【24年度】小規模向け在庫管理システムを紹介！機能、役割も解説！

在庫管理システムは、非常に便利なシステムです。しかし、なかなか導入に踏み切れない方が多いと思います。導入にはコストがかかり、様々なリスクも存在するからです。特に中小企業や個人経営の場合、導入した後に問題が発覚してしまうと重大な損失につながり、大きな打撃を受けてしまいます。今回の記事では、小規模企業向けの在庫管理システムや、その選び方を解説します。在庫管理システム選びに失敗しないように、この記事を参考にして頂ければ幸いです。

【24年度】小規模向け在庫管理システムを紹介！機能、役割も解説！

在庫管理システムとは？

この章では、在庫管理システムの機能、役割を解説します。まずは、在庫管理システムとはどのようなシステムなのかを整理しましょう。

在庫管理システムの機能

在庫管理システムによって、以下の事ができるようになります。

1. 在庫のリアルタイム管理
2. 発注管理
3. 在庫データの分析
4. 入出庫の効率化
5. 在庫の一元管理

1.在庫のリアルタイム管理

在庫管理システムの最も便利な機能は、リアルタイム管理機能です。これによって、商品の入出庫情報を即座に記録し、リアルタイムで在庫の数や状況を把握できます。そのため、手作業での在庫確認が不要になり、欠品、余剰在庫の問題を早期に発見できます。

2.発注管理

多くのシステムは、在庫が一定の水準を下回った際にアラートを発する機能を備えています。これにより、タイミングよく商品を発注でき、欠品を防止できます。また、発注履歴の記録や分析を行い、過去のデータに基づいた適切な仕入れ計画を立てることが可能です

3.在庫のデータ分析

在庫管理システムは、在庫や売上データを集計・分析し、売れ筋商品や需要の傾向を把握することができます。この情報を活用して、在庫の最適化や販売戦略の改善に役立てられます。特に、需要予測機能を備えたシステムでは、将来の需要に基づいた効率的な在庫管理が可能です

4.入出庫作業の効率化

システムは、バーコードスキャナーなどを活用して、商品の入庫や出庫作業を効率的に行います。これにより、手作業での入力ミスを防ぎ、作業時間を大幅に短縮します。また、最新データが自動的にシステムへ反映されるため、業務全体のスピードアップが期待できます。

5.在庫の一元管理

複数の倉庫や店舗の在庫を一元管理する機能もあります。これにより、拠点ごとの在庫状況を把握し、無駄な在庫移動を最小限に抑えることが可能です。特に小規模なビジネスでは、限られた在庫を効率よく運用するために役立つ機能です。

在庫管理システムの役割

次に、在庫管理システムの役割を説明します。主な役割は以下の4つです

1. ヒューマンエラーを防ぐ
2. コストの削減
3. 在庫管理作業の単純化
4. 従業員のモチベーションや顧客満足度の向上

順番に解説します

1.ヒューマンエラーを防ぐ

在庫を紙やエクセルで管理すると、必ず記入ミスが発生します。そのミスによって欠品が生じたり、経営判断を誤ったりしてしまいます。在庫管理システムを使用することで、記入ミスを気にする必要がなくなります。電子機器を用いて自動的に在庫をカウントできるため、手作業での入力の必要がありません。万が一データの不一致が起きたとしても、エラーが表示されるため問題ありません。

2.コストの削減

在庫管理システムによって、在庫管理業務の自動化が可能になります。そのため、作業人数を減らすことができ、人件費が減少します。特に中小企業にとって、人件費は企業の大きな負担となっています。作業人数、作業時間が減ることで、それらを削減することが可能です。

3.在庫管理作業の単純化

在庫管理システムを用いることで、在庫管理作業が単純化します。在庫情報を１つのPCで一元管理できるため、複雑だった業務がシンプルになるからです。クラウド型のソフトを使用すれば、パソコン、スマホからどこでも在庫情報を参照できるため、おすすめです。

4.従業員のモチベーションや顧客満足度の向上

在庫管理システムの導入は、従業員のモチベーションや顧客満足度の向上にもつながります。在庫管理システムの活用によって作業が単純化し作業時間が削減されます。それによって、従業員のモチベーションも上がります。さらに、ECサイトなどを運営している場合は、顧客に在庫情報を明確に表示できるようになるため、顧客満足度の向上にも寄与します。

在庫管理業務は、それ自体が付加価値を生む業務ではありません。しかし、在庫管理業務を改善することで、様々なメリットを得ることができます。例えば、在庫管理にかかる時間が減少すれば、その他の業務により多くの時間を割けるようになります。これによって、企業の生産性が向上します。特に中小企業にとって、限られたリソースを大切な業務に割くことは大切です。このように、在庫管理が改善されると他の業務にも良いお影響を及ぼします。そのため、在庫管理システムの導入を検討することをおすすめします。

小規模向けの在庫管理システム10選

在庫管理システムには、大規模な企業に向いている製品と、小規模な企業に向いている製品が存在します。今回は、小規模向けの在庫管理システムを紹介します。導入の際の参考にしてください。

1.W3　mimosa

株式会社ダイアログのW3 mimosaは、高機能かつリーズナブルなクラウド型倉庫管理システムです。商品のケース管理やロット管理なども標準搭載機能が充実しており、ノンカスタマイズで即時導入が可能です。各業界の標準テンプレートを完備し、ECサイト、販売管理などとのシステム連携にも対応しています。倉庫管理に関わる、人の動き・物（ハード）の使い方、業務手順の改善など、システム導入後に見えてくる課題にも柔軟に対応できる設計が強みです。

• 現場のニーズに即した多くの機能で、課題を解決
• 直感的な操作性と、場所を問わないクラウド管理
• 様々な業務シーンにて利用可能で、コストパフォーマンスも高い

2.mylogi

アートトレーディング株式会社のmylogiは、シンプルで簡単な操作が特徴のEC向け在庫管理システムです。mylogiはプロの物流会社にも使われている本格的なシステムで、EC運営に必要な機能がそろっています。正しい在庫管理や業態にすることで、EC運営を助けることが可能です。またアートトレーディングという、EC運営のパートナーとしてEC運営のシステム構築、運営、コンサルティングや受注から出荷をサポートするサービスも行っています。

• EC運営に携わってきたからこその使いやすいシステム
• ECサイトの注文データを取り込み、シンプル運用
• 充実のサポートと、既存システムとの充実した連携

3.Tana

Instoll株式会社のTanaは、複数のメンバーと簡単に在庫管理を行える、クラウド型の在庫管理システムです。Tanaは大学の研究室から生まれたソフトで、実験用資材を管理するために使われていました。スマホだけですべての在庫を管理できることが強みです。また日本語だけでなく多言語にも対応しており、日本語が苦手な留学生でも使用可能です。1名での利用であれば、無料で利用できます。

• 在庫をチームメンバーと共同管理可能になる
• スマホでバーコードをスキャン、11種のバーコードに対応
• 安心の多言語対応と、基本的な在庫管理機能

4.TEMPOSTAR

SAVAWAY株式会社のTEMPOSTARは、「やりたいこと」が「できること」へ変える、運用方法に合わせた柔軟な対応ができるECサイト向けの在庫管理システムです。手作業で行っていた管理を削減し、運用方法に合わせてシステムをカスタマイズできることが強みです。導入することで、効率化によるコストカットや在庫管理の最適化に繋がり、多店舗展開を容易に行えることで売り上げアップにつながります。初期費用も0円です。

• クラウド環境でいつでもどこでも利用可能のシステム
• ASPでありつつ、店舗の環境に合わせてカスタマイズして提供
• 売り上げの拡大を助ける新機能をリリースし続ける

5.Flam

株式会社フリップロジック のflamは、売上、仕入、在庫の管理を簡単かつスムーズにする、クラウド型の在庫管理システムです。販売から仕入、在庫業務を簡単に連携可能で、会計システムともボタン一つでデータを連携できます。使いやすさにもこだわっており、クラウド型ソフトであるにも関わらず高速レスポンスが可能です。高い機能性と安定性を保ちながら、価格は1日300円と低価格です。またMacやWindowsだけでなく、タブレットでの利用もできます。

• 安い導入費用と維持管理費用によってコストダウンを実現
• システム管理者と担当者を面倒な業務から解放
• ビジネスに必要な基本的な機能が集約されている

6.アラジンオフィス

株式会社 アイルのアラジンオフィスは、中堅・中小企業を中心に5,000社以上で利用されている、販売管理・在庫管理システムです。クラウドでの利用も可能で、テレワーク・在宅勤務を可能にします。多くの利用者の声を反映し、販売管理に必要な機能を標準搭載した完成度の高いパッケージです。ファッションや食品、化粧品や医療など、業態に応じてシステムが構成されており、業務形態に合ったシステムの運用が可能になります。

• 利用者の声を反映した豊富な機能と、外部連携可能な柔軟性がある
• Webとリアル両面から支援するトータルソリューション
• 最適な提案と、安心のフォロー体制で導入後もスムーズに

7.在庫スイートクラウド

株式会社インフュージョンの在庫スイートクラウドは、現場とオフィスをクラウド連携し、在庫を見える化して作業を進める在庫管理システムです。東京交易やZWILLINGなどに使われています。バーコードを活用した実在庫管理、棚卸に特化したシステムで、モノの入出をリアルタイムで把握できます。現品ベースの実在在庫を管理し、帳簿在庫だけでの管理で陥りがちな課題を解決可能です。またハンディターミナルとスマートフォンなど、自社に合ったデバイスを選択できます。

• クラウドを使った現品ベースの実在庫管理システム
• バーコードが読めない場合はテンキー入力可能
• 拠点数無制限、最大ユーザー定額制で利用可能

8.クラウド在庫管理ソフトzaico

株式会社ＺＡＩＣＯのクラウド在庫管理ソフトzaicoは、累計15万件のダウンロード数を誇るクラウド型の在庫管理システムです。GooglePlayおよびAppStoreにおいて在庫管理アプリとしてNo.1を達成しており、有料プランも31日間無料で試せるため、在庫管理システムに興味があるが今まで手を出せなかった人にもおすすめです。在庫のExcel管理から脱却し、見える化を実現。紙での在庫管理から工数を半分にした事例もあるシステムです。

• シンプルで使いやすく、圧倒的な低コストで利用できる
• PC・スマホから利用可能で、クラウドなのでいつでもどこでも使える
• 会計ソフトとデータ連携可能、QRやバーコードも使える機能性

9.ロジクラ

株式会社ロジクラのロジクラは、無料から使え、ECビジネスをエンパワーメントできる在庫管理システムです。従来のExcel管理から脱却し、業務効率化ができます。札幌グループ物流株式会社やUNIONTOKYOなどで利用されており、PCから使えるだけでなく、iPhoneでの入出荷処理や在庫管理が可能です。OMSやカート、モールとの連携も可能で、送り状などのシステムと連携し業務を今まで以上に楽に、そして素早く行えるようになります。

• 複数拠点に対応、いつでもどこでも在庫管理が可能になる
• コストを抑え、iPhoneを使って検品可能
• 通販の出荷業務を効率化、送り状や納品書の作成が可能

10.インターストック

株式会社オンザリンクスのインターストックは、倉庫管理、在庫管理を簡単に使えるようにデザインされた、コンパクトな倉庫管理システムです。中堅企業向けに作られており、オープンソースであるためカスタマイズも容易です。追加カスタマイズが無料で可能で、内製化・アジャイルも対応しています。TOTOやオタフク、YKKなどの大企業にも使われており、導入稼働率は99.8%と高い数字を記録しています。インターネットでもサポート充実度や顧客満足度No.1のソフトです。

• 使い安いデザインと、充実したハンディ機能
• 豊富な在庫分析が可能で、効果を出す機能が充実
• 成長型システムで年2回の無償バージョンアップがある

クラウド型とオンプレミス型の違い

在庫管理システムには、大きく分けて２つの種類が存在します。この２つの違いを説明します。

クラウド型の特徴

クラウド型のソフトは、インターネットを介して提供されます。ユーザーが自社のサーバーにインストールすることなく利用することが可能です。そのため、アクセスが容易であるという特徴があります。インターネット環境さえ整っていれば、どこからでも接続することができるからです。また、コスト効率が良いという特徴もあります。初期投資が少なく、サブスクリプションモデルで提供されるため、運用コストを抑えることができます。データのバックアップと復元も自動で行ってくれるため、データ損失が少なくて済むという特徴もあります。

オンプレミス型の特徴

オンプレミス型ソフトは、企業内のサーバーやハードウェアにインストールされるソフトの事です。 データが企業内のサーバーに保存されるため、データの管理権限やセキュリティ対策を自社で完全にコントロールできるという特徴があります。また、クラウド型と違ってオフラインアクセスも可能です。そのため、インターネット環境が不安定な場所でも使用することができます。さらに、自社サーバーで管理を行うため、高いカスタマイズ性も持っています。一方、運用にコストがかかるというデメリットも存在します。ソフトの運用のためにIT部門が選任で対応しなければならないため、その分の人件費がかかります。また、導入の際にも初期費用が必要になります。

中小企業の場合、初めはクラウド型システムを選ぶことをおすすめします。クラウド型はコストが低く抑えられるため導入しやすく、運用も簡単だからです。たしかに、オンプレミス型システムの方が多くの機能を備えており、セキュリティ性能も高いです。しかし、中小企業が初めて在庫管理システムを導入する場合は、クラウド型システムで十分だと考えられます。まずはクラウド型在庫管理システムを導入してみて、企業規模が拡大したタイミングでオンプレミス型システムに変更するのが良いでしょう。

エクセルを用いて在庫管理システムを自作するには

手書きで在庫管理を行うよりも、エクセルを用いた方が作業効率が上がります。この章では、エクセルを用いて在庫管理を行う方法を紹介します。

入れるべき項目

まず、シートには以下の項目を入れるべきです。

1. 商品名
2. sku番号
3. カテゴリー
4. 入荷日
5. 数量
6. 単価
7. 総額
8. 最小在庫量
9. 補充ステータス

特に大切なのが、最小在庫数です。エクセルで在庫を管理する場合、常にこの値を下回っていないかを確認する必要があります。

関数の使用

関数を使うのもおすすめです。例えば、SUM関数やCOUNTIF関数を用いれば、補充が必要な商品数を簡単に把握できます。また、条件付き書式の使用も有効です。この書式を使えば、特定の条件に基づいてセルの色を変更できます。そのため、最小在庫数を下回ったセルに色をつけることができ、認識しやすくなります。

中小企業にとって、エクセルを用いて在庫管理を行うことも効果的です。なぜなら、エクセルは初期費用がかからず、カスタマイズ性も高いからです。そのため、在庫管理システムの導入ができない場合は、エクセルでの在庫管理から始めてみることをおすすめします。

エクセルでの在庫管理についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

在庫管理システムは自作可能？メリットやエクセルでの基本構成、問題点を解説

まとめ

在庫管理を効率化するために、在庫管理システムの導入は非常に有効です。しかし適していない製品を導入してしまうと、かえって効率が悪くなったり、余計な費用が掛かったりしてしまします。特に中小企業の場合、そのような負担を負ってしまうことは経営に悪影響を及ぼします。そのため、必ず小規模向けの在庫管理システムを選んで頂きたいと思います。適切なシステムを選定することができれば、在庫管理業務が改善され、企業全体の生産性の向上にもつながります。この記事を参考にして、小規模向けの在庫管理システムを正しく選定して頂ければ幸いです。