製品を導入することになった背景

株式会社TSIホールディングスは、国内外に27社のグループ会社を持つアパレル企業グループとして、ファッションを通じて人々の心を輝かせる価値を創造する経営理念を掲げています。M&Aや海外進出、EC事業のオムニチャネル化を積極的に推進し、ブランディングとビジネスモデルの構築に努めている中で、子会社や関連会社、ブランドが増えることで、使用するシステムや用語が異なる組織同士の連携が課題となりました。2015年にグループ共通のポータルシステムを導入し、その後の2019年に「AI-FAQボット」を設置することで、従業員のシステムに関する質問に自動で対応する方針を採用しました。

導入前に企業が抱えていた課題

株式会社TSIホールディングスでは、システムに関する質問を電話で受け付けるヘルプデスクを設置していましたが、「同じ質問が頻繁に来る」という課題がありました。特に「ログインパスワードを忘れた」という質問が多く、その他にも社員異動時のアクセス権限の設定や出張申請、経費精算に関する質問などが多く寄せられていました。社内のイントラネットでQ&Aの履歴やマニュアルを提供していたものの、従業員からの電話での質問が絶えませんでした。

導入前の課題に対する解決策

質問が頻繁に来る課題を解決するため、まず自分で調べられるようにする方針を採用しました。そのためのツールとして「AI-FAQボット」の導入を決定しました。ポータルシステム上に「AI-FAQボット」のウィジェットを設置し、従業員には質問がある場合はまずこのボットを利用するよう伝えました。IT戦略部では、過去の質問内容を分析し、よくある質問に対する回答を充実させることで、ボットの利用を促進しました。

製品の導入により改善した業務

「AI-FAQボット」の導入後、電話での問い合わせ件数やヘルプデスクの業務工数は大きく減少しました。2019年下半期の7月から12月の間で、電話件数は653件から418件に減少し、2020年1月にはさらに370件まで減少しました。また、電話質問の割合も66.2%から46.5%まで減少しました。これにより、ヘルプデスクの業務効率が向上し、電話対応以外の作業時間を確保できるようになりました。