
クラウドリーガル
MOLTON株式会社
導入企業iMU株式会社
役員2名・社員1名のスタートアップが、リーガルAIと弁護士レビューの併用で法務体制を整備

クラウドリーガルは、MOLTON株式会社が提供する、リーガルAIと弁護士の体制を組み合わせた法務支援サービスです。質問に答えるだけで弁護士作成のひな形をもとに契約書を作れるAI契約ドラフト、契約書のリスクを分析して修正案を出すAI契約レビュー、法務AIチャットに加えて、必要なときは所属弁護士が書面のレビューや修正を行います。月額11,000円からの固定料金制で、法務担当者を置けない企業でも費用の見通しを立てながら使えます。日常の企業法務から医療・製薬・ライフサイエンス分野の法務まで対応しています。
| 会社名 | iMU株式会社 |
| 業種 | 医療・ヘルスケア |
| 概要 | 慶應義塾大学医学部整形外科学教室バイオメカニクス研究室の研究成果をもとに、2020年に設立された大学発スタートアップです。加速度センサで取得した歩行データから膝内反モーメント(KAM)を推測する独自技術を持ち、「歩行解析計 iMU One」(一般医療機器クラスI)を展開して、医療現場での膝関節疾患の診断やリハビリ支援に取り組んでいます。役員2名、社員1名の3名体制で事業を運営しています。 |
課題・導入背景
iMUは役員2名と社員1名の体制で、各自が複数の業務を兼任しています。法務の専任者はおらず、契約書の作成や確認は取締役COOの阿部宙氏が担ってきました。創業期から製品開発の初期にかけては契約面で確認すべきことが多く、顧問弁護士に支えられていましたが、販売フェーズに入ると相談の機会は減り、相談の有無にかかわらず毎月の顧問料を支払い続けることが負担になっていました。生成AIで文書を作ることはできても、その内容が法的に正しいかを自分たちで判断できない場面は当然あり、AIの回答をそのまま信じるのはリスクが高い、というのが阿部氏の考えです。少人数のまま、必要なときに専門家へ相談できる体制をどう持つかが課題でした。
解決策
クラウドリーガルの運営会社であるMOLTONの代表、﨑地康文氏と以前から付き合いがあり、勧められて試したのが約1年半前の利用の始まりです。日常的に使っているのは、質問に答えるだけで契約書を自動作成できる機能で、弁護士が作ったひな形をリーガルAIが案件に合わせて整えるため、契約書を自社で用意できるようになりました。最近は、クラウドリーガルの弁護士が書面を直接レビュー・修正する契約審査サービスも利用しました。顧客から求められたソフトウェアの仕様書をChatGPTで文章にし、送付前に弁護士へレビューを依頼したところ、利用規約との整合性やリスクについて阿部氏が気づいていなかった点の指摘と修正を受けました。やり取りは1〜3日で完結しています。
結果
現在、iMUは顧問弁護士を付けていません。リーガルAIによる契約書作成は回数の制限がなく、プランの範囲内であれば追加費用を気にせず弁護士に相談できるため、毎月の法務コストの見通しが立つようになりました。相談はチャットで完結するので、顧問弁護士には「こんなことで相談して良いんだろうか」と躊躇しがちな小さな疑問も早い段階で専門家に投げられるようになり、トラブルが起きてから慌てて弁護士を探す状況を避けられています。当面は社内に法務の専門部署を設ける予定もありません。組織が小さい間は業務を兼任できる人材が必要であり、法務については専任者を置くよりも、クラウドリーガルを法務担当や顧問弁護士のように使い続ける形が自社に合っている、と阿部氏は話しています。
法務の専任者を置けない3名のスタートアップが、契約書の作成、重要書面の弁護士レビュー、日常の法律相談という法務の基本機能を、固定費の見通しが立つ形でそろえた点を評価しました。生成AIで作った仕様書をそのまま顧客に出さず、送付前に弁護士のレビューを通した判断は、AIの利用が広がる中で小規模企業が取れる現実的なリスク管理の形です。医療機器を扱う企業として、契約や規約の整合性を専門家が確認する体制を持つことは、事業の信頼にも直結します。人員を増やさずに法務体制を整え、顧問契約に依存しない形でガバナンスを強化した点を評価し、ガバナンスDX部門 AWARD にふさわしい取り組みと判断しました。
| 会社名 | MOLTON株式会社 |
| 概要 | MOLTON株式会社は、2022年5月設立、東京都中央区銀座に本社を置く企業で、代表取締役の﨑地康文氏は弁護士でもあります。法務AIプラットフォームの開発・運営、BPO(マネージドサービス)、法務・知財・コーポレート分野のプロフェッショナルサービスを事業とし、クラウドリーガルはその中核となるサービスです。対応範囲は契約レビューからM&Aのデューデリジェンスまで及びます。 |
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編集部コメント
編集部がこの事例から受け取った示唆は、法務体制の整備は会社が大きくなるのを待たずに始められる、ということです。阿部氏が語った「AIはユーザー寄りの答えをしがち」という指摘は、生成AIを業務に取り入れている多くの企業に当てはまります。iMUは創業期には顧問弁護士に支えられ、販売フェーズに入ってからはクラウドリーガルに切り替えました。阿部氏が話すように、スタートアップは事業のステージによって法務に求めるものが変わります。契約の形をひとつに固定せず、その時々の自社に合う形を選び直す姿勢が、少人数でも法的なリスクを抱え込まないための現実的な方法だと編集部は考えています。
デジタル化の窓口 編集部