管理職オンライン研修サービス8選【2025年最新】おすすめのカリキュラムを紹介

テレワークやハイブリッド勤務の普及により、管理職は従来の対面型研修だけでは習得しにくい、非対面コミュニケーションやデータ活用スキルの習得が求められています。

こうした背景の中で、時間や場所を問わず学べる「オンライン研修」はコスト削減と学習定着を両立する手法として注目を集めています。管理職層のスキルアップに最適な選択肢として、本記事ではおすすめサービス、導入手順、ROI測定方法を解説します。

1. 管理職向けオンライン研修のメリット

管理職向けオンライン研修は目標設定（OKR／KPI）や1on1、フィードバックなど、部下育成の基本スキルを研修で標準化することで、組織全体の育成力が均質化し、生産性が向上します。「組織の戦略実行力向上」と「持続的な人材育成基盤の構築」という二大目的を同時に果たします。

オンラインで行うことで、従来の集合研修と比べて利便性が高く、多くの企業で導入が進んでいます。ここでは主なメリットを３点に絞って解説します。

1.1. コスト削減

交通費・会場費・宿泊費を削減し、研修１回あたりの総コストを最大30％削減できます。例えば企業規模別に見ると、集合研修に必要な平均交通費と宿泊費は１名あたり５万円程度ですが、オンライン化で３万５千円程度に抑制可能です。

1.2. 学習効率を2倍に

モジュール化された短時間セッションと復習機能により、対面研修に比べ学習効率を約２倍に向上できます。受講者は自分のペースで復習動画を視聴できるため、理解度のばらつきを低減します。

1.3. PDCAサイクルが回せる

受講データ収集→分析・仮説設定→改善施策実行の３ステップで研修効果を継続的に最大化します。受講ログやアンケート結果を活用し、次回研修内容の改善につなげることで定着率が向上します。

以下は上記３大メリットの指標をまとめた比較表です。導入検討時の参考にしてください。

これらのメリットを踏まえると、管理職向けオンライン研修は費用対効果と学習定着を両立できる有力な選択肢です。

2. 管理職向け研修カリキュラム4大テーマ

以下では管理職に求められる４つのテーマを具体的に解説します。各テーマには実践的な演習を組み込み、即戦力化を図ります。

2.1. リーダーシップ強化

ビジョン型／コーチ型／サーバント型／変革型の４つのリーダーシップスタイルを演習で習得します。各手法をケーススタディ形式で体験し、自身のスタイルを客観的に分析できるようにします。

• 「Globis学び放題」：リーダーシップ基礎講座でビジョン型／コーチ型などをケースで学べます。
• 「Schoo for Business」：組織運営研修パッケージに多彩なリーダーシップ演習を含みます。
• 「Udemy Business」：リーダーシップ・コースセットで４スタイルを幅広くカバーします。

2.2. 目標管理スキル

OKR設定→KPI設計→進捗レビューの３ステップで、組織目標の達成率を80％以上に高めることができます。設定演習により具体的なOKRサンプルを作成し、PDCAを回すためのレビュー手法を学びます。

• 「SkillUpOnline」：OKR設定→KPI設計→レビュー演習をワーク形式で提供します。
• 「SkillBridge」：スキルマトリクス×OKR/KPI機能で具体的サンプル作成からレビューまで対応します。

2.3. コーチング技術

1on1面談ロールプレイとフィードバック手法演習で、部下育成に必要なコーチング力を２段階で強化できます。実際の対話例を録画で振り返り、効果的な質問技術と傾聴スキルを身に付けます。

• 「SkillUpOnline」：1on1演習とフィードバック手法をロールプレイで強化できます。
• 「Schoo for Business」：新任マネージャー研修パッケージでコーチング技術演習を実施します。
• 「SkillBridge」：1on1フォロー用テンプレート演習を標準機能として提供します。

2.4. 組織経営視点

財務分析・市場調査・リスクマネジメントの３つの経営指標を用い、管理職の意思決定力を養成できます。演習では財務諸表の簡易分析と市場データを活用した戦略立案を体験します。

• 「Globis学び放題」：ファイナンス入門で財務諸表分析と戦略立案を演習形式で学べます。
• 「Udemy Business」：戦略思考入門コースで市場分析とリスク管理フレームワークを解説します。
• 「AirCourse」：カスタム研修パックで財務・市場・リスク演習モジュールを自由に組み込めます。

以下は４大テーマの学習内容と期待効果をまとめた比較表です。導入時の参考にしてください。

3. 【管理職向け】オンライン研修サービス・プラットフォーム8選

以下では管理職向けオンライン研修に適したサービスを8つ紹介します。各社の特徴を比較しながら選定の参考にしてください。

3.1. SkillUpOnline

スキルマトリクス管理と目標追跡機能搭載で管理職の目標達成率を50％向上させた実績があります。OKR/KPIの進捗状況を可視化し、1on1面談時のフォロー利用が標準機能として提供されます。

おすすめのカリキュラム

• 目標達成ドライブ講座：OKR／KPI設定から進捗レビューまでをワーク形式で学びます。
• コミュニケーション×1on1演習：1on1面談の質問技術とフィードバック手法を実践ロールプレイで習得できます。

公式HP：Online IT courses and skills Training for IT Professionals – SkillUp Online

3.2. Globis学び放題

全6回のMBAプログラムを6カ月間オンラインで提供します。「グロービス学び放題」は戦略・リーダーシップ・ファイナンスの総合研修に最適で、修了生は累計3,000名を超えています。

おすすめのカリキュラム

• リーダーシップ基礎講座（全6回）：ビジョン提示型・コーチ型など各リーダーシップスタイルをケースで学びます。
• ファイナンス入門：損益計算書／キャッシュフロー計算書の読み方と意思決定への活用法を演習で体得。

公式HP：ビジネスの原理原則を学び 未来を切り拓く | グロービス学び放題

3.3. インソースLive

公的機関運営の安心感と研修活用シートによる事後フォローで効果を担保します。「インソースLive」は公益財団法人日本生産性本部が協力するプログラムで、事前課題と事後シートを活用した定着支援が特長です。

おすすめのカリキュラム

• マネジャーの三大役割演習：業績向上・部下育成・組織力強化の３テーマをZoomグループワークで体験。
• 事後フォローシート活用ワーク：研修で学んだ内容を職場で実践するための具体策を作り込みます。

Liveオンライン研修～自宅・オフィスから受講・実機演習―１名から参加できる研修の会社インソース

3.4. Schoo for Business

管理職向け専門パッケージを豊富にそろえ、マネジメント・リーダーシップ・コーチングなど階層別カリキュラムが充実しています。ライブ授業と録画視聴の併用で、忙しい管理職でもスケジュールに合わせた学習が可能です。グループ機能で社内ディスカッションもサポート。

おすすめのカリキュラム

• 新任マネージャー研修パッケージ：部下育成・1on1・チームビルディングの基礎を動画＋ライブQ&Aで学習。
• 組織運営研修パッケージ：階層別ケーススタディを通じてマネジメントスキルを演習で強化します。

3.5. WisdomBase（ウィズダムベース）

知識共有プラットフォームをベースに、管理職が自ら教材を組み立てられるカスタマイズ性が魅力です。OJTナレッジや成功事例を社内ナレッジ化しつつ、ダッシュボードで各自の学習進捗・成果を可視化できます。

おすすめのカリキュラム

• OJT設計ワークショップ：社内成功事例を教材に、自部署向けOJTプログラムのテンプレートを作成します。
• ナレッジ共有活用講座：ダッシュボードでの進捗管理と、学びを定着させるためのコミュニティ運営を習得。

3.6. SkillBridge

スキルマトリクス機能で管理職が自部署の育成領域を一目で把握できる設計されています。OKR/KPI連携や1on1フォロー用テンプレートが標準搭載され、目標管理からフィードバックまで一気通貫で運用できます。

おすすめのカリキュラム

• スキルマトリクス実践講座：自部署のスキルギャップ分析から育成計画の立案まで一気通貫で演習。
• 目標管理＆フィードバック連携：OKR設定後のフォローアップ面談テンプレートを活用した演習。

3.7.Udemy Business

世界中のビジネスプロフェッショナル向けコースを網羅しています。管理職研修に必要なリーダーシップ、戦略思考、ファイナンス基礎まで幅広くカバーし、多言語対応でグローバル展開企業にも対応可能です。

おすすめのカリキュラム

• リーダーシップ・コースセット：グローバル企業のケースを交えたリーダーシップ理論＋実践例を学習。
• 戦略思考入門：ビジネスモデルキャンバスや市場分析フレームワークを動画講義と演習で習熟。

3.8. AirCourse

シンプルなUIと豊富な標準テンプレートで、研修企画〜配信〜効果測定までをノンコードで実現します。管理職向けコースを自社専用にブランディングできるほか、アンケート機能で行動変容をリアルタイムに把握できます。

おすすめのカリキュラム

• カスタム管理職研修パック：自社向けに選定したモジュールをノンコードで組み合わせ、研修体系を設計。
• 効果測定レポート作成講座：受講後データを使ったレポート作成と改善提案書のフォーマット習得。

4. オンライン研修の成功事例3選

以下ではオンライン研修を導入して成果を上げた３社の事例を紹介します。各社の施策と具体的な効果をご覧ください。

4.1. 大手製造業A社

eラーニング導入で研修コスト40％削減、納期遵守率を10％改善した事例をご紹介します。従来集合研修にかかっていた交通費・会場費を大幅に抑えたほか、セルフペース学習により生産現場の稼働率低下を最小限に留めました。

4.2. IT企業B社

とあるIT企業では、ハイブリッド研修で1on1頻度を2倍に増加、エンゲージメントスコアを20ポイント向上させました。オンラインライブと対面ワークショップを組み合わせることで、部下との定期的な対話機会が倍増し、離職率低減にも寄与しました。

離職防止研修で人材流出を止める｜“辞めない組織”を作る方法、LMS連携も活用【__current_year__年版】

4.3. サービス業C社

とあるサービス企業では、「インソースLive」と「公的機関プログラム」を併用し、部下満足度を85％に引き上げました。公益財団法人日本生産性本部協力のライブ研修を組み込むことで、事前課題と事後フォローシートを活用した定着支援が効果を発揮しました。

次の表は各社の導入施策と成果を比較したものです。施策選定時の参考にしてください。

表をもとに、それぞれの自社課題に合った施策を検討すると効果的です。

5. 失敗しない導入ステップ5選

オンライン研修を確実に定着させるための具体的な５つのステップを解説します。

5.1. 課題抽出とKPI設定

現場インタビューやアンケートを用い、「部下育成・目標管理・リーダーシップ」の課題を抽出し、研修KPIを具体的に設定します。

5.2. プラットフォーム比較3軸

「機能・費用・サポート」の３軸で主要製品を比較し、自社に最適な１社を選定します。

以下の表は8つの製品比較です。各社の強みとコスト感を把握し、導入後の運用負荷や効果をイメージしながら検討してください。

5.3. パイロット実施1ヶ月

部長・課長候補で1ヶ月トライアル運用し、アンケートとヒアリングで改善点を抽出します。小規模展開により運用フローや学習モチベーションの課題を早期発見できます。

5.4. 全社展開の運用設計

ロールモデル選定と運営体制構築で、展開のブレ幅を最小化します。研修推進チームを設置し、管理職が実践例を共有する仕組みを取り入れます。

5.5. 効果測定と改善

「受講完了率・行動変容率・業績指標」の３指標で効果を評価し、次期研修に反映します。受講ログ分析と部門別アンケート結果を組み合わせ、PDCAを回して定着率向上を図ります。

6. ROIの計算方法と3大指標

ROI（投資対効果）を定量的に把握するための３つの指標と計算手順を解説します。

6.1. 受講完了率

受講完了率は受講開始者に対する最終モジュールまでの到達者割合です。完了率80％以上を基準とし、完了率が70％台前半にとどまる場合は、定期的なメールリマインドや上長によるフォローを実施しましょう。

6.2. 行動変容率

行動変容率は研修で学んだ知識・スキルを実業務に応用した社員の割合です。事後アンケートやKPI達成度を３カ月後に調査し、1on1やコーチングで課題を個別対応すると50％超を目指せます。

6.3. 業績向上率

業績向上率は研修実施前後で「売上・生産性・顧客満足度」の各指標を比較します。例えば研修実施前３カ月の部門売上合計と実施後３カ月の売上を比較し、上昇率を投資額で割ることでROIを算出できます。

以下の表は各指標の計算式と目安をまとめたものです。ROI評価のフレームワークとしてご活用ください。

6.4. ROI試算手順

以下では「Schoo for Business」を例に、参加50名規模で年間コストと想定される効果をもとにROIを計算します。導入判断の際は自社の研修回数や参加規模、効率化効果の前提値を調整の上ご参照ください。

ROI（投資対効果）計算

ROI＝(年間総便益－年間ライセンス費用)÷年間ライセンス費用×100
＝(1,600,000円－900,000円)÷900,000円×100
＝77.777％

この試算例では、「Schoo for Business」導入のROIは約77.8％となります。2年目以降も同条件で運用を続けた場合、ROIは概ね同じ水準で推移します。ただし利用定着や社内運用の最適化により、2年目には便益がさらに10％向上する可能性もあります。

7. 【まとめ】今すぐ研修プラットフォームを選定しましょう

オンライン研修は従来の集合研修と比べて利便性が高く、多くの企業で導入が進んでいます。「組織の戦略実行力向上」と「持続的な人材育成基盤の構築」という二大目的を同時に果たすことができます。オンライン研修の効果を最大化するには、まず自社の課題に合ったプラットフォーム選定が重要です。

以下のポイントでサービスを選定しましょう。

1. 研修目的と課題の整合性
2. 機能要件と操作性
3. 費用対効果（価格体系）
4. サポート体制と導入実績
5. 拡張性・連携性

オンライン研修を定着させるための一歩

導入するサービスが決定したら、以下のステップで導入を進めましょう。

1. 課題を明確にし、研修KPIを具体的に設定
2. サービスのトライアル運用
3. 受講完了率・行動変容率・業績指標の３指標で効果を評価

受講ログ分析と部門別アンケート結果を組み合わせて、PDCAを回して定着率向上を図りましょう。