MAJOR FLOWワークフロー
パナソニック ネットソリューションズ株式会社
MAJOR FLOWワークフローは、稟議書や各種申請書を電子化し、承認ルートを柔軟に設計できるワークフローシステムです。ノーコードで画面やフローを作成できる一方、必要に応じてコードを書き込むことで、明細行の制御や入力チェックなど高度な要件にも対応できる拡張性を備えています。バックオフィス全体の申請・承認プロセスを一元管理し、意思決定のスピードアップやペーパーレス化、ガバナンス強化を同時に実現するクラウドサービスです。
| 会社名 | 関西ペイント株式会社 |
| 業種 | 総合塗料メーカー |
| 概要 | 関西ペイント株式会社は、1918年創業の総合塗料メーカーで、大阪市北区梅田にグローバル本社を置き、自動車用・建築用・工業用など多様な塗料製品を世界各国へ供給しています。連結従業員数は約1万6,800名、塗料事業で培った技術と人財を最大限に活かした製品・サービスを通じて「人と社会の発展を支える」ことをミッションに掲げています。国内シェア2位・世界シェア9位のリーディングカンパニーとして、環境配慮型塗料などを含む幅広い事業を展開しています。 |
課題・導入背景
同社では年間2,000件近くの稟議書・申請書が紙やExcelで運用され、各拠点から大阪本社への郵送によって回付していたため、決裁までに時間を要し、進捗の可視化も困難でした。こうした中、神奈川県平塚市の開発センターで前身製品MajorFlow Formを部門導入したところ高い評価を得たことを契機に、「紙文化からの脱却」と「製造業DXの加速」を目指し、全社レベルでワークフローを見直すプロジェクトが立ち上がりました。
解決策
同社はMAJOR FLOWワークフローを本格導入し、まず工事購入稟議書と一般稟議書の2種を対象に電子化を進めました。複雑化していた決裁ルートはパターンごとに整理・集約し、一般稟議書はあえて作り込みを抑えたシンプルなフローとすることで、業務のスリム化を優先。一方、工事購入稟議書については従来の紙の流れをできるだけ忠実に再現し、業務ノウハウを損なわない設計としました。ノーコード開発をベースにしつつ、入力チェックや自動入力、動的レイアウト、明細行の数値に応じた回付制御などのカスタマイズを加え、ユーザー目線で使いやすいワークフローを構築しました。
結果
MAJOR FLOWワークフローとRPAの連携により、紙の勤怠管理表処理は年間2,842時間削減され、人件費は50%削減、年間約1,000万円のコスト削減効果が生まれました。PDF化業務は1名あたり月122時間から約61時間へ、入力処理は1人あたり月42時間から20時間へと半減し、担当者の残業時間も1人あたり40時間から10時間へ大幅削減。有給申請の処理は1週間から3日に短縮、請求書発行も5営業日から4営業日になり、請求書訂正件数も50%以上削減されました。
創業100年以上・連結1万6,000名超のグローバル塗料メーカーが、年間2,000件近い稟議・申請という大規模なバックオフィス業務に対して、紙文化からの脱却と業務プロセスの見直しを同時に実現している点を高く評価しました。工事購入稟議と一般稟議で「シンプル化」と「既存業務の尊重」を巧みに切り分け、世代管理機能や明細行の制御などMAJOR FLOWの柔軟性を最大限活かしているのも本事例ならではの特徴です。製造業ならではの複雑な決裁ルートや歴史ある組織風土を踏まえつつ、意思決定スピードとガバナンスを両立させたこの取り組みは、バックオフィスDX部門におけるロールモデルといえると判断しました。
| 会社名 | パナソニック ネットソリューションズ株式会社 |
| 概要 | パナソニック ネットソリューションズ株式会社は、パナソニックグループにおいてBtoB向けITソリューションを担う企業で、ワークフローソリューション・映像ソリューション・ITインフラソリューションの3事業を展開しています。東京都中央区築地に本社を構え、コンサルティングから設計・構築・保守までをワンストップで提供できる体制を強みとしています。MAJOR FLOWシリーズを中心に、書類の電子化や業務自動化、ガバナンス強化を支援するクラウドサービスを提供し、企業のバックオフィスDXと経営課題の解決に貢献しています。 |
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「絶対無理」とまで言われた紙文化を、約9カ月というプロジェクト期間でここまで変革しきったストーリーに強い説得力を感じました。単なる電子化ではなく、明細行ベースの回付制御や年度をまたぐ稟議に対応する世代管理機能など、現場のリアルな要件を丹念に拾い上げた設計が印象的です。社員が自らフローを作り、改善に関わるカルチャーが芽生えている点は、DXの「定着」まで踏み込んだ好例と言えます。製造業のバックオフィスDXが、事業スピードとガバナンス、そして企業文化のアップデートにまでつながり得ることを示した事例だと評価しました。