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最終更新日:2022/09/27

電子承認とは?概要からシステム導入のメリット・注意点まで解説

社内で扱われる書類には契約書や稟議書、経費精算書類、人事・総務の各種届出など申請・承認が必要なものが多く存在します。これまではこれらの書類は一度プリントアウトし、上司に内容を説明し、最終的に承認用の捺印をもらい保管というように文書一つの承認でも多くの業務プロセスを踏む必要であり生産性を大きく下げる要因となっていました。

しかし近年ではリモートワークの急激な普及により、従来のような紙ベースの申請・承認フローを電子化する、いわゆるペーパーレス化が積極的に推し進められるようになりました。

この記事では電子承認の概要や導入後のメリットや注意点について解説します。

電子承認とは

電子承認とは、電子署名や電子印鑑を活用することで紙に印鑑やサインをするのと同じように、電子化された文書に署名や捺印ができるシステムのことです。

従来までの承認業務というと、紙の申請書を作成し申請者がそれに捺印し、その申請書を承認者までもっていき確認を依頼し、承認者が内容に了解して捺印する必要がありました。このような承認方法には承認者と対面であって捺印をもらう必要があり、承認者が不在の場合や対象者が複数人いる場合は、これらの作業を人数分だけ繰り返す必要がありました。これらからわかるように従来の承認システムは、紙ベースという性質上、非効率的だといえます。

これらの従来の承認システムの問題点を解決するのが電子承認です。2004年にe文書法が制定されて以来、法律で保存が定められている書類の大部分が、電子文書として保存できるようになりました。現在では電子文書関連の法改正などにより、税務関係の書類なども電子文書として保存ができるようになっています。近年ではSDGsが重要視されており、企業のペーパーレス化は政府によって推進されているものであるといえます。電子承認を取り入れることで、社内の完全なペーパーレス化が実現され、申請から承認までのワークフローを電子的にすすめることができ、生産性を大幅に向上させることが期待できます。

ワークフロー(申請・承認フロー)とは

システム化された電子承認を利用することで、具体的に電子化されるのはワークフローであるといえます。ワークフローという言葉自体に馴染みがない方にもわかりやすく説明するならば、それはいわゆる業務一連の流れです。一般的には申請~承認~決裁という流れですので、申請・承認フローと言い換えられることが多いです。具体的な流れとしては、取引先に提示する書類を社員が申請し、上司がその内容に承認するなどがあります。これらの承認作業は性質上、企業の利益に影響する内容や機密事項を扱うものなど、企業側は慎重に行うべき作業なので責任者が押印という形で、その内容に対する責任担保を証明してきました。しかし、これまでのワークフローには申請者と承認者の両側に課題がありました。ここではその内容を説明します。

申請フローにおける課題

申請者は上司に見積書などを提出することになるので、署名や捺印の必要な申請を印刷して用意する必要がありました。そして印刷した書類に手書きで内容を記入して郵送や手渡しなどで提出する必要があり非常に手間と時間がかかっていました。

現在では電子文書の普及により印刷・手入力などを行う企業は減りましたが、電子承認システムを導入していない場合は、捺印・署名などはその書類を印刷して対応する必要がり、工数的には紙ベースで行う場合とそこまで変わらない状態になっています

承認フローにおける課題

承認者側の課題としては、紙ベースの申請書に押印する場合にわざわざその場所に出向く必要があり、場合によっては申請者との予定調整なども必要な場合も考えられます。申請書などは対外的な内容のものが多く、なるべく早く承認を得て取引を進めたい場合が考えられます。このように紙ベースの申請書では承認者の予定によって、押印までの時間が左右され急ぎの書類であっても早急に対応してもらうことが困難という状況になりかねません。

この点、電子承認システムを利用することで、申請者と承認者の両方の問題を解決することができます。

電子承認に必要な「本人性の証明」と「非改ざん性の証明」

以上の説明で電子承認がどのようなものなのか、簡単にお分かりいただけたかと思います。ここでは電子承認を導入する際に必要となる「本人性の証明」「非改ざん性の証明」の二点について解説します。これは電子承認に法的な効力を持たせるために、申請や承認が本人によって行われたことと、文書が改ざんされていないことを証明する必要があるため非常に重要であるといえます。

電子承認の本人性の証明とは

電子承認を行う際にその承認が誰によって行われたものなのか、いわゆる本人性を証明するのが電子文書に記載される電子印鑑や電子署名です。

電子印鑑とは、実際の印鑑の印影をスキャナーなどを使って画像化したものが一般的ですが、このようなタイプの電子印鑑は簡単に複製することができるので、本人性を担保するものとしては不十分といえます。よって電子印鑑をもって承認の本人性を保証する際は、印影のほかにタイムスタンプと呼ばれる押印者や押印された日時などのデータが付帯したものを使用することを推奨します。

次に電子署名ですが、これは前者の電子印鑑と比較してより高いセキュリティを保証できるものといえます。その根拠としては、電子署名は電子認証局から発行される「電子証明書」によってその効力が保証される点にあります。要するに電子署名は国家機関から正式な認証を受けて、本人性を証明することができるので「印鑑証明」を電子化したものとほとんど同等の効力を持つものと考えていただければと思います。

次に冒頭では例として挙げませんでしたが、承認URLによる本人性の証明と呼ばれるものも存在するので解説します。これは承認してもらいたい文書を送付する際に、承認専用のURLを同時にメールで認証者に送ることで本人性を証明するという方法です。この手段における本人性を担保する仕組みは、書類を確認し承認できるものは専用のURLを受信したものに限られるので、そのような性質をもって本人性を担保するというものです。前者の電子印鑑や電子署名とは本人性の証明の性質が少し異なるものといえます。しかしこの手の電子承認方法は、部外者が何らかの手段を講じてURLを入手する可能性も考えられるので、セキュリティ面を考えるとあまりお勧めできません。

電子承認の非改ざん性の証明とは

電子承認では、先ほど説明したで本人性の証明に加えて承認する文書が第三者によって改ざんされていないことを証明する必要があります。電子印鑑において識別情報を印影データに付帯させることによって、その捺印が申請者本人や承認者本人のものであることや、いつ何に対して申請・承認が行われたのかを証明することができることを先ほど説明したかと思います。

この際の識別情報のうちの「日時などのデータ」がその文書の非改ざん性を証明する要素となります。具体的に説明しますと、これはタイムスタンプと呼ばれる一種の証明書のようなもので、その承認作業が実施された日時を正確に記録することで、その後改ざん・改変が行われていないことを証明することができるというものです。このタイムスタンプは時刻認証局(Time Stamping Authority:TSA)と呼ばれる認定事業者が発行するもので、これを取得し承認時に記録することで非改ざん性を担保することができます。

電子承認導入のメリット5つ

ここまでで電子承認がどのようなものか、紙ベースでの申請・承認フローではどのような問題点があるかお分かりいただけたのではないでしょうか。ここでは電子承認を取り入れることでどのように問題点が改善されるのかを導入メリットとして5つ紹介します。

1.申請から承認までの時間が短縮される

電子承認を導入することで、申請書を印刷してそれに内容を手書き記入し、押印を待って郵送するという工程を削減することができます。またシステム化された電子承認を利用すれば、現在の承認進捗状況や誰の承認待ちなのかなどオンライン上で確認することができます。これにより申請者は承認を受けるまでの大体の時間を予測することができるようになるので、その後の作業のシームレスに進行することができ、作業全体の効率が向上します。またワークフローが可視化されるので無駄に工数を割いてしまっている部分など、即座に対応することができ、業務改善にもつながります。

2.リモートワークや出先でワークフロー対応ができる

電子承認はインターネット環境下であれば、基本的には場所を選ばずどこでも承認作業を行うことができます。最近では自由な働き方が認知されてきており、リモートワークなども少しずつ普及しました。これらの環境下で電子承認を利用すると、自宅や移動中などのわずかな時間でも承認作業を行うことができ、少ない時間でも滞りなく取引を進めることができます。

場合によっては、申請者が営業を行い外出先で商談の機会を得た際に、一度会社に戻って上司の承認を得てから再び現地に出向くなどといった必要性がなくなることも考えられます。現地で承認を得ることができるのでスピード感のある取引を行うことができ、商談の機会を喪失することも少なります。

3.書類の印刷関連のコストが削減される

紙ベースの書類で承認する場合、書類を用意するために金銭的なコストが余計に発生します。例えば印刷紙やトナー代など、日々の利用を考えるとできる限り抑えたいコストです。この点電子承認を利用することで、これらの印刷費用が不要になります。持続可能な社会を作るためにも使い捨ての紙を利用するより、電子承認を利用するほうが環境にやさしいので今の時代の流れに沿ったものだといえます。

4.書類の保管スペースが不要になる

電子承認を導入することによって印刷関連費用が削減されることは説明しましたが、これの副産的効果により書類の保管スペースを確保する必要がなくなります。大量の書類を扱うような企業ですと、書類の保管スペースだけでも大規模な空間が必要になります。また承認関係資料は先ほども説明しましたように、機密情報が含まれているためシュレッダーにかける必要がありますが電子承認を導入することでこれらの物理的スペースの確保が不要になります。

5.書類を安全かつ最短で送付できる

承認を受けた書類は、最終的に相手方に郵送することが多いです。その場合、送付先が国内であれば簡易書留もしくは記録郵便で送付できますが、海外であればその分輸送コストと時間がかかってしまいます。また海外の郵便は紛失のケースが多く、重要な資料を送付するのにはリスクが伴います。この点、電子承認を利用すると、電子文書をそのままメールなどで送ることができ、配送コストや紛失のリスクを抑えることができます。

電子承認導入の注意点2つ

ここまで電子承認の取り入れることで得られる良い面を中心に説明しましたが、注意点もあります。ここでは導入を検討する際に、同時に考慮していただきたい注意点を2つ解説いたしますので、これを参考に本当に自社に必要なのか、効果的に活用できるかなどを見極めていただければと思います。

1.すべての書類や契約を電子化することは難しい

電子書類を利用することで得られるメリットは多くありますが、取引先によっては電子文書や電子承認に親和性がなく、従来の紙ベースの書類のほうが好まれる場合もあります。経営者や従業員に比較的若い人が多く、情報関係へのリテラシーが高い場合は問題ないですが、そうでない場合は従来の紙書類を利用するのが無難です。

電子文書は認知度も利用企業も段々と増えてきていますが、すべての企業が導入しているというわけではありません。現在は転換期のような時代なので、従来の方式を利用している企業にはそれに合わせた対応をしていただければと思います。電子承認を導入する前に自社の取引先が電子文書などに対応しているか確認が必要です。

2.導入時にコストが発生する

電子承認を導入するには、そのためのシステム構築や利用、その他付随するコストが伴います。導入時に必要なものは利用形態によって様々ですが、電子文書や電子印鑑ソフト、ペンやタブレットなど初期投資として相応のコストが必要です。

しかしこの点に関しては、ペーパーレス化によって金銭的コストが削減され、承認フローの短縮化による業務効率の向上など、長期的にみると費用対効果は十分に認められます。

電子承認システムの導入でスムーズな業務フローに

いかがだったでしょうか?電子承認を導入することでワークフローが大幅に改善され、様々な方面でのコスト削減も期待できることがお分かりいただけたかと思います。

現在はデジタル化への転換期ともいえる時代で、取引先との互換性などの面において戸惑う点もあると思いますが、その分メリットとして得られるものも大きいと思います。この機会に是非電子承認システム導入を検討してみてはいかかでしょうか?

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