製品を導入することになった背景

創業120年余りを誇る株式会社熊谷組は、日本建設業界の中で長い歴史を持つ企業として知られています。近年、建設業界はICTの活用を進め、労働環境の改善や生産性の向上を目指しています。国土交通省が提唱する「i-Construction」の取り組みを受け、株式会社熊谷組もICTの導入を進める中で、社内の膨大な資料やノウハウの共有・活用が課題となっていました。この背景から、図研プリサイトの「Knowledge Explorer」を導入することとなりました。

導入前に企業が抱えていた課題

株式会社熊谷組は、日々の業務で膨大な量の資料を蓄積していましたが、これらの資料は現場単位で保管され、効果的な情報共有の仕組みが存在していませんでした。また、完工プロジェクトの資料は本社でディスクに保存されているものの、必要な資料を迅速に検索・参照することが難しく、ベテラン社員の退職によるノウハウの喪失も懸念されていました。

導入前の課題に対する解決策

上記の課題を解決するための策として、AI技術を活用した「Knowledge Explorer」が紹介されました。この製品は、社内のPCやサーバに保存されたさまざまなファイルから、必要な情報を簡単に抽出することができる特長を持っています。また、完全一致のキーワードでなくても情報を検索できるため、従来の検索方法よりも効率的に情報を取得することが可能です。これにより、散在するデータを人の手で収集・分類する手間が省かれました。

製品の導入により改善した業務

「Knowledge Explorer」の導入により、株式会社熊谷組は44万件以上のファイルを横断して活用する仕組みを実現しました。この製品のAIによる関連資料の通知機能を利用することで、論文の執筆時に関連する情報を迅速に取得することができるようになりました。また、新規の施工計画書を作成する際に、過去の類似事例を参照することが容易になり、業務の効率化が図られました。さらに、この製品の活用により、若手社員とベテラン社員間のコミュニケーションが活性化し、技術やノウハウの継承が円滑に進められるようになりました。