SmartHR
株式会社SmartHR
SmartHRは、入社手続きや雇用契約書の回収・保管、社会保険・雇用保険の各種届出、年末調整など煩雑な人事・労務手続きを、クラウド上でペーパーレスに一元管理できる人事労務ソフトです。従業員情報を安全に蓄積し、給与・勤怠システムとの連携やサーベイ・分析機能によるエンゲージメント可視化まで、人事部門のDXと戦略的人事を総合的に支援します。中堅・中小企業から大企業まで幅広い規模の組織で導入が進んでいます。
| 会社名 | 医療法人御殿山 福田総合病院 |
| 業種 | 医療・福祉 |
| 概要 | 医療法人御殿山 福田総合病院は1975年開設の地域密着型病院で、内科・外科・整形外科など多くの診療科を有し、外来・入院医療に加えて保育園や介護事業も展開しています。大阪府枚方市渚西に位置し、エッセンシャルワーカーである医療・介護職員約300名が在籍。地域の「かかりつけ病院」として、医療と介護を一体で提供することを理念としています。 |
課題・導入背景
医療・介護の現場を支える専門職の早期離職が増加し、採用・引き継ぎ・再教育に伴うコストが膨らんでいたことが課題でした。年間の早期離職者が15名に達し、せっかく入職した職員が短期間で退職してしまうことで、現場の疲弊や医療サービスの質への影響も懸念されていました。新卒向け懇親会や外部専門家による面談など個別施策はあったものの、十分な効果検証や継続的な運用に結びついていない状況でした。
解決策
SmartHRの従業員サーベイ機能を活用し、入職後6ヶ月の間に計4回のサーベイを実施して共通設問のスコア推移をモニタリングしました。サーベイ結果をもとに人事・労務担当者が面談を行い、必要に応じて外部専門家の面談も組み合わせることで、早期の離職兆候を把握。さらに、新卒向けに限定していた懇親会を中途採用者にも拡大し、専門職同士がつながれる場を継続的に提供することで、心理的安全性と成長実感の醸成を図りました。
結果
取り組みの結果、年間15名だった早期離職者数は、プログラム導入後の年度では9月時点で2名まで減少しました。個々の退職事案を「点」ではなく組織課題として捉え、早期に支援介入できる基盤が構築されています。また、入社手続き等で日常的に利用するSmartHR上でサーベイや面談案内を完結できるため、新入職員にも受け入れられやすく、「安心して相談できる」「成長を実感できる」職場づくりにも寄与しています。
エッセンシャルワーカーが支える中小規模病院において、早期離職という深刻な課題に対し、年間15名から2名へと早期離職を大幅に減少させた点を高く評価しました。単なる機能導入にとどまらず、人事データを継続的に可視化し、現場のコミュニケーションやマネジメント改善につなげていることは、組織DXの好例といえます。地域医療を担う病院が限られたリソースの中でここまで統合的な定着支援スキームを構築している事例を評価して、本部門アワードに選定しました。
| 会社名 | 株式会社SmartHR |
| 概要 | 株式会社SmartHRは、クラウド人事労務ソフト「SmartHR」の企画・開発・運営・販売を行う企業です。東京・名古屋・大阪など全国に拠点を持ち、人事・労務の業務効率化と人的資本の可視化を軸に、well-working「誰もがその人らしく働ける社会」をミッションとして事業を展開しています。従業員データの一元管理とタレントマネジメントを同時に実現するプロダクトを通じ、日本の労働をアップデートすることを目指しています。 |
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医療・介護の現場は人材確保が難しく、早期離職は社会的にも大きな課題です。その中で、SmartHRの従業員サーベイやレポート機能を使い、入職後半年の体験をデータで捉えながら、人事・現場・外部専門家が連携する仕組みをつくり上げた点に強いインパクトを感じました。離職者数の大幅な減少だけでなく、「安心して働ける」「気軽に相談できる」文化づくりに踏み込んでいる点も印象的で、他の医療機関や福祉法人にも大きな示唆を与える先進事例だと考えます。