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リスキリング、人財育成の切り札 進化する企業向けeラーニングシステム

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人手不足や採用難が深刻化するなか、これまでに増して従業員1人ひとりに求められる能力は高く、幅広くなっている。従来よりも少ない人員で競争を勝ち抜くには、「人材の能力を最大限に高めること」が重要だ。そのためにもDXやAIの活用が必須となっており、これらの知識を学ぶには受講者が好きな時間にどこでも利用できるeラーニングが最適と言えるだろう。そうしたeラーニングのプラットフォームを、クラウドによって低コストで提供するのがクオーク株式会社だ。代表取締役社長の前川 英之氏と、舘 健太氏に聞いた。

成長するeラーニング市場

前川氏によると、2000年くらいから日本に入ってきた企業向けのeラーニングの市場は、2010年くらいまでに一気に広がっていったが、そこから600億円くらいの市場規模で停滞していたという。それが、コロナ禍になって再び伸び始め、今は1,200億円を超える規模になった。ただ、この状況について前川氏は、「どちらかといえば、それまで対面で行っていた集合研修を、eラーニングに置き換えたようなところがあります。したがって、あと何年か伸びた後に、また落ち着いていくかもしれません」と見ている。

最近は、企業が社員にeラーニングを受けさせる目的についても、変化があるようだ。前川氏は「例えば、今でも大企業では、情報セキュリティや個人情報保護、コンプライアンスの研修を必ず受けなさいというように、会社を守るためにeラーニングの受講を推進しているケースが多いと思います。一方で、最近は社員にeラーニングで、新しいスキルを身につけさせようとする傾向が増えています。政府としてもリスキリング(職業能力の再開発や再教育)を推奨し、2024年度から2026年度までの3年間に渡って実施中の人材開発支援助成金をはじめとして様々な補助金・助成金で後押ししています。こうしたことからも、企業においてはDXやAI活用の研修でeラーニングを使おうという傾向にあります」と、その変化について説明する。

クオーク株式会社 代表取締役社長 前川 英之 氏

また、コロナ禍では対面教育ができなくなりリモートでの研修が行われるようになったが、他にもコロナ禍はeラーニングの学習効果に大きな影響を与えたという。それについて、前川氏は説明する。「外出できなくなったことで、YouTubeなどの動画を見る時間が増えたのですが、そこでは教育系チャンネルも人気になりました。動画を見て勉強することに抵抗感がなくなり、以前は対面でやらなければ意味がないと思われていた企業研修も、eラーニングでも十分効果がありそうだと思われるようになったんです

とはいえ、動画を見ただけで内容が全て頭に入るわけではない。そこには、さまざまなインタラクティブなアクションによって知識をインプット・アウトプットしながら定着させる教材(コンテンツ)や、個々の学習記録などを管理するLMS(学習管理システム)、配信を行うプラットフォームなどが必要になる。そこで活躍するのがオンライン学習管理システム(LMS)として、特に自社ブランドでの講座販売に特化したプラットフォームである「Qualif(クオリフ)」だ。

eラーニングの可能性を突き詰める

eラーニングは実際に学習をするためのコンテンツと、それを配信するシステム(LMS)に分かれている。前川氏はこうしたeラーニングコンテンツとLMSの関係について、よく本と本棚に例えて話をするという。前川氏はQualifについて、「コンテンツという本を作って売っているメーカーがあり、それとは別に本棚を作って売っているメーカーがいます。Qualifは本棚として、さまざまなメーカーが作った本を並べて、配信するシステムなのです」と説明する。

例えば、社員研修を行いたい企業が教材を作ったり購入したりしてQualifにコンテンツを登録し、社員に受講させる。Qualifは、その際のさまざまな記録を管理する。現時点でも、従来のシステムと比べて挙動が早かったり、最新のUIを取り入れるなど進化しているが、今後も機能として追加したいことが大きく2つあるという。1つは登録手順の自動化で、「例えば、さまざまな登録作業を画面上のドロップ&ドラッグだけですませるなどして、できる限り研修を準備する方の手間を省きたいと思っています」という。

もう1つは、コンテンツ作成の自動化だ。前川氏によると、「従来の研修は、現場業務が分かっていない人事担当者が主導して作られたコンテンツが多く使われていました。そこで、コンテンツ作成を自動化して、現場で一番ノウハウや知識を持っている人が業務の合間に教材を作れるようになれば、より実践的な研修が行えるようになるでしょう」と、その意義を説明する。

その他にも、eラーニングシステムとしてできることは何かについて、いろいろ突き詰めていきたいという。「eラーニングの主役はあくまで「コンテンツ」です。中身が面白く、役立つものでなければ、学習は進みません。ただ、書店のポップのように、LMS側で手に取ってもらう工夫や学習を継続させる仕組みも重要です。そうした仕組みを企業向けeラーニングに取り入れたいと考えており、それを実現できるメンバーが揃っているのも当社の強みです。」と前川氏は意欲を見せる。

2024年10月にリリースされたQualifには、すでにいくつか導入事例が上がってきている。その1つ、石川県の福祉・介護系の企業では、福祉・介護の現場におけるDX活用の研修を行うeラーニング事業を販売する新規事業にQualifが採用された。「その会社では早くも受注が決まり、新規事業としてまずまずのスタートダッシュが切れたと、非常に喜んでおられます。こういった事業を支援できることに、意義を感じています」と前川氏は語る。

クオーク株式会社 コンサルタント 舘 健太 氏

企業のeラーニング導入を支援する、コンサルティング事業にも関わっている営業担当の舘氏も、初めてeラーニング事業を始めようとしている企業へのシステム導入にあたって、「お客さまにとって、本当に望んでいることはなにか、事業を伸ばしたいのか、業務を効率化したいのかなど、まずは根源にあるeラーニングの利用目的を伺わせていただきます。その上でシステム導入を提案することに、一番重きを置いています」と、コンサルティングの重要性を説明する。

人材育成の必要性から期待されるeラーニング産業

クオークは現在6人体制で事業を進めているのだが、オフィススペースを持たず、完全にリモートワークでそれぞれが自宅で仕事をしている。前川氏は、それでも何の支障もなく業務がこなせていると説明する。その状況について、「これから起業したいと考える方がいらっしゃったら、オフィスを持たなくても十分企業として成り立ちますとお伝えしたいですね」と述べる。とはいえ、「これから事業を拡大していった時には、オフィスを構える日が来ると思っています。全員が集まった方がいい結果を生むシチュエーションも、必ずあるでしょう」と展望を語る。

そうやって企業が成長していくには、やはり人材の確保が必要不可欠だ。しかし、今後も日本の労働人口の減少は止まらない。「結局、企業が生き残っていくには、社員1人ひとりが知識スキルを上げて生産性を向上させていくしかありません。そのためにも、今後はeラーニングを活用した教育研修が、大きな意味をもつことになると思っています。そして、お客さま自身が教育の施策や教育事業を成功させることが、ひいては国全体の競争力強化にもつながっていくのではないかという思いもあります」と、前川氏はこれからeラーニングが重要な産業になっていくと予想している。

今、eラーニングは成熟した産業のように見られてしまうことも多いし、今後も大きな伸びが期待できないと思われているかもしれない。しかし、前川氏は「やれることまだまだあります。AIなどの新技術の力でブレークスルーしたいと思っています。クオークにはそれができるメンバーが揃っているので、ここからの2、3年が楽しみです」と、今後のeラーニング産業の成長を確信している。

◎記事で取り上げられているQualif(クオリフ)の詳しい情報はこちらから

  • オンライン研修 eラーニングシステム LMS

    製品のおすすめポイント

    1 自社ブランドのオンライン学習ショップ構築

    Qualif(クオリフ)の最大の特徴は、自社ブランドでのオンライン学習講座販売ショップの構築が非常に簡単に行える点です。ロゴやデザインのカスタマイズが可能で、ブランドイメージに合わせたオンラインショップをすぐに立ち上げることができます。これにより、企業や団体は自社のアイデンティティを保ちながら、専門性の高いオンライン講座を販売することが可能です。さらに、商品の販売やマーケティング、受講者管理など、オンラインショップの運営に必要な機能がすべて統合されています。

    2 オープン/クローズ両方の講座販売が可能

    Qualif(クオリフ)では、講座の販売方法に関しても柔軟な選択肢を提供しています。オープンショップとクローズショップ、両方の形式に対応しており、誰でも自由に講座を購入できるオープンな形式と、受講者を制限できるクローズドな形式のショップを作ることができます。この機能は、一般向けの公開講座を提供したい場合と、特定の団体やグループ向けに限定した講座を提供したい場合に特に有効です。

    3 多様な決済機能と柔軟なアカウント管理

    Qualif(クオリフ)では、決済機能が標準装備されており、ECサイトでよく使用されるさまざまな決済方法をサポートしています。これにより、ユーザーは最小限の手間で決済機能を備えたオンライン学習プラットフォームを立ち上げることができます。また、アカウント管理の柔軟性も大きな魅力です。個別のアカウントを受講者自身が購入することも、複数アカウントを一括で購入し、組織内で配布することもできます。これにより、企業や団体は受講者の管理を効率的に行うことができ、研修の提供方法にも柔軟性を持たせることができます。

    基本的な機能 帳票出力 研修管理 オンライン試験対応 オリジナルコンテンツ作成 ライブ配信可 テスト作成 修了証表示 録画配信 アンケート機能 コース作成 コンテンツ作成 テスト作成 進捗状況管理機能 教材、コンテンツ作成・追加機能 アーカイブ機能 ライブ形式(リアルタイム表示) テスト、試験実施機能
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クオーク株式会社
https://quarq.co.jp/

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