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BPaaSの市場規模と今後の動向について|海外市場と日本市場の比較

目次

事業を運営するうえで、いかに作業の効率化を図るかは多くの企業にとって重要な課題です。BPaaSは、企業が抱える課題の解決に役立つツールの一つです。BPaaSの導入によって、企業はデータやノウハウを一元化し、業務の効率化を図れます。

本記事では、BPaaSの市場規模や発展プロセスについて解説します。BPaaSを利用するメリット・デメリットや、導入が向いている企業の特徴などもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

日本におけるBPaaSの市場規模

日本のBPaaS市場は、2024年に31億9,000万米ドル、2032年には95億9,000万米ドル程度になると予測されています。

発展の大きな理由の一つとして、新型コロナウィルスによるパンデミックが世界中のIT情勢や働き方を大きく変えたことが挙げられます。なお、パンデミック後もリモートワークソリューションの需要は高まっており、BPaaSの存在価値を押し上げているのです。

なかでも、アジア太平洋地域が成長を牽引すると考えられており、2025年から2032年にかけて日本のBPaaS市場の年間平均成長率は14.8%にもなると予測されています。

BPaaSは、柔軟かつ迅速なニーズに対応できるサービスです。また、さまざまな料金体系があり、自社に合ったサービスを選択できるコストパフォーマンスの良さも、市場の成長につながっていると考えられます。

参考:日本のビジネスプロセスアズアサービス(BPaaS)市場規模、シェア、トレンド分析レポート – 業界概要と2032年までの予測|DETA BRIDGE MARKET RESEARCH

海外市場と日本市場におけるBPaaSの発展プロセスの違い

BPaaSはアメリカ発祥のビジネスモデルです。ここでは、アメリカと日本のBPaaS市場それぞれの発展プロセスについて解説します。

海外市場のBPaaS発展プロセス

アメリカにおける人材のグローバル化から誕生したBPaaSの概念は、2009年頃から急速に発展し、今ではメジャーなビジネスモデルとして定着しています。

BPaaSはアメリカの企業に世界中から人材が集まるようになり、各国の労務対応が必要になったことから必然的に生まれました。また、リモートワークの普及によるグローバル化の促進も、BPaaSが発展した要因の一つです。

日本市場のBPaaS発展プロセス

近年、急速な発展がみられるBPaaSの日本市場ですが、アメリカ市場に比べると認知度や導入率はそれほど高いわけではありません。

日本市場でBPaaSの導入が遅れている原因は、下記が考えられます。

  • 専門知識を持つ人材が不足している
  • アナログ業務が常態化している業種・業界が多く、業務効率化に踏み切れない
  • BPaaSを提供する業者は増えたが、自社に適したサービスを見分けられず導入ができない

日本企業全体がDX化(デジタルトランスフォーメーション)を推進している一方、自社に合ったサービスの選定が難しかったり、専門知識を持つ人材が不足していたりするため、今までと同様のプロセスで業務を進めてしまっている企業は少なくないでしょう。

BPaaS市場の今後の動向

日本のBPaaS市場は、アメリカと比べるとまだ成長過程の段階です。以下で、国内における取り組みや今後の日本市場の動向について解説します。

クラウドベースサービスとソリューションの増加

日本市場においても、クラウドベースのサービスとソリューションは増加傾向にあります。

株式会社NTTデータグループは、Google Cloudをはじめとしたクラウドを有効活用するハイブリッドクラウド戦略を軸に、クラウドマネージドサービスの拡大を推進しています。

同社は、Google Cloudの情報発信・適用促進に貢献した優れたエンジニアとして「Google Cloud Partner Top Engineer 2025」に選出されました。また、パートナー組織内の優れた人財として社員5名が選出されるなど、高度な技術力を誇っています。

また、NTTデータグループとして2012年からアジア・パシフィック地域(APAC)に事業展開しており、APAC各国でもAIとクラウドベースのデータ分析導入を促進しています。

同社のように、今後もサービスのDX化を通して提供価値の向上を図る企業は増えていくでしょう。

コストパフォーマンスに優れたビジネスプロセスの需要拡大

人件費の上昇や規制要件などに対応すべく、低コストで効率性が高いアウトソーシングの需要は今後ますます高まっていくと予測されます。

マイクロソフト社は、2024年4月に先進的なAI半導体を導入し、AI機能を強化する投資を開始しました。このような取り組みによって、IT領域は常に発展し続けており、今後もAIを活用したBPaaSソリューションはより一層合理化されるでしょう。

日本のBPaaS提供事業者も、各企業の状況に合わせて柔軟にカスタマイズ可能なサービスの開発・提供に力を入れています。

BPaaSの基礎知識

BPaaSとは、クラウドシステムを利用し、社内の特定の業務プロセスを外部企業に委託するビジネスモデルのことです。

「Business Process as a Service」の略称で、日本語では「業務プロセスアウトソーシングサービス」と訳されます。ノンコア業務やバックオフィス業務を中心に、BPaaSは幅広い業務で活用され、さまざまな業界のDX推進の後押しになっています。

BPaaSとBPO・SaaSの違い

BPaaSと混同しやすいBPOやSaaSの違いは、以下の通りです。

BPaaS(Business Process as a Service) BPOとSaaSを組み合わせてクラウドシステムを利用し、社内業務をプロセスごと外部委託できるサービス
BPO(Business Process Outsourcing) 業務の一部を外部企業に委託するアウトソーシングサービス
SaaS(Software as a Service) インターネット経由でクラウド上のソフトウェアを利用するサービス

BPaaSは、BPOとSaaSを組み合わせたサービスとして位置づけられます。自社の課題やリソース状況に応じて、適したサービスを選ぶ必要があります。

BPaaSを活用できる業務

BPaaSを活用できる主な業務は、以下の通りです。

顧客サービス
  • ヘルプデスクやコールセンターなどの電話受付
  • メール対応
  • チャットサポート など
人事・経理・給与計算
  • 人事評価
  • 記帳代行
  • 給与計算 など
販売・調達管理
  • 受注管理
  • 出荷処理
  • 顧客管理
  • 仕入れの調達管理 など
IT・マーケティング
  • サーバ-管理
  • セキュリティ対策
  • Webサイト制作
  • 顧客・マーケット分析 など

BPaaSはサービス内容が多岐にわたり、あらゆる業界のバックオフィス業務で活用できる特徴があります。

BPaaSを導入するメリット

BPaaSを導入することで、業務効率化や品質向上、コストの削減など、多くの恩恵が期待できます。ここでは、BPaaSを導入するメリットを解説します。

データやノウハウをクラウド上に集約できる

BPaaSを導入するメリットの一つが、データやノウハウをクラウド上に集約できることです。

通常、企業内で使用している各ソフトのデータは散在しがちです。しかし、BPaaSによってさまざまなデータをクラウド上に保存できるようになると、部署間で情報を共有しやすくなります。

また、従来の一般的な業務委託では難しかった外部委託先とのデータ共有が可能になることで、社内にも専門知識・ノウハウが蓄積できるようになり、従業員のスキル向上にも役立ちます。

コストを削減できる

コストの削減も、BPaaSを導入するメリットの一つです。BPaaSの導入によって、企業は多大なコストをかけて自社の業務システムを構築・運用する必要がなくなります。

少子高齢化社会において、専門知識を持つ人材の採用・育成が困難といった課題を抱えている企業も少なくありません。BPaaSを利用してシステム構築や人材育成が不要になると、従業員の労力やコストの削減につながります。

また、人件費以外にもオフィス賃料や福利厚生費など、BPaaSの利用によってさまざまなコスト削減が期待できるでしょう。

業務効率化・業務品質の向上につながる

BPaaSを導入してデータの一元管理が可能になると、業務効率だけではなく、業務品質の向上も期待できます。従業員のITリテラシーの育成が不要になるほか、業務負担が減ってコア業務に集中できるようになるためです。

また、実績のあるベンダーが提供するBPaaSは汎用性があり、IT領域の発展と並行して常にアップデートされたサービスを利用できるメリットもあります。

DXの推進により「DX認定」を受けられるDX推進を加速できる

BPaaSの導入は、DX化の推進にも役立ちます。BPaaSを導入して政府推進のDXの一環であるDX認定を受けると、以下のようなメリットがあります。

  • DXに取り組んでいる企業として社会的認知や企業価値が高まる
  • DX銘柄の応募資格が得られる
  • 選定された企業は投資家からの評価が高まり株価上昇につながる可能性がある
  • 日本政策金融公庫から通常よりも低金利で融資を受けられる(中小企業)
  • 民間金融機関の融資の信用保証や保証枠の拡大を受けられる(中小企業)

DX銘柄とは、経済産業省と東京証券取引所が共同で「積極的にIT利活用に取り組んでいる企業」として2015年より選定しているものです。BPaaSを導入してDX化を推進できると、企業の成長にもつながります。

参考:産業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)|経済産業省
参考:デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)|経済産業省

BPaaSを導入するデメリット

BPaaSの導入を検討している場合は、メリットだけではなくデメリットも把握しておくことが大切です。ここでは、BPaaSを導入する主なデメリットを解説します。

ベンダーロックインに陥る可能性がある

BPaaSを導入するデメリットの一つが、ベンダーロックインに陥るリスクです。

BPaaSを導入して専門的な業務を外部企業に依頼すると、ベンダーへの依存度が高まる可能性があります。その結果、保守や運用に関して悪条件の契約内容を提示された場合に、契約を解除しづらくなるケースも珍しくありません。

また、業務プロセスのすべてを自社で対応する場合と比べ、作業工程のカスタマイズが難しく、柔軟性に欠ける可能性があります。

情報漏洩やシステム障害のリスクがある

BPaaSではクラウド環境を利用するため、不正アクセスによる情報漏洩やシステム障害のリスクがあります。

委託業者によるシステム障害やサービスの中断があると、トラブル解決までに時間がかかる可能性もあるため、信頼できるサービスを選ぶことが重要です。万が一に備え、事前に業者と緊急時の対応やサービスの品質保証、責任範囲などについて取り決めておく必要があります。

また、サービスに付属しているバックアップ機能は、完全なデータの復元を保証するものではありません。BPaaSを導入する際は、業者にバックアップの保護範囲を確認するようにしましょう。

BPaaSの導入に向いている企業の特徴

BPaaSの導入に向いている企業の特徴は、以下の通りです。

  • 人材不足のため業務効率化を目指している企業
  • ITに精通した人材不足に悩んでいるが、育成にコストをかけられない企業
  • 現在のシステムでは業務の効率化に限界を感じている企業
  • 専門性や機密性の高い情報を多く扱う企業

BPaaSの導入は、業務効率化やコスト削減を目指す企業のほか、柔軟にシステムのアップデートが可能であることから、法改正が頻繁に発生する企業に向いています。自社の課題やBPaaSの必要性を明確にしたうえで導入を検討しましょう。

BPaaSの導入効果

ここでは、運輸業を例に具体的なBPaaSの導入効果を解説します。

2019年の改正労働基準法により、特別な事情がない限り、時間外労働は月45時間・年間360時間を上限とすると定められました。その後、2024年6月には、5年間猶予期間が設けられていた建設業・運輸業・医師などの長時間労働になりやすい業種に対しても、改正労働基準法の適用が開始されました。

運輸業は、インターネットの普及に比例して物流量が大幅に増加している背景があります。もともとドライバー不足が業界的に問題となっていましたが、労働基準法改正により人材不足が一層深刻になっています。

こうした状況でBPaaSを活用する主なメリットは、以下の2点です。

  • 在庫や受発注の管理にかかる工数の削減につながる
  • AIによって配送計画を立てられる

BPaaSの導入によってルーティンワークや手作業を自動化できると、従業員が重要度の高い業務に集中でき、最少の人員で対応できるようになります。また、多数ある輸送ルートからリアルタイムで最適な提案を受け、最小の燃料費と最短の所要時間で業務を遂行できます。

参考:時間外労働の上限規制 わかりやすい解説|厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署

参考:令和5年度 宅配便等取扱個数の調査及び集計方法|国土交通省

BPaaSを選ぶときのポイント

ここでは、BPaaSの各サービスを比較・検討するときの具体的なポイントを解説するので、ぜひ参考にしてください。

自社の課題解決につながるサービスを選ぶ

BPaaSを選ぶときのポイントとして、自社の課題を解決できるサービス内容であるかどうかが挙げられます。

例えば、企業の財務・経理部門のBPaaSサービスでは、会計処理は自社で対応可能で、給与計算や人事異動に伴う諸手続きのサポートが必要な場合、自社のニーズに合うものだけを選択できるサービスを選ぶことが大切です。

また、カスタマーサポート業務に関しては、対応のみで完結する場合と顧客の声をフィードバックしてサービスの改善策を提案してくれる場合があります。

自社が抱えている課題と、提供されるサービスの範囲を確認したうえで導入を検討しましょう。

サービス内容と料金のバランスを確認する

自社の課題解決につながるBPaaSのなかから、内容と料金を確認し、費用対効果が高いサービスを見極めることが大切です。また、BPaaSにはさまざまな料金体系があるため、サービス内容を考慮し自社に合ったものを選びましょう。

BPaaSの料金体系には、以下のような種類があります。

従量課金制 サービス利用分に応じて料金が発生するタイプ
定額制 月額料金が一律で設定されているタイプ
従量定額併用制 従量課金制と定額制を併用するタイプ

BPaaSによっては、使用頻度や業務内容に合わせて臨機応変に料金プランを変更できます。サービス内容と料金のバランスを確認することで、コストパフォーマンスの向上につながります。

セキュリティ体制やコンプライアンスに問題がないか確認する

BPaaSの利用時には、社内の機密情報をサービス提供会社に開示する必要があるため、セキュリティ対策が十分なベンダーを選ぶことも重要なポイントです。確認すべき具体的なセキュリティ項目は、以下の通りです。

  • 第三者認証(ISMS認証やプライバシーマークなど)を取得しているか
  • 情報セキュリティポリシーを策定・公開しているか
  • 社内監査を定期的に実施しているか
  • 物理的なセキュリティ対策をしているか
  • コンプライアンス専門の部署があるか
  • ガイドラインやマニュアルはあるか

また、契約時にはセキュリティに関する責任や、情報漏洩時の対応などが書面で明確化されているかも確認しましょう。

まとめ

AIの登場やクラウドサービスの普及など、IT業界は常に発展し続けています。BPaaSはこうした流れのなかで生まれたビジネスモデルで、市場規模は今後も拡大すると予測されています。

本記事では、BPaaSの市場規模や今後の動向、導入効果などを解説しました。業務効率化やDX推進など、BPaaSは企業の成長に欠かせないメリットをもたらすサービスです。自社の課題解決のためにBPaaSを活用し、事業の発展につなげましょう。

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