IaaSの導入事例6選｜導入前の課題や導入後の効果を紹介

最終更新日：2023/08/04

執筆者

デジタル化の窓口編集部

株式会社クリエイティブバンク

『デジタル化の窓口』は、この国のデジタル課題「2025年の崖」に備えるため2022年にサービスをスタートしました。1,500以上のIT製品、4,000以上の導入事例を掲載し、特長・選び方を分かりやすく整理して解説することで、自社に最適な製品・サービスを見つけるお手伝いをする紹介サービスです。

本記事では、企業がIaaSを導入することで、どのような効果を得られたのかについて紹介します。導入した企業の業種と規模を確認し、導入前の課題から改善の施策、導入後の効果を知ることでIaaSを導入する際の参考にしましょう。

導入事例1：ドリームカーゴシステム株式会社
（導入製品：楽天クラウド Red Hat OpenStack Platform）

お客さまがクラウドを導入される時には「楽天クラウド Red Hat OpenStack Platform」をお勧めしています。手厚いサポート、安定稼働が決め手です。

※出典：Case Study03 ドリームカーゴシステム株式会社様 | 楽天クラウド Red Hat OpenStack Platform

業種	企業規模
IT・情報通信	21名-50名

導入前の課題

自社製品開発において、「どりかご君」と「せんびき君」の導入を検討する際、クラウドの選定においていくつかの課題がありました。まず、営業の効率化とサポートの充実が求められていました。また、以前の他社クラウドでの経験から、安定性とメンテナンスの手間が問題視されていました。さらに、弊社製品と連携するサービスのIP固定条件もクリアしなければならない点も重要でした。

改善の施策

これらの課題を解決するために、楽天クラウドの導入が選択されました。営業の効率化とサポート充実のため、楽天コミュニケーションズのフットワークのよさと柔軟な対応力が評価されました。他社クラウドの問題から学び、楽天クラウドの安定稼働とトラブルなしの経験から信頼性を確認しました。また、弊社製品と連携するサービスのIP固定条件をクリアしている点も重要な決め手でした。

導入後の効果

楽天クラウドの導入後、営業の効率が向上し、サポートの手厚さによりスムーズな運用が実現しました。安定稼働とトラブルのなさにより、メンテナンスにかかる手間や時間が大幅に削減されました。弊社製品と連携するサービスのIP固定条件をクリアしたことで、連携パートナーとの連携も円滑に進んでいます。これらの効果により、より高い効率化が実現し、製品開発において大きな成果を上げることができています。

導入した製品：楽天クラウド Red Hat OpenStack Platform

楽天クラウド Red Hat OpenStack Platformの製品情報はこちら→ https://digi-mado.jp/products/36080/

楽天クラウド Red Hat OpenStack Platformの事例一覧はこちら→ https://digi-mado.jp/case/?prd_id[]=36080

導入事例2：株式会社レアジョブ（導入製品：さくらのクラウド）

オンライン英会話界の寵児「レアジョブ」のITインフラを支えるサービスとは

※出典：オンライン英会話界の寵児「レアジョブ」のITインフラを支えるサービスとは | さくらインターネット

業種	企業規模
教育	101名-300名

導入前の課題

レアジョブは順調にビジネスを成長させてきたが、重要な課題を抱えていました。特に予約システムはビジネスの拡大に伴い、つぎはぎのシステムになり耐えられなくなっていた点が問題でした。ホスティングサービスで調達したインフラは機器増設の柔軟性に限界があり、突発的なトラフィック急増に対応できない状況でした。さらに、システムの性能向上への要望も限界を迎えていました。このままではITがビジネス成長の足を引っ張る恐れがありました。

改善の施策

この課題に対して、レアジョブは2012年に予約システムを刷新するプロジェクトを立ち上げました。新たなフレームワークの基にアプリケーションを再構築し、スケーラビリティに優れたインフラに移行することを目指しました。その際に、さくらインターネットの「さくらのクラウド」と「さくらの専用サーバ」を採用することを決定しました。クラウドと専用サーバの接続サービスがリリースされるタイミングも良く、移行に適していたことも決め手の1つでした。

導入後の効果

実際のシステム移行作業は順調に進行しており、サービスの使いやすさを再確認することができました。特に「サーバ設定の自由度」は大いに助かっており、社内で開発したものをそのまま安心して動かすことができるという利点を享受しています。さくらのクラウドと専用サーバは石狩データセンターで運営されており、地理的に離れていて自然災害の少ない立地なため、システムの信頼性も高まっています。これにより、システム全体として高い信頼性を確保できると考えられています。

導入した製品：さくらのクラウド

さくらのクラウドの製品情報はこちら→ https://digi-mado.jp/products/35900/

さくらのクラウドの事例一覧はこちら→ https://digi-mado.jp/case/?prd_id[]=35900

導入事例3：JFEテクノリサーチ株式会社
（導入製品：JGranz IaaS）

自社で運用管理していたデータセンターのサーバ20台を「JGranz IaaS」へ移行。 JFEグループのITインフラ統制に準拠した基盤で安定運用しています。

※出典：JGranz導入事例:JFEテクノリサーチ株式会社 | JFEシステムズ株式会社

業種	企業規模
ビジネスサービス	301名-1,000名

導入前の課題

従来のデータセンターでは、ITインフラ統制に準拠するために個別に対策を取る必要があり、サーバトラブルが発生する度にベンダー間の調整に時間を割かれるなど、運用負荷がかかっていました。また、データセンターの契約更新時期を考慮しつつ、移行するか更新するかを検討する状況でした。

改善の施策

JFEグループのITインフラ統制に準拠した共通基盤である「JGranz」への移行が選択されました。これにより、セキュリティサービスによってITインフラ統制に準拠した施策が提供され、将来の変更にも対応できる点が評価されました。移行計画は段階的に行われ、リハーサルを通じて移行手順やデータ量、所要時間などを確認し、リスクを軽減するために前もってサーバの一部を移行・新規設置しました。

導入後の効果

JGranzへの移行により、IT業務改革部は本来の業務である他部門の業務改善にリソースを集中できるようになりました。サーバトラブルへの対応から解放され、JFEグループのセキュリティポリシーの変更にも自社で対応する必要がなく、安定運用が担保される安心感を得られるようになりました。また、スムーズな移行を実現するためにJFEシステムズとの連携が順調であり、移行作業が計画通りに完遂されました。

導入した製品：JGranz IaaS

JGranz IaaSの製品情報はこちら→ https://digi-mado.jp/products/35533/

JGranz IaaSの事例一覧はこちら→ https://digi-mado.jp/case/?prd_id[]=35533

導入事例4：株式会社ミラティブ
（導入製品：IDCFクラウド）

「クラウドの限界＝サービスの限界にしたくない」、1000分の1秒単位で突き詰めるミラティブのこだわり

※出典：株式会社ミラティブ様 | 導入事例 | IDCフロンティア

業種	企業規模
金融	1,001名以上

導入前の課題

以前は「Mirrativ」の録画機能には、グローバルなクラウドサービスのCDNやオブジェクトストレージを利用しており、動画配信は「IDCFクラウド」で行っていました。しかし、CDNによる地域ごとのエッジロケーションからオリジンサーバーへのリクエストにより、オリジンサーバーへの負荷が増加し、コストと運用工数が増えていました。また、録画データの保存先がオブジェクトストレージだったため、コストが高くなっていました。

改善の施策

「IDCFクラウド CDN」への移行により、オリジンシールド機能が利用できるようになり、地域ごとのオリジンサーバーへの負荷が軽減され、メンテナンスやトラフィック増加への対応が容易になりました。さらに、「イメージオプティマイザー」を導入し、端末ごとに最適な画像を配信することが可能になりました。

導入後の効果

「IDCFクラウド」の仮想マシンは高い安定性を持ち、ネットワーク帯域もスペックに関わらず2Gbpsと大きいため、オーバースペック気味になることなく安定して利用できました。

IDCフロンティアのサービスはデータセンターのような感覚で使え、冗長化や配信の安定化に役立つ機能が充実していました。特に、透過的なDDoS対策システムの存在は大きな利点で、セキュリティ面でも安心して利用できました。

また、「バーチャルブリッジ」を導入し、サービス間の接続を閉域網で行ったことで、通信費用が大幅に削減されました。録画データの保存先も「ベアメタルサーバー」に移行し、コストを71％削減することができました。

導入した製品：IDCFクラウド

IDCFクラウドの製品情報はこちら→https://digi-mado.jp/products/34463/

IDCFクラウドの事例一覧はこちら→https://digi-mado.jp/case/?prd_id[]=34463

導入事例5：井上定株式会社
（導入製品：FUJITSU Cloud Service）

取引先とのシームレスな連携と市場競争力の強化に向けて基幹系システムをクラウドへ移行

※出典：井上定株式会社様 : 富士通

業種	企業規模
卸売	301名-1,000名

導入前の課題

井上定株式会社は長年の歴史を持ち、鉄鋼二次製品販売業で関東から九州まで広範な販売ネットワークを築き上げてきました。しかし、自社内で開発した基幹システムが老朽化しており、COBOLという古い開発言語の使用に不安を感じていました。若手スタッフにCOBOLを学ばせることが難しくなり、社員の高齢化によるシステムの継承も課題でした。また、販売管理と会計が連携していなかったため、コンプライアンス上の問題もありました。

改善の施策

2014年にシステムの入れ替えを検討し、外部コンサルタントの支援を得て、明確なシステム像を描きました。基幹系システムはパッケージソフトウェアへのリプレースを決定し、営業プロセス可視化と内部統制の徹底を目指しました。また、システム基盤をオンプレミスからクラウドへ移行することを決定し、富士通のFJcloud-Oを採用しました。クラウド化によってシステム運用の効率化と災害対策の強化が図られました。

導入後の効果

FJcloud-Oの採用により、基幹系システムの信頼性が向上しました。富士通のデータセンターの安定性に加えて、柔軟なサーバスペック変更が可能で、迅速な変化対応が実現しました。トータルコストも削減され、サーバ保有コストよりもクラウド利用料金が安価であることが確認されました。さらに、事業継続性が向上し、大型台風の被災時でもFJcloud-O上のシステムは問題なく稼働しました。

導入した製品：FUJITSU Cloud Service

FUJITSU Cloud Serviceの製品情報はこちら→ https://digi-mado.jp/products/34451/

FUJITSU Cloud Serviceの事例一覧はこちら→ https://digi-mado.jp/case/?prd_id[]=34451

導入事例6：福井大学医学部附属病院
（導入製品：IBM Cloud）

デジタル・ヘルスのニーズに果敢に挑戦した病院の事例
※出典：福井大学医学部附属病院–IBM Cloud| 事例紹介-日本| IBM

業種	企業規模
医療・化学	1,001名以上

導入前の課題

福井大学医学部附属病院では、物理サーバーやストレージを機械室内に保有していたため、スペースやコスト、運用管理の負担、データのバックアップ、災害時の対策などに課題がありました。医療従事者がデスクトップのプライベートクラウドを介して物理サーバー・システムにアクセスしていたため、柔軟性やデータ活用にも制約がありました。

改善の施策

これらの課題に対処するため、福井大学医学部附属病院はIBMの支援を得て、オンプレミスによるIT設備の拡張を行いました。IBM Cloudのさまざまな製品を組み合わせ、オンプレミスのデータ容量を過度に拡張せずに、データを最適な方法で管理・運用できるようにしました。IBM Cloud Bare Metal Servers、IBM Cloud Object Storage、IBM Power Systems Virtual Server、IBM Spectrum Protect™などの先進技術を導入し、高可用性と充実したセキュリティーを備えたシステムを展開しました。また、電子カルテ・システム（CIS+）をIBM Cloudに移行し、クラウドの拡張性を活用して業務効率化と患者記録の安全性向上を実現しました。

導入後の効果

この実装により、病院はオンプレミスのサーバー数を70％削減し、運用スタッフの負荷を軽減しました。医療データをパブリッククラウドに移行することで、データを適切に管理・運用し、いつでもどこでも情報にアクセスできる環境を構築しました。機械室の不要化により、スペースやコストの節約に成功し、災害対策も強化されました。

さらに、データを外部に置くことで、事業継続性計画（BCP）対策が向上し、データの保護とセキュリティーが強化されました。これにより、医療従事者は柔軟に作業ができるようになり、業務の効率化とコスト削減が実現されました。