
eYACHO for Business
株式会社MetaMoJi
導入企業コスモ松山石油株式会社・コスモエンジニアリング株式会社
石油プラントの作業予定表を電子承認に切り替え、協力会社を含む145名で年間数百時間を削減

「eYACHO for Business」は、株式会社MetaMoJiが開発する建設・設備工事の現場向けデジタル野帳アプリです。タブレットやiPhoneに手書きのメモ、写真、動画、音声を記録し、書き込みを関係者とリアルタイムに共有できます。紙の帳票をPDFで取り込めば見た目を変えずにデジタル帳票にでき、承認や回覧を複数の会社をまたいで電子的に行えるため、発注者・元請・協力会社の間で毎日やり取りする書類の運用に向いています。図面上での計画作成、電子小黒板付きの工事写真、ビデオ通話「GEMBA Talk」も備えています。
| 会社名 | コスモ松山石油株式会社・コスモエンジニアリング株式会社 |
| 業種 | 石油精製・石油化学/プラントエンジニアリング |
| 概要 | コスモ松山石油株式会社はコスモエネルギーグループの一員で、愛媛県松山市で石油および石油化学製品の製造・販売を行っています。松山工場では常時大小約30件の工事が同時に進み、約20社の協力会社から多い日で数百人が作業に入ります。コスモエンジニアリング株式会社は同グループでプラント・設備の総合エンジニアリングを担う会社で、松山支店が松山工場の保全工事の請負や施工管理を行っています。 |
課題・導入背景
コスモ松山石油の松山工場では常時約30件の工事が並行し、約20社の協力会社が出入りしています。保全工事の請負と施工管理を担うコスモエンジニアリングを含めた3者の間で、書類の承認は紙への押印で回っていました。特に工事の着工可否を判断する作業予定表は、協力会社が毎日紙で作成して両社に提出するもので、書類の作成と、広いプラント内に点在する事務所へ自転車で届ける移動に1日約1時間を要していました。受け取る側のコスモエンジニアリングでも受付と承認に1日約30分を費やし、枚数が増えるとコピー漏れや押印忘れも起きていました。作業予定表は工事終了後5年間の保管が決まっているため書類は膨大で、社内監査のときに必要な書類を探し出すのにも時間がかかっていました。
解決策
コスモエンジニアリングの本社から紹介されたeYACHO for Businessを、複数の会社をまたぐ電子承認ができること、紙の帳票をPDFで取り込めば見た目を変えずに使えること、費用が安いことを理由に選びました。両社の各部署から選んだメンバーでトライアルを始めると、最初の1週間は「今まで通りのほうがいい」という反発が多く、改善策を検討して再トライアルを行ったうえで、協力会社を含む約100アカウントで本格運用に移りました。運用後も承認が止まる問題が残ったため、工事の進捗を一覧にして担当者や協力会社で絞り込める「承認ステータス一覧表」の開発をMetaMoJiに相談しました。この帳票が定着の転機になり、運用開始から半年後に継続利用を決めています。
結果
本格運用から約2年が経ち、利用者はコスモ松山石油57名、コスモエンジニアリング25名、協力会社15社63名の計145名に広がりました。対象の帳票も品質管理記録や現場パトロール記録などへ広がり、工場で使う書類の10〜20%が移行済みです。労働時間は、コスモ松山石油で1人あたり年間25時間、主要4部署の合計で年間約100時間、コスモエンジニアリングで1人あたり50時間、12名の合計で年間600時間が削減されました。コピー用紙も両社でそれぞれ年間約6,500枚と約12,000枚減っています。協力会社については、1人あたり年間約110時間、工事量が最も多い会社では年間約660時間の削減になるという試算です。社内の「ベストジョブ表彰」で2度受賞するなど、現場に定着しています。
評価したのは、発注者・元請・協力会社という会社の境界をまたぐ紙の承認を、現場の反発を受け止めながら2年かけて定着させた進め方です。課題は「協力会社が毎日1時間かけて紙を作り、届ける」という場面で捉えられており、打ち手も、承認の流れが止まる原因を特定して一覧帳票を開発するという、現場の運用に合わせたものでした。成果は両社と協力会社それぞれで労働時間とコピー用紙の削減が数字で示され、145名という利用規模と、工場書類の10〜20%という移行率も明らかです。トライアルで否定的な意見を集めて改善に回した工程は、協力会社を巻き込んで現場のデジタル化を進める他社にも再現できます。以上を踏まえ、働き方DX部門 BEST AWARD にふさわしい取り組みと判断しました。
| 会社名 | 株式会社MetaMoJi |
| 概要 | 株式会社MetaMoJiは東京都港区に本社を置くソフトウェアの開発・販売会社で、徳島支社と大阪・福岡の営業所を持ちます。「eYACHO for Business」は建設現場向けのデジタル野帳アプリで、手書きのメモや写真、音声を1つのノートに記録して関係者と共有できます。帳票をタブレット上で完成させる機能や電子小黒板付きの工事写真も備え、本事例のようにプラント保全の書類運用にも使われています。 |
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編集部コメント
現場のデジタル化は反対されることが多く、本事例でも初回トライアルでは「こんなんやってられへん」という声が上がっています。その声を退けずに承認が止まる場所を突き止め、承認の状況を一覧できる帳票をベンダーに開発してもらった判断が、定着の分かれ目になりました。半年で継続を決め、1年ほどは反発を受けながら運用を続けた時間の掛け方も、現場が慣れるまで待った例として具体的です。編集部の印象に最も残ったのは、協力会社の手続きが楽になったことを担当者が「何よりうれしい」と挙げていることでした。
デジタル化の窓口 編集部