ETLツールとBIツールは何が違う?わかりやすく解説!
最終更新日:2024/06/25
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目次
データ分析ツールとして名前を聞くことの多いETLツールとBIツールですが、ETlツールはデータを収集し、使える形に変換と加工を行うツールであり、BIツールは収集したデータをグラフなどに可視化したり、分析したりするツールであるという点で異なります。
この記事では、ETlツールとBIツールについて、機能や使用する場面の違いを画像や表でわかりやすく解説します。
ETLツールとは
ETLとは「Extract=抽出」「Transform=加工」「Load=入力」の3つをまとめたもの、すなわちデータの抽出・加工・入力を行うための機能です。社内に散在している情報や、複数の既存システムのデータなどを抽出して、必要に応じて変換と加工を行い、その先にあるDWH(データウェアハウス=データの倉庫)に有用な情報として送出してくれるツールです。
ETLツールについてさらに詳しく知りたい場合は、以下の記事をご覧ください。
ETLツールとは?おすすめ製品比較14選|比較ポイントを徹底解説
ETLツールの機能
ETLツールが担う領域は、データフロー全体の中で以下の②「抽出・収集」③「変換・加工」④「格納」の領域になります。
②収集・抽出(Extract)
多くの場合、必要なデータは複数のデータベースやシステムに分散して存在します。ETLツールは、これらの異なるソースからデータを収集し、一元化します。例えば、勤怠、会計、人事データなど、異なるシステムからのデータを統合するのにETLツールが使用されます。これにより、データの取りまとめが容易になり、データの一貫性が保たれます。
③変換・加工(Transform)
収集したデータは、さまざまな形式、構造、品質であることがあります。ETLツールは、これらのデータを統一された形式に変換し、必要な加工を行います。データのクレンジング(不要なデータの削除や欠損データの補完)、データの集計、変数の変換などが含まれます。変換されたデータは、分析や格納の段階に適した形式に整形されます。
④格納(Load)
変換されたデータは、適切な格納先に送られます。これはデータウェアハウス(Data WareHouse)、ビジネスインテリジェンス(Business Intelligence)システム、または他のデータベースです。ETLツールは、データを指定された格納場所に送信し、必要なセキュリティ設定やログイン情報を設定します。データの正確性と整合性を保ちながら、格納プロセスが行われます。
ETLツールを使う場面
ETLツールは、異なるプラットフォームからデータを抽出して、その形式を揃えることで、データを分析・活用する下準備に使用します。具体的には、以下のような場合があります。
- DWH(データウェアハウス)の構築
- ビジネスインテリジェンス(BI)レポート作成
- データマートの更新
- クラウドへのデータ移行
- データ統合プロジェクト
- 運用データの集約と分析
- データ品質管理
- リアルタイムデータ処理
順に見ていきましょう。
1.データウェアハウスの構築
- 場面: 大企業が各部門のデータを一元管理するためにデータウェアハウスを構築する場合に使用します。
- 詳細: 各部門からのデータを定期的に抽出(Extract)し、必要に応じてデータ形式の変換やクリーニング(Transform)を行い、統合されたデータウェアハウスにロード(Load)します。
2. ビジネスインテリジェンス(BI)レポート作成
- 場面: 経営陣が意思決定に必要なレポートを作成するために、複数のデータソースから情報を集約する場合に使用します。
- 詳細: 営業データ、顧客データ、財務データなどを異なるシステムから抽出し、分析しやすい形式に変換し、BIツールにロードしてレポートを生成します。
3. データマートの更新
- 場面: 特定の部門(例えばマーケティング部門)が日々のデータを分析するためにデータマートを利用する場合に使用します。
- 詳細: マーケティングキャンペーンの効果を測定するために、キャンペーンデータや顧客データを毎日抽出、変換してデータマートにロードします。
4. クラウドへのデータ移行
- 場面: 企業がオンプレミスのデータベースからクラウドベースのストレージにデータを移行する場合に使用します。
- 詳細: オンプレミスのシステムからデータを抽出し、クラウド環境に適した形式に変換し、クラウドデータベースにロードします。
5. データ統合プロジェクト
- 場面: 企業合併や買収後に異なるシステム間でデータ統合が必要となる場合に使用します。
- 詳細: 各企業の異なるデータベースからデータを抽出し、統一された形式に変換し、新しい統合データベースにロードします。
6. 運用データの集約と分析
- 場面: 生産ラインの効率を向上させるために、各機械からの運用データを集約して分析する場合に使用します。
- 詳細: 各生産設備からのログデータを抽出し、必要な分析指標に合わせてデータを変換し、分析用データベースにロードします。
7. データ品質管理
- 場面: 企業がデータの品質を監視し、データの整合性と正確性を確保するためのプロセスを実施する場合に使用します。
- 詳細: 定期的にデータベースからデータを抽出し、不正確なデータや欠損データを修正・補完して、清潔なデータセットを維持するためのデータベースにロードします。
8. リアルタイムデータ処理
- 場面: ISP(インターネットサービスプロバイダ。auひかりやソフトバンク光など。)がリアルタイムのネットワークトラフィックデータを監視・分析する場合に使用します。
- 詳細: リアルタイムで生成されるネットワークデータをストリーミング処理し、必要な変換を行い、即座に分析・アラートシステムにロードします。
BIツールとは
BIツールとは、DWHに蓄積されたデータを短時間で集計・可視化・分析を実行するツールです。BIツールを用いることで、企業が蓄積する膨大なデータを解析し、有用な情報を引き出し、戦略的な意思決定が可能になります。また、データベースから情報を取得し、クエリを実行してデータを加工し、視覚的なダッシュボードやレポートにまとめることが可能です。
BIツールについてより詳しく知りたい場合は、以下の記事をご覧ください。
BIツールの意味とは?目的や仕組み、機能などをわかりやすく解説
BIツールの機能
BIツールの機能は、以下のように大別できます。
- データ収集・統合
- データ分析
- データ可視化
- レポート共有やレポートの自動更新などその他の機能
順に見ていきます。
1.データ収集・統合
- データ接続: 様々なデータソース(データベース、クラウドストレージ、スプレッドシート、APIなど)からデータを収集し、統合します。ETL機能を搭載しているBIツールもあります。
- データクリーニング: 欠損データや重複データの修正、不整合データの標準化を行います。
- データ変換: データ形式の変換や、必要な集計や計算を行い、分析に適したデータセットを作成します。
2. データ分析
OLAP(オンライン分析処理、ピボットテーブルのようにデータを回転させて異なる切り口で分析できる)やドリルダウン(集計データから詳細データに掘り下げて、具体的なデータを確認できる)、時系列分析などの機能があります。予測分析やデータマイニング(大量のデータからパターンや関連性を発見すること)、シナリオ分析も可能です。
3.データ可視化
- ダッシュボード: リアルタイムのデータを可視化するためのインタラクティブなダッシュボードを作成します。これにより、主要なKPI(重要業績評価指標)を一目で確認できます。
- レポート作成: グラフ、チャート、テーブルなどを使って、定期的なレポートを自動生成します。
- インタラクティブビジュアライゼーション: ユーザーがデータをクリックしたり、フィルタリングしたりすることで、必要な情報にアクセスしやすくします。
4. その他の機能
- レポート共有: 作成したレポートやダッシュボードを簡単に共有できます。共有相手はリアルタイムで最新データを確認できます。
- コラボレーションツール: コメント機能やディスカッション機能を通じて、チーム内での意見交換が可能です。
- レポートの自動配信: 定期的にレポートを生成し、指定したメールアドレスに自動配信します。
- データ更新のスケジューリング: データの定期更新を自動化し、常に最新の情報を提供します。
他に、セキュリティポリシーを設定したり、ユーザー権限を設定したりすることも可能です。
BIツールを使う場面
BIツールは、蓄積されたデータを可視化して分析したい時に用いるツールです。具体的には、以下のような場合に使用します。
- 販売分析
- 顧客セグメンテーション
- 財務分析
- 人事分析
- 在庫管理
- サプライチェーン管理
- カスタマーサービスの向上
- プロジェクト管理
- 競合分析
- 健康診断データの分析
順に見ていきましょう。
1.販売分析
- 場面: 販売部門が売上データを分析して、販売パフォーマンスを評価する場合。
- 詳細: 商品別、地域別、営業担当者別などの売上データをBIツールで可視化し、どの商品が最も売れているか、どの地域で売上が伸びているかを分析する。
2. 顧客セグメンテーション
- 場面: マーケティング部門が顧客をセグメント化してターゲットマーケティングを行う場合。
- 詳細: 顧客の購買履歴、デモグラフィック情報、ウェブサイトの行動データなどを分析し、共通の特性を持つ顧客グループを特定し、それぞれに最適なマーケティング戦略を立てる。
3. 財務分析
- 場面: 経理・財務部門が企業の財務状況を監視し、経営戦略を策定する場合。
- 詳細: 収益、コスト、利益などの財務データをBIツールで可視化し、収支のバランスを確認したり、異常値を特定したりすることで、経営判断に役立てる。
4. 人事分析
- 場面: 人事部門が社員のパフォーマンスや満足度を分析する場合。
- 詳細: 社員の勤務データ、評価データ、離職率などをBIツールで分析し、社員のパフォーマンスの向上策や離職防止策を検討する。
5. 在庫管理
- 場面: 物流・在庫管理部門が在庫レベルを最適化するためにデータを分析する場合。
- 詳細: 在庫の入出庫データ、販売データ、発注データをBIツールで分析し、在庫切れや過剰在庫を防ぐための適切な在庫管理策を導入する。
6. サプライチェーン管理
- 場面: 供給チェーン管理部門がサプライチェーンの効率を向上させるためにデータを分析する場合。
- 詳細: 供給元からの出荷データ、輸送データ、納品データなどをBIツールで分析し、サプライチェーン全体のボトルネックや遅延を特定し、改善策を講じる。
7. カスタマーサービスの向上
- 場面: カスタマーサービス部門が顧客からの問い合わせデータを分析し、サービス向上を図る場合。
- 詳細: 顧客からの問い合わせ内容、対応時間、満足度調査結果などをBIツールで分析し、よくある問題を特定してプロセスを改善する。
8. プロジェクト管理
- 場面: プロジェクト管理部門がプロジェクトの進捗状況を監視する場合。
- 詳細: プロジェクトのタスク管理データ、進捗データ、予算データなどをBIツールで可視化し、スケジュールの遅れや予算超過を早期に発見し、対策を講じる。
9. 競合分析
- 場面: 戦略企画部門が競合他社の動向を分析し、自社の戦略を調整する場合。
- 詳細: 市場データ、競合他社の販売データ、業界動向データをBIツールで分析し、競合他社の強みや弱みを理解し、自社の競争戦略を強化する。
10. 健康診断データの分析
- 場面: 医療機関が患者の健康診断データを分析し、健康管理を支援する場合。
- 詳細: 患者の健康診断データ、病歴データ、治療データをBIツールで分析し、健康リスクを早期に発見して予防策を提案する。
ETLツールとBIツールの違い
ETLとBIはそもそもの役割が違います。ETLで様々なシステムのデータを集約し、DWHでデータを蓄積、そしてBIツールにデータを抽出し、グラフなどに可視化して分析するといった流れになります。つまり、DWHとBIツールを活用するためにはETLツールが必要となるのです。
(DWH・・・データの倉庫。システムやETLに蓄積されたデータを、時系列ごと、内容別に分類し、大量にデータを保持し続けることができるツール。)
近年では一気通貫したサービスとして提供されている場合もあるため、DWHはBIツールの一部と認識されている場合もあります。また、ETLの機能を持ったBIツールもあり、3つの機能が連携することで、企業内のビッグデータ運用を促進できます。
以下の、ETLツールとBIツールの違いをまとめた表も参考にしてみてください。
ETL | BI(DWHを含む) | |
目的 | 事前に入力・生成されたデータを加工・流用する | |
対象 | 定型・構造化データ | |
主な役割 | データ抽出 データ変換 データ格納(集約) | データ分析 |
処理頻度 | バッチ処理 | リアルタイム処理 |
処理できるデータ量 | ◎ | ◎ |
速度 | 〇 | 〇 |
データ保管 | × | ◎ |
比較ポイント | データ処理性能 | 分析範囲 |
ETLとBIの違いを押さえて効果的に活用
この記事では、ETLツールとBIツールの違い、機能、それぞれのツールを使用する場面について詳しく解説しました。ETLツールはデータを収集・加工するもので、BIツールは収集したデータを可視化・分析するものという違いがあり、データの処理方法や処理頻度が異なります。それぞれのツールを導入したい・製品ごとの特徴を知りたい場合は以下の記事をご覧ください。
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