Sushi Bonus
株式会社Polycome
Sushi Bonus(スシボーナス)は、従業員同士が感謝や称賛のメッセージとともにポイントを送り合い、貯まったポイントをデジタルギフトなどと交換できる従業員エンゲージメント向上サービスです。Slack や Microsoft Teams 上で「寿司」絵文字を使うだけという手軽さが特長で、心理的ハードルを下げながら称賛文化を根付かせ、感謝の可視化を通じてモチベーションや組織へのエンゲージメント向上を支援します。
| 会社名 | 株式会社KADOKAWA |
| 業種 | 総合エンターテインメント |
| 概要 | 株式会社KADOKAWAは、東京・富士見に本社を構える東証プライム上場の総合エンターテインメント企業です。書籍・雑誌をはじめ、アニメや実写映像、ゲーム、Webサービス、教育・EdTech など多角的な事業を展開し、年間約5,000冊の新刊を生み出す出版事業から多様な IP を創出。「グローバル・メディアミックス with Technology」戦略のもと、テクノロジーを活用しながら国内外へコンテンツを届ける体制を強化しています。 |
課題・導入背景
KADOKAWAでは、リモートワークや柔軟な働き方が浸透する一方で、部門間の距離感や日々の感謝・称賛が伝わりにくいという課題が顕在化していました。チャットツールは活用されていたものの、「ありがとう」やねぎらいの言葉を気軽に送り合う文化が十分に根付いておらず、部門間連携の見えにくさや、貢献が評価されている実感の不足が指摘されていました。多様なクリエイターが集う組織だからこそ、心理的安全性を高め、互いの貢献を認め合う新たな仕組みが求められていました。
解決策
そこで KADOKAWA は、従業員同士の感謝を可視化し称賛文化を醸成する手段として Sushi Bonus を試験導入しました。普段利用しているチャットツール上で「メンション+メッセージ+寿司絵文字」やリアクションだけでポイントを送り合える仕組みにより、ポジティブなフィードバックを日常のコミュニケーションに自然に組み込みました。また、同社の価値観や多様な職種構成に合わせて運用設計をカスタマイズし、日々リセットされるポイント設計によって「今日の感謝を今日伝える」習慣化を後押ししています。
結果
2024年10月の試験導入開始時は約140名だった利用者は、社内口コミを通じて拡大し、2025年3月末には約5倍の700名弱まで増加しました。利用者アンケートでは9割以上が肯定的と回答し、「リモートでも感謝を伝えやすくなった」「部署をまたいだ相談や情報共有がスムーズになった」といった声が寄せられています。サポート業務など、これまで評価が見えづらかった貢献にも光が当たり、達成感や仕事満足度の向上につながるなど、コミュニケーションと業務推進の双方に良い変化が生まれています。
Sushi Bonusは、日本有数の総合エンターテインメント企業である KADOKAWA において、創造性の源泉である「人と人のつながり」を可視化し、称賛文化を組織全体に広げた点が高く評価されました。リモート前提の働き方でも、部門横断の連携や心理的安全性の向上に寄与している事例です。クリエイティブ産業の大規模組織で、エンゲージメント向上施策をここまで定着させているケースはまだ多くなく、「総合エンタメ企業の組織DX」という観点でも唯一性と先進性があると判断し、組織DX部門 ベストアワードに選定しました。
| 会社名 | 株式会社Polycome |
| 概要 | 株式会社Polycomeは、「テクノロジーを活用して社会を効率化し、持続可能な働き方をスタンダードにする」ことを掲げるHRテック系スタートアップです。2022年2月に設立され、東京都板橋区に本社を置き、従業員エンゲージメント向上サービス「Sushi Bonus」をはじめとするプロダクトを展開しています。チャットツール連携などのテクノロジーを活かし、感謝や称賛の可視化を通じて組織風土の改善や離職率の低減、人的資本の最大化に貢献するソリューション提供に取り組んでいます。 |
他の受賞事例もご覧ください
受賞一覧に戻る
デジタルな絵文字とリアルなギフトを橋渡しする Sushi Bonus は、「ありがとう」をきっかけに組織文化を変えていく好例です。特に、出版・アニメ・ゲームといった多様な職種が混在する KADOKAWA で、部門の壁を越えた称賛の連鎖を生み出している点は印象的でした。寿司というユニークなモチーフを入口にしながら、人的資本経営や心理的安全性といった重いテーマに軽やかにアプローチしている点も魅力で、今後の大企業における組織DXのモデルケースになりうる取り組みだと感じています。