自動翻訳と翻訳サービスの違いとは
一般的に言われている翻訳システムには大きく分けて2つに分類されます。自動翻訳と翻訳サービスです。簡単に言ってしまうと機械と人間では何が違うのかというところですね。本章では、両方の特徴を踏まえながらメリットとデメリットを説明していきます。
自動翻訳
自動翻訳とは翻訳業務における反復作業を自動化するプロセスのことを言います。最近よく耳にするAIなどを利用した機械翻訳は自動翻訳の手段のうちの1つです。近年はニューラル機械翻訳と呼ばれる方法が主流となっています。ヒトの脳内で神経細胞が行っている情報処理をモデルにした機械翻訳で、翻訳文が出力することが可能です。これはAIと近いイメージのもので、機械が翻訳を学習していきます。
メリット
自動翻訳を利用することによって、処理スピードの速さが1番のメリットでしょう。翻訳士が8時間かける作業を、自動翻訳を利用すれば数分で翻訳文を確認できます。また、完成した翻訳文のバックアップをとることができるのでいつでも見返すことが可能です。たとえば、何回も依頼することになってしまうなら、自動学習を備えているAIに任せた方がコストを抑えることができます。高速で翻訳作業が完成するので、メール・チャットや会話などでリアルタイムで翻訳を必要としたときに最適です。
デメリット
やはり、機械が翻訳作業を行うので、文章がおかしくなってしまうことがあります。特に、近年誕生した言葉や流行語・スラングといった本来の意味とは異なる使い方をする単語や表現に関しては、的確な翻訳は難しいことが現状です。また、正しい日本語を使っていないときは上手く翻訳されませんし、社内で使われている用語などは表記・表現揺れが起きることもしばしばあります。学習機能をもっているとユーザー辞書機能などで単語を記憶することができますが、自身で登録しなければなりません。
翻訳サービス
一般的に翻訳士と呼ばれる人が翻訳作業を行います。通訳と混同されがちですが、通訳は「口から口へ」または「書き言葉から口へ」というような音に変えて説明するものです。翻訳は「書き言葉から書き言葉へ」というイメージで活字を違う言語の活字で説明します。通訳士に関しては全国通訳案内士といわれる国家試験がありますが、翻訳士においては民間資格のみです。
メリット
翻訳サービスのメリットは人間だからこそできる技が一番大きいと言えます。たとえば、アメリカやヨーロッパ特有のユーモアや皮肉といったような独特な表現があったときでも、意訳という形ですっきりと表現することが可能です。反対に日本語から外国語に翻訳する際も、イディオムやネイティブの使う表現を使ったりなど幅広い表現ができます。このように人間自身が翻訳から校正・確認を行うので、ネイティブが見ても違和感を与えることがないようなやり取りが可能です。
デメリット
翻訳サービスのデメリットとしては、やはり費やす時間もコストも大きくなっていまうことだと言えます。人間が行うので最低でも3日程度、長ければ1週間かかってしまうことも多々あるのが現実です。ビジネスチャットツールなどでリアルタイムに会話をする場合には、翻訳サービスへの委託はおすすめできません。また、人間の行う仕事であり、なおかつ民間資格のみ(無資格でも可能)の比較的誰でもできてしまうので、悪く言ってしまうと価格で翻訳者を選んだ際に、品質保証がされていないということになってしまいます。人件費が発生することでそれなりのコストがかかってしまいますが、アポスティーユなどの公文書を翻訳するといった場合は翻訳サービスを利用することが無難です。
おすすめの自動翻訳13選
製品のおすすめポイント
- ほぼリアルタイムで音声を翻訳できるので便利
- いつでもどこでもモバイルを使用して使える
- 会話だけでなく、写真や手書き、タイピングで入力可能
製品のおすすめポイント
- 自動翻訳と手動編集をAIが学習しより高精度に
- 自動翻訳を元にプロ翻訳者への発注・編集が可能
- シンプルな画面で操作も簡単、誰でもすぐ使える
製品のおすすめポイント
- 使うほど精度が上がる!AI自動翻訳と学習機能で翻訳業務の改善に
- 一度に大量翻訳と同時アクセスでスピード処理が可能
- 手厚いカスタマーサービスで導入前後も安心
製品のおすすめポイント
- Webサイト翻訳に特化!ページレビュー数を言語別に分析可能
- 利用目的や環境に合わせてサービス内容を選べる
- システム導入申し込みからサービス開始が早く簡単
製品のおすすめポイント
- 専門用語に強く、特許や金融、法律分野まで翻訳をカバーできる
- 国産エンジンかつ国内限定運用で高品質!セキュリティも万全
- 翻訳量に応じた月額の定額プランで無駄がないコスト!
製品のおすすめポイント
- ただの翻訳ツールではない!英語の学習ができる
- 単語登録数や辞書登録が豊富で効率的に使える
- 負担は月額費用のみ、無料期間キャンペーンもあり低コスト
製品のおすすめポイント
- AI翻訳と独自のデータベースで使うほど適切な翻訳に
- しっかりとしたセキュリティ体制で安心安全
- 段階ごとのユーザー課金でコストに無駄がない
製品のおすすめポイント
- 使いやすいインターフェースで誰でも簡単に翻訳できる
- Officeファイルもそのまま翻訳!レイアウトを崩さない
- プロによる翻訳編集が可能で本格利用にも
製品のおすすめポイント
- 自動翻訳とプロの翻訳で高品質な翻訳が可能
- 翻訳状況を随時確認できる!ダッシュボード機能とアプリで素早い情報共有が可能
- 搭載されている翻訳エンジンは30種類以上!最適な翻訳エンジンを選べる
製品のおすすめポイント
- どんなWebサイトにも対応可能!翻訳制度やセキュリティが強固
- 多言語翻訳でもメンテナンスが簡単。運用コストの削減に
- Webサイトだけでなくスマートフォンアプリにも対応可能
製品のおすすめポイント
- slackでの会話をリアルタイム翻訳!スムーズなコミュニケーションを促進
- 対応言語は100以上。マイナー言語にも即時翻訳
- 初期費用0円で無駄な費用がかからずコスパ最良
有料版と無料版の違いは何か
「翻訳ツール」として検索した際に一番最初に出てくるものはGoogle TranslateやDeepL翻訳といった無料の大手翻訳ツールです。しかし、実際には無料の製品だけでなく有料の製品も多く存在します。無料の製品が有名なら有料の製品にする意味はあるのかといった疑問も出てくるかもしれません。ここでは、有料版と無料版では何が違うのか説明します。
有料版
有料版の場合、データセンターの安全性やデータの暗号化、ウイルスチェックというようなセキュリティ対策が整備されていて安心です。たとえば、有料版ではほとんどの製品に通信が暗号化される機能が搭載されており、ヨーロッパでは「一般データ保護規則」(GDPR)への対応が必須とされています。世界で利用されている翻訳サービスは必ずGDPRに準拠しており、問題が合った際もスムーズに解決が可能です。有料版はセキュリティ面だけでなく、対応言語の数においても無料版と大きな差があります。近年、様々なマイナーな言語でも対応可能で、アジア圏といった1つの国で複数の言語が使われている場合でも心配ありません。また、オプションサービスに課金することで利用できる機能の幅が広がります。たとえば、データエンジンをカスタマイズする機能もあり過去のデータを蓄積・削除することができるので、参考として残しておきたい場合や極秘文書を扱う場合でも学習データを消去が可能です。ビジネスで利用するなら、有料版を強くおすすめします。
無料版
無料版は、一番最初に自動翻訳に挑戦してみるといった踏み台のような目的で、トライアルとして使うことをおすすめします。基本的に、カジュアルで日常使いをする場合に適しているので、ビジネスではフルに活用することは少し難しいです。チャットやメールなど、簡単なオンライン上のコミュニケーションだけに自動翻訳を利用するなら、無料版でも十分と言えるでしょう。また、無料版の場合、基本的なセキュリティ対策が施されているとは言い切れません。やはり、コンピュータ・インターネットを通して利用するものなので、ハッキングや情報漏洩の危険性があります。AIを用いた翻訳ツールを使用する際に、原本となるデータが学習データとして利用されてしまうと、機密データ一緒に漏洩してしまう可能性があるので対策が必要です。
業務に最適な自動翻訳を選ぶポイント
カジュアルにもビジネスにも使える自動翻訳ですが、本サービスではビジネスを目的として利用できるおすすめの自動翻訳を紹介しています。ですが、多くの製品から自社の求めるスペックとマッチしているものを吟味するのは至難の技です。そこで、業務で利用する際に便利で最適な製品を選ぶポイントを挙げていきます。
- 価格
- 機能
- 専門性
- 作業時間
価格は予算内か
製品の費用に関しては無料のものから高額な製品まで様々です。有料版においては、年間利用料が発生するサブスクリプション制のもの、翻訳機能を使用のたびに発生する都度払いのものがあります。オプションサービスを利用する場合にも課金が必要になることもあるので、注意が必要です。
機能を見極める
有料版においては、オプションサービスを追加することで利用できる機能が格段に増えます。機能だけでなく、翻訳したい言語が対応言語として備わっているかどうかを確認することが重要です。
専門領域に対応しているか
自動翻訳の製品にはそれぞれ特長を持っていることが多いです。特に専門性のあるトピックでは、業界用語や専門用語などを翻訳できることが望ましいですよね。難しい法律関係であったり、科学的な内容を翻訳したい場合はその領域に特化している自動翻訳を選ぶことをお勧めします。専門性のあるトピックに対応できる製品は、膨大なデータから専門用語やその知識に関するデータを吸収しているものが多いので安心して翻訳を任せることができます。
かかる時間はどれくらい?
冒頭で自動翻訳のメリットを説明した際に「処理スピードが速い」と述べましたが、翻訳作業をする処理スピードは製品によって差があります。次の章で取り上げますが、オプションを利用することで完成までに時間がかかることもあるので、利用時には注意が必要です。
有料版の活用できるサービス
前々章で述べたように有料版では利用できる機能が多数あります。最初からプランに含まれているものもあれば、オプションサービスとして別途料金が必要になる場合もあるので確認が必要です。また、本章で紹介した機能が全ての有料版サービスに備わっているわけではありません。一部の製品から抜粋していますのでご注意ください。
ポストエディターによるサポート
ポストエディットとは、自動翻訳によってAIが翻訳した内容を翻訳のプロが確認・校正を行うことです。これによって、自動翻訳で速いスピードかつ人間がチェックすることで正確さを生み出すので、大幅な生産性と効率の向上が期待できます。また製品によっては、翻訳プロセスやポストエディター(担当者)を固定化することができるので、文書ごとに表記や表現が異なるといった不安を解決可能です。
逆翻訳機能
自動翻訳における懸念点として、翻訳内容が適切かどうかといった心配もありますよね。この逆翻訳機能を利用することによって、日本語→外国語へ変換した際に翻訳内容が適切かどうかを確認できます。国外の取引や海外拠点の運営には、外国語→日本語という翻訳のみでは通用しません。日本側から発信をする際にはこのような機能が助けてくれます。
クローズアップ5選
本記事では、分かりやすく比較するために大手翻訳ツールを2社、有料の製品を3社をピックアップして比較表にまとめました。
目的 | 価格 | 専門性 | 言語数 | |
---|---|---|---|---|
Google translate | 無料 | カジュアル | × | 109 |
DeepL翻訳pro | 有料 | 両方 | × | 26 |
みらい翻訳 | 有料 | ビジネス | × | 14 |
T-400 | 有料 | ビジネス | 2000分野 | 100 |
やらくぜん | 有料 | ビジネス | × | 28 |
自動翻訳で業務効率が大幅UP
いかがだったでしょうか?世界は徐々に”昔の普通”に戻ろうとしていますが、それと同時に働き方に多様性が認められてきました。業務の生産性を高める手段として、自動翻訳ツールの利用者が今も増え続けています。自動翻訳ツールを導入することで、英語以外の他言語でもドキュメントの理解度をあげることができ、業務効率を向上できるでしょう。翻訳業務は特定の社員に負担がかかることが多々ありますが、負担軽減になるだけでなくそこで生まれた時間を別の業務に充てることが可能です。本記事を活用して、業務効率を改革できるような自動翻訳ツールの導入に繋がれば幸いです。