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電子カルテについていけない理由とは?紙カルテとの違いや便利な機能を紹介

目次

多くの医療機関が電子カルテの導入を検討していますが、その過程で「電子カルテ導入の利点は何か?」「電子カルテの操作は複雑か?」といった疑問を抱くことがあるでしょう。電子カルテをクリニックや病院に導入することにより、医療スタッフの業務負担を大幅に軽減できるという大きなメリットがあります。

本記事では、医療事務の基本業務・電子カルテ導入の主な利点・そして医療事務スタッフが電子カルテを難しく感じる可能性のある理由について説明します。電子カルテの導入を検討している方々に向けて、ぜひこの記事をご参照ください。

電子カルテが難しい理由

白衣を着た男性

電子カルテの導入が難しいと言われているという理由はいくつかあります。コスト面や操作性など、メリットだけではなく課題もあるのが現状です。

まずは、導入が難しい理由を3つ見ていきましょう。

  • 紙カルテからの移行が大変
  • 操作に慣れるのに時間を要する
  • 故障などトラブル時に対応に追われる

紙カルテからの移行が大変

紙カルテから電子カルテへの移行は、一見すると現代医療の進歩に伴う自然な過渡期と思われがちです。しかし、実際にはこの過程には多くの挑戦が伴います。

長年にわたり紙カルテを使用してきた医療機関では、突如として全面的に電子カルテシステムへと移行することは非常に困難な作業となり得ます。

たとえ移行が成功した場合でも、しばしば紙カルテと電子カルテを併用する状況が生じ、これが医療事務スタッフにとって追加の負担となることも少なくありません。

操作に慣れるのに時間を要する

電子カルテへの移行に際しては、操作に慣れるまで相応の時間が必要となります。パソコン操作に慣れているユーザーであっても、新しいシステムの操作方法を習得する必要がある上、入力データの量も多く、時間を要する場合があります。

さらに、電子カルテにデータを入力する際は、その記録がシステム上に残るため、慎重な操作が求められます。医療事務に関する知識を深めることで、電子カルテの使用が容易になる可能性がありますが、これは一朝一夕に達成できるものではありません。

故障などトラブル時に対応に追われる

電子カルテシステムは、その便利さと効率性にもかかわらず、故障やその他の技術的問題に直面した場合の対応が困難な場合があります。何らかの理由で電子カルテが利用不可能になった際は、診療代や診療内容を手作業で記録しなければならない状況が発生します。

電子カルテを提供する企業に連絡し、サポートを求めながら問題解決に取り組む必要があるため、医療事務スタッフにとって大きな負担となります。このようなトラブルへの対応策をあらかじめ計画しておくことは、電子カルテシステムをスムーズに運用する上で不可欠です。

電子カルテが普及しない理由

医療イメージ

三栄シスポが提供する診療点数計算レセプトソフト「ORCA」は、紙カルテを使用している医療機関と電子カルテを導入している医療機関の双方で活用されています。

医療施設全体で見た電子カルテの普及率が40%以上に達している一方で、ORCAを利用するユーザー群では、その普及率は約30%程度にとどまっています。

この普及率の低さにはいくつかの理由があります。

  1. 紙カルテならではの表現力
  2. 紙カルテ使用の長い歴史を持つ医療機関が多い

理由1:紙カルテならではの表現力

大きな理由としては、紙カルテには電子カルテにはない、独特の表現力があるためです。ある医師は、重要な内容を書く際に無意識のうちに筆圧を強くすることで、その文字を見ただけで診察時の詳細な記憶を呼び起こせると語っています。

また、紙カルテでは、文字だけでなく行間にも重要なニュアンスを込められるとも言われています。このように、紙カルテでは病名の表記をはじめ、細かな表現が可能であり、これが電子カルテには再現できない価値を持っているのです。

理由2:紙カルテ使用の長い歴史を持つ医療機関が多い

電子カルテの普及率がORCAユーザーの間で低い主な理由の一つは、多くの医療機関が開業してから長年にわたり紙カルテを使用しており、その使い勝手に慣れ親しんでいるからです。

長年にわたる紙カルテの使用は、医療機関にとって電子カルテへの移行を技術的、精神的なハードルに感じさせることがあります。これは、長年紙の手紙でのコミュニケーションに慣れている世代に突然スマートフォンを使用してLINEでの連絡を求めることに似ています。

背景:医療情報の標準化

状況の背景には、2001年に厚生労働省によって公表された「保健医療分野の情報化に向けたグランドデザイン」があります。この中で、医療用語やコードの標準化を推進することが掲げられていることも、紙カルテと電子カルテの間で生じる特有の課題と密接に関連しています。

電子カルテの普及に伴い、医療情報のデジタル化と標準化が進む一方で、紙カルテ特有の表現力や柔軟性を重視する声も根強く存在しています。三栄シスポの「ORCA」は、医療機関が直面する電子カルテへの移行の難しさや、紙カルテならではの価値を理解しつつ、医療現場のニーズに応えるべく開発・提供されています。

電子カルテの普及とともに、医療情報の効率的な管理と利用の向上を目指す中で、紙カルテと電子カルテが共存する現状は、医療情報化の進展を象徴する一例と言えるでしょう。

電子カルテと紙カルテの違い

モニターで説明する医師

紙カルテと電子カルテは、同じ患者情報の管理という目的を持ちながらも、その媒体が紙かコンピュータかという根本的な違いによって、それぞれ独自の利点と課題を有しています。

紙カルテの最大のメリットは、その直感的な利用性と独立性にあります。手書きで情報を記録するため、電源が不要であり停電などの緊急時でもアクセス可能です。しかしながら、人の手で入力することから生じる誤字や誤記、紛失といったリスクも無視できません。

電子カルテには、これら紙カルテ固有のリスクが存在しません。デジタル化された情報は、複製が容易であり、セキュリティ対策を施した上で適切に管理すれば情報の紛失リスクは大幅に減少します。

また、紙カルテが物理的な空間を占有する一方で、電子カルテではデータの電子化により物理的な収納スペースの必要がありません。これは特に、長期間にわたり大量の患者データを保管する必要がある医療機関にとって大きなメリットです。

電子カルテシステムは、さまざまな機能を通じて医療現場の効率化に貢献します。その中でも特に注目すべきメリットは以下の通りです。

  • 検索機能の強化:システム化されたデータは、患者名、病名、診療日など、さまざまなキーワードで迅速に検索できる
  • 省スペース:紙カルテが占める物理的な保管スペースを削減し、事務所や診療スペースを有効活用できる
  • 情報の統合性:レントゲン結果や検査記録など、さまざまな診療情報を一元管理し、他の医療システムと連携可能にする
  • 業務効率の向上:情報入力、検索、共有が迅速に行えるため、業務プロセスがスムーズになり、残業時間の削減にも寄与する

電子カルテの便利な機能は、医療現場のさまざまな課題を解決しより良い医療サービスの提供に貢献することでしょう。

電子カルテの便利な機能

医療現場・カンファレンス

電子カルテシステムは、医療機関の効率化と患者ケアの質向上を目的として、多くの便利な機能を備えています。メーカーによる仕様の違いはありますが、一般的に以下の主要機能を提供しています。

  • 直観的操作が可能なインターフェース
  • 定型文やテンプレなどセット機能
  • 紙同様の手書き入力
  • カルテ内を検索する機能
  • 過去のカルテの情報をコピー
  • 音声による入力

直観的操作が可能なインターフェース

電子カルテシステムは、初心者の方でも容易に扱えるように設計されています。このシステムは、日々の医療業務をスムーズに進めるために、直感的な操作性を重視しています。

ユーザーがどの情報を最初に入力し、次に何を記録すべきかを自然に理解できるよう、入力項目が論理的でわかりやすい順序に並べられています。このため、操作中に迷うことが少なく、作業の効率性が向上します。

定型文やテンプレなどセット機能

電子カルテで扱う入力項目は、症状、処方される薬の種類、実施される処置など、医療業務で一般的なものが多いです。これらの項目をあらかじめセットとして登録し、テンプレート化することが可能です。

例えば、「頭痛」という症状や「1日3回ロキソニン」という処方指示を、あらかじめシステムに入力しておくことで、必要な時には選択するだけで済みます。この機能は、よく遭遇する症状や処方薬、その服用方法などを簡単に登録でき、一つひとつ手入力する手間を大幅に削減します。

紙同様の手書き入力

電子カルテシステムには、手書き入力機能も備わっています。この機能により、医師はタッチペンを使用して、パソコンの画面に直接手書きで情報を記入できます。

手書き入力は、医師にとって自然で慣れ親しんだ方法であるため、電子カルテへの移行をスムーズにする上で重要な役割を果たしています。手書き入力機能は、紙カルテを使用していた際の書き心地と似ているため、医師がカルテの記録方法を大きく変更することなく、電子カルテへの移行が可能です。

カルテ内を検索する機能

電子カルテシステムでは、患者さんのカルテを迅速に検索できます。検索窓に名前を入力するだけで、該当するカルテが即座に画面に表示されます。診察や検査を受けた患者の情報も同様に容易にアクセス可能です。

したがって、過去にどのような診察や検査を受けたのか、どのような薬を処方されたのかなど、患者さんの医療履歴を迅速かつ正確に確認することができます。電子カルテシステムのこれらの機能は、医療現場における効率性と患者ケアの質の向上に貢献しています。

過去のカルテの情報をコピー

電子カルテシステムでは、過去のカルテ記載内容を新たなカルテにコピーする機能があります。これにより、以前の診療内容を基にした新しい記録を作成する際、一から情報を入力する手間を大幅に軽減できます。また、治療のオーダーや処方箋の情報も簡単にコピーできるため、入力の正確性を保ちながら作業効率を高めることが可能です。

音声による入力

さらに、一部の電子カルテシステムでは音声入力機能に対応しており、医師や医療スタッフがキーボード操作に自信がなくても、長文の入力や患者との会話内容を簡単に記録できるようになっています。音声をテキストに変換するこの機能は、幅広いシーンでの利用が期待されています。しかし、音声入力システムの誤変換や入力ミスの可能性もあるため、使用後は必ず内容を確認し、専用のマイクの使い方にも慣れる必要があります。

よくある質問

パソコンを使う白衣姿の女性(困る)

電子カルテに関する基本的な知識を紹介してきました。

最後に、電子カルテに関する疑問や質問を紹介します。電子カルテを今後普及させていくためのポイントが詰まっています。

利用を検討している医療機関の人は、特に参考にしてください。

電子カルテと医療事務の関係性は?

医療事務と電子カルテシステムは密接な関係にあり、電子カルテの導入が進む現代において、医療事務スタッフには電子カルテに関する知識と操作スキルが求められます。

電子カルテの効率的な操作ができることは、医療事務の業務をスムーズに行うための重要な要素です。したがって、医療事務を目指す方は、電子カルテシステムの基本操作や特徴を理解し、実践的なスキルを身につけることが必要です。

電子カルテはいつから義務化されるか

2024年3月時点では、電子カルテの導入は義務化されていません。しかし、厚生労働省は電子カルテを含むオンライン資格確認を義務化しました。オンライン資格確認システムのネットワークを使った「電子カルテ情報共有サービス」の構築が進められています。

オンライン資格確認システムは、患者さんのマイナンバーカードのICチップや健康保険証の情報を用いて、患者の資格を即座に確認するシステムです。

システムを医療機関に導入することで、保険証の確認や診療報酬の計算に要する時間と労力を削減し、業務効率の向上が期待できます。

通常、患者は保険証を提示し、医療スタッフはその有効性を確認した後、診療報酬の計算に必要な情報をレセコンに入力します。これらの一連の作業は、一人の患者に対してかなりの時間と労力を要します。

オンライン資格確認の導入により、一連のプロセスが大幅に簡素化され、入力ミスの減少によって患者へのサービス品質も向上することが期待されます。

以上のメリットから、厚生労働省は2023年4月からオンライン資格確認を義務化。この政策は、医療サービスの質の向上と医療機関の業務負担軽減を目的としており、今後の医療業界における大きな変革の一環となっています。

電子カルテの導入にはいくらくらいかかるか

電子カルテ導入の費用相場は300万円程度で、クラウド型・オンプレミス型によっても異なります。クラウド型は100〜200万円程度で、オンプレミス型は250〜400万円程度です。さらに、レセコン一体型の場合には450万円程度まで費用相場が上がってくるでしょう。

  • クラウド型:100〜200万円程度
  • オンプレミス型:250〜400万円程度
  • レセコン一体型:450万円程度

中小規模の医療機関における電子カルテシステムの普及を促進するには、電子カルテメーカー側が導入の際の負担を軽減する取り組みが重要です。特に、高齢の開業医にとっては、将来的な開業の継続性の不確実性を鑑みると、初期投資の負担を最小限に抑えることが特に重要になります。

この点では、従量課金制の導入が効果的な手段となり得ます。診療量に応じてコストが変動するシステムを採用することで、医療機関は必要なサービスに対してのみ料金を支払うことができ、その利便性を高められます。

実際に、保険診療を行わない月もある美容形成クリニックなどからは、利用した分だけの支払いが可能なプランの要望が挙げられています。たとえ完全な従量課金が難しい場合でも、基本料金を極めて抑えたプランの提供が、電子カルテメーカーやレセプトソフトの提供者に求められています。電子カルテの導入提案を行う際には、医療機関が直面している課題とその解決策を明確に提示することが不可欠です。

電子カルテは使いこなすと便利

電子カルテには、検索性の高さや省スペース性など多くのメリットがあります。一方で、紙カルテからの移行の難しさや操作習熟の必要性などの課題も残ります。しかし、医療の質向上と業務効率化のためには電子カルテの導入は必須と言えるでしょう。導入コストを抑えるクラウド型の選択肢や、従量課金制の採用など、導入のハードルを下げる工夫が今後の普及の鍵を握ります。

電子カルテの導入が進む中、医療機関と医療事務スタッフが一丸となって、より良い医療サービスの提供に努めていくことが求められています。電子カルテへの移行を検討する医療機関は、自院の実情を踏まえつつ、長期的視点から前向きに検討を進めていくことが肝要です。電子カルテの普及は、これからの医療業界の発展に大きく寄与するものと期待されます。

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