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仮想デスクトップ(VDI)比較8選|「遅い・高い」は昔の話!コストと性能で選ぶ2025年最新版

この記事で解説すること

企業のIT担当者様向けに、最適な仮想デスクトップの選び方を解説します。VDIとDaaSの基本から、Azure Virtual DesktopやAmazon WorkSpacesなど主要5大サービスの料金・性能・機能を比較。さらに、快適な操作の目安となるRTT150msといった技術基準や、3つの技術的チェックリストを基に、失敗しない選定法を具体的に提示します。2025年の最新業界動向も網羅し、情報に基づいた意思決定を支援します。

「仮想デスクトップ」の製品比較表

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目次

リモートワークの普及やサイバー攻撃の巧妙化を受け、多くの企業でPCの運用とセキュリティのあり方が見直されています。その解決策として今、改めて注目されているのが「仮想デスクトップ(VDI/DaaS)」です。

本記事では、「仮想デスクトップは価格や導入のハードルが高い」とお考えのIT担当者様へ向けて、2025年の最新情報に基づき、主要な仮想デスクトップサービスを徹底比較します。基本的な仕組みから、シナリオ別の最適な製品、そして導入で失敗しないための技術的なチェックポイントまで、専門用語を避けながら分かりやすく解説。この記事を読めば、自社に最適なサービスを見極め、自信を持って導入計画の第一歩を踏み出せるようになります。

1. なぜ今、仮想デスクトップ?3つの導入目的と基本方式(VDI/DaaS)の違い

仮想デスクトップの導入を検討する背景には、企業の抱える具体的な課題があります。まずは代表的な3つの導入目的を整理し、自社の状況と照らし合わせましょう。また、基本となる「VDI」と「DaaS」の違いを理解することが、最適なサービス選定の第一歩です。

目的1:ハイブリッドワークの実現とBCP対策

場所や端末を問わない働き方を実現し、災害時などの事業継続計画(BCP)にも貢献します。

近年、働き方の多様化は多くの企業にとって重要な経営課題となっています。総務省の「令和6年通信利用動向調査の結果」によると、企業のテレワーク導入率は50%を超えており、オフィスワークとリモートワークを組み合わせたハイブリッドワークが定着しつつあります。

soumu-johotsusintokei-statistics-data-250530-1-pdf
引用 – 総務省|報道資料|令和6年通信利用動向調査の結果

仮想デスクトップは、サーバー上に個人のデスクトップ環境を集約し、社員は手元のPCやタブレットからインターネット経由でその環境を呼び出して使います。この仕組みにより、自宅や外出先など、どこにいても社内と同じ環境で安全に業務を遂行できるため、ハイブリッドワークを強力に推進します。

さらに、この仕組みはBCP(事業継続計画)対策としても極めて有効です。例えば、地震や台風などの自然災害でオフィスへ出社できなくなった場合でも、従業員は自宅から業務システムへアクセスし、事業を継続できます。PC端末の故障や紛失時も、データは全てサーバー側にあるため、代替機さえあればすぐに業務を再開できる点も大きなメリットです。

目的2:ランサムウェアからPCを守るセキュリティ強化

端末起因の漏えいを低減。併せてドライブ/クリップボード制御・MFA等の設定が不可欠です。構成次第では共有資源を暗号化することができます。

企業のサイバーセキュリティにおいて、従業員が利用するPC(エンドポイント)は最も狙われやすい攻撃経路の一つです。特に、PC内のデータを暗号化して身代金を要求するランサムウェアの被害は深刻化しています。

仮想デスクトップを導入すると、PC端末にはOSやアプリケーションの実行に必要な最低限の機能だけを持たせ、実際のデータ処理や保存は全てデータセンター内の堅牢なサーバーで行います。これにより、PC本体に重要な業務データが一切残らない「データレス」な状態を実現できます。

このアーキテクチャには、以下のようなセキュリティ上の利点があります。

  • 情報漏えいリスクの低減
    PCの紛失・盗難が発生しても、端末内にはデータがないため情報漏えいに繋がりません。
  • ランサムウェア対策
    万が一PCがランサムウェアに感染しても、暗号化されるのは手元の端末だけで、サーバー上の重要なデータは保護されます。
  • 一元的なセキュリティ対策
    セキュリティパッチの適用やウイルス対策ソフトの更新をサーバー側で一括管理できるため、全従業員のPCを常に最新かつ均一のセキュリティレベルに保つことが可能です。

目的3:PC運用管理の効率化とコスト削減

OSアップデートやアプリケーションの配布を一元管理し、情報システム部門の運用負荷を大幅に軽減します。

従業員一人ひとりにPCを配布する従来の運用方法では、情報システム部門の負荷が課題となりがちです。数百台、数千台のPCに対して、個別にOSのアップデートを適用したり、新しい業務アプリケーションをインストールしたりする作業は、膨大な時間と工数を要します。

仮想デスクトップ環境では、管理者は「マスターイメージ」と呼ばれるOSとアプリケーションのテンプレートを一つ管理するだけで済みます。このマスターイメージを更新すれば、全ユーザーのデスクトップ環境に一斉に内容を反映させることが可能です。

次の表は、従来のPC運用と仮想デスクトップ運用における管理タスクの違いをまとめたものです。

管理タスク 従来のPC運用 仮想デスクトップ運用
新規PCの準備 1台ずつOSやアプリをインストール(キッティング) マスターイメージから即時に複製
OSアップデート 各PCで個別に実行、または配布ツールで管理 マスターイメージの更新で全台に一括適用
アプリの追加・更新 各PCへ個別にインストール マスターイメージの更新で一括配布
トラブル対応 現地でPCの状態を確認・修理 サーバー側から仮想環境を再起動・再作成

このように、仮想デスクトップはPCのライフサイクル管理全体を効率化し、情報システム部門の担当者がより戦略的な業務に集中できる環境を創出します。結果として、PCの運用にかかる人件費や作業時間といった見えないコストの削減に繋がります。

1-4. VDIとDaaS、自社に合うのはどっち?

自社でサーバーを構築するオンプレミス型の「VDI」と、クラウドサービスを利用する「DaaS」。それぞれのメリット・デメリットを解説します。

仮想デスクトップを実現する方式は、大きく分けて2種類あります。自社内にサーバーやネットワーク機器を設置して仮想デスクトップ環境を構築・運用する「VDI(Virtual Desktop Infrastructure)」と、クラウド事業者が提供するサービスを月額料金などで利用する「DaaS(Desktop as a Service)」です。どちらの方式が自社に適しているか、多角的に比較検討することが重要です。

以下の表で、VDIとDaaSの主な違いを確認してみましょう。

比較項目 VDI(オンプレミス型) DaaS(クラウド型)
初期コスト 高い(サーバー、ストレージ等の購入費用) 低い(サブスクリプション型)
運用コスト 変動(電気代、保守費用、人件費など) 固定的(月額/年額料金)
カスタマイズ性 高い(自社の要件に合わせて自由に設計可能) 低い(サービス提供者の仕様に依存)
運用管理負荷 高い(インフラ全体の管理責任を自社で負う) 低い(インフラ管理はサービス提供者に一任)
導入スピード 遅い(数ヶ月単位での設計・構築が必要) 速い(数日~数週間で利用開始可能)
セキュリティ 自社ポリシーで高度に制御可能 サービス提供者の堅牢なセキュリティ基盤を利用

この比較からわかるように、DaaSは初期投資を抑え、迅速にスモールスタートしたい企業や、ITインフラの専門知識を持つ人材が限られている中小企業に適しています。

一方で、VDIは既存システムとの複雑な連携が必要な場合や、業界特有の厳しいセキュリティ要件を満たす必要がある大企業や金融機関などで選択される傾向にあります。

近年はDaaSの機能も向上し、多くの企業で採用が進んでいますが、自社のIT戦略や予算、人材リソースを総合的に考慮して、最適な方式を選択することが成功の鍵となります。

2.【2025年版】主要仮想デスクトップ5大サービス徹底比較表

現在、市場には多くの仮想デスクトップサービスが存在します。ここでは、特に導入実績が豊富で中小企業にも推奨できる主要5サービスをピックアップし、選定に不可欠なポイントで比較します。

比較軸1:料金モデルと隠れコスト(ライセンス・通信料)

月額料金だけでなく、「Microsoft 365」ライセンスの有無や見落としがちなデータ転送料まで含めたトータルコストを比較します。

仮想デスクトップのコストを比較する際、表面的な月額料金だけで判断するのは危険です。特にクラウド型のDaaSでは、「どのライセンスが前提か」「想定外の通信料が発生しないか」という2つの視点が重要になります。

例えば、マイクロソフト社のサービスは、特定のWindows OSやMicrosoft 365のライセンスを既に保有している場合、追加のライセンス費用なしで利用できるため、コストを大幅に抑えられる可能性があります。一方で、クラウドサービスでは、データセンターから外部へデータを転送する際に「データ転送料(エグレスコスト)」が発生することがあり、これが想定外の出費となるケースも少なくありません。

以下の表では、各サービスの料金体系と、コストを検討する上で特に注意すべきポイントをまとめました。

サービス名 料金モデルの特徴 コスト面の注意点(隠れコスト)
Azure Virtual Desktop 従量課金制
利用した仮想マシンの稼働時間とストレージ量で課金
・特定のMicrosoft 365等のライセンス保有が前提
・データ転送料が別途発生
Windows 365 固定月額制
ユーザーごとにスペックと料金が固定で予算化しやすい
・Businessは帯域枠込み、Enterpriseで自社VNet接続時はエグレス課金
Amazon WorkSpaces 月額課金 or 時間課金
利用頻度に応じて無駄のないプラン選択が可能
・Windowsライセンス持ち込み(BYOL)には条件あり
・データ転送料が別途発生
Citrix DaaS サブスクリプション
機能やサポートレベルに応じた複数プラン
・Citrixライセンスの他にクラウド費用が別途必要
・ライセンス体系の理解に専門知識が求められる場合がある
Omnissa Horizon サブスクリプション or 永続ライセンス
オンプレミスでの利用も想定した柔軟なライセンス体系
・クラウド版は基盤となるクラウド費用が別途必要
・VMware製品群との連携が前提となることが多い

このように、単純な価格比較だけでなく、自社の現在のライセンス保有状況や、想定されるデータ通信量を考慮して、実質的な総所有コスト(TCO)を試算することが、最適なサービス選定の鍵となります。

比較軸2:パフォーマンス(Web会議の快適性・GPU対応)

業務の生産性に直結する「体感速度」を左右する技術や、Teams・ZoomなどのWeb会議ツールの最適化対応、CADなどで必要なGPU対応状況を整理します。

「仮想デスクトップは動作が遅い」というのは、もはや過去の話です。各社は独自の画面転送プロトコル(手元のPCとサーバー間で画面情報をやり取りする技術)を開発し、ユーザー体験の向上に努めています。特に、今やビジネスに不可欠となった「Microsoft Teams」や「Zoom」といったWeb会議ツールを快適に利用できるかは、重要な選定ポイントです。

Web会議の最適化とは、手元のPCのマイクやカメラで処理した映像・音声を、仮想デスクトップを経由させずに直接相手に送信する技術です。これにより、音声の途切れや映像の遅延を大幅に改善できます。

また、設計・開発業務で利用されるCADや動画編集ソフトなど、高いグラフィック性能を必要とするアプリケーション向けに、GPU(Graphics Processing Unit)を搭載した仮想デスクトップを提供しているかも比較のポイントです。

サービス名 画面転送プロトコル Web会議の最適化 GPU対応
Azure Virtual Desktop RDP (Remote Desktop Protocol) / RDP Shortpath Teams, Zoomに対応 あり (NVIDIA GPU搭載VM)
Windows 365 RDP / RDP Shortpath Teamsに対応 あり (GPU搭載プラン)
Amazon WorkSpaces PCoIP / WSP (WorkSpaces Streaming Protocol) Zoom, Teams (プレビュー)に対応 あり (NVIDIA GPU搭載インスタンス)
Citrix DaaS HDX (High Definition Experience) Teams, Zoom, Webex等に幅広く対応 あり (主要クラウドのGPU VMに対応)
Omnissa Horizon Blast Extreme / PCoIP Teams, Zoom等に対応 あり (NVIDIA vGPUテクノロジー)

Citrix社のHDXプロトコルは、ネットワーク品質が不安定な環境でも快適な操作性を維持することに定評があり、高いパフォーマンスが求められる場面で強みを発揮します。一方で、「Azure Virtual Desktop」や「Windows 365」もRDP Shortpathという技術で、可能な限り直接的な通信経路を確保し、遅延の少ない接続を実現しています。

\初心者から企業導入までの選定ポイントとメリットを詳しく網羅!/
【2025年最新版】CADソフトの比較33選|2D・3Dの特徴と選び方を徹底解説

比較軸3:運用管理とセキュリティ機能

管理者の負担を軽減する機能や、ゼロトラストセキュリティを実現するための認証強化、接続制御などの機能を比較します。

仮想デスクトップのメリットである「運用管理の効率化」と「セキュリティ強化」を最大限に引き出すためには、各サービスが提供する管理機能やセキュリティ機能の比較が不可欠です。例えば、ユーザーのデスクトップ環境を効率的に管理する上でプロファイル管理は非常に重要です。これは、ユーザーごとの設定(壁紙、ブックマーク、アプリケーションの設定など)をOS環境から分離して管理する技術で、ユーザーがどの仮想マシンにログインしても、常に同じ使い慣れた環境を再現できます。

セキュリティ面では、IDとパスワードだけに頼らない多要素認証(MFA)や、ユーザーの状況(場所、時間、デバイスの状態など)に応じてアクセスを細かく制御する条件付きアクセスへの対応が、ゼロトラストセキュリティ(全てのアクセスを信用せずに検証する考え方)を実現する上で鍵となります。

サービス名 プロファイル管理 認証・アクセス制御 運用管理のポイント
Azure Virtual Desktop FSLogix (標準技術) Microsoft Entra IDによるMFA・条件付きアクセス ・複数ユーザーでOSを共有しコスト効率化
・動的な自動スケール機能
Windows 365 FSLogix (標準技術) Microsoft Entra IDによるMFA・条件付きアクセス 管理が最もシンプル
・Microsoft Intuneによる統合管理
Amazon WorkSpaces 標準機能+FSLogixも利用可 AWS IAMによる認証、多要素認証に対応 ・OSの選択肢が豊富 (Windows/Linux)
・APIによる自動化や既存ツールとの連携が柔軟
Citrix DaaS Citrix Profile Management 多彩な認証方式に対応、詳細なアクセスポリシー制御 マルチクラウド/ハイブリッドクラウド環境の一元管理
・操作内容の録画など高度な監査機能
Omnissa Horizon Dynamic Environment Manager VMware Workspace ONE Accessによる認証 オンプレミスのvSphere環境との親和性が高い
・物理PCも含めた統合管理

「日本マイクロソフト株式会社」が提供するAzure Virtual DesktopとWindows 365は、同社のMicrosoft Entra ID(旧Azure AD)と緊密に連携し、高度な認証基盤を標準で利用できる点が大きな強みです。

一方で、「シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社」のCitrix DaaSや、「Omnissa」(旧VMware EUC部門)のOmnissa Horizonは、オンプレミスと複数のクラウド環境を組み合わせた複雑なシステムを一元的に管理できる点で、特に大企業や既存のIT資産を活かしたい企業から高く評価されています。

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3.【シナリオ別】中小企業に最適なおすすめ仮想デスクトップはこれ!

「結局、自社にはどれが合うのか?」という疑問に答えるため、具体的な業務シナリオ別におすすめのサービスとその理由を解説します。

3-1. 全社テレワーク推進なら:Azure Virtual Desktop (AVD)

既にMicrosoft 365を導入している企業に最適。複数ユーザーでOSを共有できるためコスト効率が高く、マイクロソフト製の安心感が魅力です。「日本マイクロソフト株式会社」が提供します。

多くの従業員がオフィス業務を行う中小企業で、全社的にテレワーク環境を整備したい、というシナリオでは「Azure Virtual Desktop」(以下、AVD)が最も有力な選択肢となります。

その最大の理由は、AVD独自の「Windows 10/11 Enterprise multi-session」という機能にあります。これは、本来1ユーザーで1台のOSを占有するところを、複数のユーザーで1つの仮想マシン(OS環境)を安全に共有できる技術です。これにより、仮想マシンの台数を大幅に集約できるため、特にコストを重視する大規模な展開において大きなメリットが生まれます。

【AVDがこのシナリオに最適な理由】

  • コスト効率の高さ
    multi-session機能により、仮想マシンのインフラコストをユーザー数に応じて最適化できる
  • ライセンスの有効活用
    対象となるMicrosoft 365やWindowsのライセンスを保有していれば、追加のOSライセンス費用が不要
  • 親和性の高さ
    TeamsやOneDrive、Microsoft Entra IDといった普段利用しているMicrosoftサービスとシームレスに連携できる

例えば、従業員100名規模の企業が全社で仮想デスクトップを導入する場合、AVDのmulti-sessionを活用すれば、従来のVDIに比べて運用・保守関連タスク(アプリケーション/ソフトウェアの展開・保守、ヘルプデスク対応など)で28%の時間削減できたという事例もあります。

3-2. PC管理を丸投げしたいなら:Windows 365

「クラウドPC」というコンセプトで、導入と管理が非常にシンプル。固定料金制で予算化しやすく、IT担当者の負担を最小限にしたい企業におすすめです。

「IT担当者が他の業務と兼任しており、仮想デスクトップの複雑な運用管理まで手が回らない」といった悩みをお持ちの企業には、「Windows 365」が最適です。

Windows 365は、ユーザーごとに仮想マシンのスペック(CPUやメモリ)と料金が完全に固定された月額制サービスです。AVDのような従量課金制と異なり、利用時間やデータ転送量を気にする必要がないため、非常に予算化しやすいのが特徴です。管理者は専門的な知識がなくとも、Web上の管理画面からユーザーへの「クラウドPC」の割り当てや初期化を簡単に行えます。

【Windows 365がこのシナリオに最適な理由】

  • シンプルな管理
    仮想マシンの構築やネットワーク設定といった専門的な作業が不要で、IT担当者の負荷を大幅に軽減
  • 予測可能なコスト
    ユーザー数×月額料金という分かりやすい料金体系で、想定外のコストが発生する心配がない
  • 導入の手軽さ
    申し込みから利用開始までのリードタイムが短く、迅速にリモートワーク環境を整備できる

PCの調達から廃棄までのライフサイクル管理をシンプルにし、担当者の運用負荷を抜本的に見直したいと考えている企業にとって、Windows 365はまさに「持たないPC運用」を実現する強力なソリューションと言えるでしょう。

3-3. 既存環境と柔軟に連携したいなら:Amazon WorkSpaces

OSの選択肢が広く、時間単位での課金も可能なため、柔軟な運用が可能です。アマゾン ウェブ サービス(AWS)」(以下、AWS)の豊富なサービスとの連携も強みです。

開発部門でLinux環境が必要、特定の業務アプリケーションがWindows Server OS上でしか動作しないなど、社内に多様なIT環境が混在している場合には、「Amazon WorkSpaces」が優れた選択肢となります。

Amazon WorkSpacesは、Windows Desktop OSだけでなく、Windows Server OSやAmazon Linuxといった複数のOSを選択できる柔軟性が魅力です。また、料金プランも常に起動しておく「月額課金」と、使った時間だけ課金される「時間課金」から選択できるため、フルタイムの正社員と短時間勤務のアルバイトといった異なる勤務形態の従業員が混在する企業でも、コストを最適化できます。

【Amazon WorkSpacesがこのシナリオに最適な理由】

  • OSの選択肢
    Windows OSに加え、Linuxデスクトップも提供しており、開発者やエンジニアのニーズに対応可能
  • 柔軟な料金体系
    月額・時間課金の併用により、多様な働き方に合わせて無駄のないコスト管理が実現できる
  • AWSエコシステムとの連携
    AWSが提供する豊富なクラウドサービス(ストレージ、データベース、認証基盤など)と容易に連携し、拡張性の高いシステムを構築できる

既に社内のサーバーインフラとしてAWSを利用している企業であれば、既存のネットワークや認証基盤をそのまま活用できるため、よりスムーズな導入が可能です。

3-4. 高性能・専門業務(CAD/開発)なら:Citrix DaaS

独自の画面転送プロトコル「HDX」により、高負荷なグラフィック処理や動画再生でも快適な操作性を実現。長年の実績を持つ「シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社」の信頼性が光ります。

建築・製造業での3D CAD利用や、デザイン・映像業界での動画編集、金融業界での高速なチャート表示など、パフォーマンスに一切の妥協が許されない専門業務には、「Citrix DaaS」が最も適しています。

Citrix社の強みは、長年の研究開発に裏打ちされた独自の画面転送プロトコル「HDX(High Definition Experience)」です。この技術は、ネットワークの帯域が限られていたり、多少の遅延があったりする環境でも、マウスカーソルの動きやキーボード入力をスムーズに画面に反映させ、まるでローカルPCを操作しているかのような快適なユーザー体験を提供します。

【Citrix DaaSがこのシナリオに最適な理由】

  • 卓越したパフォーマンス
    HDXプロトコルにより、高負荷なグラフィックアプリケーションでも遅延の少ない滑らかな操作性を実現
  • 幅広いデバイス対応
    PCだけでなく、タブレットやスマートフォンなど、多様なデバイスからでも高い操作性を維持
  • 高度なセキュリティと管理機能
    操作内容の録画や印刷の細やかな制御など、厳格なセキュリティポリシーが求められる業務にも対応できる

高価なワークステーションを各従業員に配布する代わりに、Citrix DaaSとGPU搭載の仮想マシンを組み合わせることで、場所を問わずに高性能なデスクトップ環境を提供しつつ、設計データなどの機密情報をデータセンター内で安全に集中管理することが可能になります。

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【2025年最新版】CADソフトの比較33選|2D・3Dの特徴と選び方を徹底解説

最後に、ここまで紹介したシナリオと最適なサービスの関係性を一覧表にまとめます。

シナリオ 最適なサービス 選定のポイント
全社テレワーク推進 Azure Virtual Desktop (AVD) Microsoft 365との親和性、multi-sessionによるコスト効率
PC管理の丸投げ Windows 365 管理のシンプルさ、固定月額制によるコストの予測可能性
既存環境との柔軟な連携 Amazon WorkSpaces OSの選択肢の広さ、柔軟な課金体系、AWSエコシステム
高性能・専門業務 Citrix DaaS HDXプロトコルによる卓越したパフォーマンスと操作性

この表を参考に、自社の最も優先すべき課題や目指す働き方を明確にすることで、数あるサービスの中から最適な仮想デスクトップを見つけ出すことができるでしょう。

4. 比較検討の段階で確認すべき、失敗しないための技術チェックリスト

カタログスペックだけではわからない、導入後の満足度を左右する重要な技術ポイントを3つに絞って解説します。サービス選定時に必ず確認しましょう。

チェック1:体感速度は十分か?RTTとWeb会議最適化

快適な操作の目安となるネットワーク遅延(RTT)の考え方と、Web会議の映像・音声を最適化する機能の有無を確認します。

導入後にユーザーから「マウスの動きがカクカクする」「文字入力が遅れる」といった不満が出る最大の原因は、ネットワークの遅延です。この遅延を測る重要な指標がRTT(Round-Trip Time)です。

RTTとは、手元のPCから送った信号(例:マウスクリック)が、データセンターにある仮想デスクトップに届き、その結果が画面に反映されて戻ってくるまでの往復時間のことです。この時間が長ければ長いほど、ユーザーは「遅い」と感じます。

では、快適な操作にはどれくらいのRTTが求められるのでしょうか?「Microsoft」社の公式ドキュメントなどでは、一般的に以下の目安が示されています。

  • 150ms未満:快適なユーザー体験が期待できる
  • 150ms~200ms:軽微な作業であれば許容範囲
  • 200ms超:生産性に影響が出る可能性が高い

特に注意が必要なのが、TeamsやZoomといったWeb会議ツールの利用です。これらのリアルタイム通信は遅延の影響を非常に受けやすく、最適化されていない環境では「音声が途切れる」「映像が固まる」といった問題が頻発します。

そこで重要になるのが「メディア最適化(Media Optimization)」という技術です。これは、Web会議の音声や映像といった負荷の高い通信を、仮想デスクトップのサーバーを経由させず、ユーザーのPCから相手へ直接(P2P)送信する仕組みです。この機能に対応しているかどうかは、Web会議の品質を左右する極めて重要なチェックポイントです。

チェック項目 確認すべき内容 なぜ重要か?
RTT (往復遅延時間) サービス提供者が推奨するRTTの基準値と、自社拠点からの実測値 この数値が体感速度の基本となるため
Web会議最適化 利用したいツール(Teams, Zoom等)のメディア最適化に対応しているか 対応していない場合、Web会議の品質が著しく低下する恐れがあるため

サービス選定時には、可能であればトライアル環境で実際にRTTを計測し、主要な業務アプリケーション、特にWeb会議ツールが快適に動作するかを必ず確認しましょう。

チェック2:プロファイル管理はどうする?FSLogixの重要性

ユーザーごとの設定情報を効率的に管理する「プロファイル管理」の仕組みは、ログイン時間や利便性に大きく影響します。

仮想デスクトップ環境では、複数のユーザーがサーバー上のOSを共有することがあります。その際に問題となるのが、「ユーザーごとのデスクトップ設定(壁紙、アイコンの配置、アプリケーションの個人設定など)をどう管理するか」です。この設定情報の集合体をユーザープロファイルと呼びます。

旧来のプロファイル管理方式では、ログイン時に大量のファイルをネットワーク経由でコピーしていたため、ログインに数分かかることも珍しくありませんでした。この問題を解決する現代の標準技術が「FSLogix」です。

FSLogixは、ユーザープロファイルを丸ごと1つのファイル(プロファイルコンテナ)に格納し、ユーザーがログインする際にそのファイルを仮想マシンに瞬時に接続します。これにより、あたかもローカルPCのプロファイルのように高速な読み書きが可能となり、ログイン時間を劇的に短縮します。

  • 旧来の方式:ログイン時に設定ファイルを一つずつコピー → 遅い
  • FSLogix:ログイン時にプロファイルコンテナを1つ接続 → 速い

現在、Azure Virtual DesktopやWindows 365ではFSLogixが標準的なプロファイル管理技術として採用されています。導入を検討する際は、単に「プロファイル管理ができる」というだけでなく、それがFSLogixのようなモダンな技術に基づいているか、そしてそのプロファイルコンテナを保管するストレージの容量や性能(IOPS)を適切に見積もることが、快適な利用環境の前提となります。

チェック3:ネットワークは安全か?Reverse ConnectとRDP Shortpath

安全な接続を担保しつつ、通信経路を最適化してパフォーマンスを向上させる最新技術への対応状況をチェックします。

仮想デスクトップを利用する際、どうやってインターネット越しに安全に接続するかは、セキュリティ担当者にとって最大の関心事の一つです。従来はVPN(仮想プライベートネットワーク)を利用したり、特定のIPアドレスからの接続のみを許可したりする方法が一般的でした。

しかし、現代のDaaSでは、より安全で効率的な接続方式が採用されています。その代表的な技術が「Reverse Connect(リバースコネクト)」です。

これは、ユーザーが接続要求を出すと、仮想マシン側からクラウドの管理サービス(ゲートウェイ)へ向かって接続を開始する仕組みです。これにより、仮想マシン自体がインターネットからの着信を待ち受ける必要がなくなり、不正アクセスの攻撃対象となる「扉」を閉じたまま安全な通信路を確立できます。

さらに、パフォーマンスを向上させる技術として「RDP Shortpath」があります。これは、Reverse Connectによって安全に認証が完了した後、可能であればゲートウェイを介さず、ユーザーのPCと仮想マシンの間で直接的な通信経路(UDP接続)を確立しようと試みる技術です。

技術名 目的 メリット
Reverse Connect セキュリティの向上 ・仮想マシンへのインバウンドポート開放が不要
・攻撃対象領域を最小化できる
RDP Shortpath パフォーマンスの向上 ・ゲートウェイ経由の通信を短絡(ショートカット)
・ネットワーク遅延を低減し、応答性を向上させる

この2つの技術を組み合わせることで、「社外からの接続は安全に認証しつつ、認証後の通信は最も効率的な経路で行う」という、セキュリティとパフォーマンスを両立した理想的なリモートアクセスが実現します。Azure Virtual Desktopなどがこの技術に対応しており、サービス選定の際にはこうした最新のネットワーク技術への対応有無も確認すべき重要なポイントです。

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5. 2025年の重要動向|業界再編とライセンス変更の注意点

仮想デスクトップ市場は変化のスピードが速く、最新の動向を知らないと将来的なリスクに繋がる可能性があります。知っておくべき3つの重要トピックを解説します。

5-1. VMware製品ユーザーは必読:「Omnissa」へのブランド変更

旧VMwareのHorizon/Workspace ONE製品群は、新会社「Omnissa」の製品となりました。今後のロードマップに注目が必要です。

長年VDI市場を牽引してきた「VMware」社のEnd-User Computing(EUC)部門は、2024年に親会社の「Broadcom」から大手投資ファンド「KKR」に売却され、「Omnissa」という名称の独立した新会社として再出発したことが正式に発表されました。

これにより、これまでVMwareブランドで提供されてきた主要な仮想デスクトップ製品「Horizon」や、統合エンドポイント管理製品「Workspace ONE」は、今後Omnissa社の製品として開発・提供が継続されます。

現在これらの製品を利用している企業、また導入を検討している企業にとって重要なのは、製品自体がなくなるわけではないという点です。Omnissa社は既存顧客へのサポート継続と製品ロードマップの推進を表明しています。しかし、独立した新会社となることで、将来的には以下のような変更が考えられます。

  • 製品のライセンス体系や価格設定の見直し
  • 新規機能の開発方針や他社製品との連携戦略の変更
  • パートナー企業やサポート体制の再編

既存ユーザーおよび導入検討企業は、今後Omnissa社から発表される公式情報を注視し、自社のIT戦略に与える影響を慎重に見極める必要があります。

5-2. Citrixユーザーの移行課題:「LAS」へのライセンス体系変更

Citrixは従来のライセンス認証方式から新方式「LAS」への移行を進めており、未対応の場合は機能停止のリスクがあるため注意が必要です。

オンプレミス環境で「Citrix Virtual Apps and Desktops」を利用している企業にとって、現在最も注意すべき動向がライセンス認証方式の変更です。

Citrix社は、従来のファイルベースのライセンス認証から、「Citrix License Activation Service (LAS)」というクラウドベースの新しい認証サービスへの移行を推進しています。これに伴い、古いバージョンのライセンスサーバーを利用し続けている場合、2026年4月15日以降、製品の一部機能が正常に動作しなくなる可能性があると警告されています。

具体的には、ライセンスサーバーがLASと通信できない環境では、猶予期間を過ぎると新規セッションの確立が拒否されるなど、業務に直接的な影響が出る恐れがあります。この変更は、主に永続ライセンスでCitrix製品を長年利用してきた企業に影響します。自社のライセンスサーバーのバージョンを確認し、もし古いバージョンであった場合は、猶予期間内にライセンスサーバーのアップデートや移行を計画的に進めることが強く推奨されます。

\Citrixライセンスは2026年4月15日までにLASに移行します!/
Citrix Licensing Transition to LAS by April 15, 2026 – XenTegra

5-3. 全員対象:旧Remote Desktopアプリは2025年5月で終了

Windows標準のリモート接続アプリが新「Windows App」へ統合されます。ユーザーへの事前のアナウンスが必要です。

仮想デスクトップへの接続に、Windowsの「リモートデスクトップ」アプリを利用している企業は多いでしょう。このうち、Microsoft Storeからインストールするアプリ版について、Microsoft社は「2025年5月27日をもってサポートを終了」し、後継となる「Windows App」への移行を促しています。

この変更は、Azure Virtual DesktopやWindows 365など、Microsoft社のクラウドサービスへ接続している全ユーザーに影響します。2025年5月27日以降、古いアプリはダウンロードできなくなるだけでなく、サービスへの接続がブロックされる可能性があります。

IT担当者は、以下の対応を計画する必要があります。

  • ユーザーへの周知
    新しいWindows Appへの切り替えが必要であることを、期限に余裕をもって全ユーザーへ通知する
  • マニュアルの更新
    新しいアプリのインストール方法や接続手順を記載したマニュアルを準備する
  • 事前のテスト
    本格切り替えの前に、新しいWindows Appで既存の環境へ問題なく接続できるかテストを実施する

なお、Windows OSに標準で組み込まれている「リモートデスクトップ接続」(mstsc.exe)や、MSIパッケージ版のクライアントは引き続きサポートされますが、Microsoftの最新機能を利用するためにも、Windows Appへの移行が推奨されます。

最後に、本セクションで解説した2025年の重要動向と、IT担当者が取るべきアクションを一覧表にまとめます。

動向 対象となるユーザー 必要なアクション
VMware EUCのOmnissaへのブランド変更 VMware Horizon/Workspace ONEの既存・検討ユーザー Omnissa社の公式発表(価格、ライセンス、ロードマップ)を継続的に注視する
CitrixのLASへのライセンス体系変更 オンプレミスでCitrix製品を永続ライセンスで利用中のユーザー 自社ライセンスサーバーのバージョンを確認し、期限までの移行計画を策定する
旧Remote Desktopアプリの提供終了 Microsoft Store版アプリで仮想デスクトップに接続している全ユーザー 2025年5月27日までに後継の「Windows App」へ移行し、ユーザーへ周知する

これらの動向は、現在利用しているサービスの継続性や、将来的な移行計画に直接関わる重要な情報です。仮想デスクトップの比較検討を行う際は、各社の製品機能だけでなく、こうした市場全体の変化も考慮に入れることが、より戦略的なIT投資判断に繋がります。

6. 導入成功へのロードマップ:PoC(概念実証)の進め方

仮想デスクトップの導入はスモールスタートが成功の鍵です。本格導入の前に、限定的な範囲でテスト導入(PoC)を行い、課題を洗い出すための具体的なステップを紹介します。

ステップ1:対象業務とユーザーの選定

まずはパイロット導入する部署やユーザーを決め、利用するアプリケーションをリストアップします。

仮想デスクトップの導入プロジェクトで最も避けたいのは、十分な検証なしにいきなり全社展開し、「遅くて使えない」「特定のアプリが動かない」といった問題が噴出することです。こうした失敗を防ぐために、PoC(Proof of Concept:概念実証)が不可欠です。PoCとは、本格導入に先立って、小規模な環境で技術的な実現可能性や導入効果を検証する取り組みを指します。

PoCを成功させる最初のステップは、対象者を適切に選定することです。全部署から1名ずつ集めるのではなく、特定の業務シナリオを代表する部署やチームに絞り込むのが効果的です。

【ユーザー選定のポイント】

  • 代表性
    一般的な事務作業を行う総務・経理部門のユーザーと、専門的なアプリケーションを使う設計・開発部門のユーザーなど、異なる業務パターンの代表者を含める
  • 協力度
    新しいシステムへの関心が高く、前向きにフィードバックを提供してくれるユーザーを選ぶ
  • 規模
    最初は5名~10名程度の管理しやすい人数から始める

ユーザーを選定したら、その人たちが日常業務で利用しているアプリケーションを全てリストアップします。Microsoft Officeのような標準的なソフトはもちろん、特定の業務でのみ利用する会計ソフトやCADソフト、自社開発のツールなども漏れなく洗い出すことが重要です。このリストが、次のステップで作成する評価項目の基礎となります。

ステップ2:評価項目の設定(ログイン時間、アプリ動作)

「ログインに30秒以上かからないか」「Web会議はスムーズか」など、具体的な評価基準を設けます。

PoCの成否は、評価項目をいかに具体的かつ客観的に設定できるかにかかっています。「使いやすい」「遅い」といった曖昧な感想だけでは、具体的な改善に繋がりません。評価は「定量的評価(数値で測れるもの)」「定性的評価(使用感など)」の両面から行いましょう。

本格導入の可否を判断するための、客観的な合格基準(ゴール)を事前に設定しておくことが極めて重要です。次の表は、PoCで利用できる評価シートの一例です。

評価分類 評価項目 合格基準(例)
定量的評価 ログイン時間 30秒以内
主要アプリの起動時間(例:Excel) 10秒以内
Web会議の品質(15分間) 音声の途切れ、映像の遅延がほぼない
ファイルコピー速度(100MB) 30秒以内
定性的評価 周辺機器の利用(USBメモリ、Webカメラ) 問題なく認識・利用できる
複数モニターでの表示 拡張・複製表示が意図通りに動作する
印刷 普段利用しているプリンターへ問題なく出力できる
全体的な操作感 ローカルPCと比較して大きな違和感がない

この評価シートを基に、PoC参加者へヒアリングやアンケートを実施します。評価基準を明確にすることで、導入候補の仮想デスクトップサービスが自社の要求水準を満たしているかを客観的に判断できます。

ステップ3:スモールスタートで課題を洗い出す

実際にユーザーに使ってもらい、フィードバックを収集。パフォーマンスや使い勝手の問題を本格展開前に解決します。

対象者と評価項目が決まったら、いよいよPoCを開始します。期間は、ユーザーが様々な業務パターンを試せるよう、最低でも1週間~2週間は設けるのが望ましいでしょう。

PoCの期間中は、IT担当者が参加者と密にコミュニケーションを取ることが成功の鍵です。単に「使ってみてください」と依頼するだけでなく、以下のような仕組みで積極的にフィードバックを収集しましょう。

  • 定期的なヒアリング
    毎日15分程度の短いミーティングを設定し、その日の問題点や感想を共有する
  • 専用のコミュニケーションチャネル
    チャットツールなどにPoC参加者専用のチャンネルを作成し、問題が発生した際にすぐ報告できる体制を整える
  • アンケートの実施
    PoC終了後、事前に作成した評価シートに基づいてアンケートを実施し、定量・定性の両面から評価をまとめる

PoCの目的は、単にサービスの優劣を決めることだけではありません。最も重要なのは、「本格導入した場合にどのような問題が起こりうるか」を事前に洗い出し、その解決策を見つけておくことです。

例えば、「特定のUSB機器が認識されない」という問題が見つかれば、本格導入前に対応可能なドライバーや設定を調査できます。「朝の始業時間にログインが集中して遅くなる」という課題が判明すれば、サーバーリソースの増強や設定の見直しといった対策を検討できます。

PoCで見つかった課題は、プロジェクトの成功確率を高めるための貴重な情報です。このステップを丁寧に行うことが、全社展開後のスムーズな運用に繋がります。

7.【まとめ】まずは主要サービスの無料トライアルを試そう

本記事では、仮想デスクトップを比較検討する上で不可欠な知識を、導入目的の整理から、主要サービスの比較、技術的な選定ポイント、そして導入成功へのロードマップまで、網羅的に解説しました。数あるサービスの中から自社に最適な一つを選び出すのは、決して簡単なことではありません。

しかし、ここまで解説してきたステップに沿って検討を進めることで、判断の精度は格段に高まります。自社に最適な仮想デスクトップを選定するための、重要なプロセスをもう一度確認しましょう。

  • 1. 導入目的の明確化
    なぜ仮想デスクトップが必要なのか(セキュリティ、働き方改革など)を定める
  • 2. シナリオに基づく候補選定
    自社の利用シーンに最も近いシナリオを参考に、有力なサービス候補を2~3つに絞り込む
  • 3. 技術チェックリストでの検証
    パフォーマンスや管理機能など、専門的な視点で候補サービスが要件を満たすか確認する
  • 4. PoCによる最終評価
    小規模なテスト導入を行い、実際の使用感を確かめて最終決定する

最後に、本記事で解説したシナリオ別のおすすめサービスを一覧表で再確認しましょう。

シナリオ 最適なサービス 決め手となるポイント
全社テレワーク推進 Azure Virtual Desktop (AVD) Microsoft 365ライセンスとの連携とコスト効率
PC管理の効率化 Windows 365 圧倒的な管理のシンプルさと、固定月額制によるコストの予測可能性
柔軟な環境連携 Amazon WorkSpaces OSの選択肢の広さ、柔軟な課金体系、AWSエコシステムとの親和性
高性能な専門業務 Citrix DaaS 独自のHDXプロトコルによる卓越したパフォーマンスと安定性

机上での比較検討で候補を絞り込んだら、次はいよいよ実際の使用感を確かめるフェーズです。

百聞は一見にしかず、という言葉の通り、最終的な判断を下す上で最も重要なのは、実際にサービスに触れてみることです。本記事で紹介した主要なDaaSの多くは、無料トライアル期間や、少額から試せるプランを用意しています。PoCの一環としてこれらのトライアルを積極的に活用し、自社の環境で本当に快適に動作するのか、その操作性をぜひご自身の目で確かめてみてください。

「仮想デスクトップ」の製品比較表

※税込と表記されている場合を除き、全て税抜価格を記載しています

  • 製品名
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  • 料金プラン
  • プラン名金額
  • 無料トライアル
  • 最低利用期間
  • 基本的な機能
    • 管理画面からPCの利用停止可
    • 外部デバイス対応
    • PC以外の端末対応
    • 国内メーカー
    • 永続的SSD
    • ファイルバックアップ
    • フルバックアップ
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製品のおすすめポイント

  • データをPCとクラウドに分散し、社外でも安全で快適なPCを利用できます
  • 秘密分散技術により、PCの盗難や紛失時も安心
  • オフライン時、クラウド上の分散片をUSBやスマートフォンに同期

リモートアクセスツール仮想デスクトップ

トライアル 有り
サポート 電話 メール チャット 

製品のおすすめポイント

  • カスタマイズ設計された理想的なデジタルワークスペースを提供できます
  • さまざまな形態や規模のチームでの活用が可能
  • 自由な働き方が可能にし、企業の機密データを保護します

仮想デスクトップ

トライアル 有り
サポート メール 

製品のおすすめポイント

  • 「PCにはデータが存在しているように見える」ことです
  • データを仮想化しているので、読み取ることはできません
  • テレワークでオフィス内と同じ作業をすることができます
トライアル 有り
サポート メール 

製品のおすすめポイント

  • 手元の端末にはデータが残らない、保存できない
  • 電子証明書による強固な端末認証
  • 直感的で使いやすいインターフェース

仮想デスクトップ

トライアル 無し
サポート メール 

製品のおすすめポイント

  • 手持ちのPCがハイスペックマシンになります
  • ローカルと分離できるので、セキュリティ対策ができる
  • 各個人に割り当てられた、クラウド上の仮想デスクトップ

仮想デスクトップ

トライアル 有り
サポート 電話 メール 

製品のおすすめポイント

  • 仮想デスクトップと仮想アプリケーションで時間や場所を問わないアクセスを実現
  • データの保護とコンプライアンスを確保します
  • パーソナライズされたデスクトップ環境により、テレワーク環境の実現

仮想デスクトップ

トライアル 無し
サポート チャット 

製品のおすすめポイント

  • モダンな従業員のニーズを満たし、機密データをセキュアに保ちます
  • お客様のビジネスに適したプランを選択できます
  • WindowsおよびLinuxアプリケーションの配信
トライアル 有り
サポート 電話 メール 

製品のおすすめポイント

  • 事実上どこからでもアプリケーションにアクセスできる
  • Azure portal 内で設置と増減作業をすばやく行えます。
  • インフラストラクチャのコストの削減できます

よくある質問

仮想デスクトップとリモートデスクトップの違いは何ですか?

接続先が異なります。リモートデスクトップは、オフィスに設置された物理的なPCへ遠隔接続する技術です。一方、仮想デスクトップは、データセンターのサーバー上に作られた仮想のPC環境へ接続します。仮想デスクトップは、物理PCの電源状態を気にする必要がなく、OSやアプリの管理を一元化できるため、企業での大規模な利用に適しています。

仮想デスクトップ導入にかかる費用は、1ユーザーあたり月額いくらぐらいですか?

一概には言えませんが、クラウド型(DaaS)の場合、一般的な事務作業用途であれば1ユーザーあたり月額3,000円~8,000円程度が目安となります。ただし、これは仮想マシンの利用料であり、別途Microsoft 365のライセンス費用や、データ転送料、ストレージ費用などがかかる場合があるため、トータルコストでの比較が重要です。

MacやiPad、スマートフォンからでも仮想デスクトップを利用できますか?

はい、ほとんどのサービスで可能です。主要な仮想デスクトップサービスは、WindowsやmacOSだけでなく、iOS、iPadOS、Androidなど、多様なデバイスに対応した専用クライアントアプリを提供しています。これにより、個人のデバイスを業務に利用するBYOD(Bring Your Own Device)も安全に実現できます。

クラウド上の仮想デスクトップサービスはセキュリティが心配です。本当に安全ですか?

非常に高いレベルで安全です。MicrosoftやAWSといった大手クラウド事業者は、世界最高水準のセキュリティ専門家と設備投資でデータセンターを保護しています。また、記事内で解説した多要素認証(MFA)や条件付きアクセスといった機能を組み合わせることで、個別のPCで管理するよりも堅牢なセキュリティ環境を構築できます。

仮想デスクトップを導入しても、自宅のインターネット回線が遅い場合、仕事になりませんか?

多少の遅延は発生しますが、多くの場合は仕事になります。現在の画面転送プロトコル(HDX、RDP Shortpathなど)は、ネットワーク帯域が比較的狭い環境でも操作感を維持できるよう最適化されています。ただし、高画質な動画の再生やリアルタイム性が求められるWeb会議などでは、品質が低下する可能性があります。無料トライアルで事前に確認することをおすすめします。

仮想デスクトップでは、スキャナーやペンタブレットのような特殊な周辺機器も使えますか?

多くは利用可能ですが、事前の検証が必要です。USBリダイレクションという技術により、手元のPCに接続したUSB機器を仮想デスクトップ上で認識させることができます。しかし、機器のドライバーや製品との相性によっては正常に動作しないケースもあるため、PoC(概念実証)の段階で必ずテストすべき重要項目の一つです。

Azure Virtual Desktop (AVD)とAmazon WorkSpacesは、結局どちらが良いのですか?

企業の状況によって最適解が異なります。既にMicrosoft 365を全社で利用している場合は、ライセンスの有効活用やコスト効率の面でAVDが有利です。一方で、Linux環境が必要であったり、AWSの他サービスと連携させたい、あるいは時間課金でコストを最適化したい場合はAmazon WorkSpacesに優位性があります。

仮想デスクトップ導入までには、どのくらいの期間がかかりますか?

クラウド型のDaaSであれば、数日から数週間で小規模な環境を構築することが可能です。PoC(概念実証)で1~2週間、その結果を基に設定を調整し、本格展開という流れが一般的です。オンプレミス型のVDIを自社で構築する場合は、サーバーの選定や設計・構築に数ヶ月単位の時間が必要になります。

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