
スマートOCR
株式会社インフォディオ
導入企業株式会社エプコ
月約2万枚のFAX報告書の入力時間を65%削減、受信から登録まで最大12倍の速さに

スマートOCRは、株式会社インフォディオが提供するAI-OCRです。手書き文字や非定型帳票にも対応し、AIによるテンプレート自動作成、チェックボックスの読み取り、CSVや透明テキストPDFでの出力ができます。項目名と値の組み合わせで抽出するキー・バリュー方式のため、利用部門の担当者がテンプレートを作りやすい点が特長です。アップロードからダウンロードまでを自動で回すアプリ「スマートOCR LOADER」を使えば、API開発をせずに既存システムとつなげられます。利用企業数は1800社を超えています。
| 会社名 | 株式会社エプコ |
| 業種 | 住宅・建築サービス業 |
| 概要 | 株式会社エプコは、1990年設立の住宅・建築業界向けサービス企業です。本社は東京都墨田区にあり、住宅の給排水・電気設備の設計を行う設計サービス、コールセンターや顧客管理、住宅のアフター対応を担うメンテナンスサービス、太陽光や蓄電池、EV充電設備を扱う再エネサービスの3事業を柱としています。金沢と沖縄にオペレーションセンターを置き、社員数は連結で797名(2025年12月末時点)です。 |
課題・導入背景
株式会社エプコは、全国から届く住宅アフターメンテナンスの依頼を沖縄オペレーションセンターで受けており、修理依頼に基づく進捗報告書や完了報告書などのFAXが月に15,000〜20,000枚届きます。導入前は、届いたFAXをプリントアウトして手作業で振り分け、8時から23時までの日中時間帯に4人工で平均326枚をCRMシステムへ手入力し、さばききれない分は深夜勤務のメンバーが対応していました。当日中の登録を目指しても入力が数時間後になることがあり、催促や確認の電話を受けて未入力のFAXを探す作業も生じていました。2025年4月始動のDX推進プロジェクト「H-M2.0」のもと、同社は入力の効率化とペーパーレス化のためのツールを探し始めました。
解決策
同社は「AIOCR シェア高い」で検索し、手書きを含む読み取り精度、非定型帳票への対応、コストの3点で3製品を比較しました。トライアルで同じ手書きFAXの精度を比べ、キー・バリュー方式の分かりやすさと、スマートOCR LOADERでAPI開発が不要になることを決め手に選んでいます。導入から2カ月でCRMとの連携を構築し、並行して運用担当者がメーカーごとのテンプレートを複製して50種類用意しました。現在は、受信したFAXをデータベースに自動登録し、5分間隔でアップロードして、OCR後のCSVをCRM側で取り込んでいます。人の作業は、依頼内容と抽出データ、FAX画像を1画面で見比べて取り違えを防ぐ目視確認に絞られています。
結果
運用開始から半年で、日中時間帯の処理は2人工で平均432枚となり、1人あたりの処理枚数は81.5枚から216枚に増えました。1枚あたりの入力時間は約3分の1に短縮され、約65%の削減です。深夜勤務メンバーの処理枚数も減り、双方がほかの業務に時間を割けるようになりました。FAXの受信から登録までは、以前は最大で半日かかりましたが、前後の自動化システムと組み合わせて遅くとも20〜30分以内に完了するようになり、約12倍の速さです。催促や確認の電話はなくなり、プリントアウトが不要になったことで振り分けやシュレッダーの作業も消えました。テンプレート対応は全体の約70%まで進み、同社は残りの帳票も対応して完全自動化を目指しています。
編集部は、月約2万枚のFAXに対する課題と打ち手の設計が明確な点を評価しました。4人工と深夜勤務で手入力していた状態から、5分間隔の自動処理とCRM連携まで組み、人の関与を1画面の目視確認に絞り込んだ構成に創意工夫があります。完全自動化もできる中で顧客情報の取り違えを防ぐ目視確認を残した判断も妥当です。成果は1人あたりの処理枚数(81.5枚から216枚)や受信から登録までの時間(最大半日から20〜30分以内)といった実測値で示されています。FAXで依頼を受ける業務は多くの業界に残っており、他チームやアンケート入力への横展開も見込まれることから、ドキュメントDX部門 BEST AWARD にふさわしい取り組みと判断しました。
| 会社名 | 株式会社インフォディオ |
| 概要 | 株式会社インフォディオは、2002年7月に設立された東京都文京区の企業です。AIによる文書処理「AI Document Transformation(ADX)」を基盤に、ソフトウェアプロダクトやクラウドサービスの開発・販売と、ソフトウェア開発・システムインテグレーションを手がけています。主な製品はスマートOCR、DenHo、broxで、従業員数は113名(2026年6月現在)です。 |
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編集部コメント
AI-OCRの導入では読み取り精度に目が向きがちですが、編集部が株式会社エプコの事例で注目したのは、読み取りの前後の自動化です。FAXのデータベース登録から5分間隔のアップロード、CSVのCRM取り込みまでをつなげたことで、受信から登録までが約12倍速くなりました。もう一つ、編集部が目を留めたのは目標の置き方です。同社はメンテナンス業務を半分の人員で回し、残り半分を新業務や新分野に配置することを「H-M2.0」の到達点とし、FAX入力の削減をそこへ向かう通過点と位置づけています。他チームやアンケート入力への横展開も視野に入れています。
デジタル化の窓口 編集部