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リサーチ力が企業の命運を左右する 世界中の統計データを素早く集めて、経営に活かす方法とは?

目次

変化が速く、先を見通すことが難しい昨今のビジネス環境において、一筋の光となるのはデータである。市場調査や消費者動向に関するデータを素早く集めることができれば、ビジネスを伸ばすための大きな力になる。新規事業や海外展開を考えるときにも、市況や消費者に関するデータ・統計が欠かせない。そのような需要に応えて、世界中の信頼できるデータ・統計を瞬時に探すことができるサービスを展開するのが、スタティスタ・ジャパンだ。データを活かして成果につなげる経営をするにはどうすればいいのか。カントリーマネージャーの津乗学氏に聞いた。

多くの企業は気づいている データ活用の重要性とは?

昨今、どの業種の企業であっても、自分たちのサービスが最終的に届く市場や消費者のことを知ることが大切になってきた。消費者のニーズを的確につかむことが、競争力のみなもとになる。しかし、市場調査を実際にやろうとすると、時間とお金がかかるし、本当に欲しい大切な情報を得ることは難しい。そんな時に力を発揮するのが、スタティスタが提供するサービスだ。中堅・中小企業にとって、素早く簡単に、ピンポイントな情報を得られることは、ビジネスを強くするうえで大きな力となる。

スタティスタは、世界中のデータや統計を定額使い放題で提供する世界最大級のプラットフォームである。キーワードを入れて検索するだけで、質の高いデータ・統計やレポートを得ることができる。本拠地であるドイツをはじめ、東京、ロンドン、ニューヨーク、シンガポールなど世界各地にオフィスを設け、グローバルにサービスを展開する。

津乗氏は、サービスの有効性について、こう語る。「世の中にデータはあふれていますが、精度が高く有用なデータは限られています。そのようなデータを簡単に検索・収集することができます。また、スピードが重視されるビジネス環境で活用されることが前提なので、常に最新のデータが提供されます

スタティスタ・ジャパン株式会社 カントリーマネージャー 津乗 学 氏

今では世界中で、Google、アドビ、サムスンを始めとした2万3000社以上の企業が同社のサービスを利用している。データ・統計の重要性が広く認められている証だが、どのようなところに価値が見出されているのだろうか。

政情不安、思ってもみなかった戦争、物価高、自然災害、新型コロナウイルスの流行、さらには消費者のニーズの多様化やIT技術の進化などにより、ビジネスを取り巻く環境は不透明さを増しています。そんな“先が見通せない”時代には、これまでのように勘や経験、そして度胸だけで勝負することは困難です。そこで求められるのが、事実に基づいた意思決定――つまり信頼できる統計データの活用なのです。」(津乗氏)

スタティスタで利用できる情報は、実に幅広い。150カ国、170の業界、8万5000以上のトピックをカバーしており、各国の消費者動向調査はもちろん、経済指標や地政学的な情報も網羅する。ビジネスに求められるあらゆる情報をカバーしているといっても差しつかえなく、研究開発、事業戦略立案やマーケティング、販売促進まで、多くの業務に役立てることが可能」だという。

現在、何か調べようとする際には、検索エンジンを使う人が多いと思います。ただ、それだと、膨大な情報の中から必要な情報を探すのも大変だし、探し出した情報の真偽を確かめるのにも時間がかかります。その点、スタティスタなら素早く、情報を集めることができます。提供する情報には出典がついていて、信頼できるソースであることを示します。しかも、データが分かりやすいグラフやレポートになっているので、そのまま資料に引用できます。実際に、総務省や経団連が発行する白書でも当社のデータが多く使われています。最近ではテレビ番組で統計データが利用されることが増えているのも、データが身近になっている証でしょう。また、ビジネスの現場では、データを集めることが目的ではなく、そこから意味を見出すことが重要です。データ収集の時間を短縮できれば、その先の分析や企画立案に注力することができます」(津乗氏)

導入企業の事例 データ活用によって、いかにビジネスを強くしたか?

実際のビジネスの現場で、データ活用はどのような力を発揮しているのだろうか。

甘味料を製造する、あるメーカー。今までは食品会社に甘味料を納めることに特化し、自社の製品が最終的に届く市場や消費者のことをあまり意識していなかった。しかし、今後の成長を図るためには、一歩踏み出す必要があると判断し、スタティスタを導入した。誰もが日々口にする甘味料だが、健康意識の高まりとともに、天然素材由来の食品へのニーズが高まっている。消費者は食品に対してどのようなニーズを持っているのかを、天然素材への関心、企業活動の環境負荷など、様々な方向から調べた。そこで得た知見を活かし、顧客である食品メーカーに新商品のアイデアを提案。事業拡大を図っているという。

また、オンラインゲームを制作するある企業は、海外進出にあたってスタティスタを導入した。自社のゲームを受け入れ、売り上げを伸ばす下地があるのは、どの国か。国ごとのゲームの嗜好性や市場規模、市況を細かく調査した。こうしたデータに基づいて、最初にどの国で売り出し、次はどの国に展開する、というように海外進出の戦略を立てることに成功。さらに国ごとに異なる施策を立て、最適な予算配分をすることが可能になった。従来は時間と費用がかかっていた綿密な調査を低コスト・短時間で実現した結果、中堅・中小企業の海外進出を後押しした好例だ。

以上のほかにも、各国の賃金データを比較することで人事施策に利用したり、紛争リスクに関するデータをサプライチェーン管理に役立てたりと、活用シーンを挙げればきりがない。「ユーザーのニーズや想像力に合わせて、いかようにもお使いいただけます」(津乗氏)

なお、グローバル展開をしていなくても、スタティスタの利用価値は大きい。同社には日本を対象とした調査を専門とするチームがあり、様々な業界の市況をレポートしている。また、日本市場をターゲットにする上でも、海外のデータを利用するメリットがある。

日本市場におけるトレンドを先読みするのに、一歩先を行くグローバルのトレンドを知ることは重要です。欧米やアジアはもちろん、地球の裏側にあるブラジルのデータが役に立ったという声もいただいています。意外な国に、日本市場との共通点やヒントを見つけることがあります。日本と海外のデータを比較することで発見できることは多いと思います」(津乗氏)

スタティスタが提供するレポートに添付された図版「世界のビデオゲーム市場トップ10」。見やすくデザインされているので、そのままプレゼン資料に使用できる。

社員のリサーチ力アップが、競争力を底上げする

同社のサービスを導入した企業は、どのような効果を実感しているのだろうか。こんなコメントが届いている。

――これまで調査会社やコンサルに頼んでいた仕事を内製化したことで、社員の知見がどんどんたまっています。社内のリサーチ力が増したと感じています。他部署への情報発信も増え、我々の部署がシンクタンク的存在として信頼されています(電機メーカー)

――海外の消費者への解像度が一気に高くなりました。国ごとに違う消費者の嗜好まで把握できるようになったのは大きいです。私たちが求める分野のきめ細かい消費者インサイトを得ることができ、仮説構築や検証の質が上がっていることを実感しています(化学メーカー)

スタティスタを導入して、統計データを企業内の共通言語として使ってもらえば、競争力が高まるのは間違いありません。デジタル化の本質は、単なる業務効率化に留まるのではなく、新規事業やイノベーションにつなげることだとよく言われます。そのようなことを実現するには、デジタルツールの導入だけでなく、データを活用する視点が必要です。」と津乗氏は強調する。

インタビューの最後に、津乗氏が仕事をする上で大切にしていることを聞いた。「大切にしているのは、お客様との信頼関係です。そのような関係を築いた上で、グローバルスタンダードな統計データ基盤を紹介するだけでなく、お客様が持つ、事業に対する熱い思いを実現する後押しをできるパートナーになるという意識をもって仕事をしています。現在、スタティスタで提供しているデータの見方や分析の仕方を教えて欲しいという要望が増えています。そのようなニーズに応えるべく、コンサルティングサービスの提供も視野に入れ、日本法人の事業拡大を検討しています」(津乗氏)

津乗氏は、データ活用の未来を見据える。「蛇口をひねれば水が出るように、世界のデータがどんどん出てくる状態を普及させたいです。水道が当たり前のインフラであるように、データも特別なものではなく、当たり前のものとして利用いただきたいと考えています」(津乗氏)

今後もますます重要性が高まるであろうデータ活用。どのような業種の企業にとっても、ビジネスを伸ばすための源泉となるはずだ。

 

スタティスタ・ジャパン

https://statista.co.jp/

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