資料動画化サービス SPOKES
株式会社BloomAct
資料動画化サービス「SPOKES」は、PowerPointなどの資料をアップロードするだけで、高品質なAIナレーション付きの資料動画を自動生成できるクラウドサービスです。撮影・録音・編集の専門スキルが不要で、スライドごとにナレーションやテロップを設定し、インタラクティブ動画として視聴者が見たい項目を選べる構成も可能です。社内研修から商品説明、営業提案まで幅広い用途で、情報伝達の均質化と業務効率化を同時に実現します。
| 会社名 | 群馬県 |
| 業種 | 地方自治体・都道府県庁 |
| 概要 | 群馬県庁は、群馬県全域の行政を担う都道府県庁で、前橋市に本庁舎を構えています。知事戦略や地域創生、生活こども、健康福祉、産業経済、県土整備、教育など、県民の暮らしに関わるあらゆる分野の行政を所管し、多様な専門職種の職員が県民サービスの向上と地域の発展に取り組む中核的な公共機関です。 |
課題・導入背景
群馬県では、県庁内の動画・放送スタジオ「tsulunos(ツルノス)」を活用し、県民向け情報や県の魅力を伝える動画を制作し、YouTubeやポータルサイトで積極的に発信してきました。一方で、動画制作には一定の知識や経験が必要で、編集作業の難しさに加え、自分の声でナレーションを録音することへの心理的ハードルが職員の負担となっていました。さらに、県内に多いポルトガル語圏の外国人住民向けに、わかりやすく情報を届ける多言語対応も課題となっていました。
解決策
こうした課題に対し群馬県は、資料をもとに誰でも動画を作れるSPOKESを導入し、職員が普段から使い慣れているPowerPointで説明スライドを作成し、そのままAIナレーション付き動画に変換する運用を構築しました。テロップと音声をスライドごとに調整できるため、専門的な編集ソフトを使わずに、行政説明に必要な情報を正確かつ見やすく表現できます。あわせて、視聴者が知りたい項目を選んで再生できるインタラクティブ動画機能と多言語読み上げ機能を活用し、日本語とポルトガル語など複数言語での案内を一元的に提供できるようにしました。
結果
SPOKES導入後は、動画が職員による対面説明の一部を代替することで、多言語を含む月あたりの説明時間は導入前の80時間から12時間へと約85%削減されました。説明内容を動画に集約することで、説明の抜け漏れや担当者ごとの言い回しのばらつきが抑えられ、「合成音声だと感じないほど高品質」「PowerPointベースなので動画制作のハードルが下がった」といった声も職員から上がっています。現在は庁内6部署で活用が進み、群馬県総合計画の説明や試験動員者向け説明会、委員会新任者研修、職員向け業務研修など、多岐にわたるシーンで情報伝達の質と効率を両立しています。
本事例は、県庁という大規模な行政組織が、多言語対応の資料動画を活用して住民への説明業務を抜本的に効率化している点が高く評価されました。動画スタジオ「tsulunos」による従来の動画発信に加え、SPOKESを組み合わせることで、総合計画や試験案内といった「説明系コンテンツ」を職員自ら継続的に更新できる体制を実現している点も印象的です。月80時間の説明業務を12時間まで削減しつつ、ポルトガル語を含む多国籍な県民への情報提供を実現している自治体DX事例は、現場DXの観点でも稀有であり、「現場DX部門 アワード」にふさわしい取り組みと判断しました。
| 会社名 | 株式会社BloomAct |
| 概要 | 株式会社Bloom Actは、オンライン商談システム「ROOMS」や電子契約サービス「REMOTE SIGN」、資料動画化サービス「SPOKES」などを提供する動画ソリューション・オンラインコミュニケーションの専門企業です。2018年設立以来、「伝わる」情報発信を支援するクラウドサービスを展開し、企業・自治体・教育機関など幅広い組織のDXと業務効率化に貢献してきました。SPOKESは、資料から高品質なナレーション付き動画を自動生成できる点が評価され、自治体DXやベンチャー支援の文脈でも活用が広がっています。 |
他の受賞事例もご覧ください
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行政の現場では、限られた人員で同じ説明を何度も繰り返さざるを得ない構造が長年の課題でした。群馬県の取り組みは、その構造を資料動画とAIナレーションで分解し、職員の負荷を大きく下げながら、県民にとっても理解しやすい形に再設計している点が秀逸です。特に、多国籍な住民に対して同一内容を複数言語で公平に届けられる仕組みは、今後のインクルーシブな行政サービスのモデルケースと言えるでしょう。tsulunosによる映像発信とSPOKESを組み合わせた情報提供は、他自治体にも波及効果の大きい先進事例だと評価します。