製品を導入することになった背景

日本航空株式会社(以下、JAL)は、「世界で一番お客さまに選ばれ、愛される航空会社」を目指しており、その実現に向けて「JAL Vision」の取り組みを進めています。このビジョンを実現するためのIT戦略推進を担当するのが、株式会社JALインフォテック(以下、JALインフォテック)です。両社は、JAL Visionの実現を後押しするハイブリッドクラウド基盤「CIEL」の構築を決定し、IBMのグローバル・テクノロジー・サービス(GTS)事業をパートナーとして選定しました。

導入前に企業が抱えていた課題

2016年のJAL Vision策定開始当時、JALのITはビジネスのデジタルシフトへの対応に遅れを取っていました。そのため、安全・安心を基盤としながらも、新しい価値を提供するサービスを迅速に展開する必要がありました。この課題を解決するために、最新のテクノロジーを活用しながらも、品質やセキュリティーのガバナンスを維持するインフラが求められていました。

導入前の課題に対する解決策

JALとJALインフォテックは、オンプレミスとパブリッククラウドの双方に同一の仮想化アーキテクチャーを導入することで、2つの環境間でのシームレスな連携を実現することを目指しました。品質、コスト、スピードのバランスを取るため、当時の最先端技術を持つIBMをプロジェクトのパートナーとして選定しました。ハイブリッドクラウド基盤「CIEL」は、プライベートクラウド基盤「CIEL/J」、パブリッククラウド基盤「CIEL/D」と「CIEL/S」、そしてハイブリッドクラウド管理基盤「CIEL/manager」で構成されています。

製品の導入により改善した業務

「CIEL」は2018年12月に稼働を開始し、新しいサービスやアプリケーションの開発を担当するユーザーに対して、品質、コスト、納期(QCD)に応じた3つの基盤の選択肢を提供することができるようになりました。この結果、ITエンジニアが企画や構想立案などの上流工程の業務に注力することが可能となりました。JALグループは、システム基盤だけでなく、ビジネスや人材、ガバナンス、セキュリティーなどの領域でのマルチクラウド活用を加速する計画を進めています。