製品を導入することになった背景

鹿児島県国民健康保険団体連合会は、国民健康保険制度の運営を担う重要な役割を果たしています。連合会は、保険者の目的達成のために、診療報酬等の審査支払業務のほか、保険者事務の共同処理、給付の適正化、保健事業等を支援しているのです。しかし、業務量の増加に伴い、特に「後期高齢者の質問票」のデータ化業務の効率化が求められました。この背景から、連合会はデジタル技術の活用を模索し、2022年にAI-OCR「AIRead」の導入を決定しました。この導入は、定型業務の自動化と省力化を目指す一環として、業務効率化の大きな一歩となりました。

導入前に企業が抱えていた課題

連合会では、新たに発生した「後期高齢者質問票登録業務」に対応する必要がありました。市町村から回収された質問票を「特定健診等データ管理システム」に登録する作業は、職員の手に余るほどの負担となっていました。外部委託も検討されましたが、個人情報の取り扱いやコストの面で問題がありました。このような状況の中、連合会はAI-OCR技術を用いて問題を解決する方法を探求しました。

導入前の課題に対する解決策

連合会は、複数のAI-OCRソリューションを比較検討しました。多くのAI-OCRはクラウドサービスを前提としており、個人情報を含む質問票のデータ化には適していませんでした。しかし、アライズイノベーションのAIReadは、オンプレミスでの利用が可能で、追加のハードウェア投資も不要でした。AIReadの無償トライアルを通じて、その利用感触と読取結果の確認を行い、最終的にAIReadを採用しました。このソリューションは、手書き文字の読み取りにも対応しており、連合会の具体的なニーズに合致していました。

製品の導入により改善した業務

AIReadの導入により、連合会は「後期高齢者の質問票」の読み取りとデータ化業務を大幅に効率化しました。月平均200枚の質問票を処理する必要がありましたが、AIReadを使用することで、作業時間を従来の1/3に短縮できました。特に、数字やチェックマークの文字認識精度が高く、人の確認作業がほとんど不要となりました。また、AIReadの最新バージョンでは日本語の手書き文書の精度も向上しており、今後の業務拡大にも寄与する見込みです。これにより、連合会は業務の自動化を進め、職員のワークライフバランスの実現にも貢献しています。