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ワークフローのメリット7つ|具体的な流れと必要性を解説

目次

みなさんは、日々仕事をしているなかでワークフローを意識しているでしょうか。社会人1年目の人であれば、ワークフローとはどのようなものかを理解することから始めます。職歴を積み重ねていくうちに、どのようにすればワークフローをスムーズに行うことができるのかを考えるようになります。

年数が経てば承認者や決裁権者の立場となり、業務を執行するうえで必要な稟議が適切なのかどうかを判断する立場へと移行します。個人事業主や1人親方として自分一人で仕事を行うのであれば、ワークフローは全て自分一人で行うためあまり意識しないかもしれません。

しかし、会社等の組織に所属して仕事をする場合では、ほとんどの方が無意識領域を含めてワークフローを行っていると言えるでしょう。このように、ワークフローとは私たちの身近にある重要な項目なのです。

本記事では、ワークフローの重要性やそれらを踏まえてワークフローシステムのメリットについて解説します。

ワークフローとは

ワークフローとは、会社において必要となるさまざまな申請や稟議において、定型化することが容易である一連の手続きおよび作業の流れを指しています。事例を挙げると、仕事を行ううえで必要となる物品を購入すると仮定しましょう。

実務担当者は、事務レベルの作業として物品を購入するために必要となる申請書を作成します。申請書の作成が完了すれば、直属および他部署の上司や予算関連を司っている経理などに対して伺いを立てます。その際、決裁ルートに設定されている人物に承認および決裁してもらうのが一般的な事務の流れです。ワークフローにおいて、稟議の重要度によって決裁権者が異なるのが一般的です。

例えば、700万円以下の予算執行に関する事務は課長まで・700万以上2000万円以下の予算執行に関する事務は部長まで・2000万円以上の予算執行に関する事務は社長までといった形式となります。ワークフローとは、一連の手続き作業の流れですが定型化できると言いながら、さまざまな申請や稟議などの申請内容によっては、申請・承認・決裁ルートを適宜設定しなければならないのです。

決裁が完了するまでの流れとは

ワークフローを理解するためには、決裁とはどのようなものかを正しく理解しなければなりません。自分がどのポジションにいてどのような役割を担っているのかによって、判断が異なるのです。ここからは、決裁が完了するまでの流れとともに概要を解説します。

1.稟議

稟議とは、会社において個人で判断や決定をすることが困難な案件などを書面で詳しくまとめて、各関係者に伺いを立てて承認してもらうための行為です。この、書面で詳しく内容をまとめたものを稟議書と称しています。会社内における稟議では、物品購入・サービス契約・外注委託といったさまざまな案件があります。

また、国や地方公共団体では公共工事の発注に伴う設計書なども稟議対象となっています。稟議を用いるシーンは会社のカラーによって異なり、自社では稟議をしている内容であっても他社では稟議対象となっていないケースもあります。

稟議とは、法律および制度で決められているものではなく、会社の規定によって運用されている物なのです。そのため、会社独自の稟議規定を定めることにより、担当者間で差異が出ないようにルールおよび手続きを分かりやすく定めて運用している会社も多くなっています。

2.起案

起案とは、決裁を経て意思決定される申請案件についての草案を作成することです。上述した稟議書を正式に整えて、社内で伺いを立てるための準備をする段階にあたります。なお、上司に対して伺いを立てるといった意味合いで、起案と稟議を同義として捉えている会社もあります。

3.承認

稟議書を起案して準備を整えれば、いよいよ決裁事務のスタートです。稟議書の内容によって、決裁ルートに設定されている人物(役職)は異なりますが、担当者から係長・課長代理・課長・部長などの上司に伺いを立てて承認を得て行きます。

このように、下位職位者が作成した稟議書の案件に対して、上位職位者が肯定であることの意思決定を確認して行く行為が承認行為です。承認者は複数人設定されていることが多いため、決裁事務の中ではさまざまな質問や修正などを言われるケースがほとんどです。

決裁ルートに設定されている承認者の数は、重要案件となると数十人規模に及ぶケースもあります。そのため、会社で意思決定を行うための決裁事務に1~2ヶ月単位で日数を要することも珍しくないのです。重要案件であればあるほど、決裁事務が困難を極めることが想定されますのでスケジュール感をしっかりと持って仕事に臨む必要があります。

4.決裁

決裁とは、稟議書の案件に応じて決裁ルートの最後に設定されている最上位の権限を持った人物が、下位職位者が提出して来る稟議書の内容に許可もしくは不許可を与える行為です。この決裁ルートの最後に設定されている最上位の権限を持った人物を決裁権者と呼びます。

決裁とは、決裁権者しかできない行為であり、決裁権者に至るまでの人物が行っている行為は全て上述した承認行為です。決裁が完了すれば、稟議書や参考資料などを適切に保管することで決裁事務は完了となります。

稟議の必要性

稟議を行う目的は、大きく2つ挙げられます。

1つ目の目的は、会議を開催する手間を省略できることです。稟議が必要な案件とは、簡単に言うと会社にとっての重要案件です。極端な話、100均で物品を1つ購入するだけの事務作業であれば稟議の必要はないと言えるでしょう。

しかし、一大プロジェクトを企画しており、プロジェクト開催には10億円の予算規模が必要となる案件であれば、間違いなく稟議は必要となります。重要な案件であればあるほど会議が必要となりますが、稟議を行うことで会議を開催する手間を省略することができるのです。

2つ目の目的は、情報共有を行うことです。稟議とは、原則書面を作成して行います。書面形式によって関係者全員に対して回覧することで、上司および幹部役員などから承認を得ることができます。関係者は稟議書に目を通すことで、会社として現在実施しようとしている案件内容を適切に把握することができ、どのような利益を会社にもたらせてくれるのか確認することができます。

稟議がされることで、起案した担当者以外が目を通すこととなりますので、さまざまな改善点が指摘されることで稟議内容がブラッシュアップされます。そのため、会社へ与える利益も大きくなることが想定されますので、会社にとっては大きなメリットとなります。

また、起案する担当者にとっては、責任が個人だけに限定されないことがメリットと言えるでしょう。稟議して承認および決裁した者には、当然責任がありますので、大きな問題が発生しても担当者だけが非難されることはありません。

ワークフローが非効率になる原因

上述したように、決裁事務を行うためのワークフローでは必ず申請書が必要となります。会社では、決裁事務の申請に使用するための書類として、稟議書・見積依頼書・出張報告書・旅費精算書・休暇届・設備利用申請書など、申請書の種類は広範多岐に渡ります。

これまでは、決裁事務を行うための申請書は、パソコンで作成してプリントアウトした紙ベースの申請書を活用するケースが一般的でした。紙ベースの資料で決裁事務を行うにあたり、非常に煩雑である手間が発生するのです。

これらの手間とは、1つの作業単位で見るとそれほど大きなものではないかもしれませんが、非常にたくさんの実務担当者がこれらの手間を享受していることで、積み重ねが発生します。これら手間の積み重ねとは、会社全体で見たマクロな視点では、非常に大きな時間のロスとして会社へ損失を与えている行為であると言えます。時間のロスとは即ち、間接的な作業が増大していることですので増えることで業務効率は著しく低下します。

また、紙ベースの資料であれば大量の書類に埋もれてしまうことにより発生する紛失や記入ミスなどのヒューマンエラーの発生にも繋がります。さらに、決裁事務においては決裁ルートに設定されている承認者を飛ばしてしまって決裁事務が完了してしまうなど、内部統制の観点でもリスクを内包しているといえます。紙ベースの資料では、承認者が不在であったり決裁ルートに設定されている人物が支社に勤務していると申請書を郵送しなければならなくなったり、決裁の遅延が懸念されます。

一方、稟議の資料とは会社の意思決定に使用されている書類であるため確実に保管されなければなりません。紙ベースの資料であるからこそ、印刷に必要となる経費がかかりコストが増大するだけでなく、書類を保管するためのスペースも確保しなければなららなくなります。

ワークフローを改善するためには

上述したような、ワークフローの非効率を改善するために極めて有効な手段が、ワークフローシステムの導入です。ワークフローシステムを導入することで、さまざまなメリットが発生するため会社にとっては大きな利益をもたらす結果となるのです。

ワークフローシステムを導入するメリット7つ

ワークフローシステムを導入することで、会社にとってはどのようなメリットが発生するのでしょうか。ここからは、ワークフローシステム導入に伴う具体的なメリットを解説します。

 

  • 働き方改革
  • ワークスタイルへの対応
  • 優秀な人材の確保
  • 経費削減
  • 非常時の体制確保
  • ミスの軽減
  • 時間短縮

働き方改革

働き方改革は、働く方々が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で「選択」できるようにするための改革です。日本が直面する「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」、「働く方々のニーズの多様化」などの課題に対応するためには、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境をつくることが必要です。

働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現することで、成長と分配の好循環を構築し、働く人一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指しているのです。全体の推進としては、労働時間法制の見直して働き過ぎを防ぐことで、働く方々の健康を守り、 多様な「ワーク・ライフ・バランス」を実現できるようにしています。このように、働き方改革は日本政府が主となり推進している改革なのです。

ワークフローシステムを導入することにより、上述した働き方改革に大きく寄与すると言えるでしょう。さらに、決裁事務で必要となる申請書の手続きをシステム化することができます。システムを活用することで、これまでは全て自分で行っていた申請書作成業務をシステムがサポートしてくれるため、業務効率の改善へとつながるのです。働き方改革では、超過勤務時間の縮減も取り入れられていますので、働き方改革に対して積極的に取り組みたいと思っている会社にとっては、まさに渡りに船であると言えるでしょう。

また、ワークフローシステムでは申請書はデジタル化されています。そのため、申請書への書き込みや入力しなければならなかった項目はシステムが行ってくれますので、資料作成の時間を大幅に短縮することができるでしょう。

ワークスタイルへの対応

ワークスタイルの対応も、働き方改革の一環として捉えることができるでしょう。新型コロナウイルスの影響を受けてテレワークの推奨がされています。

テレワークとは、ICT(情報通信技術)を活用した時間と場所を有効に活用できる柔軟な働き方です。働く方の性別や年齢、居住する場所などにかかわらず様々な方の多様な生活スタイルに応じた働き方を可能とするため、介護や育児で自宅から勤務先へと赴くことが困難な状況にある方にとっては、非常に働きやすい手法であると言えるでしょう。

テレワーカー人口は、平成28年度は7.7%に対して令和元年度は9.8%と約1.27倍の増加率を示しています。また、導入企業の割合は平成24年度が11.5%に対して令和元年度が20.2%と約1.75倍の増加率を示しています。企業規模については、資本金1,000万円未満の会社では6.2%、50億円以上の会社では64.3%と大企業の方が導入率は高いことを判明しています。このように、テレワークの普及は定数的にも示されていると言えるでしょう。

ワークフローシステムの導入によって、上述したテレワークも含めて、さまざまなワークスタイルに迅速に対応することが可能となります。ワークフローシステムでは、決裁事務に伴う申請書をシステムで作成した後、起案・承認・決裁の手続きをシステムで行うことが可能です。システムで行うことができるということは、会社でなければ行うことができなかった決裁事務手続きを自宅のパソコンなどを使用して行うことが可能となります。そのため、テレワークで仕事をしていても問題なく仕事ができるのです。

優秀な人材の確保

テレワークを実施している企業とは、求職者から見ても非常にう印象を持たれることでしょう。高齢者社会において親の介護などで働き方を制限されている人や、子供が小さいことから自宅で面倒をみないといけない人など、テレワークに魅力を感じる人は増加傾向にあるといえるでしょう。

また、通勤する必要がないことから満員電車で出勤する必要もなく、通勤に伴うストレスを感じずに仕事をすることができます。時間を有効活用できるということはワークライフバランスが取れるとも言えるのです。

このように、多様性を持った働き方が可能となることから、今まで脚光を浴びることがなかった優秀な人材にスポットを充てることができますので、人材確保に繋がると言えるでしょう。ワークフローシステムを導入して積極的にテレワークの推進を進めることが、優秀な人材確保に直結するのです。

経費削減

テレワークを導入することにより、会社を省スペースで維持できます。実際にオフィスへと出勤する人間をゼロにすることは難しいかもしれませんが、実務者についてはテレワークにすることにより自宅など仕事を行う環境がオフィスだけに限定されないことから、全国各地で展開することができます。結果的に、オフィス維持に関する維持管理費が削減できるため、事業運営が好転することとなるでしょう。

また、ワークフローシステムでは申請書などの資料はすべてデジタル化されていますので、プリンターを使用してアウトプットする必要がありません。そのため、紙代やインク代などの経費がかかになくなります。このように、ワークフローシステムを導入することで経費削減に大きく寄与するのです。

非常時の体制確保

テレワーク導入に伴い、非常事態のリスク分散につながります。例えば、東京に構えるオフィスで一極集中化していると首都直下型地震などの災害によりインフラが壊滅状態に追い込まれたとき、事業を継続することは困難となるでしょう。

しかし、テレワーク普及により事業運営に関する業務を分散化することにより被災地以外では通常通りの事業展開が可能となります。

結果的に、早期復旧へとつながることから事業継続を可能とすることができるのです。企業として、BCP(事業継続計画)構築は極めて重要な事項であることから、早急に対策を講じるべきであると言えます。このように、ワークフローシステムを導入して積極的にテレワークの推進を進めることが、非常時の体制確保に直結するのです。

ミスの軽減

ワークフローシステムでは、申請書作成などの記入項目に対して自動的にチェックしてくれる機能が搭載されています。これまでであれば、起案する担当者が自分でチェックをするだけで決裁事務をスタートさせていたため、自身が作成した資料のミスに気付かないことが多かったと思います。

しかし、システムによって自動的にチェックしてくれる機能が搭載されているため、システムチェックに反応する個所のチェック漏れは発生しません。また、数字を用いた計算もこれまでであれば自分で行っていたことも多かったのではないでしょうか。

ワークフローシステムでは、数字を使用した計算などはシステム上において自動で行ってくれるため改めて確認作業をする必要はありません。検算の必要がないことからチェックするときの計算ミスも発生しないのです。ワークフローシステムにおいて必要最低限の情報を入力するだけで、記入しなければならない個所が記入されていないことや計算ミスなどを未然に防止した精度の高い申請書を作成することができるのです。

また、申請書の種類によっては一部を修正するだけで使いまわせるものも多く存在します。そのため、過去に使用した申請書を転用して新たな申請書を作成することができるため、この行為を行うことでもミスの軽減に繋がるでしょう。

時間短縮

稟議する案件が需要であればあるほど、決裁に要する時間が長くなる傾向にあります。決裁ルートに設定されている承認者の数が数十人規模ともなると、数ヶ月程度決裁に時間がかかってしまうこともあります。そこで、ワークフローシステムを導入することにより、決裁が完了するまでに要する時間を短縮することができます。

また、起案時の事務手続きとして、稟議する内容に合わせて決裁ルートを設定しなければなりません。しかし、ワークフローシステムにおいてはシステム自身が申請書に記載されている内容を適切に判断し、決裁ルートを設定してくれるため余計な時間が必要となりません。

さらに、ワークフローシステムの大きな特徴はさまざまな媒体でシステムを利用することができることです。Windows・Macintosh・ios・アンドロイドなど、昨今では多種多様なデバイスにさまざまなOSが搭載されています。

ワークフローシステムでは、上述したOSで問題なく動作できるものが多いため、パソコンだけでなくスマホやタブレットなどでも操作することが可能です。そのため、テレワークをしている自宅はもちろんのこと出張先などでも決裁状況を把握することができるのです。

実務担当者レベルのメリットでは、軽微な修正であれば外出先でも対応可能なものもありますので速やかに修正を実施して次の承認者へと決裁を進めることができます。また、承認がどこまで進んでいるのかをリアルタイムで確認することができますので、上司に対して急ぎの場合はリマインドを発信することも可能です。

承認者レベルのメリットとしては、これまでの紙ベースの決裁事務では会社へ行かなければ確認することができなかった稟議内容を、テレワークを実施している自宅や出張先などでも確認することができるため、迅速に承認行為を行うことができます。

このように、実務担当者と承認者に大きなメリットがあるため、会社全体のマクロな観点では業務効率の改善により会社の利益率は向上すると言えるでしょう。

ワークフローの業務効率化にはワークフローシステムの導入が必須

ここまで、ワークフローの重要性やそれらを踏まえてワークフローシステムのメリットについて解説しました。ワークフローとは、会社で実施する事業方針などを決定するうえで必要不可欠な手続きであるといえます。また、ワークフローを採用することで会議を省略できることや社内において適切な情報共有が図れるなど、さまざまなメリットがあります。

しかし、決裁事務手続きに多大な時間を要するなどのデメリットがあることも忘れてはいけません。そのため、会社にとって必要不可欠であるワークフローを削除することはできないため、問題解決するための手法を検討しなければならないのです。

そこで効果的である手法が、ワークフローシステムの導入なのです。ワークフローシステムを導入することで、コスト削減や業務効率改善が期待できます。

また、テレワークの積極的な推進に寄与するため、適切な働き方改革を実践できるため優秀な人材が集まりやすい正のスパイラルを構築できるのです。ワークフローシステムを導入することにより恩恵は非常に大きなものとなっていますので、是非ともワークフローシステムの導入を検討されては如何でしょうか。

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