企業データベースとは、業務内容、規模、業績、財務情報、倒産リスクなど企業に関する莫大な情報を掲載しているシステムです。データベースを利用することによって、営業先のリストを作成したり、なじみのない市場の調査を簡単に行ったりすることができます。今回は、その企業データベースの中でも、無料で使えるツールを紹介します。企業データベースをコスパよく利活用したい方々にとって必見です。
企業データベースとは?
企業データベースは、企業に関する包括的な情報を収集し、整理したデータベースのことを指します。これには企業の基本情報(会社名、代表者名、所在地など)から、財務情報(売上高、利益、資産など)、従業員数、業界評価、倒産リスク、過去の取引履歴などが含まれます。この情報は、ビジネス戦略の立案、営業活動の支援、市場調査、与信調査、新規顧客の特定など、多くのビジネス活動に活用されます。企業データベースを使用することで、営業先のリストを効率的に作成し、新たな取引先を特定することが容易になります。
さらに、与信調査によるリスクの削減や、取引先の売り上げや経営状況を把握し、信頼性の高い取引を促進することも可能です。また、市場動向や競合情報の収集にも役立つため、企業データベースはビジネスの競争力を向上させる重要なツールと言えるでしょう。簡潔かつ包括的な情報を提供する企業データベースは、ビジネスプロフェッショナルにとって貴重なリソースとなり、戦略的な意思決定の基盤を築く一助となります。そのため、適切な企業データベースの選定と活用は、現代のビジネス環境で不可欠な要素と言えるでしょう。
企業データベースの選定方法
企業データベースを選ぶ際、重要なポイントを考えてみましょう。まず、これらの基準に従って最適なデータベースを見つけることが重要です。
1.コスパ重視かデータ量重視か?
企業データベースを選ぶ際、最初に考慮すべきは「コスパ(コストパフォーマンス)」と「データ量」のバランスです。データベースは一般的に高価です。したがって、どれだけの情報が必要で、どれだけの予算が用意できるかを検討することが重要です。コストパフォーマンスを考える際、必要以上の情報を含むことで価格が高騰するデータベースを選ばないように注意が必要です。まずは、自身の課題とビジネス目標を明確にし、必要な情報と予算を考慮して適切なデータベースを選びましょう。
コスパ重視の場合
予算を最小限に抑えたい場合は、無料のツールを検討し、必要な情報を重点的に精査することが必要です。データベースの多くが高価格なため、コストパフォーマンスを最大化することが大切です。
データ量重視の場合
大量のデータが必要な場合は、データベース内の登録企業数や情報の充実度を確認しましょう。ただし、情報が多いほど価格も高くなりますので、必要な情報を絞り込み、適切に活用できるかどうかも考慮しましょう。
2. 登録されている情報の内容
データベース内の情報の種類や品質は非常に重要です。登録企業数だけでなく、情報の詳細さや精度、検索・絞り込みの条件設定の柔軟性を確認しましょう。データベースの品質が低い場合、正確な情報を得ることが難しくなります。各データベースが提供する機能や詳細フィルタ検索の実行能力を確認し、自身のニーズに合ったものを選びましょう。
3. 導入コストを基準に
データベースを導入する際、コストを適切に見積もることが重要です。必要な情報や機能、導入後の維持費用を考慮し、無駄な支出を避けましょう。無料のデータベースも存在しますので、まずはこれらを試してみて、必要に応じて有料のデータベースへ移行することも一つの方法です。
4. 他システムとの連携は可能か?
他のビジネスシステムとの連携が可能かどうかも考慮すべきポイントです。顧客管理システム、営業支援システム、マーケティングオートメーションなどとの連携がスムーズであれば、業務プロセスの効率化が図れます。連携が可能かどうかを確認し、将来的なシステム拡張も考慮に入れましょう。
企業データベースの選定は、ビジネス目標と要件に合わせて行うべきです。自社の目的に応じて、上記の比較ポイントを検討し、最適なデータベースを選定しましょう。情報の充実度、検索・絞り込みの条件設定、アップデート頻度、システムとの連携、導入コストを総合的に評価し、ビジネス成功に向けて最適な選択を行いましょう。
おすすめの無料企業データベース3選
ここでは、おすすめの無料で使える企業データベースを紹介します。それぞれの特徴や機能を踏まえて、利活用してみてください。
1.FUWA
株式会社PlainworksのFUMAは、有力企業160万社のデータからオリジナルリストを作成できる、無料で使用可能な企業データベースです。地域や業種、40,000種以上のタグによる検索条件を指定して、希望のリストを抽出できるのが魅力です。有価証券報告書や官報などの公的な媒体の他、インターネット、紙媒体に至るまで、一般公開されている大量で煩雑な企業情報を独自の技術・ノウハウによりデータベース化しています。 製品のおすすめポイント
1
膨大なデータを手軽に抽出できる、年間利用者300万人の人気サービス 全国160万社以上のデータを提供します。会員登録は不要でブラウザ上で無料・無制限で利用できる手軽さが支持され、年間で300万人が利用している人気のサービスです。表示された件数や基本情報の見出しからリストの中身をすぐに確認できます。従来の営業リスト作成や企業調査にかかるコストや時間を大幅に圧縮します。
2
無料で希望条件に合ったリストが作成できる 無料で使用できます。地域や業種といった条件から業績や規模といった詳細な条件まで好みの条件で最短5秒でリスト表示できます。FUMAが独自開発したタグが40,000種類以上あり、細かなターゲティングが可能です。例えば、「関西で数十人規模のソフトウェア開発業者」などピンポイントでリスト化できます。
3
オプションで良質な企業リストを必要な分だけ抽出 オプションの「FUMAデータサービス」を利用することで、非公開企業情報などの良質なデータがCSVデータで手に入ります。業界平均価格よりも安い単価5円で必要な時に必要な分だけ入手できるので気軽に利用できます。納品データはメールで送付され、見積書や領収書も各画面から発行可能です。
ソフト種別
なし
基本的な機能
営業リスト作成
マーケティングタグ
推奨環境
PCブラウザ
サポート
メール
トライアル期間
無し
最低利用期間
最低利用期間の制限なし
よく導入している業種
製造
IT・情報通信
2.BIZMAPS
株式会社アイドマ・ホールディングスのBIZMAPSは、登録企業者数が170万社以上の日本国内最大級の企業検索サービスです。会員登録のみで月100件までなら、業種、事業内容、売上など複数の項目から絞り込んだ企業情報を無料でダウンロードできるのが特長です。5,000項目以上のオリジナルタグから自社に合ったリストを検索できます。日本全国約3,200人のリサーチャーによって適宜クリーニングされているので、リストの質も高く保たれています。 製品のおすすめポイント
1
月100件まで無料でダウンロード可能で、目的に合わせたリストが作成できる 月100件までリストのダウンロードが無料なので、今までかかっていたリスト購入費を削減できます。リスト作成は地域や業種などの条件で絞り込んでダウンロードボタンを押すだけです。複雑な操作や設定は一切不要で、様々な条件を掛け合わせた「受注が期待できるリスト」を作成することが可能です。
2
全国約3,200人のリサーチャーにより常に鮮度の高いデータベースを提供 データベースは、全国約3,200人のリサーチャーが目視でチェックし、最新情報として更新しています。これにより、常に鮮度の高いリストを利用できます。会社の移転や電話番号変更、解散、合併、役員交代などのあらゆる変化をリサーチャーが定期的にチェックして更新するので精度の高いデータと言えます。
3
営業効率をアップに役立つ、実用的なデータが手に入る 提供されるデータは、住所、電話番号だけでなく売上高や従業員数、代表名なども記載されています。また、新規法人も含めホームページの存在する会社を日々調査しているので、ワンクリックで相手企業のホームページにたどり着くことができるので、情報収集の時間を削減し、営業活動を効率化できます。
ソフト種別
なし
基本的な機能
名寄せ機能
営業リスト作成
リストからメール配信可
推奨環境
PCブラウザ
サポート
メール
トライアル期間
有り
最低利用期間
3ヶ月
よく導入している業種
3.Musubu
Baseconnect株式会社のMusubuは、140万件を超えるデータを持つクラウド型の企業データベースです。サービス名の通り、営業活動の情報を登録し、企業に関連する情報と繋ぎ合わせることで、今まで知らなかったことや、獲得に時間がかかっていた情報を即座に入手できるのが特長です。また、ターゲットの条件を入力してアプローチするだけの誰でも使えるシンプルな構造も魅力です。企業情報の収集を簡単に、素早く、的確にして、労力を最小化します。 製品のおすすめポイント
1
法人営業に必要な、新規営業先の選定からリスト抽出まで簡単に行える 140万件を超える信頼度の高い企業情報から、成約やアポにつながる可能性の高い営業先リストを、たった30秒程度で作成できるスピード感が魅力です。売上など25種以上の絞り込み軸や、事業キーワード・商品名などを指定して全国から企業をリストアップするので、効率的な情報収集が可能になります。
2
データの構造化により、ビジネスに繋がるアプローチが可能に 提供データは、無秩序な情報を整理して置き換える「構造化」の工程を経ています。この工程により、多彩な検索軸や分析などを実現し、「より最適な顧客層」「より最適なアプローチ」を提示します。また、機械工程による自動取得と人力の文章化やチェックを組み合わせ、データ作成のプロセスを標準化して情報のエラーも低減します。
3
本当に必要な情報だけを狙って使用できるので無駄がない 25以上の高度な検索軸を使って自社でデータを作成することで、新規開拓営業で使用するのに必要な情報量の企業データだけを高い精度・ローコストで入手できます。売上高や上場市場種別など基本的な軸はもちろん、従業員数増加率や、約10,000タグの事業内容キーワードでも検索が可能です。
ソフト種別
クラウド型ソフト
基本的な機能
営業活動管理
営業リスト作成
名寄せ機能
顧客分析
Excelアップロード
リストからメール配信可
推奨環境
PCブラウザ
サポート
電話
メール
トライアル期間
有り
最低利用期間
単月から契約可能
よく導入している業種
無料で使える企業データベースの導入事例
では、実際に無料で使える企業データベースを導入することで、具体的にどのような効果を得られるのでしょうか?ここでは、Baseconnect株式会社が提供する「Musubu」の導入事例を3つ紹介します。業種や会社の規模などもそれぞれ異なるので、自社の形態に近いものを参考に、自社への導入を検討していただければと思います。
CASE1.事業内容:広告・放送・出版、従業員数:101-300名
株式会社イーエムネットジャパンはWeb広告代理店として、様々なWeb広告の運用を行っています。Musubuが一年間で「あって当たり前」の営業ツールにまで浸透しました。Musubuの導入によって営業の行動量が4倍になり、成果向上を実現しました。
①Musubu導入前の課題
導入前、営業部門は新規企業へのアプローチにおいてアプローチ先の特定に時間を要し、そのハードルが高いという課題がありました。そのため、Web広告の提案を行うために、適切な企業データを見つける必要がありました。このプロセスは煩雑で時間を浪費するものでした。
②Musubu採用の決め手
Musubuは直感的で使いやすいインターフェースが魅力で、スタッフが迅速に活用できる点が決め手でした。導入は「試してみて合えば活用する」というスタンスで進められ、徐々に全体で浸透しました。これは、特別なトレーニングなしでスタッフがツールを使いこなせることを意味します。
③業務中によく使うMusubuの機能
Musubuを活用する際、営業スタッフはアプローチする業界や業種、資本金などの要件を設定し、アプローチリストを簡単に作成します。このリストから、電話やメールでアプローチを行います。また、データのダウンロード履歴から他のスタッフの活動を確認し、アプローチ先の重複を避けることができます。
CASE2.事業内容:広告・放送・出版、従業員数:51-100名
EPOCH株式会社はブランディング、デジタル広告、クリエイティブ制作など幅広い事業を展開する企業です。この導入事例では、EPOCH株式会社のMusubu活用例を通して、営業活動の効率化と成功について見ていきましょう。
①Musubu導入前の課題
EPOCH株式会社では、効率の悪い営業活動と問い合わせフォームを通じた営業施策の課題に直面していました。営業リストの作成に多くの手間と時間を費やし、また、古いデータの使用や存在しない問い合わせフォームへのアプローチにより、施策の規模が制限されていました。
②Musubu採用の決め手
Musubuの採用は、フリープランの使いやすさと、情報の鮮度が高いことに魅力を感じた結果です。関連情報が充実しており、営業活動に必要な情報が一元化されていることが大きな決め手となりました。また、データの精度と信頼性が高く、アプローチの幅が広がることも魅力の一つです。
③業務中によく使うMusubuの使い方
EPOCH株式会社では、設立年数、決算月、売上増加率などの情報を活用し、営業をかける企業を絞っています。Musubuを使用することで、アプローチに使う軸を明確にし、さまざまな施策を立案できるようになりました。効率的な周年施策の案内や、ターゲティングによる訴求の実施が可能になり、アポ獲得と成約率が飛躍的に向上しました。今後は、取得したメールアドレスを活用したメール施策を計画しており、Musubuを活かした施策の幅を拡大する予定です。
無料で使える企業データベースを有効活用しましょう!
企業データベースは、多くのビジネス課題を解決するための貴重なツールです。しかし、高価格なツールであることから、その使い方を慎重に考えることが必要です。企業データベースは、ビジネスリスクの管理や新しい機会の発見に役立ちます。ビジネス成功のために、問題の特定、情報の精査、コストとスペックのバランス、他の課題への活用、そしてサポートの確認を通じて、無料の企業データベースを有効に利用しましょう。