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ブレンディッドラーニングとは?実際の効果と実践におけるポイントを紹介!

目次

現在注目されている、ブレンディッドラーニングとはどんな学習手法なのでしょうか?この記事では、ブレンディッドラーニングの概要と効果的な実践方法、実践におけるポイントも紹介します。

「ブレンディッドラーニングって初めて聞いたけど、具体的にどのような教育手法なのでしょうか?」「ブレンディッドラーニングって、聴いたことはあるけど、具体的な効果や導入手法を教えてほしい」本記事は、このような声にお答えすることができます。本記事を参考に、自社におけるブレンディッドラーニングの効果的な導入を実現しましょう。

ブレンディッドラーニングとは?

ブレンディッドラーニングとは、様々な学習方法を組み合わせて、新しい学びを構築することで、受講者の学習効果を最大限高める学習方法です。ブレンディッドラーニングにより、学習効果が向上する事例が国内外で多数上がっていることから、ブレンディッドラーニングは「教育のニューノーマル」とも捉えられています。

1.ブレンディッドラーニングの成り立ち

1990年代後半に、インターネットが普及していく中で、インターネットを利用した学習形態であるオンライン学習(eラーニング)の導入が進みました。オンライン学習は、距離的制約や時間的制約を取り払うことを可能にしたため、瞬く間に導入がすすみました。しかし、オンライン学習は学習意欲やモチベーションの維持の難しさ、経験による実感からの学びの欠如などの欠点も多く見えてきました。

そこで、2000年代には、オンライン学習と対面学習を組み合わせた学習形態であるブレンディッドラーニングが注目されるようになりました。ブレンディッドラーニングの定義は、研究者や企業によって様々ですが、最近は、オンライン学習と対面学習のブレンドにとどまらず、「様々な学習手法の組み合わせで、教育的効果を最大限高める手法」と定められている場合が多いです。

2.基本的な形態

ブレンディッドラーニングの基本的な形態

ブレンディッドラーニングの基本的な形態として、対面学習とオンライン学習のブレンドが挙げられます。例えば、オンライン学習で必要な知識を習得(インプット)し、次に対面学習で他者との議論やコミュニケーションを通して、知識や学んだことをアウトプットしていく学習のサイクルを確立できます。

また、先に対面学習を通して、全体像を把握した後に、個別最適な学習をオンラインで学習するなどの学び方も考えられます。ここで重要なのは、学ぶ順番ではなく「様々な学び方が相互補完的に活用されている点」です。これこそが、様々な学びを混ぜ合わせて教育効果を最大限高めるブレンディッドラーニングの大きな特徴です。

3.ブレンドする学び

ブレンディッドラーニングでは、様々な学び方を組み合わせながら、学習手法を確立していくことが重要です。例えば、以下の4つが挙げられます。

  • 集合研修
  • オンライン研修
  • eラーニング
  • OJT

この4つを以下で詳しく説明します。

1.集合研修

集合研修とは、受講者が一同に会して対面で実施する研修手法のことです。集合研修の特徴は、対面での研修であるため、グループワークなどを通して、受講者同士の関係性を構築できることや、ロールプレイやディスカッションなどの、インプットした知識に基づいた実践的研修が可能であることなどが挙げられます。一方で、コストや会場設営などの、運営側の負担の大きさはデメリットと言えるでしょう。集合研修を実践するのであれば、明確なターゲットと狙いを定め、コスト相応の学習効果を見込むことが重要です。

研修の目的について徹底解説している記事はこちらから!

2.オンライン研修

オンライン研修は、zoomやgooglemeetなどのWeb会議ツールを用いながら、受講者がオンライン上で研修行う研修手法です。特徴としては、受講者がどこか一同に会することなく、どこからでも参加できることが挙げられます。新型コロナウイルス感染拡大により、移動が制限された中で、オンライン研修の需要はさらに高まっています。一方で、インターネット環境によってラグが発生することや、研修が中断することなどのデメリットも挙げられます。実際、筆者もWeb会議ツールを用いて、オンライン研修を実践していますが、大規模な研修では毎回複数人の受講者が、インターネット環境に問題を抱えており、スムーズに研修が進行しないことがありました。

オンライン研修ツールのおすすめ製品をこちらの記事で紹介しています!

3.eラーニング

eラーニングは、eラーニングシステムやLMS(学習管理システム)を利活用し、オンライン上で学習する手法のことです。eラーニングの特徴は「いつでもどこでも」学習が可能であることです。しかしこの特徴が起因して、学習に対するモチベーションや意欲が低下してしまうこともあります。重要なのは、eラーニングだけを学習形態にせず、「あくまでも集合研修/オンライン研修を支えるサブ教材的な立ち位置」として、主に知識のインプットや課題等で利活用していくことです。

eラーニングシステムについての詳しい記事はこちらから!

4.OJT

OJTは「On the job training」を指し、実務経験豊富な先輩社員などが、新入社員や後輩に対して、実際の業務を通して業務上必要となる知識やスキルに関するトレーニングを行う研修手法です。特徴としては、実際の業務を通して、即戦力スキルを養うことができることや、上司や先輩との関係性構築が実現できることなどが挙げられます。一方で、教える側の能力によって、学習効果に差が出るなどのデメリットもあります。

OJTとは?意味や目的、教育効果、導入のポイントについて解説!

ブレンディッドラーニングのメリット/効果

ブレンディッドラーニングのメリット/効果

ブレンディッドラーニングを導入することによるメリットや効果は様々です。ここでは、ブレンディッドラーニングのメリット/効果を企業側と受講者側で分けて解説します。自身の立場や状況に照らし合わせて、確認することをおすすめします。

◎企業側のメリット/効果

ここからは、ブレンディッドラーニングの導入における企業側のメリットを紹介します。

1.集合研修における負担を軽減できる

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まず企業側のブレンディッドラーニング導入の効果としては、集合研修における負担を軽減できることが挙げられます。従来の集合研修では、研修管理に非常に多くの人員とコストをかけているケースが多々見受けられました。参加者の交通費、会場費、宿泊費の負担に見合った学習効果を実感できていましたでしょうか?

集合研修のメリットは、多数の社員を同時に効率的に研修でき、受講者同士のコミュニケーションを促進することができることです。ブレンディッドラーニングでは、知識の習得や座学はできるだけオンライン研修/学習で補い、集合研修のメリットであるグループワークや受講者同士の交流に振り切った研修が可能です。「集合研修でしかできない学び」を追求するため、集合研修自体は間延びせず必要最低限の期間で実施することができます。

2.受講者の学習状況が管理しやすくなる

受講者の学習状況が管理しやすくなる

ブレンディッドラーニングは、LMS (学習管理システム)を用いてオンライン学習/研修を進めていくことが多いです。LMSでは、受講者の学習状況がオンライン上で可視化されているため、管理者は簡単に受講者の学習管理が可能です。もちろん、事前知識やインプットするべき研修内容もLMSを通して事前に受講者に提示できるため、管理者の事前準備の負担も軽減できます。

学習管理システム(LMS)についての詳しい記事はこちらから!

◎受講者側のメリット/効果

ここからは、ブレンディッドラーニングの導入における受講者側のメリットを紹介します。

1.学習者の孤立とドロップアウトの防止

ブレンディッドラーニングは主に、オンライン学習と集合研修を組み合わせて行います。ただし、オンライン学習は自律的に学習を進めることが前提になるため、学習者が孤立感・挫折感 を感じ、学習から脱落(ドロップアウト)することが多いのが課題です。この課題に対しては、ブレンディッドラーニングの導入により、オンライン学習に対面授業要素を織り交ぜることによって、学習者と教員間の信頼感や学習者同士の連帯感が得られ、孤立を防ぐことができます。

また、教育研究者は論文に、従来型の対面学習とオンライン学習との組み合わせにより学習者と教員の相互作用が増加すること、ブレンディッドラーニングにより 学習共同体への帰属意識が向上することを報告しています。

2.学習者の学習意欲の向上

ブレンディッドラーニングのオンライン学習において教育研究者は、オンライン学習への過度の傾倒が、オンライン学習のキャッチフレーズである「いつでも、どこでも、自分のペースで学習できる」が「いつでもできるからいまやらなくても良い。どこでもできるからここでやらなくても良い、自分のペースでやれば良いのだから放っておいても良い。」と曲解されることが、学習意欲の低下につながるとしています。

ブレンデッドラーニングの導入により、オンライン学習に対面学習を組み合わせることよって、決まった時間に決まった場所で決まったことをするという節度が生まれ、学習習慣の是正につながるほか、対面学習における他者との協働やコミュニケーションによって、学習意欲の低下を防ぐことができると考えています。事実、過去の研究事例から、学習効果が向上したという例がいくつも報告されています。

3.集合研修における学習効果の向上

最後に、集合研修での受講者の学び方にも注目しておきましょう。ブレンディッドラーニングにおいては、集合研修において既に受講者は、座学の受講や事前知識の習得を終わらせている段階です。そのため、集合研修でのグループワークやディスカッションは、高度な議論が展開でき、受講者それぞれの持論や見解を持ち寄って、実践的な学びが実現できます。

参考文献:ブレンディッドラーニングに関する教育工学研究の動向と展望

ブレンディッドラーニングの効果を最大限高めるポイント

ブレンディッドラーニング ポイント

この章では、ブレンディッドラーニングの効果を最大限高めるために、抑えるべきポイントを徹底解説します。ただ教科書通りに実践するのではなく、自社の状況に合わせた柔軟な研修内容の設計や体制作りがポイントです。

1. 研修設計と研修計画の策定を行う

ブレンディッドラーニングの導入において、ただ様々な学習手法を組み合わせるだけでは、効果を発揮しにくいです。まずは、研修の目的やターゲットを明確にし、誰にどんな学習効果をもたらしたいのかを考えることが重要です。

次に、その目的を達成するためのコンテンツを考え抜きます。「どの場面を想定したコンテンツなのか?」「このコンテンツの学びを最大化するためにはどの手段で提供するべきか?」などの問いに向き合いながら考えていきます。最後に、提供するステップ、すなわち研修スケジュールもイメージすることで、「どの研修内容をいつ実践するのか?」が明確になります。

2.研修におけるサポート体制を整える

さまざまな学習形態が混ざりあっているブレンディッドラーニングでは、受講者が一貫して「目的」に向かえるように管理者側でサポートすることが重要です。具体的には、毎回の研修後に受講者に対して、フィードバックを実施することや、受講内容や研修の進め方に関する質疑応答を実施することなどが挙げられます。

3. ブレンディッドラーニングでの学びの先にある効果や状況をイメージする

ブレンディッドラーニング実践中に、実践後の受講者の理想的な状態をイメージすることで、受講者は研修自体に当事者意識を持ちながら望めることができます。学習において「なぜ私は学んでいるのか」を明確にすることは、学習に対する向き合い方を根本から変えていくことに繋がります。そして、向き合い方の変化は、ブレンディッドラーニングにおける学習効果を最大化します。

ブレンディッドラーニング実践の際の注意点

ブレンディッドラーニング実践の際の注意点

徹底した事前準備を意識する/させる

ブレンディッドラーニングにおいて「事前準備に妥協がない」状態にすることは、学習効果を最大限引き出すために非常に重要です。基本的に対面とオンラインでの学びをブレンドするブレンディッドラーニングでは、対面時でのディスカッションやグループワークで「実践的な学び」を経験します。対面での学びの「質」は、オンラインでどれだけ事前準備できているかによって変わってきます。

必要な知識のインプットなど妥協なく取り組めているかを常に確認し、学習内容が整理された段階で、対面研修など大規模で「アウトプット」を意識している研修に望めることが望ましいです。

ブレンディッドラーニングの導入事例(株式会社オカムラ)

ブレンディッドラーニング 株式会社オカムラ様 導入事例

「社名変更を機に人材育成も問い直す。学ぶ意欲を喚起し、自律的に学ぶ文化を醸成。」
※出典:株式会社オカムラ様導入事例

事業内容 従業員
スチール家具全般の製造・販売
産業機械その他の製造・販売
3868名

導入事例の概要

株式会社オカムラは2018年4月に社名変更を機に、人財育成にも新たな取り組みを始めました。社名変更をきっかけに、「自律的な学び」の実現を目指し、人財開発部門が全体像を見直し、自律的に学ぶ文化を醸成する改革を進めています。具体的には、集合研修とeラーニングを組み合わせたブレンディッド・ラーニングの導入や、勉強会情報を共有するプラットフォーム「etudes」の活用などが挙げられます。

導入前の課題

導入前、株式会社オカムラは研修制度の改善や学びの機会の拡充を求めていました。従来の集合研修では、個々のスキルや学びの成果を十分に評価することが難しく、また、社員が自発的に学ぶ機会が限られていました。このため、自己成長や組織の発展につながる学びの環境を整備する必要性を感じていました。

改善の施策

ブレンディッドラーニングを採用した決め手は、社員一人ひとりの学びのスタイルやペースに合わせたカスタマイズ可能な学習環境を提供できる点でした。オンライン学習プラットフォームを活用することで、時間や場所にとらわれない学びの機会を提供し、社員が自律的に学ぶ文化を醸成することが期待されました。また、eラーニングの導入により、研修の効果を定量的に評価し、改善する仕組みを構築することも目指していました。

導入後の効果

ブレンディッドラーニングの導入後、株式会社オカムラでは学びの機会が大幅に拡大しました。社員はオンライン学習プラットフォームを活用して自己研鑽を行うことができるようになり、自律的に学ぶ姿勢が養われました。さらに、研修の効果を定量的に評価することで、研修の質の向上や効果的な学びの機会の提供につながりました。結果として、社員のスキルアップや自己成長が促進され、組織全体のパフォーマンス向上に繋がっています。

引用:社名変更を機に人財育成も問い直す。学ぶ意欲を喚起し、自律的に学ぶ文化を醸成。

導入した製品:etudes

  • eラーニングシステム LMS
    ソフト種別 クラウド型ソフト
    基本的な機能 集合研修管理 アンケート機能 コース作成 コンテンツ作成 Microsoft office連携 zoom連携 Microsoft Teams連携 マルチデバイス対応 テスト作成 他システム連携 評価・レビュー集計 研修管理 オリジナルコンテンツ作成 セキュリティ科目 シングルサインオン モバイル端末対応 ライブ配信可 ビジネスマナー科目 ビジネススキル科目 テスト作成
    サポート 電話 メール
    トライアル 有り
    最低利用期間 最低利用期間の制限なし
    よく導入している業種

ブレンディッドラーニングの成功に向けて

ブレンディッドラーニングの成功に向けて

ブレンディッドラーニングは、コロナ禍の変革を経て、人材育成において新しい局面を迎えています。成功の鍵は、ブレンディッドラーニング導入の「目的」を見失わないことです。「目的」から逆算して、研修計画策定や事前準備を実践していけば、効果的な導入が実現できるでしょう。

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