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成長する開発組織──正社員化×ヒューマンスキルでエンジニア不足を克服

目次

2019年4月に創業して以来、幅広い業界のIT関連のプロジェクトに参画し、さまざまな企業の課題解決に貢献し続けてきた株式会社NEXT TECHNOLOGY。同社を立ち上げ、代表取締役社長を務める和田岳氏は、過去にエンジニアとして活躍した実績がある。自らが技術者の目線に立って社内風土を作り上げるのみならず、採用する際はエンジニアとしての能力だけではなく、人間性やヒューマンスキルも重視しているという。本記事では、そんな和田氏に、同社の歩みや現代の企業が抱える課題、最近のニーズの動向、そして今後のビジョンなどについて多角的に話を聞いた。

4期目に事業転換に踏み切り、正社員雇用を開始

株式会社NEXT TECHNOLOGYは、「人々に感動と笑顔を届ける」というミッションを掲げ、IT業界のさまざまな課題を解決するITソリューション事業を展開している。2019年4月に渋谷にある雑居ビルの一室でスタートした同社は、2025年4月には7期目に突入。現在は、再開発が進む渋谷において、象徴的なビルのひとつである渋谷スクランブルスクエアに本社を構え、名古屋と大阪にも拠点を展開し、福岡にも新設する予定だという。

同社を立ち上げた代表取締役社長の和田岳氏は、システムエンジニア出身だ。「大学卒業後、バックパッカーとして世界中を旅していたときに、さまざまな国で皆がスマートフォンに夢中になっているのを見て、プログラミングの時代がくると確信しました」と、世界中の人々のリアルな姿を見て、エンジニアを目指す決意をした和田氏。帰国後、システム開発会社に入社し、JavaやPHPなどのプログラミング言語を習得。バックエンドの技術を身に付けて、フリーランスに転向した。その後、お客様からの依頼が増えて、一人では対応しきれなくなったため、2019年4月に同社を創業した。

創業からわずか6年で、渋谷の一等地に本社を構えて全国に拠点を展開。順調に成長を遂げているように見える同社だが、決して順風満帆ではなかったという。「創業してから数年は、フリーランスのエンジニアを集めて一緒に仕事をしていましたが、辞めてしまう人が多く、うまくいかなかった時期もありました」と当時を振り返る和田氏。4期目には、事業転換に踏み切り、正社員雇用を開始したという。そして6期目からはバックオフィスを整えるために、営業、人事、経理、広報の社員も採用した。

人間性やヒューマンスキルを重視してエンジニアを採用

同社の強みは、IT業界のエンジニア不足という問題を解決するだけではなく、現場で一緒に実務をしながら、クライアントが抱えている課題を見抜き、解決に向けた提案ができること。その強みを維持するために、和田氏はエンジニアを採用する際、技術的な能力以外に、人間性やヒューマンスキルも重視しているという。
国内でエンジニア不足が深刻化する中、高度なスキルと人間性を兼ね備えた優秀な社員を確保できている理由について伺うと「私自身が技術者として働いてきたので、 『エンジニアの視点に立てる経営者』という部分に魅力を感じて入社してくれる方が多いですね」と語る。ご自身がエンジニアとして働いてきた経験があるからこそ、エンジニアの気持ちを深く理解し、社員全員が働きやすく、長期的に成長できる環境づくりを実現できるそうだ。働き方も柔軟で、リモートワークやハイブリッド勤務(出社とリモートワークの組み合わせ)を取り入れ、原則は定時退社を推奨しているとのこと。
また、プロジェクト先に常駐している社員とのコミュニケーション不足を解消するために、定期的に1on1を実施。営業が現場を訪れて、一緒にランチを楽しむこともあるそうだ。
「社員からは『社長』ではなく『和田さん』って呼ばれているんですよ」と笑顔で語る和田氏は、社員の意見に積極的に耳を傾ける姿勢を忘れない。最近では社員からの提案を受け、オフラインで年に2回実施している全社集会での表彰制度も開始。人材不足が課題とされる同業界の中で、社員のモチベーションやチーム内の士気を維持するための前向きな取り組みだ。

一番嬉しい言葉は「和田さんの会社のエンジニアさんにお願いして良かった」

創業以来、同社は人材不足に悩む多くの企業の課題を解決してきた。依頼を受けるクライアントの業種は、自動車関連、金融、半導体などの歴史ある企業から、Web系や医療系といった新しい分野まで多岐にわたり、幅広いプロジェクトに参画しているそうだ。

同社は、エンジニア不足に悩むお客様と、自社の社員の双方に「感動と笑顔」を届けることをミッションに掲げ、人と人とのつながりを大切にしている。特に印象的なのは、同社が毎月開催しているビジネス交流会だ。毎回60社ほどの企業がWeWorkの共用スペースに集い、好きなソフトドリンクやビールを飲みながら、カジュアルに商談や情報交換をしているという。オープンで自由な雰囲気の中、人と人がつながり、新たなビジネスチャンスが生まれる瞬間に立ち会うこともあるそうだ。

「『和田さんの会社のエンジニアさんにお願いして良かった』と言われるのが一番嬉しい」という和田氏。印象に残っているエピソードを伺うと「おかげさまで感謝の言葉をいただく機会は多いのですが、一番印象に残っているのは、お客様からクレームを受けた社員が、その後の努力によってチーム体制で参画出来るプロジェクトを任されたこと」と話す。
社員がプロジェクトに参加した当初は、クライアントから長文の指摘を受けたという。クレームの内容は主に勤務態度に関わることだった。「本人に伝えるのは心苦しかったのですが、思い切って伝えたところ、指摘されたことを素直に受け止め、その後は勤務態度をしっかりと改めてくれました。半年後には、お客様からの評価が変化して信頼されるようになり、その結果、新たにチーム体制で参画出来るプロジェクトを委託されたんです。彼一人の地道な努力が大きな成果となって返ってきた 。本人の真摯な姿勢がお客様に伝わったのが嬉しかったですね」

今後はAI技術を軸に、多くの企業の課題解決への貢献を目指す

最近は、セキュリティに関する相談を受けることが増えているという。ChatGPTをはじめとした生成AIを日常業務で使用する際に、情報漏洩を危惧し、セキュリティ面の対策をしたいというニーズが増加傾向にあるそうだ。

「生成AIを活用する企業が増えている中、生成AIの利用を管理したり、セキュリティ上の問題を解決したりなど、需要は今後さらに増えると思う」と語る和田氏。ご自身の業務でも、Gamma(プレゼンテーション資料の自動作成ツール)などの生成AIを活用し、効率化を図っているという。また、社内では、AIの勉強会を定期的に開催し、Udemyなどの学習教材も活用しながら、AI関連の需要に応えるためのスキルアップを強化している。

「社員には10年後もこの会社で仕事を続けてほしいと思っている」という和田氏は、エンジニアとしてスキルアップできる環境を常に整えている。同時に「仕事だけではなく、家族や友人と過ごす時間や趣味を楽しむ時間を大切にして、充実した人生を送ってほしい」という思いも抱いており、社員に定時退社を推奨するなど、働きやすい環境の整備にも力を入れている。
全社集会などでは、5年後に自社サービスを開始し、10年後にはホールディングスとして上場を目指している、という具体的なビジョンも共有しているそうだ。そして「会社の規模を大きくして売却するケースも増えていますが、私はこの会社を手放すつもりは一切ありません。生涯をかけて経営し続けます」と語る和田氏。その熱い思いは社員にも伝えているのだという。

 

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