ラフールサーベイ
株式会社ラフール
ラフールサーベイは、「個人が変われば、組織が変わる」をコンセプトに、従業員の心身の状態やエンゲージメント、ハラスメント・離職リスクなどを多面的に可視化する組織改善ツールです。半年ごとのディープサーベイと月次のショートサーベイを使い分けながら、組織全体の傾向把握と個々人へのケアを両立できる点が特長で、人事施策の検証から人的資本経営まで一貫して支援します。
| 会社名 | 日本プラスト株式会社 |
| 業種 | 自動車部品メーカー |
| 概要 | 日本プラスト株式会社は、1948年創業の自動車部品メーカーで、静岡県富士宮市に本社・テクニカルセンターを構えています。ステアリングホイールやエアバッグなどの安全部品と、車室内全体をカバーする内装樹脂部品の両方を手がける企業は世界でも数社しかなく、その一社としてグローバルに事業を展開。国内外の工場・拠点を通じて、安全で快適なカーライフを支えるモノづくりに取り組んでいます。 |
課題・導入背景
「働き方改善委員会」を立ち上げ、フレックスタイム制やテレワーク、育児休暇制度など制度面の整備を進めてきましたが、施策がエンゲージメント向上や組織活性化にどこまで結びついているのかが見えづらい課題がありました。また、それまで少なかったメンタル不調による休職者が増加傾向にあり、中高年層を中心に体調を崩す社員も出始めていたことから、組織全体の状態を可視化しつつ、一人ひとりに寄り添ったケアができる仕組みが求められていました。
解決策
エンゲージメントだけでなくメンタル・フィジカルや職場環境までを含めて把握できる点を評価し、ラフールサーベイを採用しました。半年に1回のディープサーベイで全社傾向を分析し、改善プランを各部署で実行。あわせて月1回のショートサーベイで個々の変化を追い、メンタル・フィジカル・エンゲージメントいずれかのスコアが前回比20ポイント以上下がった社員には人事が声がけして面談を実施しています。まず強みや高スコアを肯定的に伝えたうえで変化点を丁寧に聞き取り、本人の同意を得て上司や部署への還元・職場改善につなげる運用としました。
結果
丁寧なサーベイ運用と面談・改善の積み重ねにより、メンタル不調による休職者数は導入前に比べて減少傾向となり、面談を実施した社員の約7割でスコア改善が確認されています。また、「成功体験の少なさ」という課題に対しては、管理職の意識改革や表彰制度などを通じて「褒める文化」を醸成し、購買部門ではラフールサーベイのスコアが5点以上向上しました。さらに、九州工場では回答率が35%から80%超へと大きく改善するなど、工場を含む全社で現場の声を反映しやすい環境づくりが進んでいます。
1,000名超の従業員を対象にラフールサーベイを活用し、人的資本経営に本格的に取り組んでいる点が高く評価されました。単なるストレスチェックや制度整備にとどまらず、サーベイ結果をもとに面談や表彰制度、現場改善まで一連のサイクルを構築し、「褒める文化」の醸成や工場の回答率向上など具体的な変化を実現している点も印象的です。重厚な製造業において、メンタル不調抑止とエンゲージメント向上を両立させている先進的な取り組みとして、本アワードの選定基準に合致すると判断しました。
| 会社名 | 株式会社ラフールサーベイ |
| 概要 | 株式会社ラフールは、2011年創業の「メンタルデータ®テック」カンパニーとして、組織改善ツール「ラフールサーベイ」や採用支援サービス「テキカク」などを提供しています。東京を拠点に、データとAIを活用して従業員のメンタル・エンゲージメント状態を可視化し、人的資本経営やウェルビーイング経営の実現を支援することをミッションとしています。「人から逃げない」というスタンスのもと、企業のパートナーとして組織課題に伴走するソリューション提供に取り組んでいます。 |
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安全部品を担う製造業は、品質要求の高さゆえに「できて当たり前」になりがちで、成功体験や称賛が見えにくい環境です。その中で、ラフールサーベイを軸に「働き方改善委員会」の取り組みをデータで支え、褒める文化づくりや工場を含めた全社的な対話の場づくりに踏み込んだ点は、社会的意義の大きいチャレンジだと感じました。メンタル不調者の減少やスコア改善といった成果だけでなく、回答率向上など「現場の声を起点にした変革」を着実に進めている本事例は、製造業の組織DXを考えるうえでとても参考になります。