【2024年最新】コンピテンシー評価とは?具体的な導入手順を徹底解説!
最終更新日:2024/07/23
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目次
近年、年功序列の風潮を撤廃し、年齢や役職を問わず、優秀な人材を評価する企業が多くなってきました。そんな今の時代に適した評価方法が「コンピテンシー評価」です。コンピテンシー評価は、それぞれの企業の求める人材が持つ「行動特性」を分析し、それを基に企業独自の評価基準を策定する手法です。企業の経営戦略に則った評価基準を定めることができる上に、優秀な人材を育成、獲得することができます。そんなコンピテンシー評価のメリット・デメリット、導入の手順、注意点を解説します。また、コンピテンシー評価のモデルを紹介するので、是非それを参考にしてみてください。
コンピテンシー評価とは
意味
コンピテンシー評価とは、企業内で高いパフォーマンスをあげる人材の「行動特性」を分析し、企業の戦略目的や部署の目標に合わせて評価基準を設定する手法です。社員個人の仕事に対する行動や思考プロセスなどを明確な基準を基に客観的に評価します。今までの評価システムよりも公平性が高く、納得感が得られやすい評価方法です。
目的
コンピテンシー評価の導入により、個々の社員の能力と企業が求める能力のギャップを明確にして、適切なトレーニングやキャリア開発を支援します。組織の戦略目標に必要なスキルを明確にし、評価に組み込むことで、戦略目標の達成を支援したり、採用プロセスの改善、早期離職者の減少に繋がります。また、評価手法が従来の一方的な評価とは異なり公平かつ透明性が高いので、社員も評価に納得をしやすくなります。
近年注目されている理由
近年は年功序列の風潮が減り転職する人が増えているため、優秀な人材の育成と保持が必要不可欠になっています。これにより公平で年齢にとらわれない実力主義の評価が重要視されています。コンピテンシー評価では評価項目が公開されていて、社員も納得しやすいため、非常に公平性が高いです。
他の人事評価制度との違い
MBO制度
MBO(Management by Objectives)は、1954年にピーター・ドラッカーが提唱した目標管理制度です。この制度では、会社の方針と社員の目指す方向性をすり合わせ、個々の目標を設定します。社員が自ら目標を設定し、その達成度を管理することで、業務効率の向上やモチベーションアップが期待できます。また、目標は明確かつ具体的に設定され、第三者が評価しやすいものとすることが理想です。MBOで自ら定めた目標の達成への道筋を自分で管理することで、自発的な行動が生まれ、組織の活性化やチームワークの向上などが期待できます。
↓MBO(目標管理制度)について詳しく解説している記事です。是非参考にして下さい!
職能資格制度(能力評価)
職能資格制度とは、社員の能力に応じて等級を定める日本で普及した評価制度です。能力向上により等級が上がるものの、役職とは連動しません。全社共通の評価基準を定めるので、公平性があり、人事異動も柔軟に行えますが、抽象的な評価のため納得感は得られにくい可能性が高いです。ゼネラリストや長期的な人材の育成には適していますが、現代には人件費の増加が問題となり、制度の見直しが求められています。
職務等級制度
職務等級制度とは、個別の職務ごとに仕事内容や難易度を明確に定義し、それに応じた給与を設定する制度です。職務記述書を用いて職務内容を詳細に記述し、同一労働同一賃金の原則を採用します。主にアメリカで発展した制度であり、年齢や学歴、勤続年数を考慮しない点が特徴です。日本企業では、チームでの活動が多く、個々の職務内容を明確に区別するのが難しいため、導入が進んでいませんが、グローバル化に伴い今後の対応が求められます。
360度評価
360度評価とは、上司や同僚・部下など複数の社員が評価者となり、一人の社員を評価する評価方法です。通常は上司が部下を評価しますが、360度評価では異なる立場の人が複数人で行う評価なので、公平性・客観性のある多面的な評価が可能です。360度評価が上手く機能すれば、社内の人間関係の改善やチームワークの向上も期待できます。
↓360度評価について詳しく解説している記事です。是非参考にしてみて下さい!
コンピテンシー評価のメリット・デメリット
コンピテンシー評価の導入には大きなメリットがあるが、一方でデメリットも存在します。しっかりと導入を検討するためにも、その両面を理解する必要があります。
◎メリット
コンピテンシー評価を導入するメリットは以下の通りです。
1.人事側の負担を減らせる
コンピテンシー評価は人事評価側の負担を減らすことができます。具体的な評価基準が定められているため、被評価者がコンピテンシー項目を満たす行動ができているかどうかで評価を決められます。評価基準が明確なので判断に迷うことがなくなり、結果的に人事評価を決定するのに費やす時間や負担を削減できます。
2.社員の働きやすさ、生産性の向上
コンピテンシー評価では、評価された社員の得意分野や改善点が明確になります。その結果、業務を進めるうえで必要な行動特性(コンピテンシー)を獲得でき、生産性向上にもつながります。また、評価基準が明確で納得しやすいため、社員のモチベーション向上を期待できます。その結果として、集中力やパフォーマンスの改善につながり、その点でも生産性向上が期待できます。
3.長期的・戦略的な人材マネジメントがしやすい
コンピテンシー評価のように具体性のある評価基準を用意することで、適切な人材配置だけでなく、採用のミスマッチを防ぐこともでき、組織のマネジメントに大きく役立てられます。適材適所の人材配置により、社員の働きやすさ向上やストレス軽減が期待できます。特に、専門性の高い従業員ほど高評価を得るべく努力をするので、即戦力の人材を育成しやすくなるでしょう。また、採用時にコンピテンシー評価を用いると、採用後のミスマッチ防止や事前の人材配置に役立ち、長期的・戦略的な人材管理をすることができます。
4.企業のビジョンと評価の方向性を合わせやすい
コンピテンシー評価では、自社の経営ビジョンや戦略と人事評価の方向性を合わせやすくなります。これまでの職能資格制度のような能力評価は、経営戦略や自社のビジョンに相反する評価になってしまうことも少なくありませんでした。しかしコンピテンシー評価の場合は、従業員一人ひとりの行動や思考が評価基準となります。企業の価値観と評価基準を合わせることで、社内全体に企業ビジョンが浸透しやすいだけでなく、社員の成長が企業の成長につながります。
◎デメリット
コンピテンシー評価を導入するデメリットは以下の通りです。
1.評価項目の選定、分析が難しい
コンピテンシー評価は、導入までのハードルが高いです。コンピテンシーの評価項目は既存のテンプレートなどがなく、自社独自の評価基準を作成する必要があります。さらに、評価のモデルとなるハイパフォーマーの選定や、行動特性のヒアリング・分析など多くの事前準備が必要です。分析の時点でつまずいてしまうケースも多くあります。評価モデルの選定や分析で完了しても、どう評価に落とし込むのが次の問題です。自社オリジナルのコンピテンシー評価を完成させるまでには多くのコストがかかるため、それを理解した上で導入を検討しましょう。
↓この記事内でWHOが公開しているコンピテンシーモデルを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
2.業務内容、経営状況などの適応しずらい
事業フェーズの変化や、市場・情勢の変化により、企業に求められる課題は変化するため、その都度社員に求められる行動特性が変化します。したがって、コンピテンシー評価は、定期的に変更や修正を繰り返しながら運用するPDCAサイクルが必要な人事制度です。しかし、コンピテンシーの評価項目は具体的で細かいため変更が難しくなります。導入後のメンテナンスコストは比較的高めであることを見越しておきましょう。また、評価基準が頻繁に変わると、社員は目指すべき方向が分かりにくくなることも考えられます。
3.コンピテンシーモデルが正しいとは限らない
コストをかけて分析し決定したしたコンピテンシーが、必ずしも自社の成果に貢献できるわけではありません。コンピテンシー評価モデルが正しいかどうかは、何度も検証を重ねなければ分からないのです。したがって運用と併用して、定期的なアップデートを行いましょう。
コンピテンシー評価の導入手順
次は導入のための手順を説明していきます。適切な導入手順踏まないと失敗する可能性が高まるので、注意しましょう。
1.評価制度の設定、推進チームを発足
コンピテンシー評価の導入には時間と手間がかかります。そのためシステムの導入や導入を推進するチームを発足しましょう。人事評価や採用に用いる制度で、企業にとって非常に重要であるため、責任者やマネージャーなどの役職が高い社員をチームにアサインしましょう。人事評価に活用したい場合は、人事評価システムの活用も検討してみてください!
2.社内の優秀な人材を選抜、分析
社内で優秀な成績を残している人材(ハイパフォーマー)を選び、その行動特性を分析、データ収集をしましょう。実際の行動と同時に「なぜそのような行動をとったか」という“思考の特徴”に気づくことも大切です。本人へのヒアリングや客観的な行動の特徴を組み込みましょう。
3.コンピテンシー項目の分析
ハイパフォーマーの行動特性からコンピテンシー項目を作成、決定する必要があります。それぞれの企業に適したオリジナルなコンピテンシー評価項目を選定することが重要です。社内に適したハイパフォーマーがいない場合は、理想となるモデル像から項目を選定しましょう。また、モデル像の項目とハイパフォーマの項目を融合させ、ハイブリッド型の項目を選定してもよいでしょう。
4.企業のミッション、ビジョン、経営戦略とすり合わせる
選定したコンピテンシー評価項目が、企業のビジョンや経営戦略、戦略目的などに即しているのかを確認する必要があります。この時点で、マッチしない評価項目を除外し、厳選することが成果を出すためのカギとなります。
5.コンピテンシーのレベル設定
確定したコンピテンシー評価項目ごとに、1~5までの5段階でレベルを分ける必要があります。レベル1が最もコンピテンシー評価を満たしていない、レベル5が最もコンピテンシー評価を満たしている状態となります。
6.コンピテンシー評価の検証、改善
コンピテンシー評価項目が確定したら、評価シートにまとめ、社員に共有、説明する必要があります。社員への説明が不足していると、社員のエンゲージメントの低下や、評価への納得感、評価方法への不満が生まれやすいので、しっかりと事前に目的や方法を説明しましょう。実装した後も、社員の声や売上成績、行動の改善などのフィードバックを得て、コンピテンシー評価項目を見直していくことが重要になります。また、経営戦略や社会の情勢が変化した際にも、フレキシブルにアップデートし続ける必要があります。
コンピテンシー評価導入における注意点
導入に失敗すると、企業にとっては非常に大きなリスクになります。コンピテンシー評価導入において、失敗しないための注意点を解説していきます。コンピテンシー評価導入の注意点は以下の通りです。
- 目的を忘れない
- コンピテンシーモデルを意識しすぎない
- コンピテンシーモデルや項目を時代に合わせて更新する
- 長期的に時間をかける
- 従業員への説明を怠らない
- 全人格アプローチを意識する(図1参照)
目的を忘れない
コンピテンシー評価を導入するそもそもの目的である、売上や成果の向上で企業の成長や発展を促さないことには、導入しても効果がありません。行動特性による評価基準も設けますが、成果を評価しないわけではありません。公正な人事評価を意識して、評価を行いましょう。
コンピテンシーモデルを意識しすぎない
コンピテンシー評価を導入する際には、自社ごとのコンピテンシーモデル作成します。コンピテンシーモデルでは、自社で求める理想的な従業員像やハイパフォーマー像が表されます。しかしコンピテンシーモデルどおりの人間はほぼ存在しませんし、モデルどおりの行動を取ることが導入の目的ではないです。一つの判断基準として導入し、従業員のモデル通りの行動を押し付けないように気を付けましょう。
コンピテンシーモデルや項目を時代に合わせて更新する
企業の成長段階や市場の動向、社会情勢などさまざまな要因によって、企業の目標は変化します。コンピテンシーモデルは企業の目標が変化したら、それに合わせて更新する必要があります。必然的に従業員一人ひとりに必要な行動特性や思考性も変化します。したがって、必要に応じた更新やメンテナンスを怠らないよう管理し続けることが重要になります。
長期的に時間をかける
コンピテンシー評価では、自社独自のコンピテンシーモデルや評価項目を設定する必要があります。自社のハイパフォーマーの行動特性を分析したり、企業の目標に適した理想像を明確化したりする必要があります。この分析には非常に時間がかかります。また導入後には、コンピテンシーモデルの更新やメンテナンスが必要不可欠です。したがって、導入して終わりという制度ではありません。長期的に導入できる企業には適していますが、すぐに変革を起こしたい企業には向いていません。
従業員への説明を怠らない
コンピテンシーは正しい用法を理解して実践すれば、組織内の行動規範や評価ツールの一つとして非常に効果的なツールとなります。従業員への周知や、コンピテンシー評価の仕方をしっかりと明確化することが非常に重要です。それを怠ると、従業員のモチベーション低下や不当な評価の原因となります。経営層がコンピテンシーの構築、運用、振り返りに大きく関与することで、社内への浸透が進み、より効果的な活用が実現します。
全人格アプローチを意識する
コンピテンシ―評価では、従業員の行動特性に加えて、性格特性、動機付け要因、経験という、キャリアに重大な影響を及ぼす四つの側面から人物を総合的に測るものです。このような包括的なモデルに当てはめることで、より精緻に能力を測ることが可能になるます。
図1.全人格アプローチ(https://dhbr.diamond.jp/articles/-/2689?page=3)
コンピテンシー評価における評価項目例
コンピテンションディクショナリーは以下の6領域と20項目に分けられています。この中から特に自社で必要だと考えられる評価項目をコンピテンシー評価に組み込みましょう。
1.達成・行動
- 達成志向
- 秩序・品質・正確性
- イニシアチブ
- 情報収集
達成志向
目標達成の執着心がなければ、いくら素晴らしい目標を作り上げたとしても達成することは難しいです。必ず目標達成をするという心意気を大事にしましょう。
秩序・品質・正確性
業務の流れを把握し、業務を正確に運用することで品質や秩序が保たれます。
イニシアチブ
企業が成長するためには、新たなことにチャレンジする能力も必要となります。
情報収集
データを収集する力や整理する力も、仕事をするうえで欠かせません。情報収集力や情報整理力は、管理職や幹部候補の社員に多く求められるコンピテンシーとなります。
2.援助・対人支援
- 対人理解
- 顧客支援志向
対人理解
組織では、人との協力関係が必要不可欠です。相手を理解しようと努力することは、よい組織づくりにとても重要です。
顧客支援志向
組織を代表して社外の人と接し、協力・理解を取りつけることができるひとは重宝されます。
3.インパクト・対人影響力
- 影響力
- 組織間隔
- 関係構築
影響力
他人に対して好印象を与える言動を意識したり、的確かつ説得力をもって表現できる人は重宝されます。
組織間隔
人との距離感を理解しながら接する力が求められます。
関係構築
組織内外の関係構築が求められます。人から信頼されるビジネスパーソンになるために、言動やマナーに注意しましょう。
4.管理領域
- 他者育成
- 指導
- チームワークと協力
- リーダーシップ
他者育成
部下・後輩に限らず他者に対して気づいたことを伝えることで、他者のことを成長させることができる人のことです。
指導
目標や新しいやり方、規則やルールを部下・後輩に徹底して守らせることです。
チームワークと協力
仕事をするうえで組織として行動する力やチームワークは重要です。1つのプロジェクトに対してチームとして業務を行う場合などは、組織力やチームワークをコンピテンシーの項目に設定した方がよいでしょう。
リーダーシップ
チーム全体で業務を行う場合、指示・統率などのリーダーシップが非常に重要になります。
5.知的領域
- 分析的思考
- 概念的思考
- 技術的・専門職的・管理的専門性
分析的思考
営業などの職種では、単に情報を伝えるだけでなく、相手の心に響く提案を行う力でもあります。このような提案をするためには、情報収集・分析が必要になってきます。
概念的思考
答えのない問いに対して、あらゆる角度から長期にわたり徹底的に考えることが求められます。
技術的・専門職的・管理的専門性
企画・クリエイティブ職種、技術職では、先見性、革新性な情報の活用や、 物事を客観的にとらえ筋道を立て、自分の考えを展開する能力が求められます。管理職ではこれらに加えて、あらかじめ予測されたトラブルに対して予防策や代替案を用意したり、仕事の流れや分担をしっかりとチェックする能力が求められます。
6.個人の効果性
- 自己管理
- 自信
- 柔軟性
- 組織コミットメント
自己管理
自己の性格やモチベーションを正確に認識し、対処しましょう。自分の能力や言動を客観的に認知し、自身の行動が周囲にどのような影響を与えるかということを理解し、社会人として行動できる力はどのような場面でも必要となります。
自信
几帳面さや誠実さ、思いやり、ビジネスマナーを持つことで、自分の自信が持てます。これにより他人に対しても素直に接することができます。
柔軟性
思い通りにいかなかったことに対しても、状況の変化に応じて、臨機応変に対処することが求められます。
組織コミットメント
上司・先輩とのコミュニケーションや補佐代行を怠らず、チームを目標達成意欲にみなぎらせる力は、重宝されます。
WHOコンピテンシーモデル
WHO(世界保健機関)が公開しているグローバルコンピテンシーモデル
以下にWHO(正解保健機関)が公開している、コンピテンシーモデルを掲載しています。ぜひ、自社のコンピテンシーモデルの検討・比較にご活用ください。ただし、WHOのものなので「保健」に関する項目が複数ありますので、活用する場合はこの辺りを自業界に置き換える必要があります。
1.コア・コンピテンシー
1.確実で有効な方法でコミュニケーションを行う
(定義)人々との会話や相互関係の上で、明確に自己表現でき、傾聴できる。また文章でのコミュニケーションもうまくできる。それによって情報の共有を確実にすることができること
<適切な行い>
- 対象となる相手のニーズにふさわしいコミュニケーションの方法や内容にそって、はっきりと話したり書いたりする。
- うまく組み立てられた確実な方法で、情報や意見を伝える。
- 人々が自らの考えを述べることを励まし、ゆっくりと時間をかけてその考えを理解し、熟考する。
- 間違いなくそのメッセージを聞き理解する
- 人々に重要で関係の深い問題について知らせ続ける。
<不適切な行い>
- 他人と有用な情報を共有しようとしない。
- オープンなコミュニケーションを殆ど促さない。
- 他人の意見に耳を傾けず、遮ったり、反論したりする。
- 人々との関わりの中でも、不適切に業界用語を用いる。
- 口頭や文書コミュニケーションでも、一貫性がなく、重要な点を見逃しがちである。
2.自分自身をよく知り、管理できる
(定義) わかりにくい状況やプレッシャーに対して、自己反省しながらうまく対処すること。批判を建設的な発展の機会と考えて活用す ること。継続的な学びの機会や、専門家としての成長の機会を求めること。
<適切な行い>
- 明確な情報や方向性が得られないような状況でも成果につながる仕事をする。
- プレッシャーがあっても生産的でいられる(やらされ的な仕事でも前向き)。
- 困難な状況下でも前向きで、後退してもすぐ回復できる。
- 建設的な批判を活用して、能力改善につなげる。
- 以前の経験や失敗から学び、教訓を能力改善に生かす意思を示す。
- スキルや知識や能力を高めるためにフィードパック情報(人の意見)を求める。
<不適切な行い>
- わかりにくい状況に直面すると無力感を示す(どうしようもないあきらめる)。
- 困難な状況では感情のコントロールができない。
- 建設的な批判に対しても、敵対的になり守りに入りすぎる。
- 知識を補い、技術的格差をうめる機会を逸してしまう。
- 変化すべきフィードパック情報が与えられでも、同じような行動を継続してしまう。
- 自らのストレスや、圧迫感を他人にぶつけてしまう。
3.成果を出す
(定義) 良質な成果を生み出し、手渡すこと。成果実現に向けた活動を行うこと。
<適切な行い>
- 仕事に対して、系統的かつ効率的に取り組んでいる。
- 良質な成果を生み、顧客のニーズを満たすための現実的な解決策を編み出す。
- 目標に向けた前進を常に進行管理しつつ、必要に応じて修正活動を行う。
- 指示が無くても行動でき、問題を効果的に処理しながら変化をもたらす。
- 自分の仕事に責任を持つ。
- 仕事を完遂するまでは見はなさない。
<不適切な行い>
- より重要な事柄を犠牲にして、ささいなことにこだわる。
- 不適切で他のニーズとぶつかるような解決策を見いだす。
- 成果よりもプロセスをより重視する。
- 不完全で不正確で厳密でない仕事を行う。
- 最終目標に向けた進行管理を怠り、期限を守らない。
- 意思決定が遅れ、行動が遅い。
4.変化する環境の中で前進する
(定義)新しいアプローチやアイデアを受け入れて、提案すること。変化に前向きに対応して適応すること。
<適切な行い>
- 新しい考え方や仕事上の手法に対して受容的である。
- 改革活動を積極的に支援する。
- 改善の機会を認識して、現実的な解決法を提案する。
- 活動プロセスの改善に向けた新手法や新技術の適用に努める。
- 優先度や要求の変化に応じて、速やかにかつ効率的に対応する。
<不適切な行い>
- 新しい要求や課題に直面した時に、変化を嫌がる。
- 新たな考え方に対して、柔軟な態度を示さない。
- 仕事上の環境変化にもかかわらず、旧来の考え方に固執する。
- 変化に直面すると前向きな展望を持てない。
5.連携とネットワークを育てる
(定義) 同僚やチームメンバーとの良い関係を創り育てること。争いをうまく建設的に処理できること。
<適切な行い>
- 成果を出すためにチームメンバーと協働する。
- 同僚のチームメンバーと協力をすすめ、良い関係を創れる。
- チームの決定に従って、支援し行動する。
- チームの成功や短所についても連帯責任を受け入れる。
- 争いを早めに見つけて、その解決を進める支援的行動を行う。
<不適切な行い>
- チームの目標を犠牲にして、個人的な目標達成にのみ重点を置く。
- 集団的な業務が求められるような状況で個別に活動する。
- 知識や情報や専門性をチームメンバーと共有しようとしない。
- チームに不和をもたらす。
- 争いをなだめようとしない
- 同僚を支援せず、足を引っ張る。
6.個性や文化の違いを尊重し、奨励する
(定義) 様々な経歴や考え方を持った人々と、建設的に仕事をする能力を示すこと。違いを認め、全ての人が貢献できることを請け合うこと。
<適切な行い>
- 文化的、ジェンダー的な問題を理解し、配慮し、それを日常業務や意思決定に適用する。
- 異なった文化や、性や、経歴を持つ人々と良い関係を持ち、うまく仕事をしていく。
- 型どおりの反応をしないように、自分の行いや態度をふり返る。
- 他人の視点で物事を考えてみる。
- より効果的な成果をもたらすために、人々の様々なスキルや 経験や知識を活用する。
<不適切な行い>
- 他人の視点から物事を考えようとしない
- 人々や集団に対して、偏見を持ち差別する。
- 理解できる型にはまった考え方に従って判断する。
- 同じような文化や宗教やジェンダーや階層の人々とのみ関係を持とうとする。
- 文化的な差違による全ての潜在的な争いを合理化してしまう。
7.手本となり模範となる
(定義) 会社の専門家として、倫理的、法的制限の範囲内で活動を行い、その遵守を他の人にも促すこと。明確な個人的・組織的倫理観 や価値観に従って行動し続けること。
<適切な行い>
- 企業の専門家としての倫理的・法的枠組みに従って理解し行動する。
- 表明された原則と行動との間に矛盾がなく一貫している。
- 他の人々とのつきあいが不透明でない。
- 他の人々が専門家らしくない振る舞いや、非倫理的行いをした時には対処する。
- 信頼を維持し、取り扱いに注意すべき微妙な情報は慎重に扱う。
- 自らの決定や活動に自信を持ち、それに責任を持つ。
<不適切な行い>
- 倫理的な基準を損なってでも、個人的事項を優先させる。
- 個人的・組織的倫理観や価値観にそぐわない行動を取る。
- 外部から圧力がかかると、組織のポリシーや規則や手順に反する行いをしてしまう。
- 熟慮や分別なしに、微妙な情報を扱ったりして、信頼を損なってしまう。
- 自らの活動や決定に責任を取らず、他人に責任を押しつける。
- 他人との合意や約束を守らない。
2.マネジメント・コンピテンシー
8.エンパワメント的で、やる気の高まった状況を作り出す
(定義) 課題や目標の達成に向けてスタッフを導き、動機づけること。全ての段階で求められる成果を出すことを自らやり甲斐を感じて 責任をもって行うこと。
<適切な行い>
- スタッフに明確な方向性を示し、彼らの目標を達成することを支援する。
- 役割、責任、報告ラインが明確に定められ、理解され、承認されていることを確認する。
- スタッフに適切に仕事を分配し、目標達成に必要な援助を行う。
- スタッフへの信頼感を示して、率先した活動を促す。
- スタッフと定期的に意見交換を行い、良い活動は認め、問題のある活動には対処する。
- スタッフを励まして、個人的・組織的目標達成を促す。
<不適切な行い>
- 自分の業務にのみ重点を置いて、マネジメントの責任を回避する。
- 不明瞭で部分的な指示しか与えず、期待される成果についてはっきり述べない。
- 他人をあまり信頼せず、他人に仕事を任せない。
- スタッフの可能性を認めようとせず、人材育成にあまり注意を払わない。
- 他人の貢献について認めようとせず、知ろうともしない。
- 悪い知らせは伝えようとしない。
9.資源の効果的な活用を確実に行う。
(定義) 企業の戦略的方向性にそって優先度を定めること。活動計画を策定し、実行し、必要な社会資源を組み立て、成果を進行管理し ていくこと。
<適切な行い>
- 環境を変化させることに重点をおいた明瞭な目的に向けた計画を策定する。
- 優先度を決め、現実的な目標や時間計画を明らかにする。
- 成果達成に必要な財政的・人的資源を明確にし、組み立て、効果的に管理する。
- 予期せぬ事態にも対応して、速やかに資源を再配分したり、優先度を再設定できる。
- 資源や予定された活動の前進をモニターする指標を確立する。
- 経費をモニターし、最も費用効果的な手法を活用するよう努 める。
<不適切な行い>
- 目標設定や実施計画が不明瞭で非現実的である。
- あらかじめ優先度を設定しなかったり、優先活動からしばしば外れてしまう。
- チームや自分自身への影響をよく考えずに話をしてしまう。
- 仕事の達成に必要な資源を明確にせず、組み立てもしない。
- 変化に直面しても、資源の再配分や優先度の変更が遅れてしまう。
- 自分自身や他人の目標や活動や予算を進行管理しない。
10.部門組織をこえた協働を築き、推進する
(定義) 企業に情報提供し、援助し、支援できる内外での協働を開発し、強化すること。組織間の協力や外部の協力者との連携を明確に し、活用すること。
<適切な行い>
- 機関の成功に向けて、 企業内部との業務連携や、外部の協力者との連携を理解し推進するよう努める。
- 企業内外で、相互に利益のある業務上の関係や連携を構築し 維持する。
- 成果を出すためのネットワーク構築を他機関にも促し支援す る
- 成果を上げるための企業内外での協力推進の機会を作り出す。
- 企業の異なる部門の人々にも呼びかけて協働する。
<不適切な行い>
- 企業内外での良好な関係の構築や、相互活動の機会を進めることに、殆ど関心がない。
- 機関の利益よりも、自分の利益を考えてネットワークを築いていく。
- 互いにあまり影響を与えない個別の組織として、部門をとらえている。
- 自らの業務分野を固守しすぎて、部門相互間の活動や介入を妨げる。
- 孤立して仕事をして、機関内の他の活動の統合に向けた積極的な努力をしない。
3.リーダーシップ・コンピテンシー
11.企業を将来的な成功へ推し進める
(定義) 健康課題や活動がより複雑になってきていることを、広く理解していること。目標を分かち合う魅力的なビジョンを創り上げ、人々の健康改善に向けた現実的な前進をうまく実現するための筋道を立てること。
<適切な行い>
- 国際的な公衆衛生に影響を及ぼしている要因の複雑な相互関係をよく理解している。
- 新しい傾向を予想しながら、企業の長期的な目標を推進するための機会を明らかにする。
- 企業の明確で一貫したアイデンティティを開発し、明確にする上で積極的な役割を果たす。さらに、企業内外にこのことを表明する。
- 企業の使命に沿っていて、かっ競合する優先課題間でのバランスがとれた戦略計画を策定する。
- なしとげるために戦略を用いたり、すべての適切な手段を用いる。
<不適切な行い>
- より広い背景で考えられず、仕事を自分の技術分野に閉じこめてしまう。
- 戦略や計画を策定する際にも、狭く地域的な視点でしか発想できない。
- 他人と相談したり、一緒に考えたりすることなしに、戦略を策定する。
- 明確で長期的なビジョンに基づいて、基盤づくりや活動をうまく進められない。
- 矛盾した優先課題を含む計闘を策定してしまう。
- 成し遂げるための適切なプロセスを明確にしたり、活用したりできない。
12.改革や組織的学習を進める
(定義) 学習や人材育成を促すような文化の創造を通じて、企業を活気付かせること。革新的なアプローチや問題解決方法を支持すること
<適切な行い>
- 変化や改善を推し進めながら、 企業を成功に導く新しい方法を探り続ける。
- 成果を出すための改革を他の人にも促す。企業の内外での学習と知識の共有を確実に行い、スタッフ間での学びいを促す。
- 組織効率を高める方法を見いだすために意見を求めていく。
- 責任感を高め、 企業をエンパワーメントしていく。
- 企業の中で学習と人材育成の機会を創り出す。
<不適切な行い>
- 継続的な学習や専門性向上を、殆ど進めようとしない。
- 他人からの改革的・創造的提案を無視し、現状肯定に偏っている。
- 他人と相談せず、結果を十分考慮せず、過激な方法でプロセスや手法を変えようとする。
- 組織効率についての意見を求めようとせず、意見も採り上げない。
- 企業内部での官僚主義的文化や階層的権力を維持しようとする。
13.保健のリーダーシップ上での企業の地位を高める。
(定義) 保健課題で、 企業をリーダーと見なすこと。 企業の使命に支援を求めること。対象者からの援助を導くような方法で、調整し計画しコミュニケーションすること。
<適切な行い>
- 企業の使命や事業をうまく推進する。
- 企業内外の人々とうまく交渉する。
- 活動がうまく展開できるように、他の人々との合意を得る。
- 他人との関係で、権威を示し、信頼される。
- 一連の適切な技術を用いながら、複雑で高レベルのメッセー ジを送る。
<不適切な行い>
- 重要な課題について弁明したり推進したりできない。
- 人々に影響を与えようとする時に、不適切な議論をしたり、有効でない協議を行ったりする。
- 持続可能な合意を取り付けられない。
- 信頼性に欠け、前向きな影響を与えられない。
- 対象者に込み入ったメッセージを送れない。
グローバル・コンピテンシー・モデル
福井大学では、学生の海外派遣について、福井大学グローバル・コンピテンシー・モデルを導入し、成果の検証を行っています。その際に利用されている「グローバル・コンピテンシ―モデル」を紹介します。
ジェネリックスキルに関する評価基準
ジェネリックスキルとは、グローバル化した「知識基盤社会」において、社会人として活躍できる能力を指します。
プロフェッショナルスキルに関する評価基準
プロフェッショナルスキルとは、ジェネリック・スキルを前提に、専門家としてグローバル社会に貢献するためのスキルを指します。
このように、自社の方向性に従ってコンピテンシ―モデルを作成したのちに、具体的な評価項目や、評価基準を作成しましょう!
福井大学グローバル・コンピテンシー・モデル
コンピテンシー評価における評価基準のサンプル
通常、コンピテンシー評価は5段階で評価し、その点数を付けた理由である「評価理由」を書きます。「コンピテンシー項目ごと」および「評価者ごと」の評価平均点を基に、最終的な評価を決定しましょう。コンピテンシー評価では5が最もコンピテンシーを満たし、1に近づくほどコンピテンシーを満たしていない人材という意味になります。また、職種別にコンピテンシー評価の項目を分けることで、より最適化された評価を行うことができます。以下で、評価項目と評価基準のサンプルを3パターン紹介します。
全社員向け
評価項目「業務改善力」の場合
- レベル1:仕事に対する姿勢が常に受け身で、改善の意識が全く見られない。
- レベル2:責任を持って業務を遂行しているが、改善の意識が見られない。
- レベル3:自発的に考え行動し、創意工夫や改善の取り組みが見られる。
- レベル4:自身の業務の範囲を超えて、チームや部署の課題解決に取り組み、全体の業務効率化や生産性向上を実現している。
- レベル5:社内全体に影響を与える改善行動を通じて、社内全体の業務効率化や生産性向上を推進している。
営業職向け
評価項目「プレゼンテーション能力」の場合
- レベル1:準備が不足しており、意図を正確に伝えられない。
- レベル2:準備は十分だが、意図を正確に伝えることに課題がある。
- レベル3:十分な準備を行い、意図を正確に相手に伝えられている。
- レベル4:相手の理解度に応じて、プレゼン内容を柔軟に調整できている。
- レベル5:相手の理解度や競合のプレゼンに応じて、プレゼン内容を柔軟に調整し、成約に結びつけている。
エンジニア職向け
評価項目「トラブル対応力」の場合
- レベル1:指摘されないとトラブルに気づかず、マニュアル通りの対応しかできず、対応が遅い。
- レベル2:トラブルに自ら気づけるが、マニュアル通りの対応しかできず、対応速度に課題がある。
- レベル3:状況に応じた最適な対応を自ら考え、迅速に行える。
- レベル4:迅速かつ最適な対応を行うだけでなく、トラブルの予防や再発防止に取り組んでいる。
- レベル5:迅速かつ最適な対応を行うだけでなく、トラブルの予防や再発防止に取り組み、そのノウハウを社内で共有している。
おすすめの人事評価ツール
株式会社サイダスのCYDAS PEOPLE
「働く」をスムーズにする全ての領域をカバーするタレントマネジメントシステムです。人事の声を多く開発に取り入れているため、現場の業務に即した機能が多く搭載されています。また、各機能を社員が日々使うことで、分析に使えるデータが自然と溜まっていくので、経営層は組織の状態を把握しやすくなり、人事はデータに基づいた異動計画・採用計画が立てられるようになるのも魅力です。
まとめ
ここまで読んで頂きありがとうございました!今回は、新卒採用や人事評価で導入されているコンピテンシー評価について詳しく解説してきました。コンピテンシー評価は、導入するのに相当な時間がかかる上に、経営戦略や経済状況に合わせて評価項目をアップデートし続ける必要があります。しかし長期的かつ効果的に運用することで、優秀な人材獲得から育成まで一貫して活用することができます。コンピテンシーモデルのサンプルや項目を参考にして、ぜひ導入してみてはいかがでしょうか。
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