でき、評価は3か月ごとに行われ、その結果は全社に公開されます。Googleは、具体的で客観的、達成に価値があり、ストレッチゴールを設定することを重視しており、60~70%の達成を成功とみなします。20年以上にわたり、OKRはGoogleの成長の原動力となり、全社員が共通の目標に向かって協力する仕組みが整えられています。
参考:When John Doerr Brought a ‘Gift’ to Google’s Founders

8-2. メルカリ

メルカリでは、2015年からOKRを導入し、急成長に伴う目標のズレを解消するため、社員とのコミュニケーションを重視しています。OKRはグループ全体から個人に至るまで設定され、3か月ごとに評価されます。重要視している観点として、達成率50%程度でワクワクするOKRを設定することが挙げられ、マネージャーが個別にアドバイスを行いながら、現実的でバランスの取れた目標を設定することを目指しています。

参考:メルカリのOKR導入事例とは?成功の秘訣と運用方法を解説

8-3. Sansan

名刺管理サービスを提供するSansanは、2015年からOKRを導入しています。生産性向上のために多くの定量目標を設定していましたが、現場の社員にはその理由が見えづらくなっていました。これを解消するため、OKRを導入して業務と企業目標のつながりを見える化し、社員のモチベーションを向上させました。個人のOKRは3か月ごとに設定すると手間がかかるため設定せず、OKRを人事評価と直結させる独自の手法を用いています。

参考:自ら「働き方の革新」に挑むのがSansan流。OKRによる目標管理や社内SNS運用を紹介

8-4. 花王

花王は、2021年に「社員活力の最大化」を目指してOKRを導入しました。目的は社員が夢や目標を臆せず掲げることを促進し、「事業貢献」「ESG(環境・社会・ガバナンス)」「One team & My Dream」の3つの観点で目標を設定することです。導入前は目標達成率が評価基準だったため、目標が達成可能な範囲に留まりがちでしたが、新制度では高い目標を掲げる例が増え、社員のモチベーションが向上しています。

参考:花王総合レポート2025

8-5. ユーザベース

ユーザベースでは、クラウド型経済情報プラットフォーム「SPEEDA」の事業部にて、2016年からOKRを導入しています。総務チームは、オフィスの美化と強力なチーム体制を目標に掲げ、IP電話の導入とクリーンデーの実施で課題を解決しました。労務チームは、新入社員のケアを強化するため、「強くてやさしい労務チーム」を目指し、ウェルカムランチやSlackでの自己紹介共有、組織図の公開などを行い、新入社員のサポート体制を整えました。

参考:多様で異能な人材が1つの目標に向かうためのOKR

OKRツールの導入事例はこちらから

9.【まとめ】まずは自社に合うタイプの資料請求を

企業がOKRツールを導入することで、企業・部門・個人が一丸となってチャレンジングな目標に臨める体制を構築できます。全体の目標を達成するために個人のすべきことが明確化されます。それにより従業員のパフォーマンスとモチベーションを最大化できます。

ただし、OKRは運用負荷もかかります。その障壁はOKRツールの導入で解消していきましょう。

OKRツールは、導入がゴールではありません。自社の導入目的(タイプ)を見極め、現場が継続して使える「操作性」が最も重要です。まずは気になるツールの資料請求やデモ体験で、実際の画面を触り比べてみましょう。

okr-tools-compare

OKRツールの比較表を表示する

「OKRツール」の製品比較表

※税込と表記されている場合を除き、全て税抜価格を記載しています

  • 製品名
  • 注目ポイント
  • 料金プラン
  • プラン名金額
  • 無料トライアル
  • 最低利用期間
  • 基本的な機能
    • 賞賛機能(Kudos)
    • OKRマップ(ツリー)
    • AIサポート
    • スマートフォン対応
    • 1on1支援・週次進捗報告
    • コンピテンシー(行動特性)評価
    • カスタマイズ可
    • OKRテンプレート
    • リアルタイムフィードバック
    • KPI管理(KPIボード)
    • MBO(目標管理)管理
    • 進捗管理ダッシュボード
    • 導入サポート
    • Microsoft Teams連携
    • 360度評価(多面評価)
    • タレントマネジメント連携
    • 国内メーカー
    • SNS型タイムライン
    • slack連携
    • カレンダー連携(Google / Outlook)
  • サービス資料
  • 無料ダウンロード
  • ソフト種別
  • サポート
人事データを一元化
初期費用 要相談
利用料金 要相談
備考
費用は、登録される社員数に応じて変動します。
制限なし
タレントパレット(人事評価・タレントマネジメント)の資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
戦略人事を加速させる
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
カオナビ(ワークフロー/OKR)の資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
スイートプラン 1,500円/ユーザー/月額
備考
スイートプランは人事施策が決まっており、運用していく中でツールとして、HiManagerを利用したい企業様に適切です。
コンサルティングプラン 2,000円/ユーザー/月額
備考
コンサルティングプランはOKRや1on1を実施したことがなく組織の風土や文化を変えていきたいと考えている企業様に適切です。
プレミアムプラン 3,000円/ユーザー/月額
備考
プレミアムプランはコンサルティングプランで実施する内容に加えて、評価制度を変えていきたい企業様に適切です。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
人事とOKRを一つに
無料トライアル 0円
備考
Businessプラン/Eliteプランを14日間無料で試すことができます。
Business $29
備考
◎ユーザー数:3~10名

◎機能
・タスク管理
・KPI管理
・部署OKRテンプレート
・Eメールサポート
Elite $59
備考
◎ユーザー数:
11~30名

◎機能
Businessプランの全機能に加えて、
・ワークプラン自動化
・従業員サーベイ
Enterprise 要問い合わせ
備考
◎ユーザー数:30名以上

◎機能
Eliteプランの全機能に加えて、
・採用管理
・カスタムレポート
・専任サポート
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
戦略と目標を一元管理
Free €0
備考
※最大5ユーザーまで

◎機能
・Strategy Maps
・OKR/KPI追跡
・Check-ins,
・1on1
・ Kudos(賞賛)
・基本的な連携(Slack, Teams, Google Sheets, Zapier)
Premium €6.40
備考
◎Freeプランの全機能に加え、
・Performance/Engagementダッシュボード
・SSO/SCIM
・APIアクセス
・Excel Online連携
・AIコーチ機能(一部)
Supreme €8
備考
◎機能
Premiumプランの全機能に加え、
・KPI Boards
・プライベート目標
・カスタムレポート/ダッシュボード
・Jira/Asana/Power BI連携
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
WAKUAS パフォーマンスプラン 初期設定量:100,000円
備考
月額利用料金
~50名 50,000円
51名~100名 1000円 / 人
101名~200名 900円 / 人
201名~300名 800円 / 人
301名~400名 700円 / 人
401名~500名 600円 / 人
501名~ 500円 / 人
WAKUAS 1on1プラン 初期設定料:50,000円
備考
月額利用料金
~50名 25,000円
51名~100名 500円 / 1人あたり
101名~200名 450円 / 1人あたり
201名~300名 400円 / 1人あたり
301名~400名 350円 / 1人あたり
401名~500名 300円 / 1人あたり
501名~ 250円 / 1人あたり
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
ビズリーチのタレマネ
初期費用 要相談
備考
問合わせ後にヒアリング
利用料金 要相談
なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
1on1プラン 700円/月額/1人
備考
1on1機能・データ分析/伴走支援・導入支援をご利用できます。
フルパッケージプラン 1,500円/月額/1人
備考
1on1プランの機能に加えて、目標管理機能・フィードバック(評価)機能をご利用できます。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
1~3人 無料
4人~ 要相談
備考
ユーザー数によって価格は変動いたします。
制限なし
クラウド型ソフト パッケージ型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
基本利用料金 30,000円~/月額
フィードバック機能 500円/ユーザー/月額
サークル機能 500円/ユーザー/月額
メッセージ機能 300円/ユーザー/月額
翻訳機能 300円/ユーザー/月額
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /

価格や製品機能など、見やすい一覧表から、気になる製品をまとめてチェック!

おすすめのOKRツール一覧

ワークフローシステムOKRツール

トライアル 無し
サポート 電話 メール 

製品のおすすめポイント

  • OKR/MBOを始める最速手段
  • オリジナルな評価制度を実現
  • 承認者の設定が自由自在

人事評価システムタレントマネジメントシステムOKRツール

トライアル 有り
サポート メール 

製品のおすすめポイント

  • 従業員一人ひとりの能力や性格特性などさまざまな人材データに基づいて人材管理・活用が可能
  • 多様な評価手法に対応し、柔軟な調整が可能
  • 複数の項目を組み合わせ、人材情報を多角的に分析
トライアル 有り
サポート メール 

製品のおすすめポイント

  • リアルタイムフィードバックにより社員のパフォーマンスを向上
  • 社員のエンゲージメントを見える化できる
  • テンプレートが豊富で会社に合わせて利用できる

人事とOKRを一つに Corvisio

製品詳細はこちら

OKRツール

トライアル 有り
サポート メール 

製品のおすすめポイント

  • OKRとパフォーマンスの連動による目標追跡
  • 柔軟な従業員管理と組織図の可視化
  • キャリア管理とフィードバックの仕組み

戦略と目標を一元管理 perdoo

製品詳細はこちら

OKRツール

トライアル 有り
サポート メール 

製品のおすすめポイント

  • 戦略を可視化する独自の「ストラテジーマップ」
  • OKRとKPIを両立させる優れた目標管理
  • パフォーマンス向上を支える充実のCFR機能
トライアル 無し
サポート メール 

製品のおすすめポイント

  • 目標のネットワークを張り巡らせる
  • 組織で何が起きているかを把握する
  • フィードバック文化を根付かせる
  • 安全・安心なインフラ対応

人事評価システムタレントマネジメントシステムOKRツール離職防止ツール

トライアル 無し
サポート 電話 メール 

製品のおすすめポイント

  • さまざまな情報を一元管理できる従業員データベース
  • 目標・評価の提出状況を可視化することで現場も人事も全体の把握が可能
  • 1on1を支援・活用するさまざまな機能を搭載
トライアル 無し
サポート 電話 メール 

製品のおすすめポイント

  • エクセル利用も可能、グラフ化してバラツキを確認
  • 他人事システムとの連携で煩わしい手間を削減
  • 評価シートを細かく定義、OKR管理できる
トライアル 有り
サポート 電話 メール 

製品のおすすめポイント

  • 事実ベースのフィードバックによりプレイヤー、メンターの成長に繋がる
  • 目標を明確化し、社員の状況が分かり、自発性もアップ
  • 外部ツールやスマートフォンにも対応
トライアル 有り
サポート 電話 メール 

製品のおすすめポイント

  • パフォーマンス・マネジメントによって人事評価を支援
  • 成長/キャリア開発目標を可視化して計測可能になる
  • 適正な評価とモチベーションの向上を支援する
トライアル 有り
サポート チャット 

製品のおすすめポイント

  • 従業員を目的に導くことが簡単にできるようになる
  • 週ごとに行われる会議によって、より実践的な仕事ができる
  • より生産的かつ効率的に業務を行えるようになる
トライアル 無し
サポート 電話 メール 

製品のおすすめポイント

  • オンボーディングプロセスをシステム上で表現できる
  • 1on1により、部下を成功体験へ導き成長させられる
  • エンゲージメントサーベイにより従業員のやる気を把握
トライアル 無し
サポート 電話 

製品のおすすめポイント

  • フィードバックや振り返りによって組織のエンゲージメントを高める
  • 目標意識を高め、自律的に働くようになる
  • 充実した機能によって業務改善化につながる

よくある質問

OKRツールとは何ですか?

組織と個人の目標(OKR)の策定、全社での共有(目標の関連性を可視化)、進捗管理、1on1などの振り返り(CFR)までを一元管理し、運用の効率化と定着を支援するシステムです。

OKRをExcelやスプレッドシートで管理するのではダメですか?

従業員が30名程度までなら可能ですが、それ以上になると管理工数が激増し、リアルタイムの進捗共有や目標の関連性の可視化が困難になり、形骸化しやすくなるため推奨されません。

OKRを人事評価(給与査定)と連動すべきではないのはなぜですか?

OKRは「野心的な挑戦(達成率60%~70%が成功)」を促すものだからです。もし給与査定と直結させると、従業員が評価を恐れて「達成率100%」を目指せる低い目標しか設定しなくなり、挑戦する文化が失われてしまうためです。

OKRとMBO、KPIの違いは何ですか? ツールは併用できますか?

OKRは「挑戦的な目標設定と高頻度な見直し」を、MBOは「人事評価と連動した目標達成度(100%)」を、KPIは「プロセスの達成度を測る中間指標」を指します。本記事で紹介した「人事評価統合タイプ」のツールの多くは、MBOとOKRを併用・管理できるよう設計されています。

無料で使えるOKRツールはありますか?

本記事で紹介した「Corvisio」「Weekdone」「Perdoo」には、少人数(3~5名)向けの永年無料プランが用意されています。まずはスモールスタートで試したい企業におすすめです。

OKRの運用で最も重要なCFRとは何ですか?

「Conversation(対話)」「Feedback(フィードバック)」「Recognition(承認)」の頭文字を取った言葉です。OKRという目標設定(静)に対し、CFRは高頻度な1on1やフィードバック(動)を意味し、OKRを形骸化させないために不可欠なコミュニケーションのサイクルを指します。

OKRツール導入でよくある失敗パターンは?

厳密な「ツリー構造」を作ることに固執しすぎることです。全社目標と現場の目標の「アライメント(連携)」が本質であり、ツリー化は手段の一つにすぎません。ツール導入と同時に、CFR(対話)を通じて柔軟に目標をすり合わせる運用プロセスを定めることが重要です。

ツールはどうやって選ぶべきですか?

導入目的によります。「OKRの運用定着」が目的なら「OKR特化タイプ」、「人事評価と一元管理」したいなら「人事評価統合タイプ」、「1on1やエンゲージメント向上」が目的なら「マネジメント支援タイプ」がおすすめです。

AI機能付きのOKRツールはありますか?

はい、増えています。本記事で紹介した「Himanager」はAIが1on1のアジェンダを提案する機能、「タレントパレット」は人事データをAIで分析する機能などを搭載しています。

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