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安全運転管理者制度とは?罰則、選任方法、届出についても解説

目次

安全運転管理者は、事業所や企業が従業員の交通事故を防止し、安全運転を推進するために設置が義務付けられている重要な役職です。特に車両を使用する機会が多い業界においては、従業員の交通ルール遵守や運転技術の向上を図ることが企業の評価に直結します。この記事では、安全運転管理者制度について詳しく解説します。特に、選任方法や罰則について詳しく説明するので、是非参考にしてください。

そもそも安全運転管理者とは

安全運転管理者とは、事業用自動車の安全運転を確保するために選任される人を指します。車両管理責任者とは異なり、道路交通法によって選任が義務付けられています。そのため、運送業者、一般企業に関わらず、安全運転管理者を設置しないことは法令違反になります。安全運転管理者は主にドライバーの教育、指導、運転日報の確認などを行います。車両管理責任者の業務とは異なり、ドライバーの管理に焦点が置かれているのが特徴です。近年は、企業に安全運転意識の向上を求める声が大きくなっているため、安全運転管理者の存在はより重要になっているといえるでしょう。

車両管理責任者について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください

車両管理責任者とは?管理者にお勧めの車両管理システムも紹介!

安全運転管理者制度について

まず、安全運転管理者制度について詳しく解説していきます。安全運転管理者制度は複雑な点が多くありますが、理解して頂ければ幸いです。まず、この制度を理解するためには、以下の3点をおさえる必要があります。

  1. 選任
  2. 罰則
  3. 届出

以上3つについて解説します。

1.選任

まず、安全運転管理者の選任についてです。選任については以下の3つの項目が挙げられます。

  • 選任する人数
  • 選任条件
  • 選任後の義務

(1)選任する人数

定員11人以上の自家用車を1台以上、または5台以上の自家用自動車を使用している場合、安全運転管理者が1人必要になります。20台以上保有する場合は、副安全運転管理者も必要になります。20台ごとに1人の副安全運転管理者を選任しなければなりません。注意しなければならないのは、拠点1つあたりで台数を考える点です。ここで、実際の例をもとに見ていきます

この場合は、各拠点に安全運転管理者、副安全運転管理者が1人ずつ必要になります。

ここで注意しなければならないのが、「車両が60台あるから、安全運転管理者1人、副安全運転管理者2人を選任すれば良い」と考えてはいけない事です。各拠点ごとに考える必要があるためこの場合は、「A、B、Cそれぞれで安全運転管理者、副安全運転管理者を選任する」と考えなければなりません。

もう一つ例を出します。

この場合は

  • 拠点Aで選任する必要はない
  • 拠点Bで安全運転管理者を1人選任する
  • 拠点Cで安全運転管理者1人、副安全運転管理者を1人選任する

と考えるのが正解です。複雑ですが、是非覚えて頂きたいです。

(2)選任条件

誰でも安全運転管理者になれるわけではありません。選任できるのは、条件を満たす人のみです。その条件は多くありますが、その中でも特に重要なものを2つ紹介します。

  • 運転免許を3年以上保持していること
  • 過去二年間で、重大な交通違反を犯していないこと

安全運転指導をする上で、免許を持っているというのは絶対に必要な条件になります。しかし、免許を持っているだけでは安全運転管理者の選任対象になりません。免許を3年以上保持しており、かつ運転技術の高い人物である必要があります。また、飲酒運転、無免許運転、ひき逃げといった重大な違反を犯している場合は、安全運転管理者になることができません。

(3)選任後の義務

安全運転管理者、副安全運転管理者に選任された場合は、年に1度の安全運転管理者等講習会に参加する必要があります。毎年管轄している警察署から申込書と日程の案内が届くため、それにしたがって受講する必要があります。

2.罰則

安全運転管理者、副安全運転管理者の選任を行っていない場合50万円以下の罰金が科せられます。また、選任の届出を行っていない場合は5万円以下の罰金が科せられます。先ほども述べたように、安全運転管理者の選任は法律によって定められています。選任、届出を正しく行うようにしましょう。

3.届出

安全運転管理者に選任された後に、適切なタイミングで警察署に届出をする必要があります。そのタイミングについて解説していきます。

(1)選任、変更した時

選任した時だけでなく、変更したときも届出を行う必要があります。15日以内に、警察署を経由して公安委員会に提出しなければなりません。届出方法は以下の3つです

  1. 警察署窓口
  2. 警察署へ郵送
  3. 警察行政サイト

提出しなければならない書類は以下の4種類です

  1. 届出書
  2. 戸籍謄本、またはその写し
  3. 運転免許の写し
  4. 運転記録証明書

(2)記載事項を変更する時

自動車の台数、事業所の所在地などが変更になった場合も届出を行う必要があります。この場合、届出書のみを提出すれば問題ありません。

(3)安全運転管理者を解任する時

公安委員会によって、安全運転管理者の解任を要求される場合があります。その場合も要求に応じて届出を行う必要があります。届出書の提出のみで問題ありません。

安全運転管理者制度についてさらに詳しく知りたい方は、以下の警視庁のサイトを参考にしてください。

https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/torikumi/drm_top.html#cms1

安全運転管理者の主な業務5つ

安全運転管理者の主な業務は、以下の5つです。

  1. 運転者の状況把握
  2. 安全運転のための運行計画の作成
  3. 運転手の酒気帯びの確認
  4. 運転日報の管理
  5. 安全運転指導

順番に説明していきます。

1.運転者の状況把握

運転手が、正常に運転できる状態かを確認していきます。仮に、体調が悪かったり運転することが難しい状態であったりした場合は、運転させてはいけません。そのような状態で運転をしてしまうと、事故発生の確立が大幅に上がるからです。運転手の状態を把握することは、事故発生を防ぐために非常に重要な業務です。

2.運行計画の作成

ドライバーにとって無理のない運行計画を作成することも重要です。ドライバーの稼働時間が長くなってしまう場合は、休憩時間も考慮する必要があります。また、無理のない運行時間を設定することも大切です。到着予定時刻を早く設定しすぎると、焦りが生まれて運転が雑になってしまうため、注意が必要です。

3.運転手の酒気帯びの確認

アルコールチェックも重要な業務の一つです。酒気帯び運転は大きな交通事故につながるため、絶対に防ぐ必要があります。運転前にアルコールチェックの機会を設け、確認することが大切です。

4.運転日報の管理

提出された運転日報を確認する必要があります。運転日報は作成が義務付けられているため、正しく作成されているかを確認する必要があります。公安委員会が運転日報の提出を要求することもあるため、丁寧に確認しなければなりません。

5.安全運転指導

安全運転管理者の最も重要な業務は、ドライバーに運転の指導を行うことです。安全運転管理者は、交通事故を減らすための責任者です。そのため、交通事故の件数を減らすために最大限の努力をしなければなりません。個別に運転指導をしたり、講習会を開いたり、様々な施策を行っていく必要があります。

これらの業務を効率化するために、車両管理システムを導入することをお勧めします。車両管理システムを活用することで、これらの業務をより効率化できるからです。運転日報を自動で作成する機能や、運転を点数化する機能など、安全運転管理者の業務をより良くするための機能を多く備えています。

車両管理システムについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください

【2024】車両管理システム比較19選!選び方・特徴・メリットを徹底解説

安全運転管理者という存在の重要性

交通事故の中でも、企業の業務で使用される車両による事故が、社会的に大きな問題になっています。また、近年は企業の社会的責任(CSR)を果たすことが強く求められています。これらの理由で、企業は交通事故の発生を防がなければなりません。一度でも重大な交通事故を起こしてしまったら、法的、社会的責任が問われるだけでなく、信頼を失ってしまうからです。そのため、安全運転管理者の存在が非常に重要になります。ドライバーの安全運転意識を高めることができれば、交通事故の件数を減らし、社会からの信頼を得ることができます。この記事を参考にし、安全運転管理者の重要性を分かって頂けたら幸いです。

 

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