GO BUSINESS
GO株式会社
GO BUSINESS は、タクシーアプリ『GO』の法人向けサービスとして、タクシーの手配から乗車記録、請求・経費精算までを一気通貫で管理できるクラウドサービスです。乗車日時や乗降地などの詳細なデータを自動で記録し、請求書払いと組み合わせることで、領収書の回収・確認・承認といったアナログ業務を大幅に削減しながら、不適切利用の抑止やコンプライアンス強化にも貢献します。初期費用・月額固定費ゼロで導入しやすく、全国の企業・団体で経理DXとガバナンス向上の両立を支えるタクシー利用管理基盤です。
| 会社名 | 野村不動産株式会社 |
| 業種 | 総合不動産デベロッパー |
| 概要 | 野村不動産株式会社は、住宅開発、オフィスビル・商業施設・物流施設の開発・運営などを手がける総合不動産デベロッパーです。首都圏を中心に国内外で街づくり事業を展開し、分譲・賃貸・管理・仲介などを通じて幅広い不動産サービスを提供しています。本事例では、グループ全体の出納・資金管理を担う資金部が中心となり、インボイス制度対応を契機とした経費精算のDXとタクシー利用におけるガバナンス高度化に取り組みました。 |
課題・導入背景
野村不動産グループでは年間約125万件、うちタクシーだけで約10万件もの経費精算が発生しており、同社だけでも月2,000件超のタクシー領収書処理が大きな負担となっていました。インボイス制度の開始により、従来は法人カード連携で省略できていた領収書の添付が必須となり、領収書の撮影・アップロード作業が一気に増加。紙の領収書だけでは乗車区間や時間が分からず、タクシー利用の妥当性や不正利用の有無をチェックしづらいこと、社員が領収書を溜め込み会計計上が遅れがちになることも、ガバナンスと決算精度の両面で課題となっていました。
解決策
こうした課題に対し、同社はタクシーアプリ『GO』と連携した法人向けサービス『GO BUSINESS』を選定しました。乗降場所や時間が分単位で自動記録され、請求書払いを利用することで、領収書1件ごとの確認・承認を行わずにタクシー利用状況を可視化できる点が決め手となりました。導入にあたっては、まず利用頻度の高い部署からスモールスタートで展開し、「承認レスでありながらガバナンスが強化される仕組み」であることを監査部・コンプライアンス部に丁寧に説明。さらに部署単位ではなく資金部で請求書を一括受領・処理する運用とすることで、現場と事務担当者双方の負荷を増やすことなく全社展開しやすい体制を構築しました。
結果
『GO BUSINESS』導入後は、月2,000件以上発生していたタクシー領収書の申請・承認作業がゼロになり、社員の経費精算と経理側のチェック工数が大幅に削減されました。乗車データが自動で記録されることで、タクシー利用の目的や経路が確認しやすくなり、不適切利用や同一領収書の二重申請も抑止。毎月の請求書を起点に機械的に計上できるようになったことで、経費の締め遅れも解消されました。現場からは「最高のサービス」と高い評価を受け、全社の生産性向上とガバナンス強化に寄与した取り組みとして、同社グループ約8,000名が応募する社内アワードで念願の初受賞にもつながっています。
本事例は、インボイス制度という制度対応をきっかけに、経費精算業務とタクシー利用のガバナンスを同時に刷新した点が際立っています。月2,000件の領収書処理をゼロにしつつ、乗降データの可視化によって不適切利用を根本から抑止するなど、「業務効率化か統制か」という二者択一を超えた設計が秀逸です。スモールスタートと資金部での一括処理という運用工夫により、全社最適の視点で経理DXを実現している点を評価し、ガバナンスDX部門のベストアワードに選定しました。
| 会社名 | GO株式会社 |
| 概要 | GO株式会社は、「移動で人を幸せに。」をミッションに、タクシーアプリ『GO』や法人向けタクシー利用管理サービス『GO BUSINESS』、AIドライブレコーダー『DRIVE CHART』などを展開するモビリティテック企業です。全国のタクシー事業者と連携した配車ネットワークを基盤に、移動体験の向上だけでなく、交通事故削減や脱炭素化といった社会課題の解決にも取り組んでいます。 |
他の受賞事例もご覧ください
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経費精算の世界では「承認ステップを減らすほどガバナンスが弱まる」と考えられがちですが、本事例はその常識を鮮やかに裏切っています。領収書の山をなくしながら、乗車記録の粒度を高めることで統制レベルをむしろ引き上げている点に強い社会的意義があります。制度変更への対応を単なる負担増で終わらせず、グループアワード受賞に至る全社貢献のストーリーに昇華している点も印象的で、他社の経費・ガバナンス担当者にとっても大きな示唆を与えるロールモデルだと感じました。