ブランドアンバサダーとは？起用するメリット・デメリットや選び方を解説

自社ブランドの魅力を広め、販売促進を行うには、ブランドアンバサダーの起用が効果的です。とはいえ、著名人やインフルエンサーをアンバサダーに起用するにあたっては、メリットや効果、注意点などを把握しておく必要があります。

この記事では、企業がブランドアンバサダーを起用するメリット・デメリットから選び方まで詳しく解説します。

ブランドアンバサダーとは

ブランドアンバサダーとは、企業の広告塔としてブランドや商品・サービスの魅力を広める人のことです。ブランドの価値観やビジョンを体現し、情報発信をすることで、ブランドの認知や好感度を高めたり、購買を促したりする役割を果たします。

アンバサダーは、著名人やインフルエンサー、専門家、ブランドのファンなどから選ばれることが一般的です。ブランドにゆかりがある人物や、消費者との距離が近い人を起用すると、消費者に親近感を持ってもらいやすいでしょう。

自社のブランドコンセプトやターゲット層と親和性の高い人物をブランドアンバサダーに起用することは、認知度向上や宣伝の機会につながります。

インフルエンサーとの違い

ブランドアンバサダーとインフルエンサーは、似て非なるものです。その違いは主に役割とブランドとの関係の深さにあります。

インフルエンサーとは、SNSを通じてたくさんのフォロワーに影響を与える人物のことを指します。多くの場合、特定のキャンペーンやプロモーションにおいて一時的にブランドと協力し、影響力によって認知向上や購買意欲を促進します。

一方、ブランドアンバサダーは長期的なパートナーシップを結び、ブランドの一員として継続的に活動することが一般的です。ブランドのファンとして商品やサービスの魅力をしっかり理解し、自分の言葉で発信できるという特徴があります。

ブランドアンバサダーは、ブランドの一員として活動するなど、ブランドとの結びつきが強く、信頼性が高いという点においてインフルエンサーと異なります。

ブランドアンバサダーの種類

ブランドアンバサダーには、「対面型アンバサダー」と「オンライン型アンバサダー」の2種類に大別されます。

対面型アンバサダー

対面型アンバサダーは、会議や展示会、PRイベントなどに出席して宣伝活動を担います。具体的には、オフラインイベントで実際に販促品を着用したり配布したり、ファンと交流したりします。ファンと直接交流できる点が強みです。

オンライン型アンバサダー

オンライン型アンバサダーは、オンラインイベントやSNSなど、インターネット上での宣伝活動を担います。たとえば、SNSでブランドについて発信したり、ファンコミュニティに参加したりすることが一般的です。国や地域に縛られることなく最適な人物を起用し、宣伝活動を行えることがメリットです。

ブランドアンバサダーを起用するメリット（効果）3つ

企業がブランドアンバサダーを起用する主なメリットを3つ紹介します。

• ブランド認知度の向上
• ブランド信頼性の強化
• 顧客エンゲージメントの向上

ブランド認知度の向上

ブランドアンバサダーの起用には、ブランドの認知度を大幅に向上する効果があります。影響力をもつアンバサダーがブランドを紹介することで、多くの人々にリーチし、潜在顧客層にブランドを認知させることができます。

たとえば、英会話大手であるECCでは大谷翔平選手をブランドアンバサダーとして起用しています。ECCは、大谷選手の持ち込み企画である留学支援プロジェクトを発表したところ、すぐさま拡散され、X（旧：Twitter）での総メンション数は38,000件を記録。

実際に、メディアインテリジェンスツールを使ったMeltwater社の調査では、大谷選手をアンバサダーとして起用したことによって自社ブランドの認知が高まった効果があったことがわかっています。

このように、強い影響力をもつ著名人やインフルエンサーなどをブランドアンバサダーに起用することで、ブランド認知度の向上が期待できます。

ブランド信頼性の強化

ブランドアンバサダーの権威や好感度を活かすことで、ブランドの信頼性を強化できます。

一般消費者は、広告や企業が発信する情報よりも、自分が信頼する人が発信する情報やおすすめする製品・サービスに対して高い信頼を寄せる傾向があります。そのため、ターゲット層が好感を寄せている人物や憧れている人物をアンバサダーとして起用することで、ブランドの信頼性を裏付けることができます。

また、宣伝活動を通してアンバサダー自身の体験や感想が共有されることも、消費者の理解や信頼が深まることにつながります。

顧客エンゲージメントの向上

ブランドアンバサダーの起用は、顧客と良好な関係を築き、エンゲージメントを高めるのにも役立ちます。

アンバサダーがSNS上でブランドに関する投稿を通してファンとコミュニケーションを取ったり、PRイベントなどでファンと直接交流したりすることで顧客とのつながりを強化できます。これにより、消費者はブランドに対して親近感を持ちやすくなり、ブランドとの関わりが深まります。

ブランドアンバサダーを起用するデメリット2つ

ブランドアンバサダーを起用するにあたっては、留意しておきたいデメリットも2点存在します。

• 不祥事などによる損害
• 起用に手間とコストがかかる

不祥事などによる損害

アンバサダーマーケティングでは、ブランドアンバサダーの行動が良くも悪くもブランドに直接影響します。

もし、アンバサダーの不祥事やスキャンダルなどが報道された場合、消費者の信頼が揺らぎ、ブランドイメージが損なわれるリスクが伴います。このような事態が発生すると、信頼回復に多大な努力とコストを要することも少なくありません。

そのため、企業がアンバサダーを起用するにあたっては、過去の行動や評判などを慎重に確認し、信頼できる人物を選ぶ必要があります。

起用に手間とコストがかかる

アンバサダーの起用には、一定以上の手間とコストがかかります。数多くの著名人やインフルエンサーの中から、自社と親和性の高い候補者を探し出すのは手間と時間がかかる作業です。

また、アンバサダーの起用には十分な予算の確保も必要です。とはいえ、アンバサダーマーケティングは、テレビCMなどの他のマーケティング手法と比べて費用対効果が高いと言われています。メリット・デメリットを照らし合わせた上で、慎重に検討する必要があるでしょう。

ブランドアンバサダーの報酬

ブランドアンバサダーの報酬は、一般的に公開されていないケースがほとんどです。

一口にブランドアンバサダーと言っても、企業や業界によって仕事内容や契約の期間などはさまざまです。また、著名人やインフルエンサーを起用するのか、一般消費者の中から起用するのかなど、その人物の知名度や影響力によっても報酬相場は大きく変わってきます。

たとえば、著名人や人気インフルエンサーをアンバサダーとして起用する場合、報酬は高額になる傾向にあります。一方、一般消費者や専門家がアンバサダーを務める場合、報酬は比較的控えめです。

報酬形態としては、アンバサダーマーケティングではフォロワー数にかかわらず一定額を支払うことが一般的です。

ブランドアンバサダーの選び方

ブランドアンバサダーを起用するにあたっては、自社に合った人物を選ぶことが重要です。ここでは、ブランドアンバサダーを選ぶ際に注意したいポイントを3つ紹介します。

• 自社との親和性
• 信頼性と影響力
• ブランドへの熱量

自社との親和性

ブランドアンバサダーを選ぶ際に最も大切なのが、自社との親和性です。

自社のブランドイメージやターゲット層との親和性が高いほど、消費者に対して一貫したメッセージを発信し、ブランドの魅力をしっかり伝えることができます。

具体的には、ブランドの価値観やビジョンに共感し、それを体現できる人物を選定する必要があります。また、ブランドアンバサダーのファン層やフォロワー層が、自社のターゲット層と合致しているかどうかも重要なポイントです。

ブランドアンバサダー選定時には、候補者の価値観やライフスタイル、ファン層などがブランドとどれだけ一致しているかを慎重に評価するようにしましょう。

信頼性と影響力

ブランドアンバサダーを起用するにあたっては、信頼性と影響力の高さも大切なポイントです。

消費者は信頼できる人物のおすすめに基づいて購買決定を行う傾向があるため、アンバサダーの信頼性はブランドの信頼性に直結します。また、ブランドアンバサダーが不祥事に巻き込まれた場合、ブランドに損害を与える可能性があるため、信頼のおける人物を選ぶことが重要です。

加えて、影響力も重要な要素であり、アンバサダーがどれだけ多くのフォロワーやファンを持っているかも考慮する必要があります。影響力の大きい人物にブランドの広告塔になってもらうことで、より多くの潜在顧客層にリーチできるでしょう。

ブランドへの熱量

ブランドに対して強い熱量を持っていることも、アンバサダーを選ぶ上で重視したいポイントの1つです。

そもそもアンバサダーはブランドのファンである人が選ばれることが多いです。というのも、アンバサダーが心からブランドを指示し、その製品やサービスに対する熱意を持っている方が、消費者にブランドの魅力が伝わりやすいからです。

たとえば、アンバサダーが製品を実際に使用し、その価値を理解している場合、宣伝活動における信頼性と説得力は高まります。また、ブランドに対する熱量が高いアンバサダーは、プロモーション活動に積極的に参加し、時にクリエイティブな情報発信により拡散やバズりを生み出すことも期待できます。

アンバサダー起用時には、候補者がブランドに対して熱意を持っているかを見極めるようにしましょう。

アンバサダーの起用でブランド認知度を向上させましょう

この記事では、企業がブランドアンバサダーを起用するメリット・デメリットや選び方などを解説しました。

ブランドアンバサダーの起用には、その人物の信頼性と影響力を活用して、ブランド認知向上や顧客とのつながり強化など多くのメリットがあります。しかし、不祥事や炎上などに巻き込まれてブランドイメージが低下するリスクもあるため、アンバサダーの選定は慎重に行う必要があります。

マーケティング強化の一環として、ぜひ自社ブランドと親和性の高いブランドアンバサダーの起用を検討してみてください。

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