【2024年】キッティングの作業内容とは？アウトソーシングについても解説

PCキッティングは、組織にPCを導入する際に必要になる作業です。今回は、キッティング作業とはどのようなものかを具体的に解説していきます。キッティングの方法について詳しく理解していただければ幸いです。

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キッティングとは

新入生、新入社員が入ってきた時や、パソコンのバージョンアップが実行されたときに、パソコンを新たに導入する必要が出てきます。キッティングとは、デバイスの動作確認、基本設定を完了させて、ユーザーがそのデバイスを使える状態にすることです。また、個人情報/組織の機密情報保護のために、デバイスを初期状態に戻す作業の事も指します。このようにキッティング作業は、PCを配布する際にで重要な作業となっています。

キッティングの作業内容、手順

この章では、キッティング作業の内容、手順を詳しく説明します。キッティング作業の内容は以下の５つです。

1. ソフトウェアのインストール
2. ネットワーク設定
3. ユーザ設定
4. セキュリティ設定
5. 動作確認

1.ソフトウェアのインストール

まず、必要なOSのインストールを行います。ドライバのインスト―ル、業務用アプリケーション(Microsoft office,Adobe Creative Suite)のインストールも並行して行うことが多いです。

2.ネットワーク設定

インターネット接続や、社内ネットワークへのアクセスを許可します。ネットワーク経由で使用するプリンタの設定も行います。これによって、ユーザーがスムーズにネットワークを使用できるようになります。

3.ユーザ設定

次にユーザーアカウントを作成します。パスワード、アクセス権限を設定し、アカウントを作成します。そして、ユーザ環境の設定も行います。ここでは、デスクトップ環境、プロファイル設定をカスタマイズします。

4.セキュリティ設定

ウイルス、マルウェア対策ソフトをインストールします。セキュリティ強化のために、ファイアウォール設定やデータの暗号化も行う場合があります。組織のデバイス、ユーザーをウイルスから守るために、この設定は非常に重要になります。

5.動作確認

ハードウェアコンポーネントが正しく動作するか確認します。インストールしたソフトウェア、ネットワーク接続に問題が無いかも同時に確認します。

キッティングの手法、それぞれのメリット、デメリット

ここでは、キッティングの手法について解説していきます。キッティングを行う際には、いくつかの方法があります。ニーズに合ったものを選定する際の参考にしてください。

キッティングの方法は以下の4つです。

1. 手動キッティング
2. クローニング
3. ネットワークを使用したキッティング
4. クラウドベースでのキッティング

1.手動キッティング

PC一台ごとにキッティングを行う方法です。クローニングツール、キッティングツールを用いずに、1台ずつ設定を完成させていきます。

メリット

1台ずつ手作業で行います。そのため、特定のカスタマイズが必要な場合や、台数が少ない場合に適しています。

デメリット

大規模な展開を行いたい場合は、膨大な時間がかかります。また、手作業だとヒューマンエラーの発生率が高くなり、一貫性を保てないという欠点もあります。

2.クローニング

1台のデバイスの設定を完了させます。その設定を、クローニングツールを用いて複数のデバイスにコピーするという方法です。

メリット

大規模なキッティング作業を行う時に適しています。1台のデバイスをキッティングすれば、それをコピーするだけでキッティング作業が完了するため、時間を大幅に削減できます。また、キッティング作業を自動化できるため、ヒューマンエラーも無くすことができ、一貫性を保てます。

デメリット

小規模なキッティングの場合は、手作業で行うよりも時間がかかってしまう可能性があります。また、1台ずつ設定をカスタマイズすることができないため、柔軟性に欠けるという欠点もあります。

3.ネットワークを使用したキッティング

ネットワークを介してOSやソフトウェアをインストールする方法です。オンラインでキッティング作業を行い、モデルとなる設定を他のPCにもコピーします。

メリット

クローニングツールと同様、大規模なキッティングに適しています。また、自動でインストールできるため、ミスを無くすことが可能です。

デメリット

ネットワークを使用するため、インターネットのトラブルが起こった場合、キッティング作業が進みません。そのため、ネットワークインフラや設定の維持が必要になります。また、サーバーを利用する場合、スペースを取られてしまう事があります。

4.クラウドベースでのキッティング

クラウドベースのキッティングでは、クラウドサービスを利用してPCの設定、ソフトウェアのインストール、ポリシーの適用、デバイスの管理を行います。Microsoft IntuneやGoogle Workspaceなどのツールが一般的に使用されます。

メリット

新しいデバイスの追加や設定変更が容易で、非常に柔軟性が高いです。クラウドを利用するためデバイスを遠隔で管理することもできます。キッティング作業を自動化できるため、情シス担当者の負担を減らせるのも特徴です。クラウドの提供するプラットフォームは、セキュリティが高いため、ウイルス感染やデータの流出の心配もほぼありません。

デメリット

クラウドを使用するには、継続的に料金を支払う必要があり、大きなコストが必要になります。インターネットに頼っているため、障害発生時は何もすることができず、作業が大幅に遅れてしまうこともあります。

キッティング作業の注意点

ここでは、キッティング作業を行う時の注意点を解説していきます。キッティング作業は非常に複雑で大変な作業です。しかし、全員が同じ設定のPCを使うために必要な作業です。キッティング作業を行う際は、以下の点に留意してください。

注意点は３つあります

1. 設定ミス
2. 無理のないスケジュールで行う
3. データの保護

1.設定ミス

キッティングにおいて、一つのミスが作業の遅延につながります。例えば、クローニングを行う際に、最初の1台の設定を間違えてしまうと、それが全てのPCにコピーされてしまいます。また、設定ミスがあって動作不良が起こった場合、納期に間に合わなくなります。これによって信頼を失ってしまうことがあるため、キッティング作業は完璧に行うことが求められています。

2.無理のないスケジュールで行う

大規模なキッティングを行う場合、チームを組んで共同でキッティングを進めるのが一般的です。この時、計画的にキッティング作業を行うのが重要になります。

3.データの保護

キッティング作業を行う際は、企業のデータや個人情報に触れる必要があります。それらを流出させないように、データの保護に十分注意しなければなりません。また、ウイルス、マルウェア感染の対策も行う必要があります。中にはこれらの機能を備えたキッティングツールもあるため、是非導入を検討してください。

キッティングのアウトソーシングについて

キッティング作業の効率化のためには、アウトソーシングするのもおすすめです。キッティングをアウトソーシングする際のメリット・デメリットを紹介していきます。

メリット

主なメリットは以下の３つです。

1. 運用コストの削減
2. 時間の短縮
3. リスク管理

1.運用コストの削減

情シス担当者の人件費や、キッティングツールを導入した際の初期費用を抑えることができます。

2.時間の短縮

時間の節約につながるため、本来の業務に集中できるようになる。また、キッティングに関する専門性も備えているため、効率も大きく上がります。

3.リスク管理

キッティング作業の代行を行っている企業は、キッティングに関する豊富な知識と経験値を持っています。そのため、それらの企業に業務委託することで、質の高いキッティングが実現します。

デメリット

主なデメリットは以下の2つです。

1. セキュリティとプライバシー
2. 情報共有の難しさ

1.セキュリティとプライバシー

外部に作業を委託するため、情報漏洩に注意する必要があります。特に、個人情報の取り扱いには注意が必要です。

2.情報共有の難しさ

キッティング作業に限らず、他の企業に業務委託をした場合、コミュニケーションが課題となります。適切な情報共有を行えないと、お互いの認識に違いが生まれ、思うような成果を得られない事があります。そのため、キッティング作業を業務委託する場合、サポート体制が充実しているかを確認する事が大切になります。

まとめ

キッティングの作業内容について理解できましたか？キッティングには多くの工程があるため大変ですが、慎重に進めて頂きたいです。キッティング作業を効率化したい場合は、アウトソーシングするという方法もあるため、そちらも是非ご検討ください。